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魔王飛翔

かつてドイツに、たぐいまれなる戦果をあげた飛行機乗りがいた。
人は彼を、畏敬の念を込めて「魔王」と呼んだ。
その魔王の名は、ルーデル。ハンス・ウルリッヒ・ルーデルである。


ルーデルは、遊園地のベンチに腰掛けていた。その顔は、無表情。
だがその体から放たれるオーラが、彼の心中が穏やかでないことを如実に物語っている。
しばらくの間微動だにしなかったルーデルだが、やがて意を決したようにしゃべり出す。

「冗談ではない! ようやくドイツも戦後復興が始まったところだというのに、こんな悪趣味なお遊びに付き合っていられるか!」

ベンチから立ち上がり、ルーデルはなおも叫ぶ。

「しかも俺だけならいざ知らず、嫁のコナタまで巻き込むとは! 断じて許せん!」

いちおう言っておくが、嫁云々は彼の自己申告である。こなたの側は断じて認めていない。

「許せないことはまだある……。なぜ俺を闘争の場に放り込んでおきながら、戦闘機を渡さない!
 スツーカを渡せ! それが無理なら他の戦闘機でもいい!」

ルーデルはすでに、支給品のチェックを終えている。
だが彼に支給されたのはやたら匂いのきつい香水に、口径の割には妙に大きな銃。
そして野球チームのユニフォーム。
彼の望む物は支給されていなかった。

「こうなっては仕方ない……! 戦闘機がないなら俺が飛ぶ! 俺がスツーカだ!!」

力強く叫ぶと、ルーデルは大きく跳躍する。そして禍々しいオーラを纏うと、恐るべきスピードで夜空を飛び始めた。

「見ていろ、このくそったれゲームの開催者め! 必ずや貴様を見つけ出し、嫁を危険な場所に放り込んだ償いをさせてくれるわーっ!」 


◇ ◇ ◇


おのれの体一つで、空を駆けるルーデル。そんな悪夢のような光景を目撃した、一人の少女がいた。
彼女の名は、鶴屋さん。SOS団の名誉顧問にして、武術その他諸々に精通した才女である。

「あれは……!」

上空を突き進む生身の人間を目撃したとき、彼女は戦慄した。だがそれは、「恐怖」や「怯え」から来るものではなかった。

「舞空術……。武術を極めた者でもほんの一握りしか習得できないという、伝説の技……。
 まさかその技の使い手が、この島にいるなんて……」

鶴屋さんは震えていた。未知のものに遭遇した衝撃に。未知のものを目撃できた歓喜に。
彼女は、殺し合いに乗るつもりはなかった。ゆえに、出来る限り他の参加者との衝突も避けるつもりだった。
だが、あれを目撃してしまってはどうしようもない。
武術家としての、彼女の魂が告げるのだ。あれと戦いたい、と。

「そんじゃ、いっちょ追いかけっかい! でもあの速さ、悔しいけど私の足の速さじゃ追いつけそうにないね……。
 ならばここは、文明の利器に頼るとするっさ!」

楽しげに言うと、鶴屋さんはデイパックから一台のマウンテンバイクを取り出す。
そして華麗な体捌きでそれに飛び乗ると、間髪入れずにペダルをこぎ始めた。

「絶対に追いついてみせるっさ……。この気持ち、まさしく愛にょろ!」


【一日目・深夜/B-3・遊園地周辺】
【ハンス・ウルリッヒ・ルーデル@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、みわくのコロン@犬マユゲでいこう、ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、
    SOSストレンジャーズのユニフォーム@パワプロクンポケット外伝カオスフルswing編
【思考】
基本:主催者をぶっ飛ばす
1:こなたを見つける
2:売られた喧嘩は買う
※ナチス壊滅後からの参戦です。


【鶴屋さん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】健康
【装備】マサヒコのマウンテンバイク@仮面ライダーSPIRITS
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:殺し合いには乗らない
1:舞空術の使い手(ルーデル)を追いかけ、勝負を挑む



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最終更新:2009年12月01日 20:51
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