追跡者は恐らくティオ――。アリサはそう考えた。先程の衝撃波はおそらくサイス。サイスならまだ力も弱いし、避けやすい。
そして、サイスしか撃たないところを見ると、チャージル・サイフォドンは規制されたようだ。少しの安堵感。正直、シャナとかに来られたら確実に死んでいる。
やはり、カード。貧弱で能力を持たない者としては、カードは必須。懐には拳銃がしまってあるが、魔物に対しては効果は薄い。
狙うは、『田村ゆかり』『水樹奈々』『植田佳奈』……幸いなのはには、強力な役を演じる声優が多い。
故に、アリサは逃げながらそれを探していた。しかし、そうそううまく行かないというもの。ティオが先にカードを発見したのだった。
アリサは焦る。強力な魔物役のカード見つけたなら、すぐさまやられる。
しかし、それがないということは、作品にいない声優、あまり効果のない役、作品内で親しくないキャラの役のどれか……。
とりあえずいまは逃げるしかない。逃げて逃げて逃げて、カードを探すのだ。アリサはさらに地面を強く蹴った。
一方、追跡者であるティオもかなり焦っていた。ただの小学三年生に遅れを取っているのだ。もっとも、魔物の“脚力”はかなり削減されている。余談だが“腕力”は健在のようだ。
拾ったのは『前田愛』のカード。つまり、原作でのパートナーだ。効果は、おそらくサイス、セウシル以外の術の使用が可能になる……そんなところだろう。
だが、ここは温存しておきたい。他のプレイヤーまたはカードによる強力攻撃を防ぐためだ。原作でも、最強の盾となっている。今回も防げない攻撃はないだろう。
だから、ここは己の力もしくは追加のカードで戦うしかない。残念ながら、支給された武器はあまり効果が期待出来ない。
つまりは泥沼。両者、最初の一手を切り出した方が勝ち。ティオがカードを使用するまでは、この終わりない追いかけっこは続くだろう。
「もぉ~! いい加減捕まりなさいよ!」
「捕まれと言われて、捕まる馬鹿がどこにいますかっ」
双方、まだ相手を挑発する余力は残っているようだ。
最終更新:2011年07月26日 21:45