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ルイズと剣狼伝説-9 - (2007/07/16 (月) 22:44:27) のソース
「『巨人の剣』が盗まれたそうじゃなコルベール君」 オールド・オスマンが髭を撫でながら何時もより低い声で言うとコルベールは禿からでる冷や汗をハンカチで拭き取った 「はい、犯人は今貴族の間で被害が多い『土くれのフーケ』だそうです。宝物庫の壁にそう刻まれていました」 「ふむ・・・・、で目撃者がいるそうじゃが」 「はい、二年生のミス・ツェルプトー、タバサ、それとミス・ヴァリエールです」 するとオスマンはピクッとした 「今なんと言った?」 「はい?二年生の」 「違う最後に言った生徒じゃ」 「ミス・ヴァリエールですか?」 「彼女の使い魔もその場に居たのか?」 「さあ?使い魔は目撃者に入りませんから」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 第5話 甦る天空よりの使者 「これが昨日の事件の目撃者三人です」 そう言ってコルベールが深刻な顔をした教師達の前にルイズ、キュルケ、タバサ、使い魔なので数えられてロムを連れてくる 「ふむ・・・・、では君たちが見た事を詳しく説明したまえ」 ルイズが前に出て見たことを述べていった 「あの、大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。肩に乗っていた黒いメイジが何かを・・・・ その・・・・『巨人の剣』だと思うのですがとにかくゴーレムが崩れ去った後もうそこには黒いメイジは居なかったのです」 「ふむ・・・・、後を追おうと思うにも手がかりは無しか・・・・」 オスマンが髭を撫でて頷く、そしてコルベールに尋ねた 「時に、ミス・ロングビルはどうしたね?」 「それが、朝から姿が見えなくて」 「この非常時に何処へ行ったのじゃ?」 そんな風に噂をしていると、ミス・ロングビルが現れた 「ミス・ロングヒル!こんな大変な時に何処へ行っていたのですか!」 コルベールが捲し立てるがロングヒルは落ち着きながらオスマンに告げた 「申し訳ありません。朝から急いで調査していたもので。犯人が国を荒らし回っているフーケの仕業と聞き、直ぐに調査してきました。」 「仕事が早いの。で、結果は?」 「はい、フーケの居どころがわかりました。」 「なんとー!」 コルベールがすっとんきょうな声をあげた、ロングビルは続けて言う 「近所の農民に聞き込みをした所、どうやら森のの廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです」 (男?剣を投げた時に見せた顔、あれは男だったのか?顔つきから女だと思っていたが・・・・) ロムが疑問に思っているとルイズが叫んだ 「間違い無いです!黒づくめのメイジ・・・・、それがフーケです!」 オスマンは目を鋭くしてミス・ロングビルに尋ねた 「そこは近いのかね?」 「馬で四時間という所でしょう」 「ではすぐに王室に報告して衛士隊を!」 コルベールが叫ぶとオスマンは目を向いて怒鳴った 「馬鹿者!王室なんぞに知らせる内にフーケは逃げてしまうわ!身に振りかかる火の粉を払えないようでは何が貴族じゃ! この学院で起きた事件なら当然我らで解決する!」 ミス・ロングビルは微笑んだ。まるでこの答を待っていたかのように オスマンは咳払いをすると有志を募った 「では捜索隊を編成する。我はと思う者は杖を掲げよ」 掲げたのはルイズ、キュルケ、タバサであった 「ふむ、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つだと聞いているが」 タバサは返事もせずに突っ立っていたが教師達は驚いて彼女を見つめた 「本当なのタバサ?シュバリエって余程の実力がなきゃ貰えない称号じゃない!」 驚くキュルケに対してオスマンは更に語る 「ミス・ツェルプトーはゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、自身も炎の魔法に長けると聞いておるが?」 キュルケは得意気に髪をかき揚げる それからルイズは次は自分の番だと胸を張るが、オスマンは困った顔で目を逸らし 「その・・・・ミス・ヴァリエールは数多くの優秀なメイジを輩出したヴァリエール家の息女で、うむ、なんだ 将来有望なメイジと聞いておる、してその使い魔は」 オスマンは後ろで立っていたロムを見る 「平民ながらあのグラモン元帥の息子であるギーシュ・ド・グラモンに決闘して勝ったと聞く」 「ああ!そうですぞなんせ彼はガンダー、ハッ!」 コルベールは思い付いたように言おうとするが止めた 「魔法学院は諸君の活躍期待しておる。頑張ってくれ」 ルイズとキュルケとタバサは真顔となって「杖にかけて!」と唱和し、一礼した 「では馬車を用意しよう。ミス・ロングビル、目的の場所までの案内を頼むぞ、彼女達を助けてやってくれ」 「はい、オールド・オスマン」 「では解散!」 それぞれが部屋を後にするがオスマンが言う 「ああ、ミス・ヴァリエールの使い魔君、君だけは残ってくれ。君に話がある」 「学院長、こいつに何の様で?」 ルイズがきょとんとした顔で尋ねる 「ああ、悪いようにはせんよ。すぐに終るから」 そして部屋にロムとオスマンだけが残った。そして「俺に何か?」 「君は異世界から来た使い魔で人間では無いと聞く」 ロムはああっと頷いた 「・・・・もしこの事件が無事に解決したらワシの下に来てくれ。では頼んだぞ」 そしてロムは退室した。外でルイズに失礼はしなかったかと怒鳴られていた 「頼んだぞ、ガンダールヴ」 「ミス・ロングビル、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」 「いいのです、私は貴族の名を無くした者ですから」尋ねたキュルケはきょとんとした 「だって貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」 「ええ、でもオスマン氏は貴族や平民だということにあまり拘らない人ですわ」 「もし宜しければ事情を詳しく・・・・」 するとキュルケはルイズに肩を掴まれた。 キュルケは振り返ってルイズを睨んだ 「なによヴァリエール」 「よしなさいよ昔の事を聞き出そうとするなんて」 「暇だからおしゃべりしようと思っただけじゃないの」 「あんたの国じゃどうか知りませんけどこのトリステインでは恥ずべきことなのよ」 キュルケはつまらなさそうに足を組んで言った 「ったく、何が悲しくて泥棒退治なんか」 ルイズはキュルケをじっと睨んだ 「だったら志願しなきゃよかったじゃない」 「あんた一人じゃロムが危険じゃない。ゼロなんだから直ぐにロムの足を引っ張っちゃうでしょ」 「なんですって~!!」 二人が火花を散らしている間にタバサは相変わらず本を読んでいる。 空には彼女の風竜が飛んでいた 「二人共そろそろやめにしとけ」 ロムが二人を宥める。腕の中にはデルフリンガーがあった 「ま、いいけどね。せいぜい怪我しないようにね」 キュルケがそういうと手をひらひらさせた、ルイズはぐっと唇を噛んでいる 「ねえ、ダーリン?もしもフーケが襲ってきたら私が炎で助けてあげるからね?」 キュルケが色目でロムに近づく 「あ、ああ」 「もうすぐですよ皆さん」 ロングビルが自分の後ろにいる乗組員に言う 「それにしても『巨人の剣』って一体どんな物なのでしょうか?」 ロングビルが続けて尋ねる 「う~ん、見た感じ巨人が持つ、て感じの物ではなかったわ。大きさも1メイルほどしかなかった」 ルイズが問いかけに答える 「・・・・・・・・」 「どうしたのダーリン?急に恐い顔になって」 「・・・・いや、なんでもない」 「見えてきました。あれです」 馬車から降りて暫く歩いた後、一行は開けた場所に出た その中心には確かに廃屋があった 「私の情報によりますと中にいるという話です」 ロングヒルが指を差して言った。本当にフーケはあの中に要るのだろうか、それぞれが相談する 「よしわかった。合図したら皆は直ぐに来てくれ」 作戦の結果ロムは小屋の偵察に行くことになった ロムはあっと言う間に着き、窓に近づいて中を覗く 家具や酒ビンが転がっている以外何もない さらにドアの前に立ち、その奥を覗くがやはり誰も居なかった 暫く考えた後、ロムは腕を交差させ、皆を読んだ 隠れていた全員が出てきて小屋の前に来た 「では私はこの辺りを偵察してきますので」 ロングビルはそう言うと森の中に消えた 「これ」 「あっけないわね!」 タバサが持ってきたのは1メイルほどの細長い箱、それを開けると中には木の杖が現れた 「・・・・これが『巨人の剣』か?」 ロムの問いかけにタバサがコクッと頷く 「うーんそうみたいね、私もちゃんと見たのは初めてなんだけど・・・・、剣じゃないわね・・・・」 (馬鹿な・・・・しかしこれは・・・・!) 「ねーえ、私にも見せてー!」 外で見張りをしているルイズが大声を出すと足下が急に盛り上がってきた 「きゃあああああ!」 「「「!?」」」 一斉にドアを振り向くとそこにはフーケの巨大ゴーレム「ゴーレム!この前より、大きい!!」 キュルケが叫ぶ、確かにゴーレムは昨日よりさらに大きくなっていた タバサは呪文を唱えて小さな竜巻をゴーレムにぶつける、しかしびくともしない 更にキュルケが杖を振り、火炎を出すがこれも無駄だった 「無理よこんなの!」 「退却」 タバサは口笛を吹いて風竜を呼び、キュルケと共に乗った ルイズは呪文を唱えて杖を振り、ゴーレムの胸元を爆発させるが効かない そしてゴーレムはルイズを踏み潰そうとする 「いやあああああ!」 「マスター危ない!」 間一髪の所ルイズを救出するロム 「逃げろマスター!」 ルイズは唇を噛んだ 「いやよ!あいつを捕まえれば誰ももう私をゼロのルイズなんて呼ばないでしょ!」 目が真剣であった 「しかし死んだら元も子もない!」 「やってみなきゃわからないじゃない!」 更にルイズは言う 「あんた言ったじゃないの!どんな夜にでも必ず朝が来るって!私は自分の夜を掻き消したいの!朝を迎えたいの!」 「言ったが今は!」 「わたしは貴族よ!魔法を使える者を貴族と呼ぶんじゃないの!」 ルイズは杖を再び握り締める 「敵に後ろを見せない者、それを『貴族』というのよ!」 ルイズは再び詠唱を初め、杖を振った そしてゴーレムの胸が小さく爆発したがそれだけで終わった ゴーレムはルイズを敵と見なし、踏み潰そうとするがロムがルイズの体を抱え離脱する するとロムはルイズの頬を叩いた 「さっきも言ったはずだ!死んだら終わりなんだ!君はここで終わる人間では無いだろう!?」 ルイズは震えながら泣いた 「だって・・・・悔しくて、私・・・・、いっつもバカにされて・・・・」 目の前で泣かれてロムは困った いっつもゼロゼロと呼ばれて悔しかったに違いない ルイズは気が強くいが、本当はこんな戦いなんか嫌いな少女、ただの女の子なんだ しかし今は泣いているルイズを慰める暇はない、大きなゴーレムが拳を向けていた しかし今は泣いているルイズを慰める暇はない、大きなゴーレムが拳を向けていた すると目の前で竜巻が起こりゴーレムが怯んだ 起こしたのはタバサだった 「乗って!」 タバサは二人の前に風竜を着陸させる ロムは泣いているルイズを風竜に乗せた 「あなたも早く」 焦る声でタバサが言う 「いや、俺は残って奴を何とかする」 「ロム!」 ルイズが怒鳴るが 「俺は戻る。必ずな。俺は君の使い魔だから」 「危ない!」 キュルケが声を出す、ゴーレムが拳を出そうとしていた 声と同時に風竜は飛び、ロムは一番高い木まで高くジャンプした 木の上に乗ったロムが言う 「闇を裂き、悪を裂き、正義の道を切り開く! 人、それを『闘志』という!」 「!?」 「貴様に名乗る名前は無い!!」