ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2488 もう戻らない
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ankoss
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『もう戻らない』 12KB
虐待 制裁 飼いゆ 現代 独自設定
※独自設定垂れ流し
※理不尽制裁ものです
制裁されないゆっくりがいます
もう戻らない
「おにいざああああん! やべでええええええ!」
部屋の中にゆっくりまりさの声が響き渡る。
まりさにできるのはそれだけだった。まりさがいくら暴れようと意味が無い。まりさの抵
抗をびくともせずに阻むのは、ゆっくり加工所特製の透明な箱なのだ。
まりさの声を背に受け、しかし、おにいさんは振り向きもしない。おにいさんの向く先に
は、まりさの愛しい番のゆっくりれいむがいる。
「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ! ぷくううううう!」
ゆっくり特有の威嚇行動。全身をふくらませる「ぷくう」をするれいむの背後には、小さ
な三つの生首饅頭。生まれて間もない、赤ゆっくり。できたてのちっちゃな黒いお帽子を
かぶった赤まりさが一匹。可愛らしいリボンで黒髪を飾る、赤れいむが二匹。
まりさとれいむの必死の行動は、しかし、おにいさんの酷薄な表情を崩すことはなかった
。
「だめだ。まりさ。お前は約束をやぶったんだから」
まりさは生まれて間もない頃、幸運にもおにいさんに拾われた。飼いゆっくりとしてのび
のびと育ち、そして街で出会った野良のれいむと「ずっとゆっくり」することにした。お
にいさんも喜んでれいむを迎え入れてくれた。
だが、ひとつだけ約束があった。
おにいさんに無断で「すっきりー」してはならない。子供を勝手に作ってはならない。も
しその約束を破ったら、制裁する。
二匹の飼いゆっくりは、愚かにもそれを破ってしまった。
まりさもれいむも、ゲスどころかわがままを言うことない、善良で素直なゆっくりだった
。おにいさんとの仲も良く、しあわせに暮らしていた。
だが、それでもなお抗えなかった。
「すっきりー」はゆっくりにとって最上級の快感。なにより、愛する番と本当の意味で「
ずっとゆっくり」することを決定する神聖な儀式。
そして愛しあうもの同士の「すっきりー」によって授かるおちびちゃんは、この世の何に
も代えがたい、最高にゆっくりできる存在。
魅力的だった。蠱惑的だった。抗えるものではなかった。
だから二匹は約束を違えた。
しかしおにいさんは約束を違えなかった。
「約束を破ったゆっくりは制裁だ」
「やべでえええ! おにいいざんやべでえええ! まりざのれいぶどっ! おちびぢゃん
にっ! ひどいごどじないでえええええ!」
「ぷくうううううう!」
懇願するまりさ。抵抗を示すれいむ。ヒートアップする二匹とは対照的に、おにいさんは
あくまで静かだった。
そして、静かに告げた。
「制裁はする。だが、れいむ。お前にはチャンスを与える」
「ぷくうううう……ゆ?」
「お前は約束を破った。だが、お前が本当に子供を守る母性にあふれたゆっくりなら、お
前も子供も助けてやろう」
「ゆゆゆ!?」
突然の申し出に、「ぷくう」を解き、怪訝そうにするれいむ。それを、まりさが後押しし
た。
「れいぶうううう! おにいざんのいうごどをぎいでね! れいむならだいじょうぶだよ
っ! いっしょにゆっくりしようよおおおおお!」
愛する番の後押し。そして、れいむは自分の母性に疑いなど持っていなかった。
迷う理由など、どこにもなかった。
「ゆっくりりかいしたよ!」
元気よくれいむは答えたのだった。
・
・
・
「ゆっぎゃああああああ!」
「おにいいざあああああん! なにじでるのおおおおお!?」
れいむの叫ぶ前、おにいさんは、キッチンに向かいフライパンを振っていた。
チャーハンを炒るように、鋭く早く、リズミカルに、実に慣れた手つきだった。
火にかけられたフライパンには焦げ付かないようたっぷり油がひかれている。
そして、その油を全身に浴びてフライパンの中で踊るのは、赤れいむだ。
「おちびぢゃんをだずげでぐれんじゃなかっだのおおおおお!?」
れいむの餡を吐くような問いかけに、
「ああ、チャンスはやるさ」
おにいさんはひどく蛋白に答え、フライパンの中身をれいむの口の中に注ぎ込んだ。
「!?」
煮えたぎる油がれいむの口内を灼いた。
「あっぢゅううううううううううう!?」
れいむは吹き出した。ただれた口内の饅頭皮を吐き、咳き込み、餡子まで吐き、のたうち
回って苦しんだ。
ごろごろと転げまわって苦しむれいむを、おにいさんはただ静かに見下ろしていた。
たっぷり苦しみ、ようやく痛みが引いたのか。れいむはぐったりとし、うめくように問い
かけた。
「お、お、おにいざん……どぼじでごんなごどずるの……?」
「お前にチャンスをやった」
「ちゃ、ちゃんすって……?」
「だから、お前の子供を助けるチャンスだ。お前の子供を油で焼いた。だが、死んじゃい
なかった。生き残る可能性は十分あった」
おちびちゃん、という言葉に反応し、れいむは飛び上がった。
「おちびちゃんは!? おちびちゃんはどこおおおお!?」
「お前がぺーろぺろしてなめてやれば助かったかも知れないのに……」
おにいさんは壁の一点を指さした。れいむは目を向け、そして目を剥いた。
「れいむのおちびちゃんがあああああああ!?」
壁には餡子のシミができていた。その下に落ちた、焼け焦げた小さなおリボンは、まぎれ
もなく赤れいむのものだった。
「どぼじでごんなごどにいいいいいいいい!!」
「お前があそこに吹き飛ばしたんだ」
フライパンの中で炒られていた赤れいむは、油ごとれいむの口に注ぎ込まれた。
れいむはそれを全力で吐き出した。結果、赤れいむは壁に激突。ただでさえもろい赤ゆっ
くりが焼かれた上に叩きつけられては耐えられるハズもなかった。
「ごべんねええええ! おちびぢゃんごべんねえええええ!」
れいむは餡子の染みになったおちびちゃんにすりより、泣き濡れた。そんなれいむに、お
にいさんはただ淡々と告げた。
「次は頑張れ」
・
・
・
「おかあしゃああああん! たすけちぇええええええ!」
大きなジョッキの中、半分ほどが紅い液体で満たされている。
その上で、自らのおぼうしによって頼りなげに浮かぶのは、赤まりさだ。
「さあ、れいむ。今度はちゃんと助けてやれ。早くしないと落ちちまうぞ」
まりさ種はそのおぼうしで水に浮くことができる。だが、それには訓練が必要だ。生まれ
て間もない赤まりさに、そんなことはは無理な芸当だった。波もないのにゆらゆら揺れて
、今にも落ちてしまいそうだ。
「ゆっくりしないでたすけるよ!」
れいむは慎重にジョッキに近づくと、舌をそろそろと伸ばした。ゆっくりの舌は意外に長
く伸びる。赤まりさを舌からすくい上げるのは十分可能だ。
れいむは集中して、ゆっくり確実に舌を伸ばした。
泣き叫んでいた赤まりさも、今は期待に目を輝かし、しかし不安に身体をふるわせ、れい
むの舌の動きをじっと見つめている。
そして、波を立てないようにそっと。ようやくれいむの舌が、ジョッキの水面に触れた。
瞬間、
「ゆっ……びゃあああああああ!」
れいむの悲鳴が爆発した。
今までの慎重な動きはどこへやら。暴れまわる舌は、ジョッキを横倒しにしてしまう。
「ゆっきゅうううううう!?」
赤まりさは悲鳴をあげながら紅い水に飲まれた。だが、ジョッキ半分程度の液体だ。すぐ
に床に広がってしまい、赤まりさを溶かすには至らない。
赤まりさの水没死はまぬがれた。
それなのに、
「ゆぴぃいいいいいいいいい!?」
赤まりさは死にそうな悲鳴を上げた。
ジョッキの中にあった紅い液体は、たっぷりとタバスコを混ぜた水だったのだ。辛味はゆ
っくりにとって劇物だ。赤まりさはそれを全身に浴びてしまったのだからたまらない。
目が引き裂かれるように痛む。口の中は火がついたよう。未成熟なまむまむは過剰な刺激
にただれて開き、反対に痛みのあまりあにゃるはぎゅっとしまった。体中がヒリヒリとし
、まるで全身やすりにかけれているかのようだった。
「ゆぴゃああ! ゆぴゃああ! ゆぴゅああああ……ああああ!?」
いつまでも止まりそうにない赤まりさの悲鳴は、しかし唐突に止められた。それは、
「ゆげえええええええ!」
れいむの吐餡だった。れいむの吐いた餡子が赤まりさを埋め尽くしたのだ。
体内に入った辛味という劇物を吐き出し、しばらくしてれいむはようやく落ち着いた。
「お、おぢびぢゃんは……?」
れいむの問いに、おにいさんは無言でれいむの吐いた餡子を指さした。
「お、おぢびぢゃああああん!」
れいむは自分の吐き出した餡子を必死に掘り返した。
時折、自分の吐いた辛味に触れたり、床に広がったタバスコに触れてぴりぴり震えながら
、それでも耐えてれいむは必死に餡子をかき分けた。
掘り進んだ。急がなくてはと、とにかく掘り進んだ。
餡子をどかした。餡子をどかした。ちぎれたお下げをどかした。くしゃくしゃになったお
ぼうしをどかした。金髪をどかした。取れてしまったおめめをどかした。
どかして、どかして、そして……何も残らなかった。
辛味にさらされすっかり脆くなった赤まりさの身体は、れいむの吐餡に押しつぶされてあ
っさりと破裂していた。
赤まりさは、とっくの昔に「永遠にゆっくり」していた。
「まだ赤れいむが残ってる。次は頑張れ」
おにいさんは、やはり、淡々と告げた。
・
・
・
「おきゃあしゃああん!! おきゃあしゃああああん!」
れいむは見ていた。
呆然と見ていた。
最後のおちびちゃんになされる凶行を、ただ呆然と眺めていた。
最初は抗議した。「ぷくう」をした。体当たりだって何度もした。
でも、ある段階を過ぎたとき。
れいむは、諦めてしまった。
「おきゃああしゃああああああああああん!」
赤れいむは生きている。はっきりと声を出せるほどに、生きている。
それが不思議だ、と言えるほどの状態で、生きている。
赤れいむには、数えきれないほどの針がびっしりと刺されている。
巧みな角度と深さで、ゆっくりの急所である中枢餡を避けて針は次々と差し込まれていっ
た。暴れそうになったらあんよを重点的に、餡子を吐きそうになったら吐かないよう喉の
奥を狙い、あくまで殺さないよう着実に、実に慣れた手つきで次々とおにいさんは針を刺
してやった。
「さあ、助けてあげるんだ」
ついに赤れいむが悲鳴をあげなくなったところで、おにいさんはそれを差し出した。
れいむにはそれがなんだかわからなかった。びっしりと針が突き立てられたそれは、まる
でイガグリのようだった。いや、違う。わずかだが、呻いている。かろうじて、生きてい
る。赤れいむは、まだ死んではいない。
だが、れいむにはどうしていいのかまったくわからなかった。
「さあ、助けてあげるんだ」
呆然とするれいむを無視し、おにいさんはれいむの口のなかにそれを放り込んだ。
「!?」
口内を突き刺す痛みがれいむの意識を覚醒させた。
だが、悲鳴をあげることは出来なかった。
「さあ、助けろ」
おにいさんの足がれいむを上から踏みつけたからだ。
身体がひしゃげ、赤れいむの身体から飛び出た針がれいむの口内を蹂躙した。先程油でた
だれたこともあり、れいむの口の中はあっという間にボロボロになった。
「助けろ、助けろ、助けろ」
言葉と共に何度も何度も足を叩きつける。ましてや赤れいむを助けるどころか、れいむは
逃げることも抵抗することもできない。
「助けろ、助けろ、助けろ」
おにいさんの足は止まらない。れいむはなすがまま、されるがまま。声すら出せず、痛み
に震えるだけだった。
そして、ついにそれすらもできなくなった。今までのダメージもある。なにより、何度も
踏まれたことで体中を針が暴れまわり、中枢餡に致命的な損傷を負った。
大事なおちびちゃんを一匹も助けることもできず、最後まで苦しみぬき、悲しみぬき、れ
いむは「永遠にゆっくり」した。
そんなれいむを、おにいさんは無表情に見下ろした。
数分ほどそうしていただろうか。そして、おにいさんは見た。
目があった。
透明な箱の中、震えるまりさと目があった。
まりさは見ていた。ずっと見ていた。自分のおちびちゃんたちが惨殺されるさまを、苦し
むれいむの姿を、ずっと見ていた。
だが、声は上げなかった。
それは、あまりにも凄惨だったからか。あまりにも絶望的だったからか。あまりにも恐ろ
しかったからか。
「まりさ」
おにいさんの呼びかけに、まりさはびくりと震えた。
ここで無表情だったおにいさんが、初めてその顔に感情を見せた。
それは穏やかな微笑だった。
「悪いことをすると、こんな目に遭うんだ。これからは、ちゃんといい子でいるんだよ」
優しく語りかけながら、まりさをそっと透明な箱から取り出した。
そして、おにいさんはまりさを抱きしめ、問いかけた。
「わかったよね、まりさ」
まりさはゆっくりと頷いた。
「これでもう、10回目になるんだから」
おにいさんの笑みが変わった。深く、甘く、無垢で……しかし、濁った笑み。
「ゆっくりりかいしたよ! おにいさん!」
まりさは快活に答えた。
おにいさんと同じ笑みを、浮かべながら。
・
・
・
普通のゆっくりは知らない。
なぜならゆっくりは愚かだから、自分がどれほど下等であるか自覚的ない。ゆえに傲岸不
遜かつ無分別に生きる。危機感というものが決定的に欠如している。身の程知らずだから
、無謀に人間に挑んでくる。その結果は多くの場合、悲惨なものだ。
善良なゆっくりが普段の日常をしあわせに思うこともある。だが、ゆっくりの生活など所
詮おままごとのようなものだ。飼いゆであろうと野良ゆであろうと野生ゆであろうと、日
常をしあわせに思うゆっくりなど本当の意味での「死」の恐怖を知らない。それで感じる
しあわせなど、たかが知れている。
本当の意味での、「安全」であることのしあわせ。それを実感することの快楽。それらを
、ゆっくりが知ることは通常ありえない。
だが、まりさは知ってしまった。
ずっとゆっくりすると約束した愛する番と、その子供たち。それらが、虐待の末に殺され
る様を、透明な箱の中に閉じ込められて見せられた。次は自分の番、となったとき、まり
さはなぜか許された。ゆっくりは愚かだから、そんな扱いをうければ「自分は特別」とい
う勘違いをすることがある。
だが、まりさは違った。
知ってしまったからだ。「安全」というしあわせ。それを実感する快楽。ゆっくりが通常
知り得ないそれを、まりさは知ってしまったのだ。
まりさは、禁断の快楽を得た。
そして、おにいさんもまた知ってしまった。
悲鳴。苦しむ顔。ゆっくりのあまりにも悲惨で、それでいて滑稽極まりない姿。あっけな
くしあわせを奪われるゆっくりを見ることで、自分がしあわせであることを実感できるこ
と。虐待という昏い愉悦。
だが、おにいさんはそれで壊れるほど強くも脆くもなかった。まともな人間でありたかっ
た。だからまりさを生かした。悪いことをしたまりさに教育するため。――そんな空虚な
建前が、おにいさんいは必要だったのだ。まりさを生かすことで、おにいさんは自分がま
だまともだと、「安全」だと安心するのだ。
おにいさんは、禁断の快楽を得た。
一人と一匹は、当たり前の飼い主と当たり前の飼いゆっくりだった。
だが、今は違う。
きっとこれからも、同じことを繰り返す。前のようにはなれない。
だがそれは、戻れないのではない。
もう、戻らないのだ
了
by触発あき
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKI - 触発あきの作品集
http://www21.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/32.html
ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー - 触発あき
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/1379.html
感想はこちらにいただけるとうれしいです
触発あき - ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278666597/l50
虐待 制裁 飼いゆ 現代 独自設定
※独自設定垂れ流し
※理不尽制裁ものです
制裁されないゆっくりがいます
もう戻らない
「おにいざああああん! やべでええええええ!」
部屋の中にゆっくりまりさの声が響き渡る。
まりさにできるのはそれだけだった。まりさがいくら暴れようと意味が無い。まりさの抵
抗をびくともせずに阻むのは、ゆっくり加工所特製の透明な箱なのだ。
まりさの声を背に受け、しかし、おにいさんは振り向きもしない。おにいさんの向く先に
は、まりさの愛しい番のゆっくりれいむがいる。
「おちびちゃんたちはれいむがまもるよ! ぷくううううう!」
ゆっくり特有の威嚇行動。全身をふくらませる「ぷくう」をするれいむの背後には、小さ
な三つの生首饅頭。生まれて間もない、赤ゆっくり。できたてのちっちゃな黒いお帽子を
かぶった赤まりさが一匹。可愛らしいリボンで黒髪を飾る、赤れいむが二匹。
まりさとれいむの必死の行動は、しかし、おにいさんの酷薄な表情を崩すことはなかった
。
「だめだ。まりさ。お前は約束をやぶったんだから」
まりさは生まれて間もない頃、幸運にもおにいさんに拾われた。飼いゆっくりとしてのび
のびと育ち、そして街で出会った野良のれいむと「ずっとゆっくり」することにした。お
にいさんも喜んでれいむを迎え入れてくれた。
だが、ひとつだけ約束があった。
おにいさんに無断で「すっきりー」してはならない。子供を勝手に作ってはならない。も
しその約束を破ったら、制裁する。
二匹の飼いゆっくりは、愚かにもそれを破ってしまった。
まりさもれいむも、ゲスどころかわがままを言うことない、善良で素直なゆっくりだった
。おにいさんとの仲も良く、しあわせに暮らしていた。
だが、それでもなお抗えなかった。
「すっきりー」はゆっくりにとって最上級の快感。なにより、愛する番と本当の意味で「
ずっとゆっくり」することを決定する神聖な儀式。
そして愛しあうもの同士の「すっきりー」によって授かるおちびちゃんは、この世の何に
も代えがたい、最高にゆっくりできる存在。
魅力的だった。蠱惑的だった。抗えるものではなかった。
だから二匹は約束を違えた。
しかしおにいさんは約束を違えなかった。
「約束を破ったゆっくりは制裁だ」
「やべでえええ! おにいいざんやべでえええ! まりざのれいぶどっ! おちびぢゃん
にっ! ひどいごどじないでえええええ!」
「ぷくうううううう!」
懇願するまりさ。抵抗を示すれいむ。ヒートアップする二匹とは対照的に、おにいさんは
あくまで静かだった。
そして、静かに告げた。
「制裁はする。だが、れいむ。お前にはチャンスを与える」
「ぷくうううう……ゆ?」
「お前は約束を破った。だが、お前が本当に子供を守る母性にあふれたゆっくりなら、お
前も子供も助けてやろう」
「ゆゆゆ!?」
突然の申し出に、「ぷくう」を解き、怪訝そうにするれいむ。それを、まりさが後押しし
た。
「れいぶうううう! おにいざんのいうごどをぎいでね! れいむならだいじょうぶだよ
っ! いっしょにゆっくりしようよおおおおお!」
愛する番の後押し。そして、れいむは自分の母性に疑いなど持っていなかった。
迷う理由など、どこにもなかった。
「ゆっくりりかいしたよ!」
元気よくれいむは答えたのだった。
・
・
・
「ゆっぎゃああああああ!」
「おにいいざあああああん! なにじでるのおおおおお!?」
れいむの叫ぶ前、おにいさんは、キッチンに向かいフライパンを振っていた。
チャーハンを炒るように、鋭く早く、リズミカルに、実に慣れた手つきだった。
火にかけられたフライパンには焦げ付かないようたっぷり油がひかれている。
そして、その油を全身に浴びてフライパンの中で踊るのは、赤れいむだ。
「おちびぢゃんをだずげでぐれんじゃなかっだのおおおおお!?」
れいむの餡を吐くような問いかけに、
「ああ、チャンスはやるさ」
おにいさんはひどく蛋白に答え、フライパンの中身をれいむの口の中に注ぎ込んだ。
「!?」
煮えたぎる油がれいむの口内を灼いた。
「あっぢゅううううううううううう!?」
れいむは吹き出した。ただれた口内の饅頭皮を吐き、咳き込み、餡子まで吐き、のたうち
回って苦しんだ。
ごろごろと転げまわって苦しむれいむを、おにいさんはただ静かに見下ろしていた。
たっぷり苦しみ、ようやく痛みが引いたのか。れいむはぐったりとし、うめくように問い
かけた。
「お、お、おにいざん……どぼじでごんなごどずるの……?」
「お前にチャンスをやった」
「ちゃ、ちゃんすって……?」
「だから、お前の子供を助けるチャンスだ。お前の子供を油で焼いた。だが、死んじゃい
なかった。生き残る可能性は十分あった」
おちびちゃん、という言葉に反応し、れいむは飛び上がった。
「おちびちゃんは!? おちびちゃんはどこおおおお!?」
「お前がぺーろぺろしてなめてやれば助かったかも知れないのに……」
おにいさんは壁の一点を指さした。れいむは目を向け、そして目を剥いた。
「れいむのおちびちゃんがあああああああ!?」
壁には餡子のシミができていた。その下に落ちた、焼け焦げた小さなおリボンは、まぎれ
もなく赤れいむのものだった。
「どぼじでごんなごどにいいいいいいいい!!」
「お前があそこに吹き飛ばしたんだ」
フライパンの中で炒られていた赤れいむは、油ごとれいむの口に注ぎ込まれた。
れいむはそれを全力で吐き出した。結果、赤れいむは壁に激突。ただでさえもろい赤ゆっ
くりが焼かれた上に叩きつけられては耐えられるハズもなかった。
「ごべんねええええ! おちびぢゃんごべんねえええええ!」
れいむは餡子の染みになったおちびちゃんにすりより、泣き濡れた。そんなれいむに、お
にいさんはただ淡々と告げた。
「次は頑張れ」
・
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「おかあしゃああああん! たすけちぇええええええ!」
大きなジョッキの中、半分ほどが紅い液体で満たされている。
その上で、自らのおぼうしによって頼りなげに浮かぶのは、赤まりさだ。
「さあ、れいむ。今度はちゃんと助けてやれ。早くしないと落ちちまうぞ」
まりさ種はそのおぼうしで水に浮くことができる。だが、それには訓練が必要だ。生まれ
て間もない赤まりさに、そんなことはは無理な芸当だった。波もないのにゆらゆら揺れて
、今にも落ちてしまいそうだ。
「ゆっくりしないでたすけるよ!」
れいむは慎重にジョッキに近づくと、舌をそろそろと伸ばした。ゆっくりの舌は意外に長
く伸びる。赤まりさを舌からすくい上げるのは十分可能だ。
れいむは集中して、ゆっくり確実に舌を伸ばした。
泣き叫んでいた赤まりさも、今は期待に目を輝かし、しかし不安に身体をふるわせ、れい
むの舌の動きをじっと見つめている。
そして、波を立てないようにそっと。ようやくれいむの舌が、ジョッキの水面に触れた。
瞬間、
「ゆっ……びゃあああああああ!」
れいむの悲鳴が爆発した。
今までの慎重な動きはどこへやら。暴れまわる舌は、ジョッキを横倒しにしてしまう。
「ゆっきゅうううううう!?」
赤まりさは悲鳴をあげながら紅い水に飲まれた。だが、ジョッキ半分程度の液体だ。すぐ
に床に広がってしまい、赤まりさを溶かすには至らない。
赤まりさの水没死はまぬがれた。
それなのに、
「ゆぴぃいいいいいいいいい!?」
赤まりさは死にそうな悲鳴を上げた。
ジョッキの中にあった紅い液体は、たっぷりとタバスコを混ぜた水だったのだ。辛味はゆ
っくりにとって劇物だ。赤まりさはそれを全身に浴びてしまったのだからたまらない。
目が引き裂かれるように痛む。口の中は火がついたよう。未成熟なまむまむは過剰な刺激
にただれて開き、反対に痛みのあまりあにゃるはぎゅっとしまった。体中がヒリヒリとし
、まるで全身やすりにかけれているかのようだった。
「ゆぴゃああ! ゆぴゃああ! ゆぴゅああああ……ああああ!?」
いつまでも止まりそうにない赤まりさの悲鳴は、しかし唐突に止められた。それは、
「ゆげえええええええ!」
れいむの吐餡だった。れいむの吐いた餡子が赤まりさを埋め尽くしたのだ。
体内に入った辛味という劇物を吐き出し、しばらくしてれいむはようやく落ち着いた。
「お、おぢびぢゃんは……?」
れいむの問いに、おにいさんは無言でれいむの吐いた餡子を指さした。
「お、おぢびぢゃああああん!」
れいむは自分の吐き出した餡子を必死に掘り返した。
時折、自分の吐いた辛味に触れたり、床に広がったタバスコに触れてぴりぴり震えながら
、それでも耐えてれいむは必死に餡子をかき分けた。
掘り進んだ。急がなくてはと、とにかく掘り進んだ。
餡子をどかした。餡子をどかした。ちぎれたお下げをどかした。くしゃくしゃになったお
ぼうしをどかした。金髪をどかした。取れてしまったおめめをどかした。
どかして、どかして、そして……何も残らなかった。
辛味にさらされすっかり脆くなった赤まりさの身体は、れいむの吐餡に押しつぶされてあ
っさりと破裂していた。
赤まりさは、とっくの昔に「永遠にゆっくり」していた。
「まだ赤れいむが残ってる。次は頑張れ」
おにいさんは、やはり、淡々と告げた。
・
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「おきゃあしゃああん!! おきゃあしゃああああん!」
れいむは見ていた。
呆然と見ていた。
最後のおちびちゃんになされる凶行を、ただ呆然と眺めていた。
最初は抗議した。「ぷくう」をした。体当たりだって何度もした。
でも、ある段階を過ぎたとき。
れいむは、諦めてしまった。
「おきゃああしゃああああああああああん!」
赤れいむは生きている。はっきりと声を出せるほどに、生きている。
それが不思議だ、と言えるほどの状態で、生きている。
赤れいむには、数えきれないほどの針がびっしりと刺されている。
巧みな角度と深さで、ゆっくりの急所である中枢餡を避けて針は次々と差し込まれていっ
た。暴れそうになったらあんよを重点的に、餡子を吐きそうになったら吐かないよう喉の
奥を狙い、あくまで殺さないよう着実に、実に慣れた手つきで次々とおにいさんは針を刺
してやった。
「さあ、助けてあげるんだ」
ついに赤れいむが悲鳴をあげなくなったところで、おにいさんはそれを差し出した。
れいむにはそれがなんだかわからなかった。びっしりと針が突き立てられたそれは、まる
でイガグリのようだった。いや、違う。わずかだが、呻いている。かろうじて、生きてい
る。赤れいむは、まだ死んではいない。
だが、れいむにはどうしていいのかまったくわからなかった。
「さあ、助けてあげるんだ」
呆然とするれいむを無視し、おにいさんはれいむの口のなかにそれを放り込んだ。
「!?」
口内を突き刺す痛みがれいむの意識を覚醒させた。
だが、悲鳴をあげることは出来なかった。
「さあ、助けろ」
おにいさんの足がれいむを上から踏みつけたからだ。
身体がひしゃげ、赤れいむの身体から飛び出た針がれいむの口内を蹂躙した。先程油でた
だれたこともあり、れいむの口の中はあっという間にボロボロになった。
「助けろ、助けろ、助けろ」
言葉と共に何度も何度も足を叩きつける。ましてや赤れいむを助けるどころか、れいむは
逃げることも抵抗することもできない。
「助けろ、助けろ、助けろ」
おにいさんの足は止まらない。れいむはなすがまま、されるがまま。声すら出せず、痛み
に震えるだけだった。
そして、ついにそれすらもできなくなった。今までのダメージもある。なにより、何度も
踏まれたことで体中を針が暴れまわり、中枢餡に致命的な損傷を負った。
大事なおちびちゃんを一匹も助けることもできず、最後まで苦しみぬき、悲しみぬき、れ
いむは「永遠にゆっくり」した。
そんなれいむを、おにいさんは無表情に見下ろした。
数分ほどそうしていただろうか。そして、おにいさんは見た。
目があった。
透明な箱の中、震えるまりさと目があった。
まりさは見ていた。ずっと見ていた。自分のおちびちゃんたちが惨殺されるさまを、苦し
むれいむの姿を、ずっと見ていた。
だが、声は上げなかった。
それは、あまりにも凄惨だったからか。あまりにも絶望的だったからか。あまりにも恐ろ
しかったからか。
「まりさ」
おにいさんの呼びかけに、まりさはびくりと震えた。
ここで無表情だったおにいさんが、初めてその顔に感情を見せた。
それは穏やかな微笑だった。
「悪いことをすると、こんな目に遭うんだ。これからは、ちゃんといい子でいるんだよ」
優しく語りかけながら、まりさをそっと透明な箱から取り出した。
そして、おにいさんはまりさを抱きしめ、問いかけた。
「わかったよね、まりさ」
まりさはゆっくりと頷いた。
「これでもう、10回目になるんだから」
おにいさんの笑みが変わった。深く、甘く、無垢で……しかし、濁った笑み。
「ゆっくりりかいしたよ! おにいさん!」
まりさは快活に答えた。
おにいさんと同じ笑みを、浮かべながら。
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・
・
普通のゆっくりは知らない。
なぜならゆっくりは愚かだから、自分がどれほど下等であるか自覚的ない。ゆえに傲岸不
遜かつ無分別に生きる。危機感というものが決定的に欠如している。身の程知らずだから
、無謀に人間に挑んでくる。その結果は多くの場合、悲惨なものだ。
善良なゆっくりが普段の日常をしあわせに思うこともある。だが、ゆっくりの生活など所
詮おままごとのようなものだ。飼いゆであろうと野良ゆであろうと野生ゆであろうと、日
常をしあわせに思うゆっくりなど本当の意味での「死」の恐怖を知らない。それで感じる
しあわせなど、たかが知れている。
本当の意味での、「安全」であることのしあわせ。それを実感することの快楽。それらを
、ゆっくりが知ることは通常ありえない。
だが、まりさは知ってしまった。
ずっとゆっくりすると約束した愛する番と、その子供たち。それらが、虐待の末に殺され
る様を、透明な箱の中に閉じ込められて見せられた。次は自分の番、となったとき、まり
さはなぜか許された。ゆっくりは愚かだから、そんな扱いをうければ「自分は特別」とい
う勘違いをすることがある。
だが、まりさは違った。
知ってしまったからだ。「安全」というしあわせ。それを実感する快楽。ゆっくりが通常
知り得ないそれを、まりさは知ってしまったのだ。
まりさは、禁断の快楽を得た。
そして、おにいさんもまた知ってしまった。
悲鳴。苦しむ顔。ゆっくりのあまりにも悲惨で、それでいて滑稽極まりない姿。あっけな
くしあわせを奪われるゆっくりを見ることで、自分がしあわせであることを実感できるこ
と。虐待という昏い愉悦。
だが、おにいさんはそれで壊れるほど強くも脆くもなかった。まともな人間でありたかっ
た。だからまりさを生かした。悪いことをしたまりさに教育するため。――そんな空虚な
建前が、おにいさんいは必要だったのだ。まりさを生かすことで、おにいさんは自分がま
だまともだと、「安全」だと安心するのだ。
おにいさんは、禁断の快楽を得た。
一人と一匹は、当たり前の飼い主と当たり前の飼いゆっくりだった。
だが、今は違う。
きっとこれからも、同じことを繰り返す。前のようにはなれない。
だがそれは、戻れないのではない。
もう、戻らないのだ
了
by触発あき
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