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スクライド・零-9 - (2007/11/12 (月) 15:39:18) のソース
[[>>back>スクライド・零-8]] [[>>next>スクライド・零-10]] さて、召喚された次の日にギーシュと決闘なぞをやらかしたカズマではあるが、 それ以降は本人としても実に平穏で、それだけに退屈な日常を繰り返していた。 まず、朝はルイズが大騒ぎをするのを耳にしつつ起床。いつもルイズがぎりぎりにならないと起きないためだ。 起きるたびにカズマになぜちゃんと起こさないのかと文句を言うわけだが、 そもそも召喚の前は1人で起きていたはずだし、普通の動物が使い魔になった場合だって 必ずしも朝起きて夜眠るライフサイクルを持つとは限らないわけなので、 ある意味筋違いとも言える。ついでに言うとカズマは完全に右から左にスルーしている。 ちなみに、着替えを手伝うのは気にしていないらしい。 まさかかなみ(10歳)と同じくらいだといまだに思われていると知ったらどんな癇癪を起こすか。 想像するだけで実に恐ろしい話である。 その後、ルイズが朝食に行くのにあわせて部屋を出て、 前日に脱いだものの洗濯を寮付の使用人に引き渡し自分は厨房で食事。 ルイズは嫌がったが、ギーシュをぶちのめしたことで勝手にカズマの味方についた平民に押し切られた形になる。 『学園の運営費は巡りめぐって貴族の懐から出ているんだから、カズマだってルイズがいなければここで食事ができないのくらいわかるだろう』 ととりなしたためだ。 賄いだけではなくシエスタ特製の一品が追加されるのもいつものことになっている。 食事が終わるとルイズとともに授業へ参加。 マトモに見た最初の魔法がギーシュのワルキューレだったため、 魔法と言うのはアルターの呼び方が違うもの程度に思っていたカズマだが、 初めの何回かで1人のメイジが何種類もの魔法を使えると知ったときはまさに驚愕の連続だったようだ。 まぁ数日で飽きたのか、今では後ろの壁際で床に座り込んで居眠りしているか、他の使い魔にじゃれ付かれていることが多い。 そんなカズマを見て『他人の使い魔と遊んでるんじゃないわよ!』とかお怒りになるルイズであるが、まぁ致し方ない。 放課後はよくギーシュとつるんでいるようだ。というか、 ギーシュが友好を深めようと話しかける→邪険にされる→さらに話しかける→殴られる→ワルキューレで突っかかっては粉砕される、 という流れだが、ギーシュもカズマもどうやらそれなりに楽しんでいるらしい。 ちなみに徐々に全滅までの時間が延びているのは成長と言っていいかもしれない・・・・・・秒単位とはいえ。 余談だが、ギーシュは相変わらず女の子には八方美人なものの、 驕った態度がなくなり使用人たちにも優しくなったため前よりウケはいいそうだ。 貴族嫌いで知られた料理長のマルトーのところまで決闘後にシエスタの件で頭を下げに行ったという話も聞く。 ギーシュに勝ったカズマに擦り寄って腕を絡めるキュルケをうっとうしそうに振りほどく光景もすでにいつものことと化している。 キュルケがいればタバサもいる。この4人+使い魔は一緒にいることが多くなった。 そんな光景を遠くから見ながらルイズは思う。なぜ自分の使い魔は自分の隣ではなくそこにいるのかと。 魔法ではない力を持ち、ドットとはいえメイジを倒した平民。確かに見ようによっては強力な使い魔に違いない。 『メイジの実力は使い魔を見ればわかる』 という言葉がある。 ルイズの勘違いは 『強力な使い魔であるカズマを御することができれば自分も実力あるメイジとしてみてもらえる』 と思っているところだ。 カズマは馴れ合いと甘え、それがもたらす堕落を嫌う。 カズマに依存して己の価値を求めるようなルイズを、反逆する意志のないものを背負うことはない。 微妙なすれ違いはある出来事が起きるまで続いた。 [[>>back>スクライド・零-8]] [[>>next>スクライド・零-10]]