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サイヤの使い魔-01 - (2007/09/17 (月) 00:48:04) の最新版との変更点
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最初、ルイズには目の前のそれが何なのか判らなかった。
地面から生えた、二本の湾曲した柱。
爆発と、それに伴う土煙の中から現れたそれは、直径3メイルほどの窪みの中にそそり立っていた。
違う、窪みではない。
ルイズの唱えた呪文が失敗してできたクレーターだ。
それだけならいつも通りの(そして、彼女にとっては甚だ不本意な)呪文の失敗で済むのだが、今回は違う。
何かが出てきた。ルイズにとって初めての成功だ。
しかも、使い魔を呼び出すという極めて重要な儀式において。
ルイズは高揚感で一杯になったが、すぐさま疑念が取って代わり、最後に不安が心を支配した。
もう土煙はすっかり晴れて、自分が召喚したそれが何なのかはっきり判るようになっている。
人間の足だった。それが地面から生えている。
いや、地面に刺さっている。
どうやらクレーターは爆発でなく、あれが地面に刺さった衝撃でできたもののようだ。
ということは、あの土の下には恐らく人間の上半身が埋まっているはず。
そして、あまり考えたくは無いが、あのクレーターの規模から察するに、恐らく生きてはいまい。
状況を把握したルイズが思わず涙目になりかけたその時、足がピクリと動いた。
「!?」
ルイズは自分の目を疑い、それが錯覚で無いと知るとコルベールの方を向いた。
「先生!」
コルベールも同じ疑問から同じ結論に達していた。
「助けるんだ、早く!」
足の動きは「ピクリ」から「ジタバタ」に変わっていた。
よほど地盤が固いのか、ルイズとコルベールだけでは引き抜くことができず、駆け寄ったタバサとキュルケ、
しまいにはギーシュのワルキューレまで総動員してようやく件の人物は「収穫」された。
人物の全身像が露わになるや、なりゆきを見守っていた野次馬からおおっとどよめきが漏れた。
男性だった。
身の丈は1.8メイルほど、屈強な戦士のように引き締まった筋肉質の身体。
深い青色のシャツの上に黄色と橙色の中間のような色(ルイズは山吹色だと後で知った)の上着、それと同じ色を
したズボン。
それがシャツよりは若干紫がかった青色の腰帯にたくし込まれ、帯と同じ色の布が両手首に巻かれている。
履いているブーツは見たこともない素材でできていて、硬いのか柔らかいのかすら一見判らない。
髪型はそれに輪をかけて変だった。
黒髪が、いくつかの束になって四方八方に伸びている。
一体どうやったらこんな髪型にできるのかルイズには皆目検討がつかなかった。
それに、あれだけの状態から出土したにも関わらず、男の肌には傷一つついていない。
まるで「ちょっと土ぼこりにまみれた」程度にしか見えないのだ。
これだけだったら、その男は「ちょっと奇妙な平民」で済んだ。
しかし、最も奇妙な点は男の頭上にあった。
野次馬のどよめきの原因。
それは男の頭上に浮かぶ、鈍い光を放つ白色の輪だった。
ルイズは本や伝承でそういったものの存在を聞いたことがあった。
「天使…?」
思わず呟きが漏れた。
羽こそないものの、頭上に輪を持つ人間などルイズの知る限り他に思いつかない。
しかし、土にまみれぜいぜいと呼吸を整えている様子からは天使の威厳など微塵も感じない。
やがて我に返ったコルベールがルイズに告げる。
「ミ、ミス・ヴァリエール、とりあえず契約を」
ルイズが思わず食ってかかる。
「で、でもミスタ・コルベール、天使を相手に契約なんてそんな恐れ多い…」
本音を言えば、頭上に輪がある以外どう見ても只の平民にしか見えない天使よりも、もっと格調高いものと再契約したいだけだったのだが。
「第一、天使を使い魔にしたメイジなど聞いたことがありません!」
コルベール自身、迷っていた。
だが、一度召喚してしまった以上、それと契約することはこの儀式において避けられない事なのだ。
今まで「ゼロ」の二つ名で蔑まれてきた可愛い教え子の初めての成功なのだ。
「いざとなったら私が責任を取ります」
「でも…」
「貴女は初めての成功のチャンスをふいにしたいのですか?」
「!!」
そうだった。
この儀式は使い魔との契約を行って初めて完成となる。
サモン・サーヴァントの後はコントラクト・サーヴァントを行わなければいけないのだ。
呼び出しただけでは成功とは言えない。
まして、これがルイズの初めての成功になるかもしれないのだ。
これを逃してしまっては、また「ゼロのルイズ」に逆戻り。
0が1になる機会が失われる。
「…わかりました」
意を決したルイズは、不思議そうにキョロキョロと辺りを見回す天使(?)に向き直る。
よく見れば顔立ちは悪くない。
間の抜けた印象はあるが、若々しい印象を与える風貌だ。
ファーストキスの相手としては、まあ及第点だろう。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
顔をかすかに赤らめながら、何かを言いかけた男の口を自らの口で塞いだ。
数秒後、辺りに男の絶叫が響き渡った。
「うあぢい~~~~!!!!!」
&setpagename(ルイズと孫悟空)
#navi(サイヤの使い魔)
最初、ルイズには目の前のそれが何なのか判らなかった。
地面から生えた、二本の湾曲した柱。
爆発と、それに伴う土煙の中から現れたそれは、直径3メイルほどの窪みの中にそそり立っていた。
違う、窪みではない。
ルイズの唱えた呪文が失敗してできたクレーターだ。
それだけならいつも通りの(そして、彼女にとっては甚だ不本意な)呪文の失敗で済むのだが、今回は違う。
何かが出てきた。ルイズにとって初めての成功だ。
しかも、使い魔を呼び出すという極めて重要な儀式において。
ルイズは高揚感で一杯になったが、すぐさま疑念が取って代わり、最後に不安が心を支配した。
もう土煙はすっかり晴れて、自分が召喚したそれが何なのかはっきり判るようになっている。
人間の足だった。それが地面から生えている。
いや、地面に刺さっている。
どうやらクレーターは爆発でなく、あれが地面に刺さった衝撃でできたもののようだ。
ということは、あの土の下には恐らく人間の上半身が埋まっているはず。
そして、あまり考えたくは無いが、あのクレーターの規模から察するに、恐らく生きてはいまい。
状況を把握したルイズが思わず涙目になりかけたその時、足がピクリと動いた。
「!?」
ルイズは自分の目を疑い、それが錯覚で無いと知るとコルベールの方を向いた。
「先生!」
コルベールも同じ疑問から同じ結論に達していた。
「助けるんだ、早く!」
足の動きは「ピクリ」から「ジタバタ」に変わっていた。
よほど地盤が固いのか、ルイズとコルベールだけでは引き抜くことができず、駆け寄ったタバサとキュルケ、
しまいにはギーシュのワルキューレまで総動員してようやく件の人物は「収穫」された。
人物の全身像が露わになるや、なりゆきを見守っていた野次馬からおおっとどよめきが漏れた。
男性だった。
身の丈は1.8メイルほど、屈強な戦士のように引き締まった筋肉質の身体。
深い青色のシャツの上に黄色と橙色の中間のような色(ルイズは山吹色だと後で知った)の上着、それと同じ色を
したズボン。
それがシャツよりは若干紫がかった青色の腰帯にたくし込まれ、帯と同じ色の布が両手首に巻かれている。
履いているブーツは見たこともない素材でできていて、硬いのか柔らかいのかすら一見判らない。
髪型はそれに輪をかけて変だった。
黒髪が、いくつかの束になって四方八方に伸びている。
一体どうやったらこんな髪型にできるのかルイズには皆目検討がつかなかった。
それに、あれだけの状態から出土したにも関わらず、男の肌には傷一つついていない。
まるで「ちょっと土ぼこりにまみれた」程度にしか見えないのだ。
これだけだったら、その男は「ちょっと奇妙な平民」で済んだ。
しかし、最も奇妙な点は男の頭上にあった。
野次馬のどよめきの原因。
それは男の頭上に浮かぶ、鈍い光を放つ白色の輪だった。
ルイズは本や伝承でそういったものの存在を聞いたことがあった。
「天使…?」
思わず呟きが漏れた。
羽こそないものの、頭上に輪を持つ人間などルイズの知る限り他に思いつかない。
しかし、土にまみれぜいぜいと呼吸を整えている様子からは天使の威厳など微塵も感じない。
やがて我に返ったコルベールがルイズに告げる。
「ミ、ミス・ヴァリエール、とりあえず契約を」
ルイズが思わず食ってかかる。
「で、でもミスタ・コルベール、天使を相手に契約なんてそんな恐れ多い…」
本音を言えば、頭上に輪がある以外どう見ても只の平民にしか見えない天使よりも、もっと格調高いものと再契約したいだけだったのだが。
「第一、天使を使い魔にしたメイジなど聞いたことがありません!」
コルベール自身、迷っていた。
だが、一度召喚してしまった以上、それと契約することはこの儀式において避けられない事なのだ。
今まで「ゼロ」の二つ名で蔑まれてきた可愛い教え子の初めての成功なのだ。
「いざとなったら私が責任を取ります」
「でも…」
「貴女は初めての成功のチャンスをふいにしたいのですか?」
「!!」
そうだった。
この儀式は使い魔との契約を行って初めて完成となる。
サモン・サーヴァントの後はコントラクト・サーヴァントを行わなければいけないのだ。
呼び出しただけでは成功とは言えない。
まして、これがルイズの初めての成功になるかもしれないのだ。
これを逃してしまっては、また「ゼロのルイズ」に逆戻り。
0が1になる機会が失われる。
「…わかりました」
意を決したルイズは、不思議そうにキョロキョロと辺りを見回す天使(?)に向き直る。
よく見れば顔立ちは悪くない。
間の抜けた印象はあるが、若々しい印象を与える風貌だ。
ファーストキスの相手としては、まあ及第点だろう。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」
顔をかすかに赤らめながら、何かを言いかけた男の口を自らの口で塞いだ。
数秒後、辺りに男の絶叫が響き渡った。
「うあぢい~~~~!!!!!」
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