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Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia 解説 - 魔法 - (2016/05/30 (月) 22:37:06) のソース
用語解説 設定は原則としてD&D3.5版に準じる プレスティディジテイション Prestidigitation /奇術 系統:共通呪文; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:10フィート 持続時間:1時間 初心者の呪文の使い手が練習のために使うもので《初級秘術呪文(キャントリップ)》とも呼ばれ、発動すると術者は一時間の間単純な魔法の効果を起こすことができるようになる。 1ポンドまでの物質をゆっくりと持ち上げたり、小さな物体に色をつけたり、きれいにしたり、汚したり、冷やしたり、暖めたり、匂いをつけたりできる。 粗雑な脆い物体を生み出したり、仄かに輝くボールを掌の上に浮かべたり、微かな音楽の音色を作り出したり、食べ物の味や香りを良くしたり、つむじ風を起こして埃を払ったりなどもできる。 ダメージを与えたりはできず、この呪文で起こした変化は単に物体を動かすといった程度のものを除けば最大一時間で元に戻ってしまう。 ディテクト・マジック Detect Magic /魔法の感知 系統:占術; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:60フィート、中心角90度の円錐形の放射範囲 持続時間:精神集中の限り、最大で術者レベル毎に1分(途中解除可能) 術者は魔法のオーラを感知する。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間特定の範囲や対象を観察するかによる。 1ラウンド(6秒)の観察で魔法のオーラの有無、2ラウンドでその数と最も強いオーラの強度(希薄、微弱、中程度、強力、圧倒的)、3ラウンド目には各オーラの強度と位置が分かる。 術者の知識次第ではオーラの属する系統やマジックアイテムの特性も判別できる。 破壊されたマジックアイテムや既に終了した呪文の希薄な残留オーラも感知でき、木の扉や土壁、薄い鉄板程度であれば効果範囲は貫通してその背後まで調べられる。 本作品の設定上、ディーキンはこの呪文を《永続化(パーマネンシィ)》して自身に定着させており、自分より高レベルの術者に解呪されない限りは精神集中するだけで常時この呪文の効果を起動できるものとしている。 高レベル冒険者がいくつかの呪文を《永続化》させていることはむしろ当然なので。 ディスガイズ・セルフ Disguise Self /変装 系統:幻術(幻覚); 1レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:術者自身 持続時間:術者レベル毎に10分(途中解除可能) 術者は自分の外見を変えることができる。体型を変えたり、装備品一式を別の物に見せかけたり、身長を1フィートまで上下させたりできる。 ほくろや顎髭のようなちょっとした特徴を加えたり消したり、全くの別人や異なる性別であるような外見にすることもできる。 この呪文は選んだ姿が持つ能力や独特な話し方や身振りまでは与えてくれないし、手触りや音声も変わらない。 バトルアックスをダガーのように見せかけることはできるが、それでも武器の機能自体は変化しない。 作中に登場した《変装帽子(ハット・オブ・ディスガイズ)》は着用者にこの呪文の効果を永続で与えるマジックアイテムである。値段は1800gp(金貨1800枚)。 アーケイン・マーク Arcane Mark /秘術印 系統:共通; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:接触、最大1平方フィート内に収まる印やルーン 持続時間:永続 術者はこの呪文で、どんな物質にも傷をつけることなく自分のルーンや印を刻むことができる。ルーンや印は6文字以内でなければならない。 書いた文字は可視状態にも不可視状態にもでき、不可視にした場合ディテクト・マジックの呪文を使えば光って可視状態になる。リード・マジックの呪文は、文字が単語を成していればそれを明らかにする。 印を解呪することはできないが術者の意志かイレイズという呪文によって除去できる。 生きている存在にも記せるが、その場合にはゆっくりとかすれてゆき、約1ヶ月で消えてしまう。 スカラーズ・タッチ Scholar's touch /学識者の接触 系統:占術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(羊皮紙の断片と一つまみの火口)、焦点具(薄い円板状の水晶) 距離:自身 持続時間:精神集中の限り、最大で術者レベル毎に1ラウンド(途中解除可能) 術者は本や巻物に僅かに接触するだけで、あたかも完全に読み通したかのようにそれに含まれる知識を吸収する。 含まれる情報量やページ数がどれだけ多いかに関係なく、一冊あたり1ラウンドのペースで読むことができる。 この呪文によって術者はその文面を実際に一回通し熟読したのに等しい知識を得ることができるが、完全な記憶力まで得られるというわけではない。 術者が読めない言語で書かれた文章や魔法の本に対しては効果が無く、この呪文によって魔法のスクロールを発動したり、呪文を準備したりすることはできない。 ヒーローズ・フィースト Heroes' Feast /英雄達の饗宴 系統:召喚術(創造); 6レベル呪文 構成要素:音声、動作、信仰 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:1時間(食事)+12時間(効果) この呪文は詠唱に10分の時間を要し、ヴァルハラの英雄達が食べるような極上の御馳走を術者レベル毎に1人分ずつ作り出す。 飲食物や食器に加えて、豪華なテーブルや椅子、給仕(ワルキューレ?)までもがセットになって出てくる。 アムブロシア(神饌)のような食べ物やネクタル(神酒)のような飲み物もあり、飲食に1時間を費やした者は素晴らしい恩恵を得られる。 あらゆる病が癒えるとともに12時間の間毒や恐怖に対する完全な耐性を得る。 また、1d8+術者レベル毎に1(最大10)ポイントの一時的hpと、攻撃ロールと意志セーヴへの+1士気ボーナスも得る。 バードが使う呪文としては最高レベルの部類に入るもののひとつである。 パイロテクニクス Pyrotechnics /火炎使い 系統:変成術; 2レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(火元1つ) 距離:遠距離(400フィート+1術者レベル毎に40フィート) 持続時間:本文参照 この呪文は火を眩い多彩の火花や濃密な煙雲など、術者が選んだものに変化させる。 この呪文は火元1つを対象とし、それはすぐに消える。 その火が一辺20フィート以上の大きなものだった場合、その一部だけが消える。 魔法的な火は消えないが、火に基づくクリーチャーが源として使われた場合、その対象は術者レベル毎に1ポイントのダメージを受ける。 火花を選ぶと華々しい多彩の閃光が炸裂して、火元から120フィート以内のクリーチャーを1d4+1ラウンドの間、盲目状態にする(意志・無効)。 煙雲を選ぶと火元から20フィート以内に視覚を遮り息を詰まらせる濃密な煙が立ち上り、その中にいる者の筋力・敏捷力に-4のペナルティを与える(頑健・無効)。 煙は術者レベル毎に1ラウンド残留し、ペナルティは煙の外に出てからも1d4+1ラウンドの間残り続ける。 呪文抵抗は火花の効果に対しては有効だが、煙雲の効果に対しては無効である。 《炎の爆発(Fiery Burst)》 [温存魔力特技] 前提条件:2レベル以上の呪文を発動する能力 習得者は呪文レベル2以上の[火]の呪文を発動可能な状態である限り、半径5フィートの範囲に広がる炎の爆発を回数無制限で作り出すことができる。 射程距離は最大30フィートまでで、発動可能な最高レベルの[火]の呪文のレベル毎に1d6ポイントのダメージを及ぼす(反応・半減)。 加えてこの特技を習得しているものは、[火]の呪文を発動する際の術者レベルに+1の技量ボーナスを得る。 メッセージ Message /伝言 系統:変成術[言語依存]; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(短い銅線1本) 距離:中距離(100フィート+1術者レベル毎に10フィート) 持続時間:術者レベル毎に10分 術者は伝言を囁いて伝え、相手が囁き返した返答を受け取ることができる。 最大で術者レベル毎に1体までの距離内のクリーチャーを目標にすることができ、全員に同時に同じ伝言が伝わる(返答を受け取れるのは術者のみ)。 この呪文は風に音を運ばせるわけではないため、多少の障壁があっても声が伝わる。 分厚い壁やフェイルーンのサイレンス呪文はこの伝言を遮るが、木製の扉や普通の土壁、薄い鉄板程度であれば障害にはならない。 またこの呪文による伝言は直線を通る必要はなく、分厚い障壁があっても迂回するルートが存在しており、かつ経路全体が呪文の有効距離内ならば伝言は伝わる。 アンシーン・サーヴァント Unseen Servant /見えざる従者 系統:召喚術(創造); 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(糸切れと木片) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1時間 術者は目に見えず姿形も精神も持たぬ力場から成る従者を作り出す。 従者は術者の命令に従って荷物の運搬や掃除、繕い物などの単純な作業を行える。 この従者の筋力は2(平均的な人間の筋力は10~11程度)で、最大20ポンドまでの重量を持ち上げたり、100ポンドまでの重量を押し引きできる。 移動速度は通常移動で毎ラウンド15フィート(平均的な人間は30フィート)であり、実体を持たないので空中を移動することも可能。 この従者は攻撃は行えず、また範囲攻撃から6ポイント以上ダメージを負ったり、術者の現在位置から見て呪文の距離外に送り出そうとすると消えてしまう。 サーヴァント・ホード Servant Horde /従者の群れ 系統:召喚術(創造); 3レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(小さな交差した棒に紐を何本も結んだもの) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1時間 術者はアンシーン・サーヴァントと同様の従者を、2d6+術者レベル毎に1(最大15)体まで同時に作り出す。 バードの呪文リストには含まれていないが、シャドウ・カンジュレーションで効果模倣はできる。 ディーキンは1度の使用で平均22体従者を作り出すことができ、朝起きた時に詠唱すれば夜寝る時にもまだ効果が続いているほど持続時間も長い。 シャドウ・カンジュレーション Shadow Conjuration /影の召喚術 系統:幻術(操影); 4レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:本文参照 持続時間:本文参照 術者は物質界に併存する複製めいた世界、影界から影の物質を引き出し、それを使って物体や力場、クリーチャーなどの半ば実在する幻影を生み出す。 シャドウ・カンジュレーションはウィザード/ソーサラーの3レベル以下の任意の召喚術(ただし招来または創造の呪文のみ)の効果を模倣することができる。 影が本物であると信じた者に対しては呪文は完全な効果を及ぼせるが、意志セーヴによる看破に成功した者や意思を持たない物体に対しては本物の2割の効果しかない。 ダメージは5分の1になり、ダメージを及ぼさない効果は20%の確率でしか働かない。 またこの呪文で作られたクリーチャーは、看破の成否にかかわらず本物の5分の1のhpしか持っていない。 看破に成功した者には、シャドウ・カンジュレーションはぼんやりとした形で希薄な影の上に透き通ったイメージが重ねあわせられた紛い物に見える。 デイライト Daylight /陽光 系統:力術[光]; 3レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:接触 持続時間:術者レベル毎に10分 術者の接触した物体は半径60フィートに明るい照明、更にその周囲60フィートに薄暗い照明を投げかけるようになる。 その呪文名にも関わらずこの光は日光に弱いクリーチャー(ヴァンパイアなど)に対して特別な害は及ぼさない。 また、光源になっている物体に覆いをすることによって光を遮ることができる。 [光]の補足説明を持つ呪文は、それと等しいかより低い呪文レベルの[闇]の呪文を相殺・解呪するのに使用できる(その逆も同様である)。 勇気鼓舞の呪歌(Inspire Courage): 何らかの<芸能>技能のランクを3ランク以上持っているバードが使用可能。 術者が選択した目標に対して、魅惑および恐怖を及ぼす効果に対するセーヴと攻撃ロール、武器のダメージに士気ボーナスを与える。 どれだけのボーナスを与えられるかはバードのレベルによる。 術者は使用に当たって音声要素を伴う芸術を披露し、目標はそれを聞いていなければならない。 呪歌という名称だが、音声を伴う芸能であれば歌に限らず楽器演奏、朗誦、演説等何でもよく、聞き始めた瞬間から効果が発揮される。 また、聞き終えてからも5ラウンドの間効果は持続する。 これはバードというクラスの持つ能力であるが、呪文とは異なる。 効果を受けた全員がガンダールヴの廉価版になるようなものだとでも思えばよいでしょうか。 攻撃力は上がるけど素早さや回避力は上がらないし、知らない武具の扱いができるようになる効果等もないので総合的には大分弱いでしょうが、 術者が選んだ複数の者を同時に強化できるなどの優れている面もあり、術者自身に効果を及ぼすこともできます。 与えられるボーナスは大して大きくないのですが、ディーキンなら素人の一般人を一応の訓練を積んだ傭兵以上の腕前にし、 ダガーの威力をロングソード以上に、ロングソードの威力をグレートソード以上にアップさせる、という程度の事はできるでしょう。 また、この呪歌が与えるボーナスをさらに増やすことができる呪文や特技なども存在しています。 聞いたものが実際どんな状態になるのか、何故芸能なのに一瞬聞いただけで完全な効果が発揮されるのかなどは不明瞭で、作中での描写は個人的な解釈です。 超熱いアニソンのイントロ聞いただけでテンションが上がるのの強化版みたいなもんだ、と解釈している人もいましたが。 ちなみに国産TRPGのソード・ワールドRPGでは呪歌(じゅか)ですが、D&Dでは呪歌(まがうた)です。 武勇鼓舞の呪歌(Inspire Greatness): 何らかの<芸能>技能のランクを12ランク以上持っている、9レベル以上のバードが使用可能。 術者が選択した目標は疑似的に2レベル上のファイターになったかのように、攻撃ロールおよび頑健セーヴへのボーナスと一時的ヒットポイントを得る。 また、ヒットダイスを参照する効果に対しても本来より2ヒットダイス分高いものとして扱われる。 一時的ヒットポイントが残っている限り、ダメージを受けてもそちらが減るだけで本来のヒットポイントを失うことはない。 アニメイト・インストゥルメント Animate Instrument /動く楽器 系統:変成術; 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:接触 持続時間:術者レベル毎に1分 目標となった楽器1つに自動的に演奏する能力を与え、効果持続時間中に術者の演奏を引き継がせたり、術者の代わりに演奏させることができる。 その際の<芸能>判定には術者と同じ修正値を使用する。 これによって呪歌の効果を発揮させることも可能であり、通常は精神集中を要する呪歌であったとしても術者自身の精神集中は不要である。 非魔法の楽器でさえあれば種類は何でもよく、手持ち式の楽器であれば持ち運ばない場合にはその場に浮遊して演奏を行う。 楽器がダメージを受けた場合にはこの呪文の効果は終了する。 サモン・インストゥルメント Summon Instrument /楽器の召喚 系統:召喚術(招来); 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:0フィート 持続時間:術者レベル毎に1分 術者は任意の手持ち式の楽器1つ(呪文の完成時に選択する)を手中または足元に招来する。 この楽器はごく普通の品質のものだが、術者自身にしか演奏できない。 ファントム・スティード Phantom Steed /幻の乗馬 系統:召喚術(創造); 3レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:0フィート 持続時間:術者レベル毎に1時間 術者は半ば実在する馬のようなクリーチャーを創造する。 この乗馬には術者1人か、術者が他人のために作成した場合その人物1人が騎乗することができる。 ファントム・スティードは体が黒く灰色の鬣や尻尾、煙で彩られた音を立てない非実体の蹄を持ち、鞍やはみ、手綱のように見えるものを着けている。 この乗馬自身は戦うことはないが、普通の動物は皆これを避けようとし、交戦を拒む。 乗馬のACは18、hpは7+術者レベル毎に1ポイントで、hpを全て失うと乗馬は消える。 移動速度は術者レベル毎に20フィート(最大240フィート、普通の馬の移動速度は種類によるが40~60フィートなのでその4~6倍相当)である。 最高速度の乗馬が全力で疾走した場合の速度は計算すると170km/h以上で、竜騎士が乗る火竜は約150km/hとされているためそれを上回る。 また、術者レベルが上がるにしたがって乗馬は地形による移動制限を無視したり、水面を疾走したり、空中を走ったりといった様々な特殊能力を得ていく。 バードの呪文リストには含まれていないが、シャドウ・カンジュレーションでの効果模倣ならばバードにも使用できる。 オルター・セルフ Alter Self /自己変身 系統:変成術(ポリモーフ); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:自身 持続時間:術者レベル毎に10分 術者は自分と同じクリーチャー種別でサイズ分類の差が1段階以内である、術者レベル毎に1ヒットダイス(最大5HD)までのクリーチャーに変身する。 どのような姿に変身しても能力値やクラス・レベルなどの元の姿の能力の多くはそのまま維持される。 術者は変身先の姿の持つ移動能力や肉体武器、外皮によるACボーナスなどある程度の能力を得るが、超常能力や呪文能力は一切得られない。 変身先の姿に合わない装備品は変身中は肉体に融け込み、機能しなくなる。 術者は変身する種族の正常範囲内でなら、髪や肌の色や質感といった細かな肉体的特徴を選択できる。 この呪文を<変装>のために用いると、判定に+10のボーナスを得られる。 なお、普通のコボルドは種別が人型生物なので人間やエルフなどの人型生物に変身するがディーキンの場合は種別が竜なので竜に変身する。 ただし5HD以下でサイズ分類が超小型~中型(猫~人間程度)の、非常に限られた範囲の竜にしかなれない。 例えば何種類かの真竜のワームリング(ホワイト、カッパーなど)やスードゥ・ドラゴン(偽竜)などに変身が可能である。 インヴィジビリティ Invisibility /不可視化 系統:幻術(幻覚); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(1本のまつ毛をゴムに封入したもの) 距離:自身あるいは接触 持続時間:術者レベル毎に1分 術者が接触したクリーチャーあるいは物体を不可視状態にする。呪文の受け手が装備を持っている場合はそれも一緒に見えなくなる。 地面に下ろした物や落とした物は目に見えるようになるが、拾った物も服やポーチの中にしまっておけば不可視にできる。 ただし受け手の匂いや立てる音、移動時に残した足跡等の痕跡まで消してくれるわけではない。 静止している不可視状態のクリーチャーは<隠れ身>の判定に+40、動いている場合には+20のボーナスを得る。 この呪文は対象が何らかのクリーチャーを攻撃した瞬間に解けるが、その際の攻撃一回に関しては不可視状態の利益を得られる。 ここでいう“攻撃”には敵を目標とした呪文や効果範囲に敵を含む呪文等も入る。 なお、誰が“敵”であるのかは不可視化したキャラクターの認識による。 誰も装備していない物体に対して何らかの行動をしても呪文が解けることはない。 また、間接的に害をなすことは攻撃とはみなされない。 もっぱら味方に作用を及ぼして利益を与える呪文は、たとえ敵も効果範囲に収めていたとしても攻撃とは見なされない。 したがって、透明化した者は扉を開け、話をし、物を食べ、階段を登るなどしても不可視状態が解除される心配はない。 怪物を召喚して攻撃させ、敵が渡っている最中の吊り橋のロープを切り、罠を作動させるボタンを押し、敵陣の井戸に毒を投げ込んでも差し支えない。 もちろん、味方に強化や回復の呪文を掛けて回っても一向に構わない。 この呪文はパーマネンシイでその効果を永続化させることができるが、物体を対象とした場合に限られる。 ディテクト・イーヴル Detect Evil /悪の感知 系統:占術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、信仰 距離:60フィート、中心角90度の円錐形の放射範囲 持続時間:精神集中の限り、最大で術者レベル毎に10分(途中解除可能) 術者は悪の存在を感知する。明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間特定の範囲や対象を観察するかによる。 1ラウンド(6秒)の観察で悪の存在の有無、2ラウンドでその数と最も強いオーラの強度、3ラウンド目には各オーラの強度と位置が分かる。 アンデッド、悪の来訪者、悪の神のクレリックなどは特に強いオーラを放つ。 また、[悪]の副種別を持つ魔法や、それによって作られた悪のアイテムなどの放つオーラも感知できる。 あまりにも強力な悪の存在を感知した場合、術者がそれに打ちのめされて短時間の間朦朧としてしまう事がある。 分厚い壁や鉛の薄膜はこの呪文の効果を遮るが、木製の扉や普通の土壁、薄い鉄板程度であれば効果は貫通してその背後も調べることができる。 パラディン(聖騎士)は最も基本的な能力として、ただ精神を集中するだけでいつでもこの呪文と同等の効果の超常能力を回数無制限で使用できる。 アプレイジング・タッチ Appraising Touch /鑑定の接触 系統:占術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:術者 持続時間:術者レベル毎に1時間 術者は呪文の持続時間の間、接触している物体に対する直観的な洞察を得ることができる。 対象の物体に接触している限り、術者はその物体の価値を判断するための<鑑定>の判定に+10洞察ボーナスを得る。 また、たとえこの判定に失敗したとしても、術者が対象の物体の価値を±50%の範囲を超えて誤って見積もることはなくなる。 この方法で価値を鑑定するには、調べる対象1つにつき2分の時間がかかる。 レジェンド・ローア Legend Lore /伝説知識 系統:占術; 4レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(250gp以上の価値のある香)、焦点具(正方形に組んだ、それぞれ50gpの価値がある4本の象牙の細片) 距離:自身 持続時間:本文参照 この占術を用いれば、術者は知りたい重要な人物や場所、物品の伝説を心の中に浮かび上がらせることができる。 その伝説が今では忘れ去られているものであったり、一般に知られたことが一度もないものであったりしても問題はない。 ただし、その対象が伝説となり得るような重要性を持たないものであれば、術者が情報を得ることはできない。 大まかに言って、11レベル以上のキャラクターであれば十分に伝説的な人物であると見なされる。 そのような人物が戦ったクリーチャーや使った魔法のアイテム、偉業を成した場所なども同様に伝説の対象と見なされる。 術者が対象の噂を聞いたことがあるだけなら、術の発動には2d6週間かかり、得られる情報は曖昧で不完全な、言い伝え程度のものになる。 術者が対象の詳しい情報を知っているだけなら、術の発動には1d10日かかり、得られる情報はあまりピンポイントでも完璧でもないものになる。 それでも、それらの情報を手掛かりにさらに多くのものを見つけ出せば、次はより良い形でこの術を再発動することができるようになるだろう。 術者が調べたい人物や物品、場所等のすぐ傍にいる状態であれば、術の発動には1d4×10分しかかからず、ごく詳細な情報を得る。 対象が魔法の武器やアイテムなどであれば、おそらくはその使用制限や機能を作動させる合言葉等も知ることができるだろう。 術の発動中はずっと儀式や詠唱にかかりきりでいなければならないわけではなく、食事や睡眠などの日課程度ならばしていても構わない。 なお、これはバードにとっては4レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては6レベルの呪文である。 自信鼓舞の呪歌(Inspire Competence): 何らかの<芸能>技能のランクを6ランク以上持っている、3レベル以上のバードが使用可能。 術者は30フィート以内にいて視聴覚でバードを知覚できる者1人を音楽や詩を用いて鼓舞し、作業の効率を高めてやることができる。 着手する作業の内容に応じて、バードは対象の気分を高揚させたり集中力を増したりなどするために呪歌を用いる。 対象はバードの音楽を聞き続けている限り、1種類の技能判定について+2の技量ボーナスを得る。 本来はこの呪歌を使っても温存魔力特技の使用においては何のボーナスも得られないが、作中では自信を鼓舞するという性質から演出的に用いている。 メイジ・ハンド Mage Hand /魔道師の手 系統:変成術; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:精神集中 術者は指先を物体に向けて、その物体を遠くから意のままに持ち上げ、動かすことができる。 動かせる最大重量は5ポンドであり、また魔法の力を持つ物体や、誰かが装備中の物体は対象にできない。 術者は精神集中を続けている限り、移動アクションとして物体をどの方向にでも毎ラウンド15フィートまで移動させることができる。 術者と物体の間隔が呪文の距離制限を超えた場合、呪文は終了する。 この呪文で、たとえば罠がある扉や宝箱などを遠くから安全に操作したり、部屋の反対の端においてある鍵をこっそり引き寄せたりできる。 ハルケギニアの念力と比べると非常に力は弱いが、それでも様々な用途で有効に活用することができる、とてもポピュラーな呪文である。 ハーモニック・コーラス Harmonic Chorus /調和の合唱 系統:心術(強制)[精神作用]; 2レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(音叉) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:精神集中、術者レベル毎に1ラウンドまで(解除可) 術者は他の呪文の使い手の呪文発動能力を向上させることができる。 この呪文の持続時間の間、対象はその術者レベルと発動するすべての呪文のセーヴ難易度とにそれぞれ+2の士気ボーナスを得る。 この呪文はバードにしか習得できない。 本文中のキュルケは、この呪文の効力によってスクウェアクラスのメイジ並みの術者レベル(魔力)でトライアングルスペルを放ったので、フーケのゴーレムに有効打を与えられたのである。 プレイン・シフト Plane Shift /次元界転移 系統:召喚術(瞬間移動); 7レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(対応する次元界毎に決まった種類や形の、小さな二股の金属棒) 距離:接触 持続時間:瞬間 術者は自分自身や、互いに手をつないだ同意するクリーチャー8体までを、他の次元界へ転移させる。 この呪文では到着地点を正確に定めることはできず、意図した目的地から5~500(5d100)マイル離れた地点へ現れることになる。 なお、この呪文はクレリックにとっては5レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては7レベルの呪文である。 アストラル・デーヴァはこの呪文と同等の効果の疑似呪文能力を回数無制限で使用できるため、本編でディーキンはラヴォエラを連絡役に立てた。 疑似呪文能力には焦点具も不要なため、ハルケギニアに対応する金属棒を彼女のために用意してやる必要もない。 ただし、この呪文だけでは目的地からは外れるし、またアストラル・デーヴァには人探しをしたり瞬間移動をしたりする能力はない。 そのため、同時に後述の《送信(センディング)》で仲間に彼女の出迎えを頼んだのである。 センディング Sending /送信 系統:力術; 5レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(短い良質の銅線1本) 距離:本文参照 持続時間:本文参照 術者は自分のよく知っている特定のクリーチャーに、相手がどこに居ようとも日本語にして75字以内の伝言を送り、即座に返信を受け取る。 対象は術者のことを知っていれば、誰がメッセージを送ってきたのかに気が付く。 対象のクリーチャーが術者と同じ次元界にいない場合にはメッセージが届かないことがあるが、その可能性は通常は5%だけである。 ただし、その次元界の局地的な状況によっては、その確率が更に悪化する可能性もある。 なお、この呪文はクレリックにとっては4レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては5レベルの呪文である。 ディーキンがボスに連絡を取るだけならこの呪文ですぐに可能なのだが、短いメッセージしか送れないため、詳しい状況の説明には向いていない。 また、マジックアイテム頼りでしか使用できないので、続けて何度も発動することもできない。 そのため、この呪文はラヴォエラを使者に立てる際の簡易連絡に使用し、詳細説明は彼女とエンセリックに任せたのである。 なお、本作のディーキンは一日一回この呪文を発動できる、メッセンジャー・メダリオンと呼ばれる魔法のネックレスを持っている設定になっている。 これはサプリメント「アンダーダーク」に掲載されているマジックアイテムで、価格は10,000gp(金貨1万枚)である。 サモン・モンスターⅠ~Ⅸ Summon Monster Ⅰ~Ⅸ /怪物招来1~9 系統:召喚術(招来)[可変(本文参照)]; 1~9レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(小さな鞄と小さなろうそく) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1ラウンド(解除可) 術者は他次元界のクリーチャーを1体招来する。そのクリーチャーは術者の指定した地点に現れ、術者の命令に従って即座に行動する。 招来されたクリーチャーは、特に指示が無ければ術者の敵を最善を尽くして攻撃する。意志疎通が図れるなら、他の行動を指示することもできる。 なお、この呪文によって呼び出されるのはクリーチャーのエネルギーが実体化したもので、殺されてもそのクリーチャーの本体が実際に死ぬわけではない。 ハルケギニアの呪文でいえば偏在のようなものであり、たとえ殺されても本体はまったくの無傷である(多少の不快感は感じるだろうが)。 この呪文には1レベル~9レベルまでのバージョンがあり、それぞれのレベル毎に招来可能なクリーチャーのリストがある。 また、本来のリストより1レベル低いリストのクリーチャーを1d3体招来するか、それより低いリストのクリーチャーを1d4+1体招来することも選択できる。 本編でディーキンが呼び出したクア・エラドリンは3レベルのリストにあるクリーチャーで、より高レベルの呪文で招来したので複数体出現したのである。 この呪文を[悪][善][秩序][混沌][地][水][火][風]のクリーチャーを招来するために使用すると、招来呪文はそのタイプの呪文になる。 例えば、クア・エラドリンは[善][混沌]のクリーチャーなので、それを招来したサモン・モンスターは[善、混沌]の副種別の呪文である。 ファインド・トラップス Find Traps /罠発見 系統:占術; 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:自身 持続時間:術者レベル毎に1分 術者は罠の働きに関する直観的な洞察力を得て、まるでローグ(盗賊)ででもあるかのように<捜索>判定で罠を発見することができるようになる。 加えて、術者は呪文の効果中に罠を発見するために行なった<捜索>判定に、術者レベルの半分(最大+10)に等しい洞察ボーナスを得る。 ただしこの呪文では発見した罠を無力化するための能力は得られないので、そのためには別に方法を考える必要がある。 この呪文は本来はクレリックが使用するもので、バードの呪文ではない。 ディーキンが作中で使用した『商人のコンパス』はNWNに登場したアイテムで、起動するとこの呪文の効果を使用者に与えてくれるというものである。 なお、NWNではファインド・トラップスは自分の近くにある罠を自動的に解除するという呪文になっているが、本作ではD&D3.5版の効果に合わせている。 メイジ・アーマー Mage Armor /魔道師の鎧 系統:召喚術(創造)[力場]; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(保存処理を施した革一切れ) 距離:接触 持続時間:術者レベル毎に1時間(解除可) 不可視だが実体のある力場が呪文の対象を取り巻き、アーマー・クラスに+4の鎧ボーナスを与える。 この鎧には防具による判定ペナルティも秘術呪文失敗率もなく、移動速度も低下しない。 また、力場でできているため、普通の鎧を素通りしてしまう幽霊等の非実体クリーチャーの攻撃に対しても有効である。 この呪文はその名の通りウィザードやソーサラーの呪文であり、バードの呪文ではない。 パスウォール Passwall /壁抜け 系統:変成術; 5レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(ゴマひとつまみ) 距離:接触 持続時間:術者レベル毎に1時間(解除可) 術者は木製の壁、漆喰壁、石壁を通り抜ける通路を作り出す。金属その他の、それより硬い材質の壁を通り抜ける通路を作ることはできない。 この通路の奥行きは10フィート+術者レベルが9レベルを超える3レベルごとに5フィートである(ただし最大でも18レベル時の25フィート)。 パスウォール呪文を何回か使用することで、非常に厚い壁に穴を開ける連続した通路を作り出すこともできる。 呪文の持続時間が終了すると、その通路の中にいたクリーチャーは最寄りの出口へと排出される。 誰かがパスウォールを解呪したり、術者が解除した場合、通路の中にいたクリーチャーはその時点で開いているうちの遠い方の出口から外に排出される。 この呪文はウィザードやソーサラーの呪文であり、バードの呪文ではない。 ディメンジョン・ドア Dimension Door /次元扉 系統:召喚術(瞬間移動); 4レベル呪文 構成要素:音声 距離:遠距離(400フィート+1術者レベル毎に40フィート) 持続時間:瞬間 術者は自分自身を距離内の任意の場所へと瞬時に、正確に転送する。その場所を思い浮かべるか、方向と距離を指定すればよい。 この際、自分の最大荷重を超えない重量であれば、所持品を一緒に運ぶことができる。 また、サイズが中型以下の同意するクリーチャーとその所持品を、術者レベル3レベルごとに1体ぶんまで一緒に運ぶこともできる。 大型クリーチャー1体は中型クリーチャー2体相当、超大型クリーチャー1体は大型クリーチャー2体相当である。 すでに固体が占めている場所に到着した(いわゆる「いしのなかにいる」状態になった)場合、転送されたクリーチャーは1d6点のダメージを受ける。 その後、意図した出現場所から100フィート以内にある、適切な表面の上の何もないランダムな場所に放り出される。 100フィート以内に開けた場所が無ければ、より大きなダメージを受けた上で、1,000フィート以内の開けた場所に飛ばされる。 1,000フィート以内にも開けた場所が無い場合には、さらに大きなダメージを受けた上で、呪文は失敗する。 敵の懐に一瞬にして斬り込んだり、逆に敵に囲まれた状態から逃走したり、ダンジョンの奥からのリレミト的な用法に使ったりと、大変便利な呪文である。 また、この呪文の構成要素は音声のみなので、縛り上げられるなどして体が動かない場合でも、口が自由ならば唱えることができる。 ドミネイト・パースン Dominate Person /人物支配 系統:心術(強制); 4レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1日 術者は対象の人型生物の精神との間にテレパシー的なつながりを作り出し、その行動を制御できる。 一度制御が確立してしまえば、術者が対象と同じ次元界にいる限り、対象を制御できる距離は無限であり、直接姿が見えている必要もない。 術者と対象が同じ言語を知っているなら、術者は相手を、相手の能力の範囲内でおおむね自分の望む通りに行動させることができる。 同じ言語を1つも知らないなら、ごく初歩的な命令を与えることしかできない。 術者は呪文に精神を集中することで、術者は対象がすべての知覚を用いて感じ取り、解釈した感覚を受け取ることができる。 その場にいるかのように直接見聞きできるというわけではないが、それでも何が起こっているのかについて、かなりの情報を得ることができる。 ただし、術者と対象がこのテレパシー的なつながりを通して、直接意思疎通ができるわけではない。 対象は日々の生存に必要なもの(睡眠、食事など)を除く他のありとあらゆる活動に優先して、術者からの命令を遂行しようと試み続ける。 このように活動パターンが狭まるため、難易度15に対する<真意看破>判定に成功した者は、対象の行動が心術効果の影響下にあると知ることができる。 自分の本性に反する行動をするように強制された対象は、+2のボーナスを得て、改めてセーヴィング・スローを行なうことができる。 また、この呪文の支配下にあっても、明らかに自殺的な命令は実行されない。 たとえば、中身が青酸カリだと知っている飲料を飲ませたり、酸のプールに飛び込ませたりすることはできない。 しかし、中身が毒だとはっきり知らない飲み物を飲ませたり、酸の溜まった落とし穴が隠してある通路を歩かせることはできるだろう。 なお、これはバードにとっては4レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては5レベルの呪文である。 エンラージ・パースン Enlarge Person /人物拡大 系統:変成術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(鉄粉ひとつまみ) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1分 対象の人型生物1体を直ちに拡大し、身長を2倍、体重を8倍にする。 それによってクリーチャーのサイズ分類は1段階大きなものとなり、間合いや接敵面もそれに伴って大きくなる。 また、目標は筋力に+2のボーナス、敏捷力に-2、攻撃ロールとアーマー・クラスに-1のペナルティを受ける。 クリーチャーが着用または運搬しているすべての装備もこの呪文によって一緒に拡大され、それに伴って武器のダメージなども増加する。 この呪文の効果はパーマネンシイ呪文によって永続化することができる。 近接戦闘を行うファイターなどを強化するために低レベルからよく使用される、非常にポピュラーな定番呪文のひとつである。 なお、この呪文はウィザードやソーサラーの呪文であり、バードの呪文ではない。 クロウジャーズ・クロゼット Clothier's Closet /洋服店の衣装箱 系統:召喚術(創造); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(100gp以上の価値がある宝石1つ) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1時間 術者は、合計で100gpまでの範囲で好きな種類の衣服を、何人分でも自由に創造することができる。 呪文の持続時間の間、術者の選択した2つの直立した壁の間に棒と必要な数のハンガーとが出現し、衣類はそこに掛けられた状態で出てくる。 作り出された衣類はあらゆる点で通常の品物と同様であり、魔法のオーラを放射しない。 この呪文の持続時間が終了すると、棒とハンガーとは消えるが、作り出した衣類はそのまま残る。 この呪文はエベロンと呼ばれるフェイルーンとは別のD&D背景世界に属する呪文だが、ディーキンは何らかの経路で流入してきた知識を得たのであろう。 エベロン特有の“ドラゴンマーク”と呼ばれるものともつながりがある呪文なのだが、それはディーキンには関係の無い話である。 残念ながら、この呪文が掲載されているエベロン関連のサプリメントは、現時点では日本語未訳となっている。 余談だが、この呪文はウィザード/ソーサラーの呪文リストにも含まれているので、シャドウ・カンジュレーションでの効果模倣ができる。 ダンシング・ライツ Dancing Lights /踊る灯 系統:力術[光]; 0レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:中距離(100フィート+1術者レベル毎に10フィート) 持続時間:1分(解除可) 術者は以下の中から選んだいずれか1つのバージョンの、自在に動かすことのできる光を作り出す。 最大4つまでのランタンか松明に似た光か、最大4つまでの白熱した光の球体か、かすかに光るおぼろげな人型をした光のいずれかである。 ダンシング・ライツで作り出した光は、互いに半径10フィートの範囲内に留まらねばならない。 それ以外の点では術者の望む通りに移動させることができ、精神集中なども不要である。 これらの光は毎ラウンド、100フィートまで移動させられる。術者と光との間隔が呪文の距離を超えた場合、光は消えてしまう。 持続時間は短いが、同時に自在に動かせる複数の光源を出すこともできるため、動き回る敵を照らし出したい際などに何かと重宝する。 この呪文は、パーマネンシイの呪文で永続化させることができる。 シー・インヴィジビリティ See Invisibility /不可視視認 系統:占術; 3レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(滑石と銀粉) 距離:自身 持続時間:術者レベル毎に10分 術者は自分の視覚範囲内にあるすべての不可視状態の物体や存在を、エーテル状態のものも含めて、視認することができるようになる。 そうしたクリーチャーは、術者にとっては半透明の姿になって見える。 可視状態のクリーチャー、不可視状態のクリーチャー、エーテル状態のクリーチャーの違いは、簡単に識別することができる。 この呪文では幻術を見破ったり、物体を透かして見たりすることはできない。 単に隠れていたり、遮蔽物などによって視認困難であったり、その他の理由で見るのが難しいクリーチャーを発見することもできない。 シー・インヴィジビリティは、パーマネンシイ呪文によって永続化できる。 なお、これはバードにとっては3レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては2レベルの呪文である。 ディテクト・ソウツ Detect Thoughts /思考の感知 系統:占術[精神作用]; 2レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(銅貨1枚) 距離:60フィート、中心角90度の円錐形の放射範囲 持続時間:精神集中の限り、最大で術者レベル毎に1分(途中解除可能) 術者は範囲内にいる者の、表面的な思考を感知できる。 明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。 1ラウンド目には、【知力】が1以上で意識のあるクリーチャーの思考の存在の有無が分かる。 2ラウンド目には、思考している精神の数と、それぞれの【知力】の値がわかる。 この際あまりにも高い(26以上かつ、術者より10以上高い)【知力】の持ち主を感知すると、術者はしばし朦朧としてしまう。 3ラウンド目には、効果範囲内のいずれかの精神の表面的な思考を読むことができる。 目標が意志セーヴに成功した場合、その対象の思考は読むことができない。 術者は、毎ラウンド体の向きを変えたり移動したりして、調べる範囲を変えてもよい。 この呪文の効果範囲はある程度の障壁を通り抜けることができ、木の扉や土壁、薄い鉄板程度であれば、効果範囲はその背後まで貫通する。 したがって、この呪文によって部屋の中に思考する者がいるかどうかを、扉越しに調べたりすることもできる。 チャーム・モンスター Charm Monster /怪物魅惑 系統:心術(魅惑)[精神作用]; 3レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1日 対象に、術者を信頼できる友人や仲間であると思わせ、態度を「友好的」に変化させる。 対象は術者の言葉や行動を最も好意的な見方で解釈してくれるが、術者の操り人形となるわけではない。 自殺的な要求は拒否されるし、友人の頼みでも普通はしないような行動をさせることは難しい。 そのクリーチャーが術者やその仲間によって現在脅かされている最中であるなら、セーヴには+5のボーナスが付く。 また、術者やその仲間であることが明白なものが対象に危害を加えたならば、術は即座に解けてしまう。 なお、これはバードにとっては3レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては4レベルの呪文である。 サジェスチョン Suggestion /示唆 系統:心術(強制)[言語依存、精神作用]; 2レベル呪文 構成要素:音声、物質(蛇の舌と、蜂の巣ひとかけらか甘い油ひとしずく) 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:術者レベル毎に1時間、もしくは行動が完了するまでの、どちらか早い方 術者は、どのように行動すべきかを(1、2文以内で)示唆することで、目標クリーチャーの行動に影響を与える。 示唆する内容は、その行動がもっともらしく聞こえるような形で告げてやらねばならない。 示唆の内容が非常にもっともらしければ、DMの判断で相手のセーヴにペナルティが付くこともある。 明らかに相手の害となるような提案は、この呪文の効果を自動的に無効化する。 ただし、「あの酸の池のように見えるものは実は温泉だ、飛び込めば気持ちがいいぞ」というように唆して、結果的に害することはできる。 盗賊に対して、「俺を攻撃するより一緒に他所の宝の山を探しに行かないか」と提案して、一時的な味方にすることなどもできる。 高貴な騎士に対して、「次に出会った物乞いに慈悲を示してあなたの馬を与えるべきですよ」と吹き込むこともできる。 したがって、やり方次第で非常に活用できる範囲の広い、強力な呪文だといえる。 なお、これはバードにとっては2レベルだが、ウィザードやソーサラーにとっては3レベルの呪文である。 グレーター・テレポート Teleport, Greater /上級瞬間移動 系統:召喚術(瞬間移動); 7レベル呪文 構成要素:音声 距離:自身および接触 持続時間:瞬間 この呪文は術者およびその所持品と、人数制限の範囲内での同意するクリーチャーを、指定した場所へと瞬時に転送する。 距離の制限はないが、目標の地点を見たことがあるか、正確な描写を入手していなくてはならない。 この呪文では、他の次元界に移動することはできない。 来訪者の中には擬似呪文能力としてこの呪文の効果を使えるものも多いが、大抵は自分自身とその所持品しか運ぶことができない。 ディメンジョナル・アンカー Dimensional Anchor /次元界移動拘束 系統:防御術; 4レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:中距離(100フィート+1術者レベル毎に10フィート) 持続時間:術者レベル毎に1分 術者は手から緑色の光線を放ち、命中した対象はこの呪文の持続時間の間、他の次元界に移動することがまったくできなくなる。 瞬間移動系の呪文は移動時にアストラル界と呼ばれる次元界を経由するため、瞬間移動も封じられる。 イナー・ビューティー Inner Beauty /内なる美 系統:変成術; 4レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(500gp以上の価値がある手鏡) 距離:長距離(400フィート+1術者レベル毎に40フィート) 持続時間:術者レベル毎に10分 術者は対象の物理的な外見を、その人格や倫理観を反映するものに変化させることで、対象の真の美、もしくは真の醜さを明らかにする。 この呪文は正体を偽装している悪の存在を暴き出すとともに弱体化させ、善の存在に対して使用すれば強化呪文にもなる。 対象が悪の場合、その体や顔が捻じ曲がって獣のようなおぞましい姿となり、【敏捷力】と【魅力】に-4のペナルティを受ける。 さらに、この変化の瞬間を15フィート以内で目撃した者は、1d4ラウンドの間吐き気がする状態になる。 対象が善の場合、その体や顔が愛らしく美しく優雅になり、【敏捷力】と【魅力】に+4の清浄ボーナスを得る。 さらに、この変化の瞬間を15フィート以内で目撃した者は、1ラウンドの間朦朧状態になる。 対象が善でも悪でもない場合には、この呪文は効果がない。 この呪文はバードにしか習得することができない。 テレキネシス Telekinesis /念動力 系統:変成術; 5レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:長距離(400フィート+1術者レベル毎に40フィート) 持続時間:精神集中の限り(最大で術者レベル毎に1ラウンドまで)、または瞬間 術者は精神集中することで、物体やクリーチャーを動かすことができる。 選択したバージョンによって、術者は穏やかで持続的な力を及ぼすことも、一瞬荒々しく押す力を1回だけ及ぼすこともできる。 持続的な力は、術者レベル毎に25ポンド、最大で375ポンドまでの物体を、1ラウンドあたり20フィートまでの速度で動かすことができる。 クリーチャーは自分の所持している物体に対する効果を、意志セーヴに成功することや呪文抵抗で無効化できる。 このバージョンは術者レベル毎に1ラウンドまで持続するが、術者が精神集中を解けば切れてしまう。 対象の物体を片手で扱っているかのようにレバーやロープを引っ張ったり、鍵を回したり、物体を回転させたりすることもできる。 ただし結び目をほどくなどの細かい作業をする場合には、【知力】判定が必要となる。 また、敵に対して持続的な力を使うことで、突き飛ばし、武器落とし、組みつき(押さえ込みを含む)、足払いを試みることもできる。 術者は一度に呪文のすべての力を使って、術者レベル毎に1つ、最大で15個までのクリーチャーや物体を目標に対して投げることもできる。 術者は術者レベル毎に25ポンド(最大で15レベル時の375ポンド)までの合計重量を投げつけることができる。 目標に与えられるダメージは、どんな形状や密度の物体を投げるかによって変わってくる。 アイテムを目標に命中させるためには、術者は攻撃ロールに成功しなければならない。 呪文の重量制限内ならばクリーチャーを投げつけることもできるが、クリーチャーは意志セーヴに成功すれば効果を無効化できる。 要するに、ス○ーウォーズのジェダイやシスが使うフォースのような真似ができる呪文だと思えばよいだろう。 ミラー・イメージ Mirror Image /鏡像 系統:幻術(虚像); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:自身(本文参照) 持続時間:術者レベル毎に1分 術者は自分そっくりの虚像を、自分の周囲5フィート以内に1d4+術者レベル3レベル毎に1体(ただし最大で8体まで)作り出す。 虚像は術者の行動をそっくりに真似、術者と同じ音を出すので、視聴覚によっては本物と虚像とを識別することはできない。 術者は虚像と混ざり合ったり、互いに通り抜け合ったりすることで、いずれが本物かを一旦見破った敵をも再び混乱させることができる。 虚像はそれをターゲットとした攻撃が命中すれば消滅するが、範囲攻撃に巻き込まれても消滅しない。 ブレス・ウェポン Bless Weapon /武器祝福 系統:変成術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:接触 持続時間:術者レベル毎に1分 この呪文は1つの武器を、悪の存在に対して正確無比な一撃を与えられるようにする。 悪の属性を持つクリーチャーに対して使用する際、対象の武器は善の属性を持つ魔法の武器であるものとして扱われる。 また、この武器による悪の属性を持つ敵に対するクリティカル・ヒット・ロールはすべて自動的に成功する。 ただし、クリティカルに関する他の魔法的な能力を既に持っている武器に対しては、この最後の効果は適用されない。 この呪文は、パラディンにしか使うことができない。 ディーキンが所持している《清浄なる鞘》は、収めた武器に合言葉でこの呪文の効果を与える鞘である。 鞘には武器を清潔かつ鋭利に保つ効果もあり、剣でも斧でも、双頭武器でも、どんな武器にでも合うようにその形を変えられる。 値段は4400gp(金貨4400枚)で、マジックアイテムとしては高価な部類ではない。 ディヴィネーション Divination /神託 系統:占術; 4レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(香とその神に相応しい捧げものを最低25gp分) 距離:自身 持続時間:瞬間 術者はこれから1週間以内に達成しようとする目的や起きる出来事、活動等について神に質問をし、有益な助言を得ることができる。 ただし、術者の属するパーティがその情報に従って行動しなかった場合には状況が変化し、神託が役に立たなくなる可能性もある。 この呪文で得られる助言は短いフレーズ1つだけの簡潔なものか、もしくは謎めいた詩や言葉にならない前兆のような形をとる。 助言の内容が正しい可能性は、基本的には70%+術者レベルごとに1%(最大で90%)である。 ダイス・ロールの結果失敗したとしても、術者には呪文が失敗したということはわかる。 ただし、誤情報を与えるような何らかの特殊な魔術等が働いている場合は除く。 この呪文を同じ内容に関して何度も試みたとしても、得られる結果は最初に試みた時と同じになる。 コミューン Commune /交神 系統:占術; 5レベル呪文 構成要素:音声、動作、信仰、経験(100XP)、物質(聖水ないしは邪水と香) 距離:自身 持続時間:瞬間 術者は自分の神格、ないしはその代理人と交信し、単純な「然り」か「否」で答えられる質問をすることができる。 一言だけの回答では誤解や神格の利害に反する結果を招きかねない場合には、代わりに短文での回答が与えられる場合もある。 行なえる質問の数は術者レベル毎に1つまでであり、与えられる解答は、質問をされた存在の知識の及ぶ限りでは正しいものである。 神格と言えど必ずしも全知ではないが、他の神格やそれに準じるほど強大な存在が故意に隠蔽している事柄以外は大概わかると思ってよい。 もし質問の答えがわからない場合には、「定かならず」という回答を与えられる。 インプロヴィゼイション Improvisation /即興曲 系統:変成術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(一対のさいころ) 距離:自身 持続時間:術者レベル毎に1ラウンド 術者は運命の流れを自分の方に引き寄せ、流動的な“幸運プール”を利用できるようになる。 ゲーム上ではこの“幸運プール”は様々な作業の成功率を上げるために、自由に使えるボーナス・ポイントの形をとる。 プールの総量は術者レベル毎に2ポイントであり、自身の攻撃ロール、技能判定、能力値判定の結果を向上させるために任意に使用できる。 ただし1つの判定に与えられる幸運ボーナスの上限は、術者レベルの半分までである。 使用したポイントはプールから消え、呪文の持続時間が過ぎた時点でまだポイントが残っているなら、残量はすべて失われる。 たとえば、20レベルバードがこの呪文を使用したとすると、最初の“幸運プール”は40ポイントである。 続く20ラウンドの間、このバードは各種の判定にポイントが許す限りの範囲で、最大で+10までの幸運ボーナスを得ることができる。 それは攻撃の命中判定でも、扉を打ち破るための【筋力】判定でも、あるいは<魔法装置使用>や<はったり>などの技能判定でも構わない。 この呪文はバード専用である。 シミュレイクラム Simulacrum /似姿 系統:幻術(操影); 7レベル呪文 構成要素:音声、動作、物質(雪か氷でできた対象の像と対象の体の一部、似姿のヒット・ダイス(HD)ごとに100gpの価値のあるルビーの粉末)、経験(似姿のHDごとに100XP、ただし最低でも1000XP) 距離:0フィート 持続時間:瞬間 シミュレイクラムはどんなクリーチャーであれ、そのクリーチャーにそっくりな幻を作り出す。 複製されたクリーチャーは半ば実在のものであり、氷と雪から作り出される。 複製はオリジナルとまったく同じように見えるが、この似姿は、本物の持つレベルもしくはHDの半分しか持たない。 そしてそのレベルもしくはHDに対応するヒット・ポイント(hp)、特技、技能ランク、クリーチャーの特殊能力を持つ。 術者は、自分の術者レベルの2倍より高いレベルもしくはHDを持つクリーチャーの似姿を作り出すことはできない。 術者は似姿がどれくらい本物に似ているか決めるため、呪文発動時に<変装>判定を行なわなければならない。 この似姿は常に術者の完全な命令下にあるが、テレパシー的な接続は存在しないので、他の何らかの方法で命令しなければならない。 似姿はそれ以上強力になる能力を持たず、レベルや能力を成長させることはできない。 hpが0になったり破壊されたりすれば、似姿は雪に戻り、即座に融けて無に帰す。減少したhpは、研究室で作業をすれば修復できる。 フェスティヴァル・フィースト Festival Feast /お祭りの御馳走 系統:召喚術(創造); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:近距離(25フィート+2術者レベル毎に5フィート) 持続時間:2時間 術者は、良質な食糧およびエール、ビール、ワインなどの酒類を創造する。 この呪文によって作り出された酒によって、酩酊状態の悪影響が出ることはない。 なお、創造される飲食物の量は術者レベル毎に人間1人の1日分相当であるが、呪文の持続時間内に消費されなければ駄目になってしまう。 ディテクト・シークレット・ドアーズ Detect Secret Doors /隠し扉の感知 系統:占術; 1レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:60フィート、中心角90度の円錐形の放射範囲 持続時間:精神集中の限り、最大で術者レベル毎に1分(途中解除可能) 術者は呪文の有効範囲内にある、秘密の扉や区画、物入れなどを感知することができる。 この呪文で感知できるのは発見されないことを目的に作られたものだけで、荷箱の下にあるだけの普通の落とし戸などは感知できない。 明らかになる情報の量は、術者がどれだけ長い間、特定の範囲や対象を観察するかによる。 1ラウンド目の観察では範囲内に隠し扉が存在するかしないかがわかり、2ラウンド目ではその数とそれぞれの位置がわかる。 そして3ラウンド目以降には、術者が詳しく調べた特定の隠し扉ひとつのメカニズムか作動方法がわかる。 術者は毎ラウンド向きを変えたり移動したりして、新しい範囲を調べても構わない。 木の扉や土壁、薄い鉄板程度の障壁であれば、この呪文の効果範囲はその背後まで貫通して調べることができる。 エレメンタル・ダート Elemental Dart /元素の投げ矢 系統:召喚術(創造); 2レベル呪文 構成要素:音声、動作 距離:中距離(100フィート+1術者レベル毎に10フィート) 持続時間:瞬間 術者は[酸][冷気][電気][火]のうち、呪文発動時に選択したエネルギーの投げ矢を創造し、敵を攻撃する。 この矢の数は最初は1本だが、術者レベルが3レベルを超える2レベル毎に1本ずつ増える(最大は11レベル時点での5本)。 矢による遠隔接触攻撃が命中した目標は、1本につき術者レベル毎に1点(最大10点)+1d6点の、選択されたエネルギーのダメージを受ける。 ただし、頑健セーヴに成功した目標に対してはダメージが半減する。 複数の矢がある場合、術者はそれぞれで別の目標を狙っても、あるいは同一の目標を狙っても構わない。 この呪文の出展は、『Dragonlance Campaign Setting』(ドラゴンランス関連のサプリメント、未訳)である。 バードの呪文リストには含まれていないが、シャドウ・カンジュレーションでの効果模倣ならばバードにも使用できる。 パーシステント・イメージ Persistent Image /自動虚像 系統:幻術(虚像); 5レベル呪文 構成要素:音声、動作、焦点具(羊毛少しと、砂数粒) 距離:長距離(400フィート+1術者レベル毎に40フィート) 持続時間:術者レベル毎に1分(解除可) この呪文は、術者の思い描いた物体、クリーチャー、力場の視覚的な幻影を作り出す。 さらに、この虚像は視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、温度の要素をも含んでいるし、虚像に意味のある言葉を喋らせることもできる。 つまり、美しい音色を奏でるオルゴールの虚像を生み出せるし、美味そうな匂いのする御馳走の虚像も作り出せる。 近寄れないほどに熱いと感じられる炎の壁の虚像なども生み出せるのである。 ただし、いかなる幻覚を作ったのであれ、それで実際にダメージを与えることはできない。 また、この虚像は効果の大きさの制限内であれば動かすことができ、術者の決めた筋書きに従って振る舞う。 例えば口論し合う酔っぱらいの一団の虚像を生み出し、次第に口論が白熱してついには殴り合いを始めるように設定することも可能である。 効果の大きさの制限は、「一辺が10フィートの立方体の区画4つ+術者レベル毎に1つ分」である。 呪文の距離内であれば、効果範囲は自由に配置することができる。