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ルイズのおとーさん-2 - (2007/07/14 (土) 23:45:42) のソース
ペシペシ 「きゃぁ、きゃぁ」 ペシペシ 「きゃぁ、きゃぁ」 ルイズは「おとーさん」と名乗る白いゴーレムをほうきで叩きなが らぐるぐるその場を追いかけ回しているのでした。 生徒たちのほとんどは、その光景を見ながら腹を抱えて笑っていました。 さすがにコルベールは笑いを堪えていたのでしたが、「コホン」と咳払いをし 「ミス・ヴァリエール。ミス・ヴァリエール!! そろそろ追いか けっこを辞めてコントラクト・サーヴァントを済ませてしまいなさ い」 と、ルイズに対して声をかけました。 ルイズは立ち止まり肩で息をしながら考えました (ちょっと変わってるけど、コントラクト・サーヴァントを済ませ て躾けてしまえば・・・) ルイズはコルベールに返事をすると、おとーさんに向き直り深呼吸 をして落ち着いた上で詠唱を開始しました おとーさんは不思議と逃げずにルイズを呆けたように見ていました。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリ エール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使 い魔となせ」 詠唱終了と同時に、突然おとーさんの口が開くと黒く「げしょげし ょ」と鳴く何かを大量に吐き出しました 「!!!!!!!!!!!!!!!」 ルイズは悲鳴こそ上げなかったものの、内心かなりビビっていた。 しかしそこは貴族、そんな事はおくびにも見せずにささやかな胸を 再度張って問いかけました 「いい、今の何よ」 「げしょ」 「げしょ?」 「げしょ」 おとーさんは頷くと聞きなおすルイズそう答えました 「げげ、げしょくらい何だって言うのよ」 ルイズはそう言うとおとーさんの額に杖をつきつけ契約をするのでした 「ミス・ヴァリエール、何とか終わったようですね。さて、ルーン を拝見させてもらいましょうか・・・・」 コルベールはそう言って、おとーさんに近づくと左手に刻まれたル ーンを見ながら首をかしげるのであった。おとーさんも不思議そう にルーンを見ているのでした。 「珍しいルーンですね。宙に浮いて喋るゴーレムも初めて見ま す・・・おっといけない」 コルベールはルーンをノートに書き写すと待っていた生徒に向かって 「みなさん、本日はこれにて終了します。学園内に戻りましょう」 「ミス・ヴァリエール、あなたも戻りなさい」 ルイズに向き直りにこやかにそう告げるとコルベールは戻って行きました コルベールと生徒は空を飛んで行くのでしたが、ルイズは飛ぶ事 も出来なかったので歩いて帰るしかありませんでした。一歩踏み出 したところでおとーさんを振り返り、 「ほら、行くわよ。ぼーとしてないで歩いて行くからグズグズしな いの」 一言言うとため息混じりにまた歩き出した おとーさんは空を見上げていましたが、ルイズに言われて素直にそ の後をついて行くのでした。その見上げていた空には二つの月が浮 かんでいました。 ルイズは部屋に着くと早速おとーさんに色々説明を始めました 自分はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエー ルという名前で貴族である事 この世界には貴族と平民がいる事 貴族は魔法が使える事 おとーさんを使い魔として召喚したのは自分の魔法である事 召喚した使い魔は主人に服従する事 途中から夜食で用意させたサンドイッチを食べながらの説明はそろ そろ終わりを迎えようとしていました。 「後、使い魔は主人の目となり耳となり・・・って出来ないみたい だし。秘薬の材料集めも無理そうね。ゴーレムみたいだからそこそ こ強いと思うけど主人を守れるかどうかはまだわからないし・・」 そこでちょっと考えたルイズだったが 「とりあえず、出てきたときに掃除してたぐらいだから。掃除、洗 濯と身の回りの世話でもしてもら・・・え? そろそろ帰りた い???」 ルイズは「うーん」と唸りながらこう答えた 「サモン・サーヴァントで呼び出した使い魔は、帰る事は出来ない の・・・・え? 自分で何とかする? あんた何言ってるの??」 おとーさんはそのまま部屋から出て行ってしまいました ルイズが困惑しているとほどなくしておとーさんが帰ってきまし た。古くてボロボロになったドアを抱えて 「何そのドア・・・拾った? 壁につけて特異点をつなげる??? 意味わかんないんだけど」 ルイズに説明しながらおとーさんは部屋の壁にドアを据え付けてい きます 「危ないから下がってて? その前にそんな所にドアなんかつけな いでよ!! 壁に穴でもあけたら承知しないわよ!!」 ルイズやっぱりこの使い魔はわけがわからないと頭を抱えている と、突然ドアの方から 「シババババババババババババババババッ」 と聞いたことも無いような激しい音と眩いばかりの光が発生しました 「ここ、このバカ使い魔!!! いきなり何やってんのよ!!!」 怒鳴るルイズをよそにおとーさんはおもむろにドアを開きました。 「ただいま~」 「あ、おとーさんお帰りなさ~い」 「ちょっとアンタ!どこほっつき歩いてたんだい!! それに こんなドア作って!!!」 「げしょげしょ」 ルイズは呆然としているのだったた。理解の範疇を完全に超えてい たので無理もありません。 その後、キュルケとタバサがうるさいと文句を言いに来たのだがル イズは口をパクパクするだけで何も答えられませんでした・・・