ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2544 崩壊
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ankoss
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『崩壊』 13KB
いじめ 制裁 小ネタ 自業自得 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 うんしー 精神的に追い詰めるのはゆっくりできます。短めなので箸休めにどうぞ
「崩壊」
羽付きあき
・小ネタです
・会話主体です ご注意を
・制裁モノ?
・いくつかの独自設定を入れておりますご注意を
「ゆっへっへ!じじい!ここはまりさとれいむのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」
「わかったらさっさとあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ!」
「ゆぁぁ~ん?なんなのじぇ?なにきゃもんきゅありゅのかじぇぇぇ!?」
決まった、とまりさ達は当時思っていた。
生意気な人間の「おうち」を奪い、越冬をしようと短絡的に考えていたまりさ一家は遂にそれを実行へと移す。
出来るだけ立派な「おうち」が良い。「どれい」の人間と「ゆっくり」が居る所。
それが満たせばどこでも良いと考えていた。
この「おうち」には若い男と、無愛想な子まりさが一体しかいない。
おあつらえ向きだ、と冬に近づく季節の中で、ニタニタとほくそ笑みながらまりさは思案していた。
さてどうコキ使ってやろうか
まずは腹ごしらえだ。腹いっぱいあまあまをかっ食らう。
後はすっきりか?とにかく冬は長いのだ。落ち着いて考えよう。
まりさは帽子から木の枝を取り出すと、無表情で見下ろしている男に振りかざして叫んだ。
「なんなのぜ!?そのめは!なまいきなじじいなんだぜっ!まずはあまあまをもってくるんだぜ!」
れいむや子ゆっくり達がそれに合わせて囃し立てる。
男が、まりさ以上に口の端を釣り上げて、楽しそうに、笑った。
・・・・・・
・・・
「ゆ・・・!ゆ・・・!」
透明の箱の中に、小汚い一体のゆっくりがいた。
「ゆっくりれいむ」だ。
透明の箱の中にある、小石を必死に積み上げている。
箱の中事体はそれほど広くは無い。それがさらに圧迫感を増していた。
男が口の端を釣り上げながら、語りかける。
「早く石を積めよ。そうすりゃ出してやるぜ?」
その言葉を聞いた途端にれいむが醜く顔を歪め、男の方に向くと、口汚く罵声を浴びせ始めた。
「ぐぞじじいいいいい!ごごがらだぜええええええ!」
男はニタニタと笑いながら、れいむを見下ろして小馬鹿にするように答える。
「ま~だ自分の立場ってもんが分かってないらしいなぁ」
ポケットから何かを取り出すと、それを男はかざす。
・・・その瞬間、れいむは耳障りなノイズが直接餡子脳に響く様な不快感を感じた。
いや、不快感どころの騒ぎではない。餡子脳に激痛が走る。
「・・・っ”!?ぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”!?いだいいだいいだいいだいいだいいいいいいいいい!!いだいよ”お”お”お”お”お”っ!ゆぐぁ”ぁ”あ”あ”あ”っ!あ”あ”あ”あ”----っ!?」
小麦粉の皮をぐーねぐーねとさせ、寒天の両目を見開き、絶叫しながらのたうち、苦しむれいむ。
叫ばなければ痛みのあまりおかしくなってしまいそうなほどだ。
・・・れいむは知らない。これは「ゆっくりすぴーかー」と呼ばれるゆっくりの駆除製品である事を。
恐らくゆっくり以外には音としてすら認識していないだろう。
つまり周りには無音にしか聞こえない。
「やべでえ”え”え”っ!どべでっ!おどざんをどべでぐだざい”い”い”い”い”い”っ!!」
「ああ~?何甘えた事言ってんの?」
男はさらに「ボリューム」を上げる。
「があ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!ぎぃ”ぃ”ぃ”い”い”い”ぇ”ぇ”え”え”え”え”え”っ!!!」
最早唸り声の様な、ゆっくりとも思えぬ様な声を上げて苦しむれいむ。
小麦粉の皮から玉の様な水飴の汗がダラダラと流れ出ていた。
男がスイッチをオフにすると、れいむは仰向けにボテンと倒れて、舌を投げ出し、痙攣を始める。
寒天の両目が、白目をむいており、口の端からは、砂糖水の泡がブクブクと立っていた。
「ゆぶっ!ぶぐぶぐぶぐ・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!」
「おい、さっさと石を積み上げろってさっきいったよな?」
再び、「ゆっくりすぴーかー」のスイッチを入れる男。
その瞬間、れいむの小麦粉の体が再び、跳ねた。
「ゆ”・・・!ゆ”・・・!?ぐぉぉぉおおおおああああぁぁぁぁあぁぁああぁぁあああぁぁあああ!?ぎょお”お”お”お”お”お”お”!?」
・・・この行動が意味するもの、それはつまり失神する事すらも許されない。
れいむは完全に、この男に罵声を浴びせる事は無くなった。
「さっさと石を積め。いいな?できるだけ早く、正確に、心をこめて、だ」
・・・・・・
・・・
これまた、違う場所に、小汚いまりさがいた。
この場所はは、れいむが居たものとは違い、それなりに余裕がある。
標準的な野良ゆの「おうち」程度の大きさがあると考えて良いだろう。
まりさはこの場所から全く出る事が出来ない。
ここには、小さな電球が照らす灯り以外に何もないからだ、ただ真っ白い壁が、ずっと包んでいるだけである。
よくわからない箱の様な物が置いてあるが、まりさはそれが何なのかは分からなかった。
やがて、その「箱」から声が流れてくる。
「質問に答えろ」
「ゆゆ!さっきのじじいのこえだぜっ!ここはどこなんだぜっ!」
「答えたら出してやる」
「ふざけるんじゃないぜえええええええ!ざっざどごごがらだぜっ!ぐぞじじいいいいいいいい!!」
「・・・良いのか?答えないかぎり食料もやらないぞ?」
「ゆぐっ・・・!」
・・・まりさは多少頭の回る所はある。
伊達に街で生きている訳ではないのだ。
この状況では、釈然としないがとにかく要求をのむしかないだろう。
そう考えるくらいに、まりさは筋道立てて物事を考えられる。
「名前は?」
「ゆゆ!?なんのなまえだぜ!」
「お前の名前は?」
「ゲラゲラ!なにいってるんだぜ!?まりささまはまりささまだぜ!」
「ありすの口癖は?」
「ゆぁ~?そんなこともわからないのかぜ~?"とかいは"だぜ」
「ちぇんの口癖は?」
「ゆひゃひゃひゃひゃ!ばかなのかぜ?"わかるよー"にきまってるんだぜ!」
・・・少なくとも、まりさはこの人間の事を低く見積もっていた。
こんな基本的な事もわからないなんて。そしてこんな簡単な質問で屈服させる事が出来るものか、と高をくくっていた。
暫く簡単な問題が続く。やれ、「ぱちゅりーの口癖は?」だの「飼いゆっくりが付ける物は何?」だのと
十分も質問が続いた頃だろうか、男の声が大きく響いた。
「お前の名前は?」
「・・・ゆゆ?」
・・・・・・
・・・
「・・・ゆゆ!?きょきょはどきょにゃんだじぇ!?」
子まりさが目覚める。
辺りを見回しても何があるかもわからない。
なぜならここは、「真っ暗」なのだから。
「くしょじじいいいいいいい!くしょじじいはどこだじぇええええええ!」
怒りに任せて子まりさは叫ぶが、自信の声の以外は何も聞こえてこなかった。
飛び跳ねようとしても、すぐにどこかへ体をぶつけてしまう。
「ゆゆ!?せまいんだじぇ!?」
暗くて見えなかったが、ここはかなり狭い様だ。
子まりさが跳ねられない、身動きがほぼ取れないほどに狭い。
その上、自身の出す音以外、何も聞こえてこないのだ。
「じじいいいいいい!ここからだすのじぇえええええええ!」
・・・子まりさは怒った。とにかくあの「どれい」にここから出させようと声を張り上げる。
しかし声は返ってこない。
子まりさは、さらに怒って声を張り上げ続けている・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ゆ・・・ゆ・・・もういやだよぉぉ・・・ゆっぐりざぜでよぉぉ・・・」
憔悴しきった顔のれいむが、のろのろと舌で石を積み上げる。
もう少しで全てが積みあがるのだ。
石自体はかなり軽く、「小石」と呼ぶのも馬鹿らしいほどの小ささだ。
それを積み上げていく。
・・・なぜこれほど弱り切っているのか?それは・・・
男が、透明の箱を蹴った。
「ゆがっ!」
れいむがグラつく。が、倒れるほどの物ではない。
しかし・・・
「ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”--------っ!!!!!いじざんがあああああああああ!!まだあああああああああ!?」
先ほどの振動で、せっかく積みあがった石が崩れ去ってしまっていた。
男が笑いながら、れいむに言う。
「あ~あ、やり直しだなこりゃ」
「ぶざげるなぐぞじじい”い”い”い”い”っ!いいがげんにじろお”お”お”お”お”お”っ!!!」
れいむが叫び声を上げる。
男がポケットから「ゆっくりすぴーかー」を取り出し、目の前にかざした。
それを見た途端にれいむは、顔面が蒼白になり、ヘコヘコと自身の額を擦り合わせて必死に哀願する。
「ごべんなざいいいいいいい!まだづみまずうううううう!だがらゆるじでぐだざいいいいいいいい!」
「ご宅は良いからさっさと積めよ。これで38回目だぜ?」
れいむは再び必死に小石を舌で積み上げ始める。
既にれいむが小石を積み始めて、6時間近くが経過していた。
・・・・・・
・・・
「ゆ”・・・!ゆ"・・・!」
・・・憔悴しているのはれいむだけではなく、まりさも同じである。
同じ質問をかれこれ数百回以上ループされ続けていた。
最初は怒り叫び声を上げていたまりさも、質問の答え以外は一切聞かない男の声に根負けせざる負えなかった。
「お前の名前は?」
「ゆ”・・・ま・・・でぃざ・・・は・・・までぃざ・・・だぜ・・・」
「ありすの口癖は?」
「"どが・・・い・・・ば・・・"」
「ちぇんの口癖は?」
「"わ・・・が・・・る・・・ょ・・・"」
「れいむのリボンの色は?」
「"あ・・・あ・・・"!」
「色は?」
「あ・・・」
「色は?」
「・・・」
「色は?」
「・・・ゆ”ぅ”ぅ”・・・」
「色はなんだっ!」
「あ・・・ぐ・・・」
「色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!」
「あ・・・あ・・・ぁぁぁあああぁぁぁぁああああ!!あがああああああああああ!あがっ!あがっ!あ”があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」
・・・答えが続かなければ声がどんどん大きくなり、ずっとその質問が続く。
まりさの体自身はそんなに疲弊はしていない。しかし確実に心は疲弊していった。
「お前の名前は?」
・・・・・・
・・・
「だじじぇええええええええええ!!ごごがらだじじぇええええええええ!」
・・・暗闇と静寂の中、子まりさが叫ぶ。
帰ってくる答えは何もない。
「ぐらいんだじぇええええええええ!ごわいんだじぇえええええええええ!」
叫び声を上げるうちに、微かに何かが聞こえてくるような声がした。
「・・・ん・・・ほ・・・ぉ・・・ぉ・・・」と
声はどんどん大きくなる。暗闇の中から、入れるはずのないほど狭いはずなのに、なぜか鮮明に、ありすが現れたのだ。
"んほおおおおおおおおおおおおおお!!がわいいまでぃざねえええええええええ!ずっぎりじばじょおおおおおおおお!!!!"
「ゆぎゃあああああああ!?れいばーだじぇえええええええええ!!!」
子まりさは恐怖のあまり、うんうんとしーしーを漏らした。
逃げ場がない事に恐怖を感じ、ぐーねぐーねと小麦粉の体を揺らす。
「ゆひっ!ゆはっ!ゆはっ!ゆはっ!ゆはぁーっ!ゆはぁーっ!ごわいんだじぇええええええええ!ゆ”ゆ”!?あ・・・あ・・・あ・・・」
子まりさには何が見えるのだろうか?砂糖細工の歯をカチカチと鳴らし、カタカタと震え始めた。次の瞬間。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?あ”あ”あ”あ”あ”ーーーーーーーーーーーーっ!!??う0@RY¥QYRW9やTH9PWR;あGHPW9RTGPWYRGTPYうぇあせいYうぇP9TYGWぺRTYGPわ!!!!???????!!!?!?!?!?!?!?!!!!?!?!?!?!」
子まりさは寒天の両目をカメレオンのように左右非対称にグリグリと動かし、口をあんぐりとあけて、凄まじい金切り声を上げ始めた。
声は到底、届かない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ゆ”・・・ゆ”・・・」
れいむが小石を積み上げている。
その動きは当初に比べればかなりキレが悪く。それほど疲れているという証でもあった。
男がれいむを見て声をかける。
「これで148回目だ。さあ、積め」
…れいむが積んだ小石の山はかなり雑っぽく、今にも崩れそうなほどに雑に積んであった。
れいむの舌がプルプルと震える。
最後の一個であった。
「ゆ”…ごれ…で…でぎ…る…よ…」
最後の小石を積もうとした瞬間、れいむの舌が滑ってしまった。
小石の山が6割近くも崩れ落ちる。
「あ~あ」
男が声を上げた。
れいむは呆然とした表情で崩れた石の山を見る。次の瞬間
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!」
叫び声を上げると、石の山をグシャグシャに壊し始めたのだ。
「ゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
透明な箱の壁面に、凄まじい形相で何度も頭を叩きつけるれいむ。
暫くすると、いよいよ、小麦粉の体を体当たりをするようにぶちかまし始める。
砂糖細工の歯が折れ、小麦粉の皮が膨れ上がっていく。
男はその様子を尻目に、まりさのいる箱へと目を向けた。
……
…
「お前の名前は?」
「ま…で…ぃ…ざ…」
「ありすの口癖は?」
「ど…が…い…ば…」
「ちぇんの口癖は?」
「わ…が…る…よ…」
「れいむのリボンの色は?」
「あ…が…」
「お前の名前は?」
「ま…で…」
「名前は?」
「ま…あ…あ…」
「名前を言えっ!」
「あ…ゆ…ぐ…」
「名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!」
「ま…ま…ま”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!」
まりさがれいむと同じように声を上げた。
地面へと、ヘッドバットを幾度もまりさは繰り返し始める。
「までぃざああああああああああ!までぃざはまでぃざ!までぃざでまでぃざ!?までぃざをまでぃざ!までぃざにまでぃざ!?までぃざがまでぃざ!?までぃざのまでぃざ!までぃざなまでぃざ!までぃざは・・・までぃざはああああああああああ!?う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…ある晴れた朝。
心地よい風が吹き、柔らかな朝日が燦々と照らされている中で、とある家の前に、三体のゆっくりと、一人の男が立っていた。
「…これに懲りたら二度と"おうち宣言"なんてするなよ」
語りかける声に、ゆっくり達は答えない。
ただ口を半開きにして、定まらない視線で中空を見ながら、たたずんでいた。
そんなこともかまわず、男は言葉をつむぐ。
「さあ、さっさと帰りな」
その言葉と共に、三体のゆっくり達は、それぞれがまったく違う明後日の方向へと、フラフラと行き始める。
男はその様子を満足げに眺めると、ドアをバタリと閉めた。
すでにゆっくり達は、てんでバラバラの方向に、見えなくなるほど進んでいる。
…以後このゆっくり達を見かけた者は、誰もいない。
いじめ 制裁 小ネタ 自業自得 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 うんしー 精神的に追い詰めるのはゆっくりできます。短めなので箸休めにどうぞ
「崩壊」
羽付きあき
・小ネタです
・会話主体です ご注意を
・制裁モノ?
・いくつかの独自設定を入れておりますご注意を
「ゆっへっへ!じじい!ここはまりさとれいむのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」
「わかったらさっさとあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ!」
「ゆぁぁ~ん?なんなのじぇ?なにきゃもんきゅありゅのかじぇぇぇ!?」
決まった、とまりさ達は当時思っていた。
生意気な人間の「おうち」を奪い、越冬をしようと短絡的に考えていたまりさ一家は遂にそれを実行へと移す。
出来るだけ立派な「おうち」が良い。「どれい」の人間と「ゆっくり」が居る所。
それが満たせばどこでも良いと考えていた。
この「おうち」には若い男と、無愛想な子まりさが一体しかいない。
おあつらえ向きだ、と冬に近づく季節の中で、ニタニタとほくそ笑みながらまりさは思案していた。
さてどうコキ使ってやろうか
まずは腹ごしらえだ。腹いっぱいあまあまをかっ食らう。
後はすっきりか?とにかく冬は長いのだ。落ち着いて考えよう。
まりさは帽子から木の枝を取り出すと、無表情で見下ろしている男に振りかざして叫んだ。
「なんなのぜ!?そのめは!なまいきなじじいなんだぜっ!まずはあまあまをもってくるんだぜ!」
れいむや子ゆっくり達がそれに合わせて囃し立てる。
男が、まりさ以上に口の端を釣り上げて、楽しそうに、笑った。
・・・・・・
・・・
「ゆ・・・!ゆ・・・!」
透明の箱の中に、小汚い一体のゆっくりがいた。
「ゆっくりれいむ」だ。
透明の箱の中にある、小石を必死に積み上げている。
箱の中事体はそれほど広くは無い。それがさらに圧迫感を増していた。
男が口の端を釣り上げながら、語りかける。
「早く石を積めよ。そうすりゃ出してやるぜ?」
その言葉を聞いた途端にれいむが醜く顔を歪め、男の方に向くと、口汚く罵声を浴びせ始めた。
「ぐぞじじいいいいい!ごごがらだぜええええええ!」
男はニタニタと笑いながら、れいむを見下ろして小馬鹿にするように答える。
「ま~だ自分の立場ってもんが分かってないらしいなぁ」
ポケットから何かを取り出すと、それを男はかざす。
・・・その瞬間、れいむは耳障りなノイズが直接餡子脳に響く様な不快感を感じた。
いや、不快感どころの騒ぎではない。餡子脳に激痛が走る。
「・・・っ”!?ぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”!?いだいいだいいだいいだいいだいいいいいいいいい!!いだいよ”お”お”お”お”お”っ!ゆぐぁ”ぁ”あ”あ”あ”っ!あ”あ”あ”あ”----っ!?」
小麦粉の皮をぐーねぐーねとさせ、寒天の両目を見開き、絶叫しながらのたうち、苦しむれいむ。
叫ばなければ痛みのあまりおかしくなってしまいそうなほどだ。
・・・れいむは知らない。これは「ゆっくりすぴーかー」と呼ばれるゆっくりの駆除製品である事を。
恐らくゆっくり以外には音としてすら認識していないだろう。
つまり周りには無音にしか聞こえない。
「やべでえ”え”え”っ!どべでっ!おどざんをどべでぐだざい”い”い”い”い”い”っ!!」
「ああ~?何甘えた事言ってんの?」
男はさらに「ボリューム」を上げる。
「があ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!ぎぃ”ぃ”ぃ”い”い”い”ぇ”ぇ”え”え”え”え”え”っ!!!」
最早唸り声の様な、ゆっくりとも思えぬ様な声を上げて苦しむれいむ。
小麦粉の皮から玉の様な水飴の汗がダラダラと流れ出ていた。
男がスイッチをオフにすると、れいむは仰向けにボテンと倒れて、舌を投げ出し、痙攣を始める。
寒天の両目が、白目をむいており、口の端からは、砂糖水の泡がブクブクと立っていた。
「ゆぶっ!ぶぐぶぐぶぐ・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!」
「おい、さっさと石を積み上げろってさっきいったよな?」
再び、「ゆっくりすぴーかー」のスイッチを入れる男。
その瞬間、れいむの小麦粉の体が再び、跳ねた。
「ゆ”・・・!ゆ”・・・!?ぐぉぉぉおおおおああああぁぁぁぁあぁぁああぁぁあああぁぁあああ!?ぎょお”お”お”お”お”お”お”!?」
・・・この行動が意味するもの、それはつまり失神する事すらも許されない。
れいむは完全に、この男に罵声を浴びせる事は無くなった。
「さっさと石を積め。いいな?できるだけ早く、正確に、心をこめて、だ」
・・・・・・
・・・
これまた、違う場所に、小汚いまりさがいた。
この場所はは、れいむが居たものとは違い、それなりに余裕がある。
標準的な野良ゆの「おうち」程度の大きさがあると考えて良いだろう。
まりさはこの場所から全く出る事が出来ない。
ここには、小さな電球が照らす灯り以外に何もないからだ、ただ真っ白い壁が、ずっと包んでいるだけである。
よくわからない箱の様な物が置いてあるが、まりさはそれが何なのかは分からなかった。
やがて、その「箱」から声が流れてくる。
「質問に答えろ」
「ゆゆ!さっきのじじいのこえだぜっ!ここはどこなんだぜっ!」
「答えたら出してやる」
「ふざけるんじゃないぜえええええええ!ざっざどごごがらだぜっ!ぐぞじじいいいいいいいい!!」
「・・・良いのか?答えないかぎり食料もやらないぞ?」
「ゆぐっ・・・!」
・・・まりさは多少頭の回る所はある。
伊達に街で生きている訳ではないのだ。
この状況では、釈然としないがとにかく要求をのむしかないだろう。
そう考えるくらいに、まりさは筋道立てて物事を考えられる。
「名前は?」
「ゆゆ!?なんのなまえだぜ!」
「お前の名前は?」
「ゲラゲラ!なにいってるんだぜ!?まりささまはまりささまだぜ!」
「ありすの口癖は?」
「ゆぁ~?そんなこともわからないのかぜ~?"とかいは"だぜ」
「ちぇんの口癖は?」
「ゆひゃひゃひゃひゃ!ばかなのかぜ?"わかるよー"にきまってるんだぜ!」
・・・少なくとも、まりさはこの人間の事を低く見積もっていた。
こんな基本的な事もわからないなんて。そしてこんな簡単な質問で屈服させる事が出来るものか、と高をくくっていた。
暫く簡単な問題が続く。やれ、「ぱちゅりーの口癖は?」だの「飼いゆっくりが付ける物は何?」だのと
十分も質問が続いた頃だろうか、男の声が大きく響いた。
「お前の名前は?」
「・・・ゆゆ?」
・・・・・・
・・・
「・・・ゆゆ!?きょきょはどきょにゃんだじぇ!?」
子まりさが目覚める。
辺りを見回しても何があるかもわからない。
なぜならここは、「真っ暗」なのだから。
「くしょじじいいいいいいい!くしょじじいはどこだじぇええええええ!」
怒りに任せて子まりさは叫ぶが、自信の声の以外は何も聞こえてこなかった。
飛び跳ねようとしても、すぐにどこかへ体をぶつけてしまう。
「ゆゆ!?せまいんだじぇ!?」
暗くて見えなかったが、ここはかなり狭い様だ。
子まりさが跳ねられない、身動きがほぼ取れないほどに狭い。
その上、自身の出す音以外、何も聞こえてこないのだ。
「じじいいいいいい!ここからだすのじぇえええええええ!」
・・・子まりさは怒った。とにかくあの「どれい」にここから出させようと声を張り上げる。
しかし声は返ってこない。
子まりさは、さらに怒って声を張り上げ続けている・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ゆ・・・ゆ・・・もういやだよぉぉ・・・ゆっぐりざぜでよぉぉ・・・」
憔悴しきった顔のれいむが、のろのろと舌で石を積み上げる。
もう少しで全てが積みあがるのだ。
石自体はかなり軽く、「小石」と呼ぶのも馬鹿らしいほどの小ささだ。
それを積み上げていく。
・・・なぜこれほど弱り切っているのか?それは・・・
男が、透明の箱を蹴った。
「ゆがっ!」
れいむがグラつく。が、倒れるほどの物ではない。
しかし・・・
「ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”--------っ!!!!!いじざんがあああああああああ!!まだあああああああああ!?」
先ほどの振動で、せっかく積みあがった石が崩れ去ってしまっていた。
男が笑いながら、れいむに言う。
「あ~あ、やり直しだなこりゃ」
「ぶざげるなぐぞじじい”い”い”い”い”っ!いいがげんにじろお”お”お”お”お”お”っ!!!」
れいむが叫び声を上げる。
男がポケットから「ゆっくりすぴーかー」を取り出し、目の前にかざした。
それを見た途端にれいむは、顔面が蒼白になり、ヘコヘコと自身の額を擦り合わせて必死に哀願する。
「ごべんなざいいいいいいい!まだづみまずうううううう!だがらゆるじでぐだざいいいいいいいい!」
「ご宅は良いからさっさと積めよ。これで38回目だぜ?」
れいむは再び必死に小石を舌で積み上げ始める。
既にれいむが小石を積み始めて、6時間近くが経過していた。
・・・・・・
・・・
「ゆ”・・・!ゆ"・・・!」
・・・憔悴しているのはれいむだけではなく、まりさも同じである。
同じ質問をかれこれ数百回以上ループされ続けていた。
最初は怒り叫び声を上げていたまりさも、質問の答え以外は一切聞かない男の声に根負けせざる負えなかった。
「お前の名前は?」
「ゆ”・・・ま・・・でぃざ・・・は・・・までぃざ・・・だぜ・・・」
「ありすの口癖は?」
「"どが・・・い・・・ば・・・"」
「ちぇんの口癖は?」
「"わ・・・が・・・る・・・ょ・・・"」
「れいむのリボンの色は?」
「"あ・・・あ・・・"!」
「色は?」
「あ・・・」
「色は?」
「・・・」
「色は?」
「・・・ゆ”ぅ”ぅ”・・・」
「色はなんだっ!」
「あ・・・ぐ・・・」
「色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!色はなんだ!」
「あ・・・あ・・・ぁぁぁあああぁぁぁぁああああ!!あがああああああああああ!あがっ!あがっ!あ”があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!」
・・・答えが続かなければ声がどんどん大きくなり、ずっとその質問が続く。
まりさの体自身はそんなに疲弊はしていない。しかし確実に心は疲弊していった。
「お前の名前は?」
・・・・・・
・・・
「だじじぇええええええええええ!!ごごがらだじじぇええええええええ!」
・・・暗闇と静寂の中、子まりさが叫ぶ。
帰ってくる答えは何もない。
「ぐらいんだじぇええええええええ!ごわいんだじぇえええええええええ!」
叫び声を上げるうちに、微かに何かが聞こえてくるような声がした。
「・・・ん・・・ほ・・・ぉ・・・ぉ・・・」と
声はどんどん大きくなる。暗闇の中から、入れるはずのないほど狭いはずなのに、なぜか鮮明に、ありすが現れたのだ。
"んほおおおおおおおおおおおおおお!!がわいいまでぃざねえええええええええ!ずっぎりじばじょおおおおおおおお!!!!"
「ゆぎゃあああああああ!?れいばーだじぇえええええええええ!!!」
子まりさは恐怖のあまり、うんうんとしーしーを漏らした。
逃げ場がない事に恐怖を感じ、ぐーねぐーねと小麦粉の体を揺らす。
「ゆひっ!ゆはっ!ゆはっ!ゆはっ!ゆはぁーっ!ゆはぁーっ!ごわいんだじぇええええええええ!ゆ”ゆ”!?あ・・・あ・・・あ・・・」
子まりさには何が見えるのだろうか?砂糖細工の歯をカチカチと鳴らし、カタカタと震え始めた。次の瞬間。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!?あ”あ”あ”あ”あ”ーーーーーーーーーーーーっ!!??う0@RY¥QYRW9やTH9PWR;あGHPW9RTGPWYRGTPYうぇあせいYうぇP9TYGWぺRTYGPわ!!!!???????!!!?!?!?!?!?!?!!!!?!?!?!?!」
子まりさは寒天の両目をカメレオンのように左右非対称にグリグリと動かし、口をあんぐりとあけて、凄まじい金切り声を上げ始めた。
声は到底、届かない
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「ゆ”・・・ゆ”・・・」
れいむが小石を積み上げている。
その動きは当初に比べればかなりキレが悪く。それほど疲れているという証でもあった。
男がれいむを見て声をかける。
「これで148回目だ。さあ、積め」
…れいむが積んだ小石の山はかなり雑っぽく、今にも崩れそうなほどに雑に積んであった。
れいむの舌がプルプルと震える。
最後の一個であった。
「ゆ”…ごれ…で…でぎ…る…よ…」
最後の小石を積もうとした瞬間、れいむの舌が滑ってしまった。
小石の山が6割近くも崩れ落ちる。
「あ~あ」
男が声を上げた。
れいむは呆然とした表情で崩れた石の山を見る。次の瞬間
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!!!!!!!!!」
叫び声を上げると、石の山をグシャグシャに壊し始めたのだ。
「ゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりゆっぐりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
透明な箱の壁面に、凄まじい形相で何度も頭を叩きつけるれいむ。
暫くすると、いよいよ、小麦粉の体を体当たりをするようにぶちかまし始める。
砂糖細工の歯が折れ、小麦粉の皮が膨れ上がっていく。
男はその様子を尻目に、まりさのいる箱へと目を向けた。
……
…
「お前の名前は?」
「ま…で…ぃ…ざ…」
「ありすの口癖は?」
「ど…が…い…ば…」
「ちぇんの口癖は?」
「わ…が…る…よ…」
「れいむのリボンの色は?」
「あ…が…」
「お前の名前は?」
「ま…で…」
「名前は?」
「ま…あ…あ…」
「名前を言えっ!」
「あ…ゆ…ぐ…」
「名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!名前を言えっ!」
「ま…ま…ま”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!」
まりさがれいむと同じように声を上げた。
地面へと、ヘッドバットを幾度もまりさは繰り返し始める。
「までぃざああああああああああ!までぃざはまでぃざ!までぃざでまでぃざ!?までぃざをまでぃざ!までぃざにまでぃざ!?までぃざがまでぃざ!?までぃざのまでぃざ!までぃざなまでぃざ!までぃざは・・・までぃざはああああああああああ!?う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” あ”!!!!!!!!!!!!!!!!!???????????」
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…ある晴れた朝。
心地よい風が吹き、柔らかな朝日が燦々と照らされている中で、とある家の前に、三体のゆっくりと、一人の男が立っていた。
「…これに懲りたら二度と"おうち宣言"なんてするなよ」
語りかける声に、ゆっくり達は答えない。
ただ口を半開きにして、定まらない視線で中空を見ながら、たたずんでいた。
そんなこともかまわず、男は言葉をつむぐ。
「さあ、さっさと帰りな」
その言葉と共に、三体のゆっくり達は、それぞれがまったく違う明後日の方向へと、フラフラと行き始める。
男はその様子を満足げに眺めると、ドアをバタリと閉めた。
すでにゆっくり達は、てんでバラバラの方向に、見えなくなるほど進んでいる。
…以後このゆっくり達を見かけた者は、誰もいない。