気付いたらここにいた。
真っ黒の視界、漆黒の草原。振り向くと視界の先には海がある。
青ではなくひたすらに黒い海が。
唯一月の光が真っ黒な視界に明かりを灯してくれる。
「ここは……っ……」
寒い。体の全身ががたがたと震える。
さっきのあれが脳裏にあるからだろう。
死んだ。
人が死んだ。
あっさりと。
かわいい女の子だった。それが……一瞬で肉の塊に変わった。
首がぱぁんと音を立てて破裂し、ゆっくりと残った胴体が倒れていく様は気持ち悪かった。
.
当然だ。そんなの見て平然と出来るか。実際に見てしまった俺はその場で何度も吐いてしまった。
それに相乗して匂いがひどかった。
血と嘔吐物の絡み合った不快な匂い。生臭さの充満したホール。
きついというレベルを超えていた。
出来れば
もう二度と嗅ぎたくないと声を大にして言いたい。
風が吹く。
暖かい風が吹いているのか。それとも冷たい風が吹いているのか。
わからない。わからない、わからない……!
ああ、いっそのこと全てを吹き飛ばす風が吹いてくれたらいいのに、この恐怖も。
このゲームに参加するということは……もしかしたらこの島で何も出来ずに惨めに死んでしまうかもしれない。
ぐちゃぐちゃな死体となってただ朽ちていくだけ。じゃあどうする?このゲームに乗るのか?
「……たまるか……」
殺して殺して殺して。
裏切って裏切って裏切って。
そうすれば、運よく優勝できるかもしれない。
「乗って……るか……」
それでも俺は。
「乗ってたまるかあああぁあぁぁああああぁああぁぁああああああ!!!!!!!!!」
こんなゲームには乗らない。柄でもなく大声で叫ぶ。
クールになれ?
一時のテンションに身を任せるな?
気にしてられるかよ、そんなこと。
(ここにはカニ、スバル、フカヒレ、姫、)
俺の最高の仲間達。こんなばかげたゲームに乗る奴なんて一人もいないはずだ。
そう確信めいたものが俺にはある。
(……それに、良美だっている)
俺の最愛の彼女。あの雨の日に俺らはようやくスタートラインに立てた。
良美も少しずつではあるが俺を信頼するようになり、俺もそれに応える形で頑張っている。
「信頼には応えないとな……俺は良美を護る!」
あの日々を。
良美とのこれからを。
こんなことで終わらせはしない!
「行こう、早く行動しないと」
覚悟を決めろ、対馬レオ。
仲間、良美の誰一人欠けることのなくこの島から脱出。
やることは山のようにある。
「上等だ、見てろよ郷田真弓!」
負けられないんだ、こんなところで。
とりあえず俺は支給品として入っていた匕首を腰に差す。
ここは
殺し合い、武器はいつでも使えるように身につけていたほうがいいだろう。
「俺の今いる所は、A-9だからここから近いのは灯台か」
ひとまずは近くの施設に行こう。もしかしたらそこに良美がいるかもしれない。
(できれば……早めに他の仲間とも合流したいけどな)
【A-9/1日目/深夜】
【対馬レオ@つよきす】
【装備】:匕首@操り世界のエトランジェ
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
1:灯台に向かう。
2:仲間との合流。佐藤良美を最優先。
3:全員無事にこの島からの脱出。
※佐藤良美ルートEnd後からの参戦です。
【匕首】
睦月透真の使っている匕首。
元は透真の父が持っていたものである。
最終更新:2010年06月05日 00:20