ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4273 まりさは飼われゆっくり3
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『まりさは飼われゆっくり3』 32KB
虐待 観察 差別・格差 妬み 飼いゆ 野良ゆ 現代 続けて失礼します
虐待 観察 差別・格差 妬み 飼いゆ 野良ゆ 現代 続けて失礼します
※「anko4272 まりさは飼われゆっくり2」の続きです。その1(anko4266)から続けて読んでいただけると幸いです。
※観察系虐待です。主役まりさは当分きれいな体のまま(な予定)です。ご了承ください。
※観察系虐待です。主役まりさは当分きれいな体のまま(な予定)です。ご了承ください。
「ゆっゆっ……!!ここがあいてるのぜっ!!おちびっ!もうすぐなのぜっ!」
「ゆぅぅ、まりさ!きをつけてっ!きっといじわるな、みえないかべさんがいるよっ!!」
「わかってるのぜ……!!みえないかべさんは、まりさがいのちっ!にかえても せいっさい!してやるのぜぇっ……!!」
「ゆぅぅ、まりさ!きをつけてっ!きっといじわるな、みえないかべさんがいるよっ!!」
「わかってるのぜ……!!みえないかべさんは、まりさがいのちっ!にかえても せいっさい!してやるのぜぇっ……!!」
ついに野良ゆっくりの一家が見えない壁、即ち窓ガラスのところにまでやって来てしまった。
距離が近付いたことで、彼らの外見が如何にみすぼらしいものかが細部までよく見えてしまう。
お飾りは辛うじて頭に付いているものの、どれもがボロボロに擦り切れており、汚れて色もよく分からない。
涙や涎やうんしーでべとべとドロドロの体には砂埃や小さなゴミが満遍なく張り付いてモザイク様になっている。
傷だらけのあんよには、湿気が溜まりやすいのだろう、野良ゆにとって不治の病であるゆカビが生えてきていた。
特に虫の息で喘いでいる子れいみゅは、ほぼ全身に黒いゆカビが浸食しており、グロテスクな有様だ。
距離が近付いたことで、彼らの外見が如何にみすぼらしいものかが細部までよく見えてしまう。
お飾りは辛うじて頭に付いているものの、どれもがボロボロに擦り切れており、汚れて色もよく分からない。
涙や涎やうんしーでべとべとドロドロの体には砂埃や小さなゴミが満遍なく張り付いてモザイク様になっている。
傷だらけのあんよには、湿気が溜まりやすいのだろう、野良ゆにとって不治の病であるゆカビが生えてきていた。
特に虫の息で喘いでいる子れいみゅは、ほぼ全身に黒いゆカビが浸食しており、グロテスクな有様だ。
大声で叫ぶ母れいむと父まりさの口腔が消化しきれていない草に混じってびっしりゆカビだらけだったのを見て、まりさはビクッと身を縮めた。
が、どうやら野良一家の方はまりさどころか、リビングに並んでいるゆっくり人形にも気付いていない。
まりさの潜んでいるゆっくり人形たちのところは陰になっていて、外から見るとあまり目立たないのだろう。
が、どうやら野良一家の方はまりさどころか、リビングに並んでいるゆっくり人形にも気付いていない。
まりさの潜んでいるゆっくり人形たちのところは陰になっていて、外から見るとあまり目立たないのだろう。
案の定いじわるな見えない壁に侵入を邪魔された野良ゆっくりたち。
制裁の準備のために父まりさのお帽子からおちびちゃんたちが降ろされる。
放たれた子まりちゃがベトベトに汚れた体を窓ガラスにぐいーっと押し付けながら部屋の中を覗き込み、「しゅごいのじぇええええ!!」と叫んでべろべろと嘗め回した。
制裁の準備のために父まりさのお帽子からおちびちゃんたちが降ろされる。
放たれた子まりちゃがベトベトに汚れた体を窓ガラスにぐいーっと押し付けながら部屋の中を覗き込み、「しゅごいのじぇええええ!!」と叫んでべろべろと嘗め回した。
軽くのーびのーびゆーらゆーらと準備体操らしきものを終えた父まりさは傷だらけのビンテージ黒帽子を深々と被りなおし、宿敵見えない壁さんを前にして感慨深げにしばし佇んだ後……動いた。
「ゆっ……!みえないかべさんっ。さいっきょう!のまりさが ゆっくりいんどうをわたしてやるのぜ……
まりさのかわいいおちびが しにそうなのぜ?
たいせつなもののために たたかうのぜっ!きょうのまりさは ひとっあじ!ちがうのぜえええええ!!!」
「「ゆゆーっ!!」」
「ゆ……おちょーしゃ……がんばっちぇにぇっ……!れいみゅを ゆっくちさしぇちぇにぇ……」
まりさのかわいいおちびが しにそうなのぜ?
たいせつなもののために たたかうのぜっ!きょうのまりさは ひとっあじ!ちがうのぜえええええ!!!」
「「ゆゆーっ!!」」
「ゆ……おちょーしゃ……がんばっちぇにぇっ……!れいみゅを ゆっくちさしぇちぇにぇ……」
猛然と窓ガラスに体当たりを繰り出す父まりさ。
バスケットボール大の体をどすん!とぶつけ、弾き返されても歯を食いしばり、すぐに立ち上がる。
バスケットボール大の体をどすん!とぶつけ、弾き返されても歯を食いしばり、すぐに立ち上がる。
「ゆ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!ゆ゛っ゛ゆ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!
ばでぃざは まげないのぜぇ……!!まげるわげには、いかないっのぜぇええ……!!!
だがら、さいっぎょうなのぜぇえええ!!!ざいっぎょうじゃなきゃ、いげないんだぜぇ゛え゛え゛え゛え゛!!」
「ま、まりさぁぁ!!」
「ゆぅぅぅ……!!おちょーしゃんっっ!!」
ばでぃざは まげないのぜぇ……!!まげるわげには、いかないっのぜぇええ……!!!
だがら、さいっぎょうなのぜぇえええ!!!ざいっぎょうじゃなきゃ、いげないんだぜぇ゛え゛え゛え゛え゛!!」
「ま、まりさぁぁ!!」
「ゆぅぅぅ……!!おちょーしゃんっっ!!」
咆哮を上げながら体当たりを繰り返す父まりさは跳ね返ってくる衝撃に耐え切れず、饅頭の体をボコボコに歪ませていく。
それでも尚見えない壁に立ち向かっていく悲壮な姿に、妻である母れいむが悲痛な叫びを上げる。
下痢様のうんうんをぶびぃぶびょぉと間欠的に出す潰れ饅頭の子れいみゅをぺーろぺーろと舐めて看病しながら、子まりちゃは横目で父の偉大な姿を見つめ、その背のあまりの大きさに涙し、ついでにしーしーを垂らした。
それでも尚見えない壁に立ち向かっていく悲壮な姿に、妻である母れいむが悲痛な叫びを上げる。
下痢様のうんうんをぶびぃぶびょぉと間欠的に出す潰れ饅頭の子れいみゅをぺーろぺーろと舐めて看病しながら、子まりちゃは横目で父の偉大な姿を見つめ、その背のあまりの大きさに涙し、ついでにしーしーを垂らした。
ドス人形の影からその光景を見つめるまりさもまた、涙を流していた。
厳しい野良生活で栄養もゆっくりも足りず、ゆカビに侵され、うんうんが止まらなくなった子れいみゅ。
日に日に衰弱していく我が子を前にして、為す術なく途方にくれる父まりさや母れいむ。
にがにがさんをも縋る思いで、危険を承知しながらも、たくさんのしあわせー!をもつ人間さんのおうちを目指したのだろう。
自分はどうなってもいい。
この小さなおちびちゃんだけ、自分と妻の愛の結晶、辛い野良生活の中に舞い降りた天使さんさえ守れればいい。
日に日に衰弱していく我が子を前にして、為す術なく途方にくれる父まりさや母れいむ。
にがにがさんをも縋る思いで、危険を承知しながらも、たくさんのしあわせー!をもつ人間さんのおうちを目指したのだろう。
自分はどうなってもいい。
この小さなおちびちゃんだけ、自分と妻の愛の結晶、辛い野良生活の中に舞い降りた天使さんさえ守れればいい。
きっとそんな決死の覚悟で繰り出されているはずの父まりさの体当たりに、加工所産の窓ガラスは文字通りビクともせず、1mm足りとも軋んですらいなかったのだから。
体当たりを繰り返して勝手にボコボコになった父まりさが、へたれ込んで嘔吐混じりの荒い息を吐きながらも、依然鈍い光を放つ目で窓ガラスを睨みつける。
「おちょーしゃ……はやきゅ……はやきゅぅぅう……!!れいみゅを ゆっくちさしぇちぇえぇぇ……っ!!」
「ゆぜぇ……ゆぷっ、ゆぜぇ……っ!ま、まがぜるのぜぇぇ……!!おどーざんは まけないのぜっ!!
ぜーっだい!ま゛げだいのぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!ぐらえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
「ゆぜぇ……ゆぷっ、ゆぜぇ……っ!ま、まがぜるのぜぇぇ……!!おどーざんは まけないのぜっ!!
ぜーっだい!ま゛げだいのぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!ぐらえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
父まりさは最終手段として用意していた石を取り出し、口に咥え、大きく跳んだ。
ぱきぱきぱきっ
「っっっっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!いぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
そして、すべての歯が折れた痛みにのたうち回った。
激しく吐餡した上、うんしーを撒き散らかす。
正々堂々の勝負に相応しくない、ゆっくりできない道具を用いたゆっくりできない卑怯な攻撃。
お下げ一つで芋虫さんともアリさんとも戦ってきたまりさがそのプライドを捨ててまで放った狂気の一撃は、窓ガラスに傷一つ付けることすら出来なかった。
激しく吐餡した上、うんしーを撒き散らかす。
正々堂々の勝負に相応しくない、ゆっくりできない道具を用いたゆっくりできない卑怯な攻撃。
お下げ一つで芋虫さんともアリさんとも戦ってきたまりさがそのプライドを捨ててまで放った狂気の一撃は、窓ガラスに傷一つ付けることすら出来なかった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぎらべだいぃぃい!!ばでぃざはぁ……!ばでぃざはぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……っ!!」
子どもや妻の前でうんうんを漏らすほどの激痛に襲われながらも、父まりさは折れた歯でもう一度石を咥え、餡子を流失して凹んだ体で立ち上がる。
歯茎にずきん!と新たな激痛が走り、焦点の定まっていない目がこれ以上ないほど大きく開かれ、破裂せんばかりに血走った。
生死の極限状態にある生物としての本能か、粗末なぺにぺにがピンピンにそそり立ち、ヌメヌメの汁が垂れてきている。
歯茎にずきん!と新たな激痛が走り、焦点の定まっていない目がこれ以上ないほど大きく開かれ、破裂せんばかりに血走った。
生死の極限状態にある生物としての本能か、粗末なぺにぺにがピンピンにそそり立ち、ヌメヌメの汁が垂れてきている。
全身をがくがくと震わせながら、そろーりそろーりという擬音が相応しいほどの速度で這いずる。
何とか見えない壁に到達した父まりさは小さく「ぐらえ……っ、しにぇ……!!」と呟き、気絶して倒れ込むかのように窓ガラスにもたれかかった。
小石がコツンと小さく乾いた音を立て、「ゆびぃ!」と鳴く父まりさの口からポトリと落ちて転がっていく。
何とか見えない壁に到達した父まりさは小さく「ぐらえ……っ、しにぇ……!!」と呟き、気絶して倒れ込むかのように窓ガラスにもたれかかった。
小石がコツンと小さく乾いた音を立て、「ゆびぃ!」と鳴く父まりさの口からポトリと落ちて転がっていく。
「しゃ゛い゛……っきょ゛う゛……!!ゆぶ……ぜ、ぜいっ……ざいぃぃ……!!」
父まりさは最早一歩も動けず小さく痙攣しながらも、唯一動くお下げを使い、弱々しく窓ガラスを叩く。
ぺしんっ……ぺしんっ…………ぺしん………………ぺしっ……………………っ
明らかに弱まっていくお下げの動き。
地獄の野良生活においてただひとり頼れる最高の伴侶だった父まりさが為すすべなく倒れ、瀕死の状態になって尚抗い続ける姿を見て、母れいむはこの世で最低の絶望と屈辱を喉に詰め込まれたようなぐっちゃぐちゃに歪んだ顔になり、声すら出せずに嗚咽していた。
同じく満身創痍の父を見て滂沱の涙を流していた子まりちゃは何か父を救う手立てはないものかと辺りをきょろきょろと見回し、花壇にお花が生えているのを発見して「ゆみぃぃぇえぇええ!!」とよく分からない奇声を発した。
地獄の野良生活においてただひとり頼れる最高の伴侶だった父まりさが為すすべなく倒れ、瀕死の状態になって尚抗い続ける姿を見て、母れいむはこの世で最低の絶望と屈辱を喉に詰め込まれたようなぐっちゃぐちゃに歪んだ顔になり、声すら出せずに嗚咽していた。
同じく満身創痍の父を見て滂沱の涙を流していた子まりちゃは何か父を救う手立てはないものかと辺りをきょろきょろと見回し、花壇にお花が生えているのを発見して「ゆみぃぃぇえぇええ!!」とよく分からない奇声を発した。
「おがーじゃ゛!!あっぢに おはなざんがはえでりゅのじぇ゛ぇ゛え゛!!ゆっぐぢっ!!ゆっぐぢぃい!!」
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!!ど、どりにいごうね゛っ!!ばでぃざに、おばなざんをむーぢゃむーぢゃじでもらおう゛ね゛ぇ゛ぇ゛!!ずりずりずりぃぃいい!!」
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!!ど、どりにいごうね゛っ!!ばでぃざに、おばなざんをむーぢゃむーぢゃじでもらおう゛ね゛ぇ゛ぇ゛!!ずりずりずりぃぃいい!!」
盲目的に真っ直ぐ花壇へ突進し、縁側から落ちて「ゆぴゃああ!!」「まりちゃの おちりがぁぁ!!」と叫ぶふたり。
この程度で痛がってはいられないと数十秒後にすぐ起き上がり、うぞぞぞぞーとゆっくりらしからぬ速度で尻を振って蠕動していく。
この程度で痛がってはいられないと数十秒後にすぐ起き上がり、うぞぞぞぞーとゆっくりらしからぬ速度で尻を振って蠕動していく。
「むーぢゃむーぢゃあ゛あ゛!!ゆ゛あ゛あ゛!!じあばぜええ!!じ・あ・ば・ぜええええ!!」
「おひゃなざん、やわらがいのじぇええええ!!」
「おひゃなざん、やわらがいのじぇええええ!!」
花壇に辿りついたふたりは、狂乱したように暴れまわり、お花を食い荒らしていった。
赤や黄色のお花のまりーごーるどさん、青くてちっちゃなわすれな草さん。
この春に球根を植え、毎日お兄さんとお水をあげて成長を楽しんでいたあまりりすさんも、もぞもぞ群がるふたりについに茎を齧り倒されてしまう。
赤や黄色のお花のまりーごーるどさん、青くてちっちゃなわすれな草さん。
この春に球根を植え、毎日お兄さんとお水をあげて成長を楽しんでいたあまりりすさんも、もぞもぞ群がるふたりについに茎を齧り倒されてしまう。
まりさとお兄さんの大切な花壇さんを好き勝手蹂躙されるのはゆっくりできないし、普通なら制裁の対象である。
だが、今の彼らを誰がゲスだと責められると言うのか。
追い詰められてやって来た人間さんのおうちにすら拒絶され、進退極まった彼らに、一体どうしろと言うのだ。
今し方素敵なランチさんを食べ切れないほど与えられ、気分が優れないからと半分以上残した上、「ゆーうつだよ……」とぼんやり窓際でまどろんでいた自分には口を出す権利はない。絶対にだ。
だが、今の彼らを誰がゲスだと責められると言うのか。
追い詰められてやって来た人間さんのおうちにすら拒絶され、進退極まった彼らに、一体どうしろと言うのだ。
今し方素敵なランチさんを食べ切れないほど与えられ、気分が優れないからと半分以上残した上、「ゆーうつだよ……」とぼんやり窓際でまどろんでいた自分には口を出す権利はない。絶対にだ。
本来の目的を思い出したふたりが僅かばかり残った花を咥えて、ぽいんぽいんと戻ってくる。
依然隠れて様子を窺うまりさは、再び胸がきゅうう!と締め付けられた。
目先の欲望に翻弄されながらも何とか助け合う野良ゆっくり家族の姿に感動したからだけではない。
ここの花壇に植えられているのはツツジなどと違い、蜜を貯えない普通のお花。
食事としては子まりちゃの言うように少し軟らかいだけで、味や栄養はほぼ雑草と変わりない。
故に、必死に父まりさを救おうとしている彼らの行為が恐らく無駄であると分かってしまい、身を焦がすような歯痒さと無力感を感じてしまうのだ。
依然隠れて様子を窺うまりさは、再び胸がきゅうう!と締め付けられた。
目先の欲望に翻弄されながらも何とか助け合う野良ゆっくり家族の姿に感動したからだけではない。
ここの花壇に植えられているのはツツジなどと違い、蜜を貯えない普通のお花。
食事としては子まりちゃの言うように少し軟らかいだけで、味や栄養はほぼ雑草と変わりない。
故に、必死に父まりさを救おうとしている彼らの行為が恐らく無駄であると分かってしまい、身を焦がすような歯痒さと無力感を感じてしまうのだ。
「ゆ゛っ!ゆ゛っ!!ばでぃざあああ!!おばなざんだよぉぉお!!でいぶが いーっぱいかってきたよぉおお!!でいぶ、かり゛もでんっざい!でぎょべんに゛ぇええ゛あ゛あ゛!!!」
「むーちゃむーちゃしゅるのじぇえええ!!げんきになっちぇ!おぢょーしゃ!!!ゆっぐぢぢゃよっ!!」
「ゆっぁぁああ……れ、れいみゅもぉ……れいみゅも むーちゃむーちゃしゅりゅぅぅう……!!しょれ、ぜんぶちょーだいにぇぇっ……!!」
「むーちゃむーちゃしゅるのじぇえええ!!げんきになっちぇ!おぢょーしゃ!!!ゆっぐぢぢゃよっ!!」
「ゆっぁぁああ……れ、れいみゅもぉ……れいみゅも むーちゃむーちゃしゅりゅぅぅう……!!しょれ、ぜんぶちょーだいにぇぇっ……!!」
口元にぽとりと置かれたそれを横目に認めて、父まりさは震える舌を伸ばす。
「たべしゃしぇちぇにぇ……」と仰向けになって口を開けた子れいみゅには、子まりちゃが軋む体に鞭打ってのーびのーびし、柔かく噛み砕いたお花をちゅっちゅと口移しで与えていた。
「たべしゃしぇちぇにぇ……」と仰向けになって口を開けた子れいみゅには、子まりちゃが軋む体に鞭打ってのーびのーびし、柔かく噛み砕いたお花をちゅっちゅと口移しで与えていた。
「ゆ゛っ、ゆ゛っ…………れい、む……おちび……ゆ゛っ、ありがとー……のぜ……ゆ゛っゆ゛っ……
なんだか……ゆ゛ゆ゛っ…………なおってきた、みたい……なん……ぜ………もっ……――――」
「ゆ゛ゆ゛ーっ!!おどーじゃあああ!!!おみぇみぇをあけりゅんだじぇええええ!!」
「ずーやずーやしちゃ、だみぇえええええ!!!ばでぃざああああ!!おぎでぇぇ!!お、おぎろぉおお!!
でいぶだちを おいでいぐぎなのっ!?でいぶだちを みすでるぎなのぉぉおおお!!?ゆんやあああ!!」
「おひゃにゃ……もっちょ、おひゃにゃしゃん、ちょーだい……くっちゃくっちゃ……それにゃりぃぃ……」
なんだか……ゆ゛ゆ゛っ…………なおってきた、みたい……なん……ぜ………もっ……――――」
「ゆ゛ゆ゛ーっ!!おどーじゃあああ!!!おみぇみぇをあけりゅんだじぇええええ!!」
「ずーやずーやしちゃ、だみぇえええええ!!!ばでぃざああああ!!おぎでぇぇ!!お、おぎろぉおお!!
でいぶだちを おいでいぐぎなのっ!?でいぶだちを みすでるぎなのぉぉおおお!!?ゆんやあああ!!」
「おひゃにゃ……もっちょ、おひゃにゃしゃん、ちょーだい……くっちゃくっちゃ……それにゃりぃぃ……」
ぴくりとも動かなくなった父まりさの体がずるずるとずり落ちていき、縁側に置かれたただの潰れ巨大饅頭と化す。
その残骸は急速に黒ずんでいき、母れいむが両の揉み上げで掴んで上下に振りまわしていたお下げがぶちんっと千切れ飛んだ。
子まりちゃがゆんやああ!!ゆんやああ!!とただただ泣き叫ぶ。
一瞬の硬直の後、夫が永遠にゆっくりしたことを完全に理解した母れいむは、地獄の幽鬼もかくやと歯茎を剥き出しに食いしばり、目を真っ赤に血走らせて、叫んだ。
その残骸は急速に黒ずんでいき、母れいむが両の揉み上げで掴んで上下に振りまわしていたお下げがぶちんっと千切れ飛んだ。
子まりちゃがゆんやああ!!ゆんやああ!!とただただ泣き叫ぶ。
一瞬の硬直の後、夫が永遠にゆっくりしたことを完全に理解した母れいむは、地獄の幽鬼もかくやと歯茎を剥き出しに食いしばり、目を真っ赤に血走らせて、叫んだ。
「ゆ゛っっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!なんっなの、ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!
でいぶだぢが なにをじだっでいうのぉ゛お゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「ゆびぇえええん!!ゆびぇええん!!お、おがーじゃああ!!ゆっぐぢじでええええ!!!」
「ゆぅ……!にゃんにゃの……?あみゃあみゃは まぢゃにゃにょ……?」
でいぶだぢが なにをじだっでいうのぉ゛お゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「ゆびぇえええん!!ゆびぇええん!!お、おがーじゃああ!!ゆっぐぢじでええええ!!!」
「ゆぅ……!にゃんにゃの……?あみゃあみゃは まぢゃにゃにょ……?」
子どもたちを無視して、母れいむは窓ガラスに真正面から向かい合った。
「どぼじで でいぶだぢをおうぢにいれないの゛っ!?どぼじで ぞんなにいじわるなのっ!!?
でいぶだぢが どれだけつらくでぇ、どれだげゆっぐりできながっだとおぼっでるんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
ぐぞにんげんざんんっ!!いるんでしょっ!!?ゆっぐぢじないで、ざっざとでできでね゛え゛え゛!!!」
でいぶだぢが どれだけつらくでぇ、どれだげゆっぐりできながっだとおぼっでるんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
ぐぞにんげんざんんっ!!いるんでしょっ!!?ゆっぐぢじないで、ざっざとでできでね゛え゛え゛!!!」
引き千切れた父まりさのお下げを振り回して窓ガラスにぺちぺちぶつけながら、母れいむは叫び続ける。
「どぼじでぐぞにんげんたぢは でいぶをすでだのっ!?がいゆっくりをすでぢゃ、いげだいんだよっ!!?
でいぶ、おちびぢゃんがほしがっだだけなのにぃぃ……!!ゆっぐりじでないぐぞにんげんざんに おちびちゃんをみぜであげたがっただけなのにぃぃい!!
どぼじでぐぞにんげんは でいぶだぢをまたかってぐれだいのっ!?いつになったら はんっぜい!するのぉぉお!!?
だれでもいいから、でいぶだぢをがっでね!!ゆっぐじざぜでね゛え゛え゛え゛え゛!!!
でいぶだぢ、よるざんになっても おそどでおうだをうだっで ゆっぐりざぜであげたでしょおおお!!?
にんげんざんのごはんざんをかってきで、げんかんざんにおいであげたでしょおおおおお!!?
こんなしゅしょうっ!なでいぶだぢを かわいそうだとおもわないのぉ゛ぉ゛お゛おお゛!!!?」
でいぶ、おちびぢゃんがほしがっだだけなのにぃぃ……!!ゆっぐりじでないぐぞにんげんざんに おちびちゃんをみぜであげたがっただけなのにぃぃい!!
どぼじでぐぞにんげんは でいぶだぢをまたかってぐれだいのっ!?いつになったら はんっぜい!するのぉぉお!!?
だれでもいいから、でいぶだぢをがっでね!!ゆっぐじざぜでね゛え゛え゛え゛え゛!!!
でいぶだぢ、よるざんになっても おそどでおうだをうだっで ゆっぐりざぜであげたでしょおおお!!?
にんげんざんのごはんざんをかってきで、げんかんざんにおいであげたでしょおおおおお!!?
こんなしゅしょうっ!なでいぶだぢを かわいそうだとおもわないのぉ゛ぉ゛お゛おお゛!!!?」
過去を語って余計に悲しくなったのか、今までより大量の涙を放出し、顔をぐちゃぐちゃにして泣き叫ぶ。
感極まった母れいむは、父まりさのように、いじわるな見えない壁さんに向かって体当たりを始めた。
その姿はいかにもヤケクソだと言わんばかりで、跳ね返されては体勢をろくに整えることもなく、無闇やたらに頭から尻からぽすんぽすんとぶつかっていく。
自動で壁当てされるボールのようになった壊れた母れいむの横で、子まりちゃが「もうやめちぇえええ!!」と泣き叫び、もったんもったんと地団駄を踏んだ。
感極まった母れいむは、父まりさのように、いじわるな見えない壁さんに向かって体当たりを始めた。
その姿はいかにもヤケクソだと言わんばかりで、跳ね返されては体勢をろくに整えることもなく、無闇やたらに頭から尻からぽすんぽすんとぶつかっていく。
自動で壁当てされるボールのようになった壊れた母れいむの横で、子まりちゃが「もうやめちぇえええ!!」と泣き叫び、もったんもったんと地団駄を踏んだ。
まりさは、ついに耐え切れなくなった。
このままでは母れいむまでが永遠にゆっくりしてしまう。
そうなれば残った小さなおちびちゃんたちも、過程はともかく、すぐに後を追うことになる。
「このおうちには絶対に入れないから諦めて帰ってね」
せめてそう真実を伝え、一家がこの場で絶叫しながら全滅するという最悪の事態だけは回避させなければ。
このままでは母れいむまでが永遠にゆっくりしてしまう。
そうなれば残った小さなおちびちゃんたちも、過程はともかく、すぐに後を追うことになる。
「このおうちには絶対に入れないから諦めて帰ってね」
せめてそう真実を伝え、一家がこの場で絶叫しながら全滅するという最悪の事態だけは回避させなければ。
ドス人形の傍を離れ、窓の方に跳ねていく。
その短い間にもまりさの中枢餡はゆっくりらしからぬ速度で回転していた。
知らない人間さんのおうちの庭先で、入ることの許されなかったしあわせー!な世界を前にし、冷酷な見えない壁さんが見下ろす中で自らズタボロになって滅んでいくのは、確かにゆっくりとして有るまじきゆっくりしてない最期である。
だが、かといって、大人しく彼ら自身のおうちに帰ったところで、何が違うのだろうか。
そもそもおうちなど、ないのかもしれない。
見えない壁さんに完全敗北してプライドも何も失い、おめおめ逃げ帰ってきたジメジメと不衛生で異臭のするダンボール箱の中、しあわせー!を独り占めする人間さんへの恨み言をぶつぶつといつまでも唱えながら、飢えと乾きに極限まで苦しめられ、全身ゆカビだらけの腐敗饅頭となって朽ちていく。
こちらの方がよっぽど惨めでゆっくりしていない最低最悪の臨終ではないだろうか。
その短い間にもまりさの中枢餡はゆっくりらしからぬ速度で回転していた。
知らない人間さんのおうちの庭先で、入ることの許されなかったしあわせー!な世界を前にし、冷酷な見えない壁さんが見下ろす中で自らズタボロになって滅んでいくのは、確かにゆっくりとして有るまじきゆっくりしてない最期である。
だが、かといって、大人しく彼ら自身のおうちに帰ったところで、何が違うのだろうか。
そもそもおうちなど、ないのかもしれない。
見えない壁さんに完全敗北してプライドも何も失い、おめおめ逃げ帰ってきたジメジメと不衛生で異臭のするダンボール箱の中、しあわせー!を独り占めする人間さんへの恨み言をぶつぶつといつまでも唱えながら、飢えと乾きに極限まで苦しめられ、全身ゆカビだらけの腐敗饅頭となって朽ちていく。
こちらの方がよっぽど惨めでゆっくりしていない最低最悪の臨終ではないだろうか。
自分は結局、目の前にいる”ゆっくりできないもの”に早く消えてほしいだけなのでは……
「ゆ゛ゆ゛ぁぁっー!!ゆっぐぢだぁあああ!!が、がいゆっぐぢだぁぁ゛あ゛あ゛ああ゛!!」
「ゆっ……」
「ゆっ……」
中枢餡が結論を出す前に、まりさは窓ガラスを隔てて野良れいむたちのすぐ目の前、自分が先ほどまで座っていたふかふかクッションのところまでやって来てしまった。
体を使ってクッションを横に押しやって、まりさは野良ゆっくりたちの前に進み出る。
体を使ってクッションを横に押しやって、まりさは野良ゆっくりたちの前に進み出る。
「ま、まりさは、まりさだよっ……その、ゆっくり……していっ」
「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛!!ぜいっざいいい!!ぜいっざいだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!
じあばぜええ!!をひとりじめっ!!ずる ぐぞがいゆっぐぢは ゆっぐりじないでぇ、ぐるじんでぇええ、ぢーぢーもらじでぇええ、どげざじながら ぢねえ゛え゛え゛え゛!!いますぐだあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆっ……!?ゆぁぁあ……!!」
「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛!!ぜいっざいいい!!ぜいっざいだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!
じあばぜええ!!をひとりじめっ!!ずる ぐぞがいゆっぐぢは ゆっぐりじないでぇ、ぐるじんでぇええ、ぢーぢーもらじでぇええ、どげざじながら ぢねえ゛え゛え゛え゛!!いますぐだあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆっ……!?ゆぁぁあ……!!」
母れいむが般若のような顔面を窓ガラスに密着させ、涎を垂らしながら、ぎょろぎょろとした目で睨みつけてくる。
その呪い殺さんばかりの表情と、憎しみと妬みで彩られた強烈な言葉を受け、まりさは中枢餡に五寸釘を刺し込まれたかのような激しい痛みを感じ、思わず後ずさりした。
その呪い殺さんばかりの表情と、憎しみと妬みで彩られた強烈な言葉を受け、まりさは中枢餡に五寸釘を刺し込まれたかのような激しい痛みを感じ、思わず後ずさりした。
「げずっ!!げすぅぅう!!ごのっ!!ぐっぞげすがあ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!
なんだ ぞのぴっかぴかのおかざりはぁああ!?ふーわ゛ふーわ゛のおようふぐはぁぁあああ!!?
どれだけ あばあばをたべだら、ぞんなもっぢもぢのはだになるんだあ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!
で゛い゛ぶ゛だ゛ぢ゛を゛み゛で゛、な゛ん゛ど゛も゛お゛ぼ゛わ゛だ゛い゛の゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
なんだ ぞのぴっかぴかのおかざりはぁああ!?ふーわ゛ふーわ゛のおようふぐはぁぁあああ!!?
どれだけ あばあばをたべだら、ぞんなもっぢもぢのはだになるんだあ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!
で゛い゛ぶ゛だ゛ぢ゛を゛み゛で゛、な゛ん゛ど゛も゛お゛ぼ゛わ゛だ゛い゛の゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
互いの姿だけでなく、窓ガラスに反射してまりさにはまりさ自身、母れいむには母れいむ自身の姿も見えている。
境界線を隔てて並ぶ、飼いゆっくりと野良ゆっくり。
世の中にあるしあわせー!がどちらに多く注がれているかは、一目瞭然、確定的に明らかだった。
故に母れいむが自分を「ゲス」というのを、まりさは簡単に否定できない。
もやもやとした悩みが再び具体的な形を為し、前よりも強烈にまりさの餡子をずきずきと責め立てた。
境界線を隔てて並ぶ、飼いゆっくりと野良ゆっくり。
世の中にあるしあわせー!がどちらに多く注がれているかは、一目瞭然、確定的に明らかだった。
故に母れいむが自分を「ゲス」というのを、まりさは簡単に否定できない。
もやもやとした悩みが再び具体的な形を為し、前よりも強烈にまりさの餡子をずきずきと責め立てた。
母れいむや子まりちゃ子れいみゅ、そして動かぬ父まりさを見て、まりさが「何も思わない」はずはない。
自分と彼らの間に広がる、圧倒的なしあわせー!の差を考えたら当然だ。
まりさはお兄さんから自分にこれ以上ないほど注がれている愛を、彼らに湯水のように分け注いでやりたかった。
自分と彼らの間に広がる、圧倒的なしあわせー!の差を考えたら当然だ。
まりさはお兄さんから自分にこれ以上ないほど注がれている愛を、彼らに湯水のように分け注いでやりたかった。
その衝動は今や、叶わなければ体が破裂してしまいそうなほど強烈なものになっている。
自分のお飾りを外して、子まりちゃに与えてやっても良い。
このふーわふーわのお洋服を脱ぎ捨て、母れいむに着せてやっても良いし、おちびちゃん用のベッドさんとして差し出しても良い。
自分の肌を食い破って、中の餡子を子れいみゅに吸わせてやることすら可能なら躊躇わなかっただろう。
しあわせー!を共有する意志。他ゆんをゆっくりさせたいという衝動。
ドスになれる素質を、まりさは持っているのだった。
自分のお飾りを外して、子まりちゃに与えてやっても良い。
このふーわふーわのお洋服を脱ぎ捨て、母れいむに着せてやっても良いし、おちびちゃん用のベッドさんとして差し出しても良い。
自分の肌を食い破って、中の餡子を子れいみゅに吸わせてやることすら可能なら躊躇わなかっただろう。
しあわせー!を共有する意志。他ゆんをゆっくりさせたいという衝動。
ドスになれる素質を、まりさは持っているのだった。
だがしかし。
現実のまりさは彼らに何もしてあげることは出来ない。
現実のまりさは彼らに何もしてあげることは出来ない。
健康状態が良いだけでまりさも非力な饅頭に変わりない。
窓ガラスを開けるための金具は、のーびのーびしても届かない遥か上空にある。
当然ながら体当たりしてガラスを割ることも出来ない。
そもそも、たとえ窓ガラスという境界がなかったとしても、まりさだけで彼らを救うことは不可能だろう。
お帽子が綺麗なのも、柔らかいお洋服を着ているのも、もちもちの美肌を保てるほど栄養状態がいいのも、すべてお兄さんがいてこそである。
窓ガラスを開けるための金具は、のーびのーびしても届かない遥か上空にある。
当然ながら体当たりしてガラスを割ることも出来ない。
そもそも、たとえ窓ガラスという境界がなかったとしても、まりさだけで彼らを救うことは不可能だろう。
お帽子が綺麗なのも、柔らかいお洋服を着ているのも、もちもちの美肌を保てるほど栄養状態がいいのも、すべてお兄さんがいてこそである。
まりさは、ただの無力な飼われゆっくりなのだ。
「やあやあ、一体何の騒ぎかな。近所迷惑だよっ」
「「ゆ゛ゆ゛ぁ゛っ!!?」」
「ゆっ……!」
「「ゆ゛ゆ゛ぁ゛っ!!?」」
「ゆっ……!」
野良れいむたちの絶叫を聞きつけたのか、"2階"で"お仕事"をしていたはずのお兄さんがいつの間にかやって来た。
いつもと変わらない柔らかな物腰。
優しそうな笑顔。落ち着いた声。
張り詰めたゆっくりできない状況に追い詰められて泣き出しそうだったまりさは、つい口元が綻んだ。
いつもと変わらない柔らかな物腰。
優しそうな笑顔。落ち着いた声。
張り詰めたゆっくりできない状況に追い詰められて泣き出しそうだったまりさは、つい口元が綻んだ。
「また野良ゆっくりかぁ。まりさ、こっちにおいで。大丈夫だったかい?」
「ゆっ……ゆぅう、まりさは へいきっ!だよ……」
「ゆっ……ゆぅう、まりさは へいきっ!だよ……」
まりさを優しく抱き上げ、頬に手を添えて語りかけてくる。
お兄さん、まりさは大丈夫。別に怖かったわけじゃない。
けれど……
お兄さん、まりさは大丈夫。別に怖かったわけじゃない。
けれど……
「はいはい、れいむママにまりちゃ君に……こっちはまりさパパで、これは、えーっと、れいみゅちゃんだね。
ゆっくりしていってね」
「「ゆ゛あ゛あ゛……!!ゆっくりぃ゛い゛!!ゆっくりじでいっでねぇ゛え゛え゛!!」」
ゆっくりしていってね」
「「ゆ゛あ゛あ゛……!!ゆっくりぃ゛い゛!!ゆっくりじでいっでねぇ゛え゛え゛!!」」
お兄さんはまりさを野良ゆっくりたちの手の届かない安全地帯であるテーブルの上に乗せた後、窓ガラスを開けてれいむたちに挨拶をした。
「や、やったぁぁあああ!!ぐぞにんげんが、でいぶだぢのだめに みえないかべざんを どがしたよぉぉおっ!!
ざまあみろっ!だよっ!!みえないかべさん!どんなきもぢっ!?ねぇ、いまどんなきもちぃい!!?」
「ゆわわぁぁあああい!!まりぢゃだぢ、かいゆっぐぢなのじぇぇえ!!かちっぐみ!になれちゃのじぇえええ!!!」
「ゆぅ……ゆっくりぃ……やっちょ ゆっきゅりできりゅよ……。おい、うんうんどりぇいっ……!
きゃわいいれいみゅに、しゃっしゃとあみゃあみゃ もっちぇきょいっ……!!たくしゃんぢゃよっ!!
あと、すーやすーやしちゃいきゃら、べっどしゃんもにぇっ……!ふーかふーかでいいよっ……!!」
ざまあみろっ!だよっ!!みえないかべさん!どんなきもぢっ!?ねぇ、いまどんなきもちぃい!!?」
「ゆわわぁぁあああい!!まりぢゃだぢ、かいゆっぐぢなのじぇぇえ!!かちっぐみ!になれちゃのじぇえええ!!!」
「ゆぅ……ゆっくりぃ……やっちょ ゆっきゅりできりゅよ……。おい、うんうんどりぇいっ……!
きゃわいいれいみゅに、しゃっしゃとあみゃあみゃ もっちぇきょいっ……!!たくしゃんぢゃよっ!!
あと、すーやすーやしちゃいきゃら、べっどしゃんもにぇっ……!ふーかふーかでいいよっ……!!」
ああ、これは不味い。
まりさはテーブルの上でそわそわと身悶えした。
ついさっきまで絶望の淵にいた野良れいむたちは正常な判断が出来ていない。
これではお兄さんにはゲスゆっくりそのままに見えてしまう!
まりさはテーブルの上でそわそわと身悶えした。
ついさっきまで絶望の淵にいた野良れいむたちは正常な判断が出来ていない。
これではお兄さんにはゲスゆっくりそのままに見えてしまう!
それは誤解だ。
野良れいむたちは辛い野良生活に追い詰められた上、目の前で父まりさが永遠にゆっくりしたことで、ちょっと感情的になっているだけ。
本当は家族思いのゆっくりしたゆっくりたちのはずだ。
少なくとも人間さんや他ゆんに真っ向から迷惑を振りまいていく根っからの思い上がりゲス饅頭ではないだろう。
問答無用で潰さないでほしい。見逃して、おうちに帰してあげてもいいではないか。
そして、飼いゆっくりにしてあげてとまでは言えないが、せめて病気の子れいみゅにお薬をあげて、多少のあまあまを持たせてあげてくれれば……
野良れいむたちは辛い野良生活に追い詰められた上、目の前で父まりさが永遠にゆっくりしたことで、ちょっと感情的になっているだけ。
本当は家族思いのゆっくりしたゆっくりたちのはずだ。
少なくとも人間さんや他ゆんに真っ向から迷惑を振りまいていく根っからの思い上がりゲス饅頭ではないだろう。
問答無用で潰さないでほしい。見逃して、おうちに帰してあげてもいいではないか。
そして、飼いゆっくりにしてあげてとまでは言えないが、せめて病気の子れいみゅにお薬をあげて、多少のあまあまを持たせてあげてくれれば……
そのようなことをお兄さんに伝えたくて、まりさはテーブルの上をおろおろと這いずり回ったが、そこから窓際までは結構な距離がある。
人間の腰ぐらいの高さがあるここから飛び降りるわけにもいかず、まりさは焦りを募らせ、むず痒さに苦しめられた。
「ゆぅぅうう!!ゆっぅうううう!!」と呻き声を上げるが気付いてくれず、お兄さんの手が野良ゆっくりの方に向けられる。
人間の腰ぐらいの高さがあるここから飛び降りるわけにもいかず、まりさは焦りを募らせ、むず痒さに苦しめられた。
「ゆぅぅうう!!ゆっぅうううう!!」と呻き声を上げるが気付いてくれず、お兄さんの手が野良ゆっくりの方に向けられる。
「おーおー好き勝手いいなさる。まあ仕方ないけどね。ほら、あまあまをお食べ」
「「「ゆ゛っ!!ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」」」
「あばあばあぁあああ!!ゆっひぃぃいい!!しゅーわしゅーわっ!じあばぜぇえあ゛あ゛あ゛!!!」
「ゆっきゅりしてりゅのじぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!あばばばばあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆっぴいいいい!!!あみゃあみゃしゃんっ!れいみゅのしあわしぇしゃんっ!!こっちにきちぇえええ!!」
「「「ゆ゛っ!!ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」」」
「あばあばあぁあああ!!ゆっひぃぃいい!!しゅーわしゅーわっ!じあばぜぇえあ゛あ゛あ゛!!!」
「ゆっきゅりしてりゅのじぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!あばばばばあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆっぴいいいい!!!あみゃあみゃしゃんっ!れいみゅのしあわしぇしゃんっ!!こっちにきちぇえええ!!」
お兄さんがポケットから出してばら撒いたあまあまに、母れいむと子まりちゃが殺到する。
動けないのか動かないのか、仰向けになったまま案外元気にびたんびたん暴れている子れいみゅには、お兄さんが直接あまあまを口に入れてあげていた。
動けないのか動かないのか、仰向けになったまま案外元気にびたんびたん暴れている子れいみゅには、お兄さんが直接あまあまを口に入れてあげていた。
興奮冷めやらず、もっともっと!!と叫び、「にょろま!!」とまで罵倒する野良ゆっくりたちに怒ることもなく、お兄さんは小さな薄水色のプラスチック瓶をもう一つ取り出し、再び中身のあまあまをばら撒いた。
しばらくすると、野良ゆっくりたちがむーしゃむーしゃする動作が緩慢になっていく。
そして、ついにはゆぴぃーゆぴぃーと寝息を立てて、全ゆん寝入ってしまった。
しばらくすると、野良ゆっくりたちがむーしゃむーしゃする動作が緩慢になっていく。
そして、ついにはゆぴぃーゆぴぃーと寝息を立てて、全ゆん寝入ってしまった。
余った白い錠剤状のあまあまを瓶に回収して、お兄さんが部屋の中に戻ってくる。
「おにーさんっ!れいむたちは、どうしたのっ……?」
「うん?ああ、お腹いっぱいあまあまを食べて、眠っちゃったんだよ。さて、加工所に電話しないとね」
「ゆっ!!ゆぅぅぅ……!!」
「うん?ああ、お腹いっぱいあまあまを食べて、眠っちゃったんだよ。さて、加工所に電話しないとね」
「ゆっ!!ゆぅぅぅ……!!」
やっぱりか。分かっていることではあるけれど、野良れいむたちは加工所に引き取られてしまうのか。
お口をぎゅっと結んで涙を溜めるまりさに、お兄さんは静かにため息をつき、慰めるように帽子の上から頭を撫でた。
お口をぎゅっと結んで涙を溜めるまりさに、お兄さんは静かにため息をつき、慰めるように帽子の上から頭を撫でた。
その後、まりさは「ちょっと待っててね」と言って別のお部屋に移され、そこでじっとしていた。
しばらくしてリビングに戻ると、父まりさの残骸を含め、野良ゆっくり一家の姿はすっかりと消えてなくなっている。
代わりに玄関さんの横に、中が見えないように包装された大きな箱が置かれていた。
中からは物音も声も聞こえなかったが、夜になってから時折ガタッガタッと震えるそれを見て、まりさは餡子の底が凍りつくような恐怖を覚えた。
中に何が入っているかは考えないほうがいい。
しばらくしてリビングに戻ると、父まりさの残骸を含め、野良ゆっくり一家の姿はすっかりと消えてなくなっている。
代わりに玄関さんの横に、中が見えないように包装された大きな箱が置かれていた。
中からは物音も声も聞こえなかったが、夜になってから時折ガタッガタッと震えるそれを見て、まりさは餡子の底が凍りつくような恐怖を覚えた。
中に何が入っているかは考えないほうがいい。
その夜、まりさは悪夢を見た。
夢の中で、まりさは真っ暗で何も見えない狭いところに閉じ込められていた。
そこは全身ベタつくようにジメジメとして気だるい空気に満ちていながらも、じっとしていることを許さないようなゆっくりできない臭いあるいは雰囲気に包まれている。
何も見えないはずのところに、何故かぼんやりと浮かび上がるものがある。
もごもごと蠢くソレを見て、まりさは全身が凍りついた。
黒ずんだ大きな饅頭が、目や口のような位置にぽっかりと空いた穴からドロドロと黒い何かを垂れ流しながら、一心不乱に暗闇の壁に向かって体当たりをしている。
まりさに似た黒い帽子が被さっているソレが無言で見えない壁にぶつかる度、ボロボロの皮が破けて中から黒いものがビュッと飛び出し、まりさの顔にかかった。
ゆっひぃぃいい!!と声にならない叫びを上げながらソレと反対の方に逃げ出そうとするが、あんよが動かない。
ふとまりさのすぐ後ろにナニかがいるのに気付く。
振り向きたくない!目を閉じて何も見たくない!と強く念じているのに、体が勝手にずーりずーりと回転し始め、目も何故か閉じることが出来ない。
やがて視界に入ったそのナニかは、光のない虚ろな目で真っ直ぐまりさを見つめていた。
ただ佇んでいるだけのソレに、ただならぬゆっくりできなさを感じる。まるで死体のようだ。
「だして」
唐突に耳元で聞こえたナニかの声に、まりさは全身に電流が走ったかのように震え上がった。
完全に恐怖に支配されたまりさの頭に、ひとつの単語が思い浮かぶ。
ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――
ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさいっ!!ごめんなさひぃぃいいい!!!
鳴き声のようにその単語を繰り返すまりさの視界は、もう何が何だか分からない状態だった。
怯えきって混乱している中でも、前方のナニかや後方のソレがずりずりと近付いてくるのだけは分かる。
やがて黒い饅頭の体から出された黒いべとべとの何かにまりさの体は完全に飲み込まれてしまう。
それなのに、あの目。呪いという概念が形を為したかのようなあの目だけは、まりさの視界から消えてくれない。
やがて自分の体が下部の方から、ずぶずぶと腐っていくのを感じる。
分かっている。これはゆカビだ。あの野良一家のゆカビが自分にも感染したのだ。
まりさは悲しいながらも諦観したような感情を胸に抱き、視線を下に向けた。
「おねーぢゃんは まりちゃだぢの きゅーせーしゅさんなのぜ」
洞のような黒い目の小さな饅頭が、まりさの皮と餡子を咥えて引き千切り、こちらを見据えた。
まりさの意識はそこで途絶えた。
夢の中で、まりさは真っ暗で何も見えない狭いところに閉じ込められていた。
そこは全身ベタつくようにジメジメとして気だるい空気に満ちていながらも、じっとしていることを許さないようなゆっくりできない臭いあるいは雰囲気に包まれている。
何も見えないはずのところに、何故かぼんやりと浮かび上がるものがある。
もごもごと蠢くソレを見て、まりさは全身が凍りついた。
黒ずんだ大きな饅頭が、目や口のような位置にぽっかりと空いた穴からドロドロと黒い何かを垂れ流しながら、一心不乱に暗闇の壁に向かって体当たりをしている。
まりさに似た黒い帽子が被さっているソレが無言で見えない壁にぶつかる度、ボロボロの皮が破けて中から黒いものがビュッと飛び出し、まりさの顔にかかった。
ゆっひぃぃいい!!と声にならない叫びを上げながらソレと反対の方に逃げ出そうとするが、あんよが動かない。
ふとまりさのすぐ後ろにナニかがいるのに気付く。
振り向きたくない!目を閉じて何も見たくない!と強く念じているのに、体が勝手にずーりずーりと回転し始め、目も何故か閉じることが出来ない。
やがて視界に入ったそのナニかは、光のない虚ろな目で真っ直ぐまりさを見つめていた。
ただ佇んでいるだけのソレに、ただならぬゆっくりできなさを感じる。まるで死体のようだ。
「だして」
唐突に耳元で聞こえたナニかの声に、まりさは全身に電流が走ったかのように震え上がった。
完全に恐怖に支配されたまりさの頭に、ひとつの単語が思い浮かぶ。
ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――
ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさいっ!!ごめんなさひぃぃいいい!!!
鳴き声のようにその単語を繰り返すまりさの視界は、もう何が何だか分からない状態だった。
怯えきって混乱している中でも、前方のナニかや後方のソレがずりずりと近付いてくるのだけは分かる。
やがて黒い饅頭の体から出された黒いべとべとの何かにまりさの体は完全に飲み込まれてしまう。
それなのに、あの目。呪いという概念が形を為したかのようなあの目だけは、まりさの視界から消えてくれない。
やがて自分の体が下部の方から、ずぶずぶと腐っていくのを感じる。
分かっている。これはゆカビだ。あの野良一家のゆカビが自分にも感染したのだ。
まりさは悲しいながらも諦観したような感情を胸に抱き、視線を下に向けた。
「おねーぢゃんは まりちゃだぢの きゅーせーしゅさんなのぜ」
洞のような黒い目の小さな饅頭が、まりさの皮と餡子を咥えて引き千切り、こちらを見据えた。
まりさの意識はそこで途絶えた。
翌朝まりさが目覚めたとき、玄関にあった箱は消えてなくなっていた。
つづく