16 くるったふたりのおはなし
所詮、この世の中はつまらない。
いつも通りに起きて、飯を食って、学校に行って、帰って、本を読んで、飯食って、風呂入って、寝て。
そのループだ、その輪の中に俺は入っている。
別にそれが俺一人と言うわけではない。
世の中のほとんどの奴がそうなのであろう。
それだから仕方は無いのだろう。
仕方ないのだろうか?
仕方ないのか?
仕方ないのだ。
何度俺が時間をやりなおそうと、きっと同じように今までの人生をたどるのだろう。
飯を食って、学校に行って、帰って、本を読んで、飯食って、風呂入って、寝て。
そういう風にできているのだ。
この世の中と言うのは。
それを否定しようと言う気はない。
いや、少なからず抗ってみたいとは思うかもしれないが。
俺にそんな力がない事くらいわかっている。
所詮俺は一般人Aに過ぎないのだ。
主人公的な奴とは違う。
誰かを守ろうとしても、きっと最後まで守れずに消えてしまうようなキャラだ。
だから俺は抗う事はしない。
自分の役目など分かっているのだ。
所詮自分なんて脇役に過ぎない。
ヒロインは主役に取られてしまうのだ。
一般人Aがどれだけ努力しようが、無意味なのである。
論点がどんどんずれて言っているな。
まぁ、俺が言いたい事はただ一つである。
脇役が何をしようが、物語は変わらないと言う事だ。
◆ ◆
俺がこの少女――――榎本瞳と会ったのはつい先ほどだ。
最初の出会いはとても珍しいものであった。
俺がボーっとしてたら俺の目の前にサバイバルナイフを突き付けていた。
朝遅刻しそうで走って曲がり角を曲がったらパンを加えた美少女とぶつかったくらいの珍しさだ。
きっとあれだな、このままフラグ立てて行って彼女ルートにでも入るのだろうか。
まぁ、残念ながらそんな事はあり得ないがな。
珍しさが同じでも危険度が違いすぎるんだよ。
そのまま気付かなければ俺は今頃殺されていただろう。
まぁ、第一印象が最悪と言う事だ。
「ひどいじゃないですが、こんな普通の小学生を縛り付けるなんて、警察が見たら黙っていませんよ」
「何を言っているんだお前は、先に俺を襲ったのはお前だろう」
「いいえ、この状況を見れば逮捕されるのはあなたです、と言う事で即刻解放してください」
ちなみに縛ってると言っても後ろ手にしてるだけだ。
別にいかがわしい縛り方してるわけでもない。
こんな子供相手に縛って興奮を覚える奴がいたらぜひ俺の前に出てきてほしいね。
一発殴ってから警察に差しだしてやる。
「残念ながら、この場においては警察は無力だぜ……あの安心院だかって奴の通りならな」
「あんな人の言葉を信じますか、あなたも面白い人ですねぇ」
「別に、鵜呑みになんざしちゃあいねぇよ……」
「うわー、言い訳してるー、痛い人だー」
なんかいい加減イラついてきたぞこのガキ……。
こんなガキっぽい煽りにイライラしている俺もどうかと思うけれどもな。
俺の品格と言うものが一気に折られた気がする。
やっぱり――――ガキは大嫌いだ。
「好きに解釈しておけ、で――――榎本さんだっけ」
「はい、私が御指名の榎本瞳さんです」
「指名なんざしてねぇよ! 一応あったのも何かの縁だ、情報交換と行こうぜ」
「プライバシーって知っていますか」
「侵害されてないと思う程度に話せばいいだろうが!」
ダメだ、相手のペースに持っていかれている。
小学生に口で負けそうな中学生がここにはいた。
それは間違いなく、俺であった。
「……じゃあいいよ、俺から話してやるよ」
「え、あなたの事を知ったところで私には無意味なんですが」
「情報交換の意味もないだろうが! このまま放置してやろうかテメェ」
「放置プレイとは、なかなか外道な事をやっちゃってくれますね、死ねばいいのに」
「おい、最後になんつった」
そろそろ精神的疲労が大変なことになる。
この際もうこいつの発言は無視してやろう。
「俺の知り合いは5人、全員
殺し合いに乗るやつじゃない……はずだ」
「はずって、信じないんですか? それとも一般人Aさんは嫌われてるんですか? やった!」
「――――――――で、お前の知り合いは?」
「無視とはひどい事をしますね、私はスネちゃいました、つーん」
「……はぁ、じゃあ良いよ……もうお前の縄も解いてやる」
「勿論私のナイフは」
「返すわけねぇだろ」
やっぱり疲れるわ、こいつ。
◆ ◆
二回連続一般人Aさんのターンだったのに、今回は私のターンですか。
なかなかの不意打ちです。
予測不可能回避不可能と言った状態でしょう。
さて、簡単に状況を説明しましょうか。
私は今一般人Aさんの後ろについていっています。
この人はなかなかに面白い人でした。
まぁ、普通に面白い程度でしたが。
お笑い芸人がテレビでやっているコントよりは面白かったです。
「さて、では質問の時間です一般人Aさん」
「は?」
先ほどから無言が続いていたのでつまらなかったのです。
この人はどうやっても面白い答えが返ってきているので少し遊びたいのです。
遊びたいお年頃だから仕方ありません。
「貴方は、この殺し合いを潰せるとでも思っているのですか?」
では、核心をつきましょう。
確信を持って回答してもらいましょう。
模範解答などこの世に存在しません。
すべては、一般人Aさん次第なのですから。
◆ ◆
ああ、面倒な質問だ。
どうして俺がこの質問に答えなくてはいけないのか。
こんなの、ガキの身勝手な質問だ。
答える義務なんてものは、俺にはない。
答えてやれという法律なんて、この世には存在しない。
「――――――――そうだな」
だが、俺はあえて面倒な道を通ろう。
それが茨の道であろうが、地獄への道であろうが。
辿り着くのが絶望であろうが、冥府への扉だろうが。
「そんな事は知った事じゃないんだよ。
俺がこうしたいと思ったらこうするんだよ。
少なくとも俺はそうやって生きてきたんだから。
確かに俺一人では不可能なんだろうよ。
でも、だからって諦めるのは違うんだよ。
俺がやれることなんて仲間を集めるくらいだ。
クラスメイト一人守れない奴がやれる事は少ない。
だが、三人寄れば文殊の知恵と言うだろう。
塵も積もれば山となる、俺みたいなちっぽけな奴が最後には打倒する可能性もあるんだよ。
無理だと思うなら笑えばいい、だけど俺はこれが正しいと思っている」
俺らしくもなく、長々と語ってしまった。
いや、これが俺らしいと言う事なのかもしれないが。
榎本ちゃんは無言になっている。
訳が分かっていないのかもしれないが、そんなのは知った事じゃない。
わからないならわからないでいい。
世の中には知らない方が良い事もあるしな。
「……はぁ」
「どうしたよ」
「いや、中二病を一年こじらせた人が近くにいるかと思うと憂鬱で」
やっぱり、俺はガキが嫌いだ。
【朝/G-2】
【須藤凛@変哲オリ】
[状態]若干の苛立ち、精神的疲労
[所持品]基本支給品、不明支給品(1~3)、サバイバルナイフ@現実
[思考・状況]
基本:とりあえず、打倒を目指してみる
1:榎本ちゃんと行動
2:狭山さんを探す
3:なんで匠達が……?
[備考]
※変哲オリロワ終了後からの参戦です
※ですが、当人は記憶が狭山救出したところから消えています、何かの拍子に思い出すかもしれません
【榎本瞳@他の方のオリキャラ】
[状態]健康
[所持品]基本支給品
[思考・状況]
基本:やろうと思った事をやる
1:一般人Aさんと行動する
2:かずみん(愛崎一美)に会う
3:一般人Aさんは少し面白いですね、ふふふ
[備考]
※
数だけロワ参加前からの参戦です
最終更新:2012年05月29日 21:12