20 GANTZ-KATO-
彼女は、弱かった。
リトルバスターズという集団に所属していた彼女は、『誰かが支えないと崩れる』程に弱かった。
だから、彼女は壊れてしまった。
だから、彼の兄は壊れてしまった。
だから、日常は壊れてしまった。
すべてはまやかしである。
この世界も、この結末も、全て、全て、全て。
だが、それだからこそ――――彼女は壊れてしまったのだ。
「――――理樹」
一人の少年の名前が呟かれる。
直枝理樹――――彼女が唯一といっていい、心を許している存在。
彼と彼氏彼女の関係となった。
まやかしだ。
彼と逃避行もした。
だが、それもまやかしだ。
最後に捕まって、離れ離れになってしまった。
それも、まやかしだ。
彼女は――――――――心が壊れてしまった。
それだけは、まやかしではない。
幻想でも、なんでもない『事実』そのものだ。
実際は幻想で終わるはずだったのだ。
だが、傷が残ってしまったのだ。
やり直しても、消えなかった『傷』が。
「どこにいるんだ、理樹」
彼女は、居場所を求める。
唯一彼女が許す、希望の巣。
だが、彼はすぐ傍にいない。
「――――ごめん、そこの人……ちょっといいか?」
声をかけられた。
彼女は背中をビクッとさせて反応する。
恐る恐る後ろを振り向くと、そこに立っていたのは――――一人の男だった。
190cmはあるだろうという巨大な体格。
オールバックのような感じにまとめた髪型。
彼女が、棗鈴が恐怖を覚えるには十分すぎる外見だった。
「…………」
「あ、ごめん……俺は加藤勝、
殺し合いを止めようと動いてる」
「…………棗、鈴……だ」
「棗さんか、えーっと……ちょっと聞いていいか?」
「…………なんだ」
「俺の仲間がここにきているんだ……玄野計、桜井弘斗、風大左衛門……この三人の中であった人はいるか?」
「――――会ったのは、お前が初めてだ」
「そっか……ごめんな、わざわざ――――あ、そうだ……一緒に行動しないか?」
その誘いに、鈴は返答する事が出来なかった。
それに、加藤は疑問を覚えた。
「――――嫌ならいい、けど……危ないだろうからさ」
「……かもしれないな」
「そうだろ? だから、一緒に行こう――――友達が見つかるまで、俺が守ってやる」
鈴は、信じていいのかと思った。
いまだ拭えない恐怖、それを捨て去って信じていいのかと思った。
「――――わかった、よろしく頼む」
「ああ、それじゃあ行こう……絶対にこの殺し合いを止めるために」
「応援はするぞ」
◆ ◆
加藤勝、彼の名前を知る物は各々違う評価をしている。
その評価を大きく分ければ二つ。
一つは、一年生最強の男、年齢や人数も関係なく全員を倒す恐ろしき者。
一つは心優しき巨漢、誰に対しても優しくあろうとし、間違った事を嫌う優しき者。
三者三様ならぬ二者多様の評価を受ける彼。
その本来は――――優しきものである。
暴力を嫌い、困っている人を助ける。
それはまさに『正義の味方』とも言える。
そんな彼にも、守りたい人はいる。
彼の実の弟、一度置いていってしまった『大切な者』、彼にとって死ねないと思う要因。
加藤は弟への思いを力に、戦っている。
それはこの殺し合いの場でも、同様であろう。
一度死んで蘇った少年と一度壊れてそのままの少女が出会った。
それが殺し合いにどういう意味をもたらすのか。
それは、わからない。
【朝/B-7ガソリンスタンド付近】
【棗鈴@リトルバスターズ!!】
[状態]加藤に対する恐怖(大)
[所持品]基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:理樹に会いたい
1:加藤を信じてみる……?
[備考]
※Refrain開始直後からの参戦です。
【加藤勝@GANTZ】
[状態]健康
[所持品]基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:誰も死なせず、この殺し合いを止める
1:棗さんと行動する
2:計ちゃん、桜井、風との合流
[備考]
※カタストロフィ編、開始直前からの参戦です。
最終更新:2012年09月19日 22:43