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異世界BASARA-03 - (2008/02/29 (金) 12:29:27) のソース
#navi(異世界BASARA) 気絶した男…真田幸村は夢を見ていた。 『お館様あぁー!』 『幸村あぁー!』 『お館様あぁぁぁぁぁーっ!』 『幸村あぁぁぁぁぁーっ!』 武田軍にとっては日常になっている熱血師弟の殴り合いである。 『ふはは!強うなったのぅ幸村!』 『なんの!この幸村、まだまだお館様に遠く及びませぬ!!』 『旦那~大将~朝御飯出来たよ~~早く食べちゃって~』 『うむ!行くぞ幸村っ!』 『待って下されお館様!お館様ぁー……』 「お館様ああああああっ!!」 叫び、起きてみれば、そこは自分の見知った甲斐ではなかった。 ランプ、西洋風のテーブルが目に映る。 「ゆ、夢だったのか…だがここは…確か俺は気絶して…あ…ぬぉぉ!あ、あのような事を…!」 「やっと起きた?」 「うおぉあっ!?」 突然聞こえた声に驚く。見ると、ベッドにルイズが腰掛けており、吊り上った目でこちらを見ていた。 「おおお主は…!」 「まったく、こんなに主人の手を煩わせる使い魔なんてね!服は台無しにされるし…」 (…ああ、そうだ思い出したぞ!この女子にこの世界へ連れてこられたのだった。そして…もう甲斐にも戻れぬ…) 「くっ!お館様のおらぬこの地で、俺は何処に行けば…」 「何言ってるのよ」 ルイズの言葉に幸村は顔を上げる。 「あんたはここに住むの!勝手に何処かへ行ったりしないの!」 「…そ、それはつまり…ここにいてもよいという事なのか?」 「使い魔なんだから当然でしょ!あんたにはその義務があるんだから!」 仕える主君のいないこの世界で、この女子はここにいてもいいと言った。 何者か分からぬ自分を… 「なんと…なんと………なんと情に厚いお方でござろうか!」 「なな!?何よいきなり!」 「誰とも分からぬ上、行く当てのない俺…いや!拙者にそのような情けをかけてくれるなど!是非名を聞かせてくだされ!」 突然立ち上がり、涙目でこちらを見てくる幸村にルイズは引いた。 「ル、ルイズ…ルイズ・フランソワー…」 「ルイズ殿でござるか!拙者は真田幸村と申す!この幸村、仕えるからには全力でお役に立てるよう振る舞う所存んんっー!」 感激のあまり、涙でぐしゃぐしゃになった顔でそう言うと幸村は跪く。 「そ、そう?結構物分かりがいいじゃない…」 ルイズの方は完全にドン引きしているが… 「…じゃあ私もう寝るから、朝になったら起こしてちょうだい」 「承知いたしました!!」 そしてルイズはベッドの中に入り、一方の幸村は用意されていた寝床に仰向けになった。 が、しかし…ここで幸村に1つ問題が… 「…すぅ…すぅ…」 「…………」 「…ふみゅ……ん…」 「……ね、寝付けぬ…」 彼にとってこれはちょっとした拷問である。 #navi(異世界BASARA)