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Dog & Fox

17話 Dog & Fox



「イシシとノシシはこっちに来てないみてえだな。ったく、呼ばれたのがオレ様だけで良かったぜ」

笠と合羽を着けた旅ガラスのようなキツネの青年が、参加者名簿の確認をしていた。
彼の名前はゾロリ。
イタズラ好きで、子分のイシシとノシシと共に旅をしているキツネだ。

彼はとりあえず、この状況をどうするか考えた。
まず、自分の首に着けられているこの首輪。
あの紫色のカエルの話だと、これには爆弾が仕込まれているらしい。
どうも反抗的な態度を取ったり、禁止エリアという場所に進入したりすると爆発するらしいが……

(「コレ」が有る限り反抗はできねえって事か。そして多分禁止エリアっていうのは、移動範囲を狭くする事で、参加者同士を遭わせやすくして戦闘のペースを上げるって感じだろうな。ったく、良くできたルールだこと)

「まァ、オレ様はこんなくだらねぇ遊びに付き合う気はさらさらないがね。
……だが、そう簡単に死んでやる気もねぇがな。とりあえず今は様子見だ」

ゾロリはとりあえず支給されたディパックをひっくり返し、中の物をぶちまけた。
中にはあのカエルが開始前に言っていた通り、地図・ルールブック・食糧などが入っていた。

「ふうん。これが全員共通に配られている訳だな。で、肝心の武器はどれなんだ?」

荷物をぶちまけた辺りを調べたところ、どうもこの銃と剣がゾロリの支給品らしい。
とりあえず銃の方は懐に入れておき、剣の方を主力の武器として装備した。
銃はあくまで、いざという時の"切り札"だ。それに銃にはあまり良い思い出がない。
そう考えたゾロリは、自分が今最も扱えそうな方、カットラスを選んだ。

「チッ、オレ様のスーツまで盗られてやがる。あれが無いとしまんねぇなぁ……まあ文句ばっかり言ってても始まんねえか」

そうぼやくとゾロリは行動を開始した。
――と、次の瞬間。

「ガキン」。
と、刃同士がぶつかる音がした。

それは無意識の内だった――
真正面から自分を襲った鉄パイプを、ゾロリは受け止めていた。
そして彼は理解する。今、自分を殺そうとした者がいた事を。
そいつは鉄パイプを握りながら、何かをゾロリに投げ付ける。
それは、楕円型の謎の球体だった。
そしてその球体は光を帯び――爆ぜる。

橙色の爆炎が山道を埋め尽くす。
黒色の煙が紺色の夜空に上がる中、一匹の犬が立っている。
青緑色の頭巾を被った二足歩行の犬が。
彼の名前はヘムヘムという。

ヘムヘムは忍術学園という忍者の学校にいる忍犬である。
彼もこの殺し合いに乗った参加者の一匹――


ではない。
彼はこの殺し合いを嫌悪する参加者の一匹である。
そう。ゾロリと同じく、対主催派の参加者。
では何ゆえ、そのゾロリに襲いかかったというと――


「危ねえな! テメー、何しやがんだ!」
「ヘム!」

ヘムヘムはゾロリに向かって鉄パイプを突き付ける。
そして何やらまくし立てる。

「ヘムヘム! ヘム、ヘム、ヘムヘムヘ!!」
「ああ!? 何言ってんだ?」

「ヘムヘム……ヘムッ!」
「……まさか、この殺し合いに乗ってるかどうかを訊いてんのか?」
「ヘム!」

ヘムヘムは頷く。
そう。彼は単にゾロリに威嚇攻撃をしただけであった。
ただ威嚇で鉄パイプはともかく、手榴弾を爆破させるのはどうかと思うが。

「オレ様は乗ってねぇよ。安心しろ」
「ヘムヘム!」




「ヘムヘムって言うのか。オレ様はゾロリだ。よろしくな」
「ヘムヘム」

焼け焦げた土塊の上で、二匹は座っていた。
とは言っても、双方共に周りの警戒はしており、お互い背を向け会話していた。

「どうだ。お前の目の前には誰かいるか」
「ヘム」
「オレ様の目の前にも誰もいねぇ。とりあえず話は早めに済ますぞ」

二匹は、お互いに少しの言葉だけ遣い、会話を終えた。
考えが一致しているということで、二匹は共に行動する事に決めた。
殺し合いには乗らない。だが死ぬ気もない。主催を許す気も無論ない。
ゾロリはカットラスを、ヘムヘムは鉄パイプを手に握りしめ、共に山道を歩く。
この殺し合いを一刻も早く終わらせるために。


【C-7/山中/一日目/深夜】
【ゾロリ@かいけつゾロリ】
[状態]:健康
[装備]:カットラス、グロック20(15/15)
[道具]:基本支給品、カットラス、グロック20
[思考]基本:主催の打倒
1:とりあえず今は様子見
2:殺し合う気はないが、死ぬ気もない
3:首輪を解除したい

【ヘムヘム@忍たま乱太郎】
[状態]:健康
[装備]:鉄パイプ
[道具]:基本支給品、鉄パイプ、手榴弾(残り7個)、不明支給品
[思考]基本:主催の打倒
1:参加者の調査
2:殺し合う気はないが、死ぬ気もない
3:殺し合いに乗った者には、殺害も辞さないつもり


【支給品解説】
【カットラス@現実】
切ることを重視するために刃が湾曲している剣。
刀身が短く、船など狭い場所での使用に向く。なので船乗りが好んで使った。その他にも歩兵や中東騎兵もよく使用していた。
また武器であるとともに、農業用の道具でもある。

【グロック20@現実】
オーストラリアの銃器メーカー、グロック社が開発した自動拳銃。
口径は10mmオート。装弾数は15発。
グロック20は大口径モデルであり、全長が193mmと、他のものより長め。

【鉄パイプ@現実】
鉄製のパイプ。

【手榴弾@現実】
パイナップル型の爆弾。
安全ピンを抜く事で爆発する。逆に言えばピンを抜かない限り爆発しない。
爆風ではなく爆発により飛び散る手榴弾の破片によって攻撃するため、爆薬の内蔵量は思ったよりも少ない。


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最終更新:2012年08月29日 11:38
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