「君は、この世界には愛がないと思うかい?」
端正な顔立ちをした、黒いパーカーを纏った青年は笑顔のままで隣の少女に話し掛けた。
少女は若干うんざりしたものを覚えているのか、心底面倒そうに溜め息を吐く。
美青年と美少女、実に目の保養になる光景だったろうが、彼らの間柄はそんな微笑ましいものではない。
むしろ―――青年の命を握っているのは、少女の方だった。
いわば、この状況においては少女こそが、優位に立っている。
「俺は愛に溢れていると思うなあ。神様はきっと余程ラブロマンスが好きなんだろうね。
この世の中は歪んだ恋がメチャクチャに溢れている。君は素晴らしいと思わないかな?」
「………別に。あなたの意見に同意する気は悪いけどないです」
「はは、つれないねえ。ま、俺は人の愛を引っ掻き回すのも大好きなんだけど」
「最悪じゃないですか」
背中に銃口を突き付けられているとは思えない軽薄な口調で、いつも通りに青年は言葉を紡ぐ。
少女は内心、心底面倒な奴を相手にしてしまったと激しく後悔しながら、彼を先行させていた。
もっとも彼女はこの青年が本来どれほどのものを引っ掻き回し、壊してきたのかを知らない。
知ったとしてもどうなるわけでもないが、目の前の青年を軽視してしまっていた。
「……貴方、分かってるんですか? 貴方に残された時間は後、たった数分なんですよ?」
「ん? ああ、勿論理解してるよ。だから今の内にこうして戯言を吐いてるんだ」
「奇特な趣味ですね」
「よく言われるよ。それが原因で一人、とんでもない奴を敵に回しちゃったけど」
とんでもない奴を、のくだりだけ、青年の笑顔が苦笑に変わったのを少女は見逃さなかった。
未だにこの青年を計りかねている彼女にとっては、またも予想外の展開で、生殺与奪の権限を握っているにも関わらず、当の彼以上に疲弊していたとさえ言える。
「それで、麗華ちゃんは俺を殺した後どうするんだい?」
「次の獲物を探すだけですよ……雪子を生き残らせる為なら、私は誰だって殺します」
麗華、と呼ばれた少女――――瀬戸麗華は、俗に奉仕マーダーと称されるスタンスを取っている。
全ては狭山雪子を生き残らせる為に、彼女は機械的に、殺し合うことを決めた。
支給されたコルトガバメントを片手に徘徊していたところで、この青年と遭遇したのだ。
あまりに無防備すぎた青年を殺すことは簡単だったが、彼に気付かれてしまったことが戴けなかった。
別に麗華は無感情の殺戮マシーンではない。
単なる一中学生に過ぎない普通の少女だ――良心の呵責に襲われないわけがない。
しかし青年が要求してきたのは自らの命を救うことではなく、殺すまでの猶予だった。
たった十分だけでいいから、人生を振り返る時間をくれないか。彼はそうとだけ要求した。
勿論ディパックは預からせて貰ったが、結局麗華は彼の要求を呑むことにする。
自ら死を受け入れてくれれば、後に押し寄せる罪悪感は少なくて済む、と考えた故だ。
だが、いざ猶予タイムに入ってみれば。
青年は自らが殺されると言うのに、饒舌に自分なりの哲学を語ってみるだけ。
とてもではないが自分の人生を振り返っているようには見えないし、自分の今まで温めてきた哲学理論を死ぬ前に語り継ごうとしている、という印象さえ受ける程だった。
流石に不信感を覚えた麗華は、銃口を突き付ける力を強くして、訴えるように問いかける。
「貴方、何か企んでいませんか」
「ははは、まさか。武器は取り上げられてるし、背中には銃口。どうしようもないよ、さすがに」
言っていることはごもっともだ。
仕込んだ武器がないことも確認したし、確認漏れがあったとしても銃弾が彼を貫くのが精々。
堂々と構えていればいいものを、どうしても余裕綽々の青年に不安を覚えてしまう。
「死にたくはないけど、悪あがきをしてみる気はないかな――不安だったら、もう殺してみるかい?
そんなことをしたら俺は一生君のことを恨み続けるけど、構わないならどうぞやってみてよ」
「………いえ、いいです」
――――こういうところだ。
暗に警告しているのに、本人は怯えることもなくペースを一切崩さずにべらべらと喋る。
麗華の日常には絶対に登場しないようなキャラクターで、だからこそ彼女は戸惑いを隠せない。
背中越しにも動揺している様子が伝わっている、それくらいだ。
「俺はこの
殺し合いから脱出したかったんだよね。優勝でも主催の打倒でもなく、脱出」
やはり笑顔を崩すことなく語る青年の姿からは、目的を果たせない悲しみなど微塵も感じられない。
逆に、今この状況を最大限楽しもうとしているような、そんな様子。
麗華からすれば、この状況でまだ『楽しむ』なんて思考が出来ること自体が考えられないことだった。
殺しておく方が安全ではある。
しかし何度も言うように彼に反撃の術はなく、一方的に麗華が生殺与奪を握っている。
沸き起こる不安を気のせいだと押し込め、苦痛と感じながらも青年の声に耳を貸す麗華。
それに気付いていない風に、ただ自己中心的に、青年は語る。
「でもま、ここで死ねるなら怖い目に遭わずに済んだと喜ぶべきなのかもしれないね。
あの化け物に殺されるよりはずっとマシだ……ああ、君が優勝を狙うことは止めないけど、金髪のバーテン服には気をつけるといい。銃なんかで殺せる相手じゃないぜ」
「………何ですかそれ。サイボーグなんじゃないですか、その人?」
「そのくらいだったら良かったさ――でも、あいつはどうしようもなく人間だからねぇ」
常に饒舌で、立場を弁えない弁舌を振るう青年だが、やはり『金髪のバーテン』の話になるとその声色に嫌悪めいた感情が混じる。
隙があるのか、もしくはないのかもわからない彼にも人間性があるということに、麗華は少しだけ安堵した。――――自分が銃を突き付ける相手が、人間であるということに。
人間であるなら、心臓の鼓動を止めれば必ず死んでくれる。
「さて、と……そうだ、麗華ちゃん。君、デュラハンって知ってるかい?」
またも唐突に―――否、今度は前後の話を完全に無視して、まるでそれが本題であったかのように青年は繰り出した。いい加減慣れてきた自分が嫌になる。
「アイルランドの妖精だよ。死期の近付いた人間の元に現れる、不吉の象徴と恐れられる化物だ」
「へえ、そうなんですか。……でも、それがどうかしましたか?」
「アハハ、そう硬くならないでよ。これは言ってしまえば、俺の独り言なんだからさ」
絶対に嘘だ、と麗華は思う。
この局面で急にそんな話を振ってみせたことに、まさか意味がない筈もないだろう。
しかし、その意味が全く理解できない。
どうしてわざわざこの後に及んで、末期の祈りをするでもなく、尚彼は語るのか。
背中に何か冷たい物が走る。これが冷や汗というものだと、瀬戸麗華は初めて知った。
「切り落とした自分の首を脇に抱えて、首なしの愛馬を乗り回す。
俗説によれば北欧神話のヴァルキリーが地上に堕ちた姿とも言われるが、そこからは知らない。
―――きっと、本人も覚えちゃいないんじゃないかな?」
「本人、って。まるでデュラハンと知り合いみたいな口振りですけど」
「ん? ああ、それは無理もないよ」
青年は楽しげに、絶対的な優位にありながらも怯えの色を隠せない麗華を嘲笑うようでもなく、ただの自己満足であるかのように、からからと笑った。
この耳障りな笑い声を今すぐにでも振り払って、さっさとキルスコアを上げてしまえばいいのに。
律儀だと自分でも思う。だが、これが瀬戸麗華の情けではなく―――青年への、恐怖であることにも、いい加減に彼女は気付きつつあった。
自分が青年を恐れていることを、内心認めかけていた。
「デュラハン、セルティ・ストゥルルソンには――何度かお世話になっているからね」
「…………は?」
一瞬、思わず呆気に取られ、固まりかけていた覚悟も、何もかもを喪失した瞬間だ。
青年は――――その身体を勢いよく反転させて、麗華の銃口から逃れる。
当然黙って見過ごすなど出来る筈もない。憤怒を露にして、彼女は笑う青年の、不気味なまでに不敵な笑顔に向けて、まるで幻想を振り払うかのように、引き金を引いた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ!」
二発、三発と連続する銃声。
溜まっていた鬱憤を晴らし、恐怖の対象を破壊することだけに目を向けて、少女は一心不乱に殺す。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、それでも足りないかのように殺す。
「何でですか………?」
その声は、信じていた何かに裏切られた者の嘆きにも似ていた。
目を見開いて、手に持ったガバメントを取り落としても、瀬戸麗華はその『存在』に向けて、今度こそ完全な恐怖の色を示して、ささやかな抗いのように叫んだ。
「どうして死んでいないんですか、臨也さんっ!?」
青年の名前は折原臨也。
歪んだ恋の渦巻く街、池袋の闇にある程度精通するものならば彼の名を知らない者は少ないだろう。
見た目は美男子で、彼に対する熱狂的なファン、信者と呼べるような存在もいる。
情報網は広く、時には無償で情報を提供してくれることだってある、比較的良識的な情報の売人。
が、まず池袋の闇に関わった人間ならば、こう言うだろう―――『折原臨也はヤバい』と。
情報は確かに提供してくれるが、代償として、荒事に巻き込まれる危険性が常に付き纏うようになる。
自らを慕ってくれる者さえも、面白そうだと言う、ただそれだけの理由で未練なく切り捨て、巻き込み、利用して、使い潰すことだってある。
買っている恨みは数えきれないし、いつ復讐されようと何らおかしなことではない。
親友同士の
三つ巴を遠回しに誘発してみたり、デュラハンの首を持ち去ってみたり。
悪どいやり方ばかりを好んできた臨也が、池袋最強の男に烈火の如く忌み嫌われている理由も、そういった彼の性格面にある。
「ハハ、ねぇ麗華ちゃん。蜃気楼、って言葉、聞いたことくらいはあるよね?」
「蜃気……楼」
「そうそう、蜃気楼。簡単に言っちゃうと、君が殺した俺は蜃気楼だったんだよ」
そんな馬鹿げた話があるか、と彼女は臨也の言葉を戯言と断じ、切り捨てようとする。
蜃気楼は確かに存在しない幻影を生み出す自然現象ではあるが、そんなに簡単に、しかもこんな都合のいいタイミングで起きるようなものではない。
こんな―――『折原臨也の見計らったように』発生するような現象では、ないのだ。
だとすれば、どうして折原臨也は依然として変わらない笑顔で立っているのか。
傷痕一つない整った顔で、茫然とする自分を見て笑うのか―――理解が、追い付かなかった。
「お察しの通り、蜃気楼がこんなに都合よく起きてくれる訳はないだろう――でも、どうだろう?
もしこれが自然現象なんかじゃなくて、人の手によって引き起こされたものだとしたら?」
自らの推理を得意気に披露する探偵のように、楽しそうに、臨也は両腕を広げる。
銃を持ち直す気力すら起こらない有り様の麗華を余所に、ひたすら彼は語ることに陶酔する。
万が一にでも反撃される危険性を一切考慮していない。
しかしながら、蜃気楼の一件は――瀬戸麗華の張り詰めた殺意を削ぐには、十分すぎた。
「魔術、って言うらしいんだけどね。俺もあまり詳しくはないけどさ……あるんだよ、魔術はね」
「じゃ、じゃあ……その魔術とやらで、蜃気楼を生み出して、攻撃を避けたって言うんですか?」
「そういうことさ。天才魔術師なんだよ、俺」
誰がどう見たところで嘘としか思えない戯言を平然と吐き散らし、だが目の前の麗華をどうするでもなく、彼は暫くの間、笑い続けていた。
どうも、脱出を目指している、という点において臨也は嘘をついていないようだった。
だとしても、不可解な行動は十分警戒に値するし、何よりこの男の本質が未だに見えてこない。
瀬戸麗華は今までにない悪寒の前に、狭山雪子という存在が柱となっていなければとっくに崩壊してしまっているような、そんなふらふらの精神状態となる。
「ふぅ……全く、冗談も大概にしろよ、折原」
不意に煙草の鼻をつく匂いが漂ってきたかと思いきや、臨也の背後の叢から、一人の少年が現れた。
もっとも、少年と言うには些か以上に似合わない容姿であったが。
ただでさえ目を引く赤髪に、目元に刻まれているのはバーコードのタトゥー。二メートル近い長身に、主催者の言峰綺礼に匹敵するほど似合わない神父服。
がちゃがちゃとした指輪やピアス―――下手な不良なら、一目で腰を抜かしかねない。
「ハハ、ごめんごめん。でもナイスタイミングだったよ、ステイル君」
ステイル=マグヌス、というのが少年の名前だった。
若冠十四歳にしてルーン魔術の天才と謳われた、イギリス清教第零聖堂区所属のエリート魔術師。
臨也の言っていた『魔術師』であり、蜃気楼を使って麗華を邪魔立てしたのは紛れもない彼である。
炎を専門に扱うステイルにとっては、常套手段ともいえる蜃気楼の応用。
それはこんな殺し合いの場においてでも、こうして便利に活用することが可能な技術だった。
彼もまた、どうやら折原臨也の協力者のようだ。
「ちっ。もしもこんな場所じゃなければ、すぐに焼き払っておきたいな――君みたいな人間は」
「おお、怖い怖い――――ところで麗華ちゃん。こちらはステイル=マグヌス君。
僕と同じく脱出を目指す協力者なんだけど、ズバリ聞こう――麗華ちゃん、俺達と組む気はないかな?」
「………ない。私は雪子を守るから。貴方達も、殺します……!!」
折原臨也の言葉はひどく誘惑的で、ある種蠱惑的な響きさえあった。
彼の人間性はどうしようもないまでに歪んでいて、危険というに相応しいそれではあるが、その頭脳と策謀の腕は本物と言わざるを得ないだろう。
彼らの側につけば、雪子を守った上で脱出することも、ひょっとしたら可能なのかもしれない。
しかし、それでも拒むのは、瀬戸麗華の最後の矜持だった。
「うぅん、じゃあ仕方ないな」
字面とは裏腹に、相手を射抜くかのような鋭い視線と三日月のような笑顔で、臨也は微笑む。
そして、瀬戸麗華に対する切り札のワードを、口にするのだった。
◆ ◆
ステイル=マグヌスは言峰綺礼の仕組んだゲームを、潰してやろうと考えた。
彼は決して熱血漢な訳ではなかったし、現実的に考えれば優勝を目指す方がまだ確実なことも承知の上である。それでも彼がそうしなかったのは、彼もまた微かな幻想にすがったからだろう。
ステイルが最初に確認したのは、参加者の名前と顔写真が載った名簿。
予想通りと言えば予想通りに、一人の忌まわしい、だが憎みきれない少年の名前を発見する。
『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と称される右腕を持ち、弱者強者を問わず幻想を食い殺す少年。
召喚された大天使との激突において死亡した、と思われていたが―――どうやら杞憂だったらしい。
彼ならばこのバトルロワイアルを破壊できるだろうし、多くの参加者を救うことが出来るだろう。
お人好しすぎるのが玉に瑕だが、だからこそ信頼できる存在でもある。
(まぁ、あの子が居ないことだけは幸運だったね……もしもあの子が居たなら、躊躇なく僕は彼女以外の何もかもを焼き尽くしていただろうからね)
ステイルの脳裏をよぎるのは、一人のかけがえのない親友の姿。
過酷な運命を背負わされた彼女を守るためならどんなものでも殺し、焼き尽くす。
それがステイル=マグヌスの決定事項だった。
しかし、彼女はどうやらこのゲームには不参加らしく、ステイルが無理に戦う理由も消えた。
よって彼は、自らの本職としてバトルロワイアルを潰し、主催者共を焼き尽くすことにしたのだ。
塵一つ残らないまでに徹底して、吐き気がするような邪悪を地獄の釜に叩き落としてやろう――そう考えている時に、彼の前に一人の青年が現れた。
――――そう。池袋の情報屋・折原臨也である。
無論、ステイルとて彼の発する強烈な胡散臭さを放置しておくことは選択肢の中にない。
職務質問形式で話しかけ、もしも危険な人物ならば拘束、最悪の場合は焼却することだって考えていた。
聞けば聞くほど胡散臭い――を通り越して、不気味と表現するのが一番正しいであろうことが分かり、ステイルは脅しの意味も込めて自らの魔術を行使したのだが―――その結果が、彼の予想を遥か斜め上に突っ切ってしまっていたのだ。
「へぇ、凄い力だねぇ。どうだい、俺と組まないか?」
馴れ馴れしい口調で、あたかも十年来の友人に話しかけるかのように気さくに、臨也は持ち掛けた。
ステイルが外見より随分年下であることは既に見抜かれているらしく、ここで初めてステイル=マグヌスは、折原臨也と出会った不運を嘆く。
この男は何ら異能の力を持ってはいない。
ただ、その知略においてならば右に出る者はいないだろう。
しかも炎の魔術を見ても尚、薄かった驚き―――まるで、この程度の非常識は見慣れている風だった。
「俺が目指しているのは脱出さ。皆殺しにしてやるのも別に嫌じゃないけど、リスクが高いしね。
だから脱出する。その為の戦力を求めているんだけど、どうだろう」
内心歯噛みするステイルの心中を知ってか否か、臨也は何も媚びることなくぺらぺらと語る。
話を聞く内に、折原臨也という人間がどれほど危険で鬱陶しい人間かは把握出来たがー―――だがそれ以上に、彼の持ち掛けた同盟の誘いが、実に筋の通ったものだった。
脱出を目指してとにかく仲間を募り、万一殺人者に出会って、説得できなそうなら殺しておく。
首輪を解除できる技術者もゆくゆくは引き込み、自らの軍団で主催者の裏をかいて逃げる。
穴が見つからないプラン、これに乗らないことは損ではないかとさえ思えてくる。
ただ一つ不満を述べるならば臨也がリーダーを務めるという点だったが、そこは妥協点だろう。
「………それで、折原。君はその同盟に僕が参加することにーー何の意味があると言うんだ?」
「それは勿論―――安全性だね」
安全性。つまり彼は、自分の作る同盟に所属していればまず命は助かる、と言いたいのだ。
根拠のない自信と断じてしまえばそれまでだが、折原臨也の眼には自信が溢れているようにも見えた。
ステイルが見るに、この男には確かにリーダーを務められるだけの素質を備えている。
策謀も効くし、度胸もあり、話術も巧み―――だからこその胡散臭さが付き纏うが、そこさえ目を瞑ってしまえば十分及第点と言えるだろう。
それに―――ステイル=マグヌスの魔術は強力で優秀だが、幾度か破られたこともある。
上条当麻の『幻想殺し』の前には煙も同然だったし、件の彼女の解析の前にも通用しなかった。
工夫を重ねて進化できるところはルーン魔術の利点であるが、そんな悠長な真似をしていられるかと聞かれれば答えは否。
敵は一つの目的に向かっている訳ではなく、各々が生き抜く為だけに殺し合うのだ。計算が通じるかも分からない、まさしく死と隣り合わせのデスゲーム。
「確かに俺自体はどこにでもいるような一般人だ」
「君みたいなのがどこにでも居たらきっと今頃僕は大量殺人鬼になっているだろうね」
「――――だけど、君のような実力者ばかりを集めた徒党を組んだら、どうなると思う?」
臨也は言う。
ステイルと同等、或いはそれ以上の実力を持つ者達も引き込んだ徒党を組んでやる、と。
若くして天才魔術師と評されたステイル=マグヌスだが、自分の実力をそれほど高く評価してはいなかった。
同僚の陰陽師や聖人に比べれば、やはり自分の実力は些か以上に劣るからだ。
しかし、自分が持てる役割と言うものも確かに存在する。
魔術師に超能力者、そういった異能力者達を集めれば――――主催の打倒も、夢物語ではない。
「……わかったよ、乗ろう。ただし付き合いきれないと思ったら、僕は抜けさせてもらうぞ」
「オーケイ。じゃあそういうことで、契約は成立だね。
そうだ。手っ取り早く一人仲間を手に入れて見せよう。協力してくれるね、ステイル君」
未だ警戒心を解いていないステイルに、張り倒したくなるようなどや顔で臨也は笑う。
どうやら相手は殺し合いに乗っている少女らしいのだが、臨也はその少女を目撃し、見つかる前に逃げてしまおうとしている途中でステイルと出会ったというのだから呆れる。
銃一丁という、ステイル達の感覚からすれば無用心な装備で殺気を放つ少女に白々しく近付いていく折原臨也の姿はひどく滑稽で―――まるで、詐欺師のようだった。
◇ ◇
「―――――ぇ」
折原臨也という人間を、瀬戸麗華は見誤っていた。
正確に言うならば、彼の底を、見誤っていたのだ。
訳の分からない人間だとは思っていたし、悪知恵の働く厄介な奴だとも理解しているつもりだった。
だが――今なら言える。
折原臨也は、紛れもない外道だと、断言することができる。
「あれ、聞き逃しちゃったかな? もう一回言うね―――」
ステイル=マグヌスの心中もまた、麗華と同じだった。
彼が本当に脱出を目指しているのか不思議になるくらいの―――毒性。
蟲が這い回るような嫌悪感を放ちながら、臨也は繰り返す。
「狭山雪子を殺されたくなかったら、俺の下に入ってくれないかな?」
狭山雪子を殺されたくなかったら、俺に下れ。
と―――折原臨也は、さも当然のことのように言い放った。
「おおっと、言っておくが嘘じゃあないよ。俺本人が殺すってのは難しいかもしれないけどさ、俺もなかなか顔が広いからね」
つい数分前まで、折原臨也の命を指先一つで奪える立場にあった。
もっと早く彼の危険に気付いていれば、こんなことにはならなかっただろう。
もっと早く、
「特に、俺の熱狂的なファンは怖いぜ。俺が指示を一つでも出せば――どうなるだろうね」
もっと早くこの男を抹殺すべき害悪だと認識できていれば、少なくともこんなことにはならなかった。
その手を血に染めることになったとしても、大切な人が脅かされることだけはなかった筈なのだ。
つまりこれは、瀬戸麗華自身が招いた不運。
そう理解していながらも、彼女の心は今すぐに臨也を殺せと喚き立てる。
敵わないとは分かっているが、沸き立つ怒りによく似た別物の感情が、臨也を殺せと命じるのだった。
「ハハハハハハハハハハハハ、良いねえ、そういう反応は実に俺好みだよ、麗華ちゃん!!」
すっかり上機嫌な臨也を尻目に、ステイルは内心末恐ろしいものを感じていた。
彼だって特殊な職業柄、様々な人間を見てきた。
弱きを見過ごせないお人好しや世界を救おうと企む人間、果てには目先の力だけを求める者。
胸糞悪いと思ったことも一度や二度ではないし、時には焼き払ったこともある。
だが、情報屋、折原臨也はその中でもダントツに、理解できない人種だった。
別にガバメントを押収したわけでもなく、拾われでもしたら今度こそ命が危ういというのに、彼は心底楽しそうに笑うばかりだ―――まるで、自分が絶対に殺されないとでも言うように。
「で、どうする? 今の君の前には二つ、いや三つの道がある。
まずは素直に俺の仲間になること。
二つ目に、俺の誘いを断ること。勿論狭山雪子がどうなるかは保障しかねるけどね。
そして最後は、ここで俺を殺すことだ。とはいえお薦めはしないな、そこのステイル君だって目の前でみすみす殺人犯を逃すような間抜けじゃないんだから」
こういった状況には慣れているのだろうか、手慣れた様子で少しずつ、瀬戸麗華の心を追い詰める。
狭山雪子を彼女が心の底から大切に想っていることは分かっている。その上で、臨也はその弱点を徹底的に突いて、彼女を駒として懐柔しようとしているのだ。
反土が出る一手だ、とステイルは吐き捨てたい衝動に駆られる。
何よりこんなことをしている本人が、魔術師や科学側の抗争に一切関与していないのが逆に驚きだ。
実は今まで関わってきた全ての事件を糸引いていたのはこの男だった、と言われても信じてしまえるくらいに、折原臨也は悪質な存在だと言える。
俯いて、屈辱に耐えるかのように、麗華は口を開いた。
「……分かりました。臨也さんに、協力します。だから―――!」
「ああ、分かっているともさ! 雪子ちゃんには決して手を出させないし、俺が命を懸けて守り通そう!」
なんて悪趣味なやり方をする男なんだ、とステイルはもはや呆れに近い溜め息を漏らす。
どう見ても十歳近く年下の少女をいい年した大人が脅しているというのは、何とも大人気ない。
まぁ、それを臨也に指摘しようものなら、また訳の分からない言葉遊びで撒かれてしまうだろうが。
とりあえず仲間、と言っていいのかは微妙だが、臨也のチームは三人にまでメンバーを拡大した。
ゲーム開始からまだ十数分しか経過していないのにこの成果は、なかなか上等ではないだろうか。
認めたくはないが、折原臨也のカリスマ性は本物らしい。
「………で、だ。折原、悪趣味なやり取りを長々見せられた僕はそろそろ退屈してきたんだけどね」
「うん、そうだなぁ―――じゃあ、この状況を整理してから、これからどうするか考えていこうか」
しばらくは俯いたままだった麗華もまた、何かの踏ん切りがついたのか、臨也の作戦を聞くことにしたらしい。当分の雪子の安全が確保されたのだから、結果オーライと言えば結果オーライだ。
臨也の影響力云々の話が戯言だったという可能性もあるが、彼の才能は本物だと彼女にも分かった。
言伝てに話が広がって、雪子の耳に、この同盟のことが入るかもしれない。
そうなってくれれば、彼女と合流できる可能性は俄然高くなる。
「言ってしまえばこれは大規模な将棋だと、俺は思うんだよね。
言峰綺礼の言っていた『人類最悪』とやらが王将だとして、こちらの駒は歩兵のみ。
敵の駒の歩兵は全部殺人犯で、ひょっとしたら改心してこちらの駒になってくれるかもしれない」
ステイルからすれば分かり辛いことこの上ない喩えだったが、的を射ている、と麗華は思った。
敵の駒は未知数の為、一見不利なルールに見える―――しかし、勝てないゲームではない。
「この一局を制する為には、如何に敵兵を落とし、味方にしていくかだ。
その為には、喩えに使わせて貰うけど、麗華ちゃんのような子を落としていくことが大切なんだよ。
だから俺達はさっきみたいに、どんどんマーダーの向きを変えていく。
………ま、上手くいかない時はその駒を潰すしかないけどね」
バトルロワイアルの意味を根本的に覆してしまえば、必然的にこのゲームは破綻する。
ゲームが破綻してしまえば主催者は孤立することになり、脱出することはより容易になるだろう。
盲目的に首輪の解除だけを求めるわけではなく、少しずつゲームを切り崩して、マーダーを二重の意味で殺していく。瀬戸麗華はもう、殺された。
「例えば、王将だけで万全の敵を壊滅させるなんてルール上不可能だ。それと、同じだよ」
「いや―――待て。そんなことをすれば、首輪を起爆されて一網打尽にされてしまうぞ?」
「まさか。言峰を見た限り、あれはそういう無粋を働く輩じゃないと見えたよ」
折原臨也は、言峰綺礼は少なくとも『ゲーム進行の妨害』で首輪を爆破することはないと踏んでいた。
何故か、と問われれば、言峰が自分とどこか近しい思考回路を備えた人間であったからに他ならない。
正確には、彼の裏に控えるこのゲームの大元―――『人類最悪』なる人物も。
彼らは何もバトルロワイアルそのものを望んでいるわけではないのではないか。
それが、あの白い部屋での一件終了後に、臨也が思ったことだった。
「連中は絶対に、何か他の目的で動いてる。それも漠然とした、普通なら下らないと切り捨ててしまうことの為にね……少なくとも俺なら、そういう風にやるだろう」
「………じゃあ、何の為に?」
「それは分からない。けどまあ、二人とも激怒するような理由じゃないかな」
俺もあちら側に参加したかったよ、と不謹慎極まりない呟きを漏らして、臨也は苦笑する。
麗華とステイルは臨也とは違って、出来ることなら面倒事が起きないことを願う人間だ。
そんな彼らが聞いたら激怒する理由―――敢えて口にはしなかったが、言峰達の目的が何であるか、臨也は既にある程度察していた。
単純に、自分ならどんな目的でこんなことをやるか、考えてみた上での結論。
自分に当て嵌めてみた結果、見事に胡散臭くて、普通なら胸糞が悪くなるような動機が考え付いたのだ。
「それはともかくとして。首輪の縛りはこの際、禁止エリアにだけ入らないようにしていれば大丈夫だから―――思う存分、連中の目論見を引っ掻き回してやれる訳さ。楽しいねえ」
「なら、次は私みたいに殺し合いに乗った人間を探していくんですか? その、危ない気がしますけど」
「んー……それでもいいけど、麗華ちゃんの言う通り、流石に危ないからね」
折原臨也が生涯でただ一人敵と見なした男のように、化け物は世の中に確かに巣食っている。
かの連続殺人犯『ハリウッド』こと聖辺ルリや、それこそあの首なしライダーのような。
魔術師のステイルだけでどうにかできない危険な相手が現れる可能性だって十分有り得るだろう。
池袋という狭い箱庭だけでも怪物だらけなのだ、範囲が無限大とならばとんでもないことになる。
「一先ずは、もう少し『俺ら』を拡大することから始めようかな」
「賢明だね。僕の知り合いには一人、化け物相手ならお誂え向きの人間がいるよ」
どんどん同盟を広げていき、何も最大派閥に上り詰めずとも、名を知らしめる。
情報とは次々に伝わっていく。
伝染病のように拡散して、こういう反逆組織がある、ということに気付く人間が居ればいいのだ。
後は首輪を外して、主催者連中を出し抜いて逃げてやればいい。
「俺の憎き宿敵は標識を振り回すけどね……アイツと仲良くはしたくないから、セルティ……首なしライダーと早い内に合流できれば俺はいいかな。新羅を殺されてぶち切れてるだろうし」
「く、首なしライダー? デュラハンって、まさかその人なんですか」
「……おいおい、そのデュラハンライダー様が殺し合いに乗ってました、なんてオチじゃないだろうね」
「それは無いだろう。断言できる。―――アイツは化け物の癖に、人間味が溢れてるからねぇ。
後は妖刀使いの女の子もいるけど、俺は多分信用されてないだろうからこいつもパスだ。
もう一人居るには居るんだけどね……彼はこういうゲームには向かないだろう。
残念だけど、最初の放送で名前が呼ばれることだって俺は覚悟してる。つまり知り合いは一人だけだね」
淡々と自らの知り合いと、そしてそれが信頼に値するかどうかを述べていく臨也。
首なしライダーが一番信頼出来るなんて、人望が無いんだなぁ……と、麗華は少しだけ同情した。
麗華の知り合いに殺し合いに乗りそうな人物は居ないし、別段特殊な人間もまた居ない。
ステイルは先に述べた『異能殺し』の少年だけとのことで、意外にも不利な
スタートとなった。
臨也はこの状況を理解した上で、これからの方針を固めているのか、薄ら笑いを浮かべている。
「それじゃあやっぱり、地道に人を集めていくしかないね」
やれやれ、と言った風に手を広げ。
しかし彼の言葉には、『交渉が無理な敵は抹殺する』という確かな意志が感じ取れた。
仕事柄そういった汚れ仕事を行うこともままあるステイルはともかくとして、実際に人間を殺めた経験は一度もない麗華にとっては過酷な道である。
が、彼女も最初に大切な雪子を守ろうと決めた時から、覚悟は完了していた。
この際だ、臨也の出す作戦を精一杯アシストしてやろう、と開き直ってもいる。
「あ、そうだ。大切なことを忘れていたよ」
「? 何でしょうか?」
「俺達のチーム名を決めないといけない」
「そんなことですか!? 貴方はいちいち前振りが大きすぎるんですよ!!」
「ハハハ、そう怒るなよ。見な、ステイル君も君に呆れているぞ」
「いや、僕が呆れているのは君だよ、折原」
子供のようにチーム名に執着する臨也に、二人は呆れを隠せない。
彼が作った(そして滅ぼした)組織やチームの名前は大抵奇抜なもので統一されている。
『アンフィスバエナ』だとか、一般人ならまず意味を理解できないようなそれが大半だ。
しかし、今回彼が名付ける名前は既に決まっていた。
彼が自ら引っ掻き回し、楽しんでいる一つの巨大組織、『無色』のカラーギャング。
「俺達のチーム名は、『ダラーズ』だ」
今やその真の意味さえ失われ、当初とは全く違う『脅威』を意味する名前。
ダサい名前だ、という空気が伝わってくるようだったが、これはいわば折原臨也の自己満足だった。
思い付きではなく、ちゃんと理由あってのチーム名である。
彼―――折原臨也は、池袋で近頃燻っている火種を撒き散らした張本人だ。
戦争が起きることを望んで、ちまちまと火種を撒いてきて、ようやっと火が出そうな頃合い。
だったのだが、そこで言峰のゲームに巻き込まれ、計画も何もかもが狂ってしまった。
『主要人物』の竜ヶ峰帝人、園原杏里。そしてこちらも重要なパーソン、セルティ・ストゥルルソン。
誰か一人でも欠けてしまえば、臨也の望む結末は大きくずれてしまうかもしれない。
自分の目論見が砕かれるというのはいい気がしないが、それで諦める折原臨也ではない。
竜ヶ峰帝人の代用品はそうそう存在しないけれど、せめてダラーズという組織の存在だけでも存続させていけば、またチャンスが巡ってくる可能性も無きにしも非ず。
無論、帝人、杏里、セルティの三人が揃って生還出来ることが一番いい。
何事もなかったかのように終わらせられればいい―――しかし、そんな御都合主義では終わらないだろう。
折原臨也に出来ることは、一人でも多くのキーパーソンを生還させることだけだ。
だが――それで止まりはしなかった。
彼は表向き脱出を目指してはいるものの、実際のところ、脱出で終わらせるつもりなど毛頭ない。
主催者の言葉が正しければ、あちら側には『願いを叶える手段』がある筈である。
臨也が欲するのは、それだ。
何も最後の一人まで殺し合わなければ使えない手段だとは言っていなかった。
一人だけしか叶えられないとしても、もうこの時点でその準備は整っていると、臨也は見ている。
それを使って、このバトルロワイアルを『虚構』に変えてしまおうと、思っているのだ。
そうすれば臨也のプランには影響が出ない。
彼にしては珍しく、今掴める面白さではなく、後にしか掴めない面白さを選んだ。
――――否。それだけではない。
折原臨也の目的の一つには、言峰らの抹殺が確かにある。
言峰を始めに、大元の『人類最悪』とかいう輩も、一人残らず地獄に叩き落とす。
自分を敵に回した流儀として、それくらいの責任は取らせてやる。
いや、本当ならば流儀など一切考えていない。
彼のやろうとしているのは、ある種の弔い合戦だ。
自分が何か悪どいことをしていると注意し、真に『友人』と呼ぶに相応しい人間。
岸谷新羅――――見せしめとして惨殺された闇医者の男。
彼の氏に怒りを燃やしているのは何もセルティ・ストゥルルソンだけではない。
何度か世話になっている平和島静雄もそうだったし、園原杏里や竜ヶ峰帝人も哀しむことだろう。
あの時はいつものように笑って見せたが、折原臨也は彼の弔い合戦を、行おうとしていた。
本人すら、自分が仇討ちの為に戦おうとしていることに気付いていない。
歪んだ物語を引き起こして楽しんでいた青年は、自分もどうしようもなく歪んだ物語に身を投じる。
彼もまた、一人の人間だった。
『ダラーズ』――――――――ここに、結成。
【一日目/未明/C-4・森】
【折原臨也@デュラララ!!】
[状態]健康
[装備]なし
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・行動]
基本:バトルロワイアルを転覆させ、願いを叶える
1:ダラーズのメンバーを増やしていく
2:帝人君たちは見つけ次第保護する。シズちゃん?知らないなぁ。
3:説得が無理そうなマーダーは殺すことも辞さない。
※九巻終了後からの参加です
【瀬戸麗華@非リレーのオリキャラ】
[状態]健康
[装備]コルトガバメント(3/7)@現実
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本:雪子を守るために臨也さんに協力する。
1:ダラーズのメンバーを増やしていく。
※変哲オリロワ参加前からの参加です
【ステイル=マグヌス@とある魔術の禁書目録】
[状態]健康
[装備]ルーンのカード@とある魔術の禁書目録
[支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本:折原臨也に協力して、脱出を目指す
1:ダラーズのメンバーを増やしていく。
2:上条当麻と合流したい
3:主催者と戦うことになれば躊躇なく焼き払う。説得の不可能なマーダーも然り。
※原作22巻終了後からの参加です
※ルーンのカードの枚数上限は特にありません
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最終更新:2012年05月26日 13:38