ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2479 まりさとまりさとらん プロローグ
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ankoss
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『まりさとまりさとらん プロローグ』 5KB
愛で 思いやり 愛情 越冬 番い 群れ 希少種 自然界 人間なし 純粋な愛でを目指して
まりさは山間部にある群の一員である。成ゆんの身で、グループ単位で行われる狩りに参加する一人前のゆっくりではあるものの、まだ伴侶はいない。理由は、まりさ本人が嫁を取ろうとしないからだ。
「まりさはじぶんでゆっくりするのでせいいっぱいなのぜ」
一因として、一匹狼の気質が有り、他ゆんに興味を抱かない性格を持っているから。また、狩猟能力も一般のゆっくりよりも優れているのだが、幼少期のトラウマで家族を作ることに対して忌避感を拭い去れないまま大人になってしまったのだ。
嫁を娶り、子をなすことが物資の少ない野良ゆっくりにとって最もゆっくり出来ること。常識であり、周りは皆、一生懸命番を探す中でまりさは一人、冬ごもりの餌集めを淡々とこなしていた。
「まりさ、あなたはどうするつもりなの?」
「どうもこうもないのぜ。まりさはひとりでゆっくりするのぜ」
茶色く枯れ枯れとした落ち葉の上をまりさの義母である年老いたありすが立っていた。
「およめさんのせわをしてあげるから、ことしこそすっきりーするのよ」
「ざんねんながら、ありすにはまごのかおはみせられないのぜ」
「まりさ……いいかげん、おとなになりなさいよ」
頑固者の頭に悩みつつ、ありすはわざとらしく息を吐いた。そして、怪訝そうなまりさの顔にニヤ
リと含みを込めた意地悪い笑みを返す。
「でもね、ありすはもうみつけたのよ」
やれやれと、まりさは首を振ってみせた。
「だから、まりさは」
「おさのむすめにはじをかかすとどうなるかしらね」
「……きたないのぜ」
言葉を遮られ、告げられた言葉にまりさは驚きと怒りを隠せないでいた。ありすは知っているはずなのだ、自分が家族を作るというのがどれほど嫌なのか。ありす本人だって体験したはずなのに。
「そうでもしないと、あなたはけっこんしないでしょ」
サラリと答えるありすは勝ち誇っていた。事実、まりさは詰んでしまったことを自覚しているからである。
「けっこんしきはさんかいおひさまさんがしずんで、まっくらさんになったときよ。ふゆごもりまえのぱーてぃーさんもかねてごうせいになるわよ」
そう告げると、ありすは高笑いをしながら自分の家に戻っていった。その後姿を目で追うことしかまりさには出来なかった。
この群は通常とは少し変わった群で、長が稀少種のらんである。ただ、長が特殊なだけで後は他の群と同様、山に住むゆっくりたちがこぞり始め、リーダーシップを取れるゆっくりが群を率いてきた。
長のらんは突然変異で誕生したちぇんじりんぐの子供で、周りから迫害され、元の居た場所から離れる際にらん種を慕うちぇん種と共に別天地を目指した。そして、住み心地の良いゆっくりプレイスを見つけ、ちぇんを率いて住居を築きあげていった。そこへ、バラバラに暮らしていた他のゆっくりたちが噂を聞きつけ、群の一員となり始めた。
ちぇんと同様、この群はらん種への信頼が厚く、周りに捕食種がいないこともあってドスのように崇められている。そう、長の娘も同様なのだ。それもまた、らん種であればあるほど。
「おまえが、ありすのいっていたまりさだな。……なかなかの“こうせいゆん”じゃないか」
「そうだねーわかるよー……」
「ほめてくれるとじゅんすいにうれしいのぜ」
品定めをするようにまりさの体を見る長らんと、どこか元気が無い長らんの番であるちぇん。
狩りから帰ると直ぐ様、長からのお呼びがかかり、適度に感じる疲労感と共に長の家に馳せ参じて今に至るのだ。
長を囲む6匹の警備ちぇんとじっとまりさを睨む通常の成ゆんサイズのらんが目についてならない。だが、まりさは黙って長とその番を見つめた。
「つたわってないならいうのぜ。まりさはけっこんするきはないのぜ。わるいけど、ほかをあたってくれなのぜ」
ムザムザと流されるままでいられる程、まりさの堪忍袋の帯は緩くない。断るつもりで敵地に一人、切り込みに来たのだ。
だが、予期していたかのように長はカンペを読むように応えた。
「だがね、まりさ。わたしはありすのなきがおをみたくはないのだよ」
「まりさはまりさなのぜ。かってにきめるななのぜ」
「そうせくな。ありすはもうじゅみょうなのだ……」
「……どういうことなのぜ?」
ありすの事を持ち出してたしなめようと試みたと思えば、帰ってきたのはありすの死期を匂わせる言葉だった。一体どういう事なのか。周りの空気を気にせずまりさは長の口から告げられる続きを待つ。
「ありすはわたしがうまれるよりもまえからいきている。かれこれじゅうねん……さんかいはるがきて、それをさんかい」
「かずぐらいかぞえるのぜ。さんがさんかいにいちがいっかいのぜ」
「ほう、あたまのほうもよいのだな。ますます、むすめのむこにしたくなったよ」
能書きはいいと言わんばかりにまりさはきっとらんを睨みつけた。
「ようするに、ながくいきすぎたんだ。このままではにねんごのなつにはしんでしまう」
「まりさが、がんばればなんとかなるのぜ」
「いや、おまえはよくがんばったよ……」
確かに、成ゆんになってからというものの義母のありすに負担をかけまいとまりさは一人で頑張ってきた。だが、それでも無理といえば無理なのだろう。長の言葉は確実性があり信頼できる。逆に言えば、あきらめざるを負えないのだ。
不思議なことにまりさは悲しんだりする気持ちが沸き起こらなかった。ただ、運命なのだと自然に受け入れることができてしまったのだ。それも、死を一度経験したたわものなのかもしれない。
「そこで、おまえにはわたしのむすめをつがいにやろうとおもうのだ。なに、わるいこじゃないさ」
長らんの目線を感じた娘のらんは居心地悪そうにまりさの方へ、ペコリと頭を垂れた。
「むすめもりょうしょうずみだ。どうだ、まりさ。さいごのおやこうこうとおもってけっこんをしてみないか?」
「はなからきまったことをくちからたれるなんて、ぼけてるんじゃないのかぜ?」
端から強引にでも結婚させようとする魂胆をまりさは見抜いていた。なぜなら、すでに長らんが群に噂をばらまいていたからだ。もしも、まりさが断固としてノーといえば長らんの親派と娘らんの親衛隊(主に若いちぇん種)からの暴力はないにせよ村八分にされることは自明の理である。
「ほめことばとしてうけとっておいてやろう」
クツクツと笑う長らんとプルプルと震えている長らんの番のちぇんを見つめてまりさは思う。また、あの頃と同じことが起きてしまうのではないのかと。
続く
季節外れの冬ごもりストーリー。コンセプトは劣等感と家族愛。前中後編に分かれる予定。もしかするとそれ以上になるかもしれません。その辺りは気分屋の自分次第。
長々と文章を書くのもいいけど、今はあまり考えたくない時期なので手軽に文章を書きたいと思います。短い区切りでの投稿ですが、お付き合い下さいましまし。
嘘あき◆fWjZKksPCw
愛で 思いやり 愛情 越冬 番い 群れ 希少種 自然界 人間なし 純粋な愛でを目指して
まりさは山間部にある群の一員である。成ゆんの身で、グループ単位で行われる狩りに参加する一人前のゆっくりではあるものの、まだ伴侶はいない。理由は、まりさ本人が嫁を取ろうとしないからだ。
「まりさはじぶんでゆっくりするのでせいいっぱいなのぜ」
一因として、一匹狼の気質が有り、他ゆんに興味を抱かない性格を持っているから。また、狩猟能力も一般のゆっくりよりも優れているのだが、幼少期のトラウマで家族を作ることに対して忌避感を拭い去れないまま大人になってしまったのだ。
嫁を娶り、子をなすことが物資の少ない野良ゆっくりにとって最もゆっくり出来ること。常識であり、周りは皆、一生懸命番を探す中でまりさは一人、冬ごもりの餌集めを淡々とこなしていた。
「まりさ、あなたはどうするつもりなの?」
「どうもこうもないのぜ。まりさはひとりでゆっくりするのぜ」
茶色く枯れ枯れとした落ち葉の上をまりさの義母である年老いたありすが立っていた。
「およめさんのせわをしてあげるから、ことしこそすっきりーするのよ」
「ざんねんながら、ありすにはまごのかおはみせられないのぜ」
「まりさ……いいかげん、おとなになりなさいよ」
頑固者の頭に悩みつつ、ありすはわざとらしく息を吐いた。そして、怪訝そうなまりさの顔にニヤ
リと含みを込めた意地悪い笑みを返す。
「でもね、ありすはもうみつけたのよ」
やれやれと、まりさは首を振ってみせた。
「だから、まりさは」
「おさのむすめにはじをかかすとどうなるかしらね」
「……きたないのぜ」
言葉を遮られ、告げられた言葉にまりさは驚きと怒りを隠せないでいた。ありすは知っているはずなのだ、自分が家族を作るというのがどれほど嫌なのか。ありす本人だって体験したはずなのに。
「そうでもしないと、あなたはけっこんしないでしょ」
サラリと答えるありすは勝ち誇っていた。事実、まりさは詰んでしまったことを自覚しているからである。
「けっこんしきはさんかいおひさまさんがしずんで、まっくらさんになったときよ。ふゆごもりまえのぱーてぃーさんもかねてごうせいになるわよ」
そう告げると、ありすは高笑いをしながら自分の家に戻っていった。その後姿を目で追うことしかまりさには出来なかった。
この群は通常とは少し変わった群で、長が稀少種のらんである。ただ、長が特殊なだけで後は他の群と同様、山に住むゆっくりたちがこぞり始め、リーダーシップを取れるゆっくりが群を率いてきた。
長のらんは突然変異で誕生したちぇんじりんぐの子供で、周りから迫害され、元の居た場所から離れる際にらん種を慕うちぇん種と共に別天地を目指した。そして、住み心地の良いゆっくりプレイスを見つけ、ちぇんを率いて住居を築きあげていった。そこへ、バラバラに暮らしていた他のゆっくりたちが噂を聞きつけ、群の一員となり始めた。
ちぇんと同様、この群はらん種への信頼が厚く、周りに捕食種がいないこともあってドスのように崇められている。そう、長の娘も同様なのだ。それもまた、らん種であればあるほど。
「おまえが、ありすのいっていたまりさだな。……なかなかの“こうせいゆん”じゃないか」
「そうだねーわかるよー……」
「ほめてくれるとじゅんすいにうれしいのぜ」
品定めをするようにまりさの体を見る長らんと、どこか元気が無い長らんの番であるちぇん。
狩りから帰ると直ぐ様、長からのお呼びがかかり、適度に感じる疲労感と共に長の家に馳せ参じて今に至るのだ。
長を囲む6匹の警備ちぇんとじっとまりさを睨む通常の成ゆんサイズのらんが目についてならない。だが、まりさは黙って長とその番を見つめた。
「つたわってないならいうのぜ。まりさはけっこんするきはないのぜ。わるいけど、ほかをあたってくれなのぜ」
ムザムザと流されるままでいられる程、まりさの堪忍袋の帯は緩くない。断るつもりで敵地に一人、切り込みに来たのだ。
だが、予期していたかのように長はカンペを読むように応えた。
「だがね、まりさ。わたしはありすのなきがおをみたくはないのだよ」
「まりさはまりさなのぜ。かってにきめるななのぜ」
「そうせくな。ありすはもうじゅみょうなのだ……」
「……どういうことなのぜ?」
ありすの事を持ち出してたしなめようと試みたと思えば、帰ってきたのはありすの死期を匂わせる言葉だった。一体どういう事なのか。周りの空気を気にせずまりさは長の口から告げられる続きを待つ。
「ありすはわたしがうまれるよりもまえからいきている。かれこれじゅうねん……さんかいはるがきて、それをさんかい」
「かずぐらいかぞえるのぜ。さんがさんかいにいちがいっかいのぜ」
「ほう、あたまのほうもよいのだな。ますます、むすめのむこにしたくなったよ」
能書きはいいと言わんばかりにまりさはきっとらんを睨みつけた。
「ようするに、ながくいきすぎたんだ。このままではにねんごのなつにはしんでしまう」
「まりさが、がんばればなんとかなるのぜ」
「いや、おまえはよくがんばったよ……」
確かに、成ゆんになってからというものの義母のありすに負担をかけまいとまりさは一人で頑張ってきた。だが、それでも無理といえば無理なのだろう。長の言葉は確実性があり信頼できる。逆に言えば、あきらめざるを負えないのだ。
不思議なことにまりさは悲しんだりする気持ちが沸き起こらなかった。ただ、運命なのだと自然に受け入れることができてしまったのだ。それも、死を一度経験したたわものなのかもしれない。
「そこで、おまえにはわたしのむすめをつがいにやろうとおもうのだ。なに、わるいこじゃないさ」
長らんの目線を感じた娘のらんは居心地悪そうにまりさの方へ、ペコリと頭を垂れた。
「むすめもりょうしょうずみだ。どうだ、まりさ。さいごのおやこうこうとおもってけっこんをしてみないか?」
「はなからきまったことをくちからたれるなんて、ぼけてるんじゃないのかぜ?」
端から強引にでも結婚させようとする魂胆をまりさは見抜いていた。なぜなら、すでに長らんが群に噂をばらまいていたからだ。もしも、まりさが断固としてノーといえば長らんの親派と娘らんの親衛隊(主に若いちぇん種)からの暴力はないにせよ村八分にされることは自明の理である。
「ほめことばとしてうけとっておいてやろう」
クツクツと笑う長らんとプルプルと震えている長らんの番のちぇんを見つめてまりさは思う。また、あの頃と同じことが起きてしまうのではないのかと。
続く
季節外れの冬ごもりストーリー。コンセプトは劣等感と家族愛。前中後編に分かれる予定。もしかするとそれ以上になるかもしれません。その辺りは気分屋の自分次第。
長々と文章を書くのもいいけど、今はあまり考えたくない時期なので手軽に文章を書きたいと思います。短い区切りでの投稿ですが、お付き合い下さいましまし。
嘘あき◆fWjZKksPCw