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#navi(絶望の街の魔王、降臨)
ジル・バレンタインは困惑していた。
アンブレラが倒産、何もかもが終わったと思ったらまたバイオハザード。そしてその事件に反アンブレラ組織とアンブレラ残党と合衆国政府等が関与していると知り、反アンブレラ組織に協力する形で行動していた。
それは、組織からの幾つかの依頼をこなし、報告の為の帰還の最中であった。
「……ええ、ウェスカーと会ったわ。忌々しいけど、まだ生きてるわ」
かつてアンブレラが建造した地下施設への搬入線路。その鉄道車両に揺られながら、通信機で口頭による簡易報告をしていた。武装は解いていない。まだ後部貨物車両には化物の入ったインキュベータが幾つもあるのだから。
組織は彼女を人間扱いしてないフシがある。回を重ねるごとに『実験体(タイラントベース)を生け捕れ』だとか『汚染された街で、全ての死者・突然変異種・BOWを殲滅し、可能ならば生存者を救出せよ』だとか、人数や補給が必要なミッションを一人でやれと伝えられる。いい加減愛想を尽かせ、もう独自行動でどうにかできないものかと思案していた。
「……そうね。明日には戻れると思う。判った。アウト」
必要な事を全て伝え、通信を切る。
もう暫くしたら、組織の輸送隊との合流地点だ。これだけ大量のBOWを運ぶのは精神的に疲れる。いつT-002の様に硝子を破り飛び出てくるか判らない。デザートイーグルのグリップを握り、即時対応できる様に警戒している。早く着かないかと願うが、自動運転の貨物列車は加速する気配が無い。
窓から外を見れば、延々と砂漠が続き、退屈しのぎにもならない。装備のチェック、現地で得た書類の整理、そして回復。既に全て終わり、残りの数分間をどう過ごすか思案していた。
異変はその時始まった。
目前に、鏡が現れたのだ。
突然の事に警戒を更に強めるジル。アンブレラが開発した何か。そう判断して、鏡の前から飛び退く。あの会社の作る物は、ロクでもない物ばかりだ。BOW鎮圧用に開発した兵器を、紛争中の政府に売り付ける、平然とそんな事をやってのける。この宙に浮いている鏡も、何かしらの装置、もしくは兵器なのだろう。
この場合、一瞬の判断が命を左右する。鏡が何らかのアクションを起こせば、即刻50口径の弾丸を浴びせるつもりだった。しかし、それまでは何も刺激しないようにするしかない。
……動かない。
どれだけ待っても、鏡に動く気配は無い。
無害と判断するにはまだ早いが、ジルはそれに調べてみる事にした。彼女の勘が、危険ではない、と囁いたのだ。
大型輸送ヘリが3機、砂漠に舞い降りた。輸送隊である。
彼等は砂漠で停車している列車を調べたが、中に彼女は居なかった。
扉から吹き込んだヘリのダウンウォッシュが、少ない座席に置かれたファイルを捲っていた。
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