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「ゼロの黒魔道士-01」(2008/11/29 (土) 22:40:17) の最新版変更点
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#navi(ゼロの黒魔道士)
「はぁ…全く、どうしてくれようかしら、こんな役立たず…」
「あ、う、うん、ゴメンなさい、ルイズおねえちゃん…」
…出会ってから、ちょっと時間が立ったんだ。
…ここは、お城みたいな魔法学院。
…目の前のきれいだけどちょっと怖い女の子はルイズおねえちゃん。
…で、ボクはビビ、死んじゃって、動かなくなったはずが…
「なんっであんたが使い魔なのよぉ~!!!!!」
…使い魔、になっちゃったみたい…ホントに、なんでなのかなぁ…?
―ゼロの黒魔道士―
~第一幕~魔法の学び場 トリステイン魔法学院
…窓の外の空には2つのお月さま、
ここもお月さまは2つなんだなぁと変な感心をしてしまう。
「ちょっと!またあんた、聞いてるのっ!?」
「わぁっ!?ご、ゴゴメン…なさい…ルイズおねえちゃん…」
さっきからずっとこの調子なんだ…
…ちょっと、今日までにあったことを思い出してみた…
…たしか、黒魔道士の村にいたんだ…
もう、だんだん体が動かなくなるのが分かったし、
寿命(リミット)が近いんだなって分かってた…
黒魔村のみんなは優しくしてくれたし、
ジェノムのみんなともなかよくなっていってるみたいだった…
…それを見守るのはうれしかったけど…動かなくなってきている体で、見てるだけなのはちょっと悲しかったなぁ…
ときどき、みんなお見舞いに来てくれた…
…フライヤおねえちゃんやダガーおねえちゃんは国を立て直すのにいそがしいはずなのに…
…サラマンダーは黙ったままだったけど…なんか優しくなってたなぁ…
…スタイナーおじちゃんはちょっとうるさかった。「手伝うのである!!!」ってジェノムのみんなを手伝ったりしたんだけど…
…「ぬぉぉぉ!?」ドンガラガッシャーン…
…みんな、得意と不得意があるんだなぁ…
…クイナが来たときは、食事が豪華になるんだ。いつもの同じ材料なのに…
…「…クェー」「チョコボのコドモ…珍味ネ…」ジュルリ…
…い、いつもと、同じ、だよね?…
…エーコは、シドおとうさんといっしょに「し、新飛空艇の試験飛行で来ただけよ!あんたが心配じゃないんだから!」って言って来てた…
…試験飛行でなんであんなに、お菓子持ってくるのかなぁ?…食べきれないからって言ってボクにおしつけるし…
…そして、昨日、最後の日の前の日、いよいよ体が動かしにくくなったとき…
「よっ、意外と元気そうじゃん!」
…ボクに、生きる意味を、ボクに勇気をくれた最大の恩人が、来てくれたんだ…
「いやぁ~、ちょっと危なかったんだけどさ…やっぱヒーローは遅くなるもんだから、なっ!」
…そう言ってウィンクする…ボクは、少し体を起こして、「無事…だったんだ…」って聞いたら…
「ん、まぁ色々あってな…あ、ダガーにはまだ内緒な?ちょっとしたサプライズ用意してるんだ…」
…そういって照れくさそうに笑ってた…きっと、そのまま会いに行くのが、ちょっとはずかしいんだなって思った…
「お、うまそうなリンゴがある…クイナの見舞いかな?1個もらうぜっと…」
…エーコからもらったリンゴの山から、器用に尻尾で1個をお手玉のように抜き出して、ダガーで皮をむいて…
「ほれ、ウサギの完成~!」
…一緒にウサギリンゴを食べて、いっぱい、いっぱい、話したんだ…
…しばらくして、「劇の練習の時間だからな…見に来てくれよ?アレクサンドリアで一芝居うつからさ!」って言って出て行った…
…ジタンは、やっぱり、優しかった。強かった…
…そして、今日…
…体がいよいよ動かなくなって…
…気づいたら光に包まれて…
「ふぅ~ん、ビビ、ね…で、あんた結局何なのよ?平民にしては…色々変だし…」
…「トリステイン魔法学院」ってところにいたんだ…
「え、へ、変…かなぁ…?」
…たしかに、「人間」では無いから、ちょっと「変」なのかもしれないけれど…
「あんた、顔あるの?頭よりおっきなトンガリ帽子かぶって…まだ寒いとはいえそんな厚着だし…」
…顔かぁ…そういえば考えたことなかった…なんとなく恥ずかしくなって帽子をキュッキュッてかぶりなおした…
「…ミスタ・コルベール!やりなおしさせてください!こんなのが私の使い魔なんて!」
…使い魔?さっきも聞いたなぁ…こんなのって…まさか、ボクのこと…?
「それはできません、ミス・ヴァリエール、春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。
そう簡単にやり直しは認められない、いずれにせよ彼を使い魔にするしかない」
…頭のまぶしいおじちゃんがそう言った…カレを使い魔…?この場合、彼って…
「え、あ、あの、す、すいません…使い魔って…」
「あーもう、なんでこんなのが…あんた感謝しなさいよ、普通平民が貴族にこんなことされるなんて一生無いんだからねっ!」
「え、あ、え?え?」
…こっちは慌てるしかなかった。ゆっくりときれいだけどキツそうな顔が目の前に近づいてきて…
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 チュッ
…女の子の唇って、やわらかかったんだなぁ…
「ほんとに!!!!もう!!聞いてるのっ!!!!」
「わわわわっ!?ゴ、ゴメンなさい…」
…さっきから、ルイズおねえちゃんの部屋で謝り続けている気がするなぁ…
…時間はもう日が暮れて空ではお月さまが2つしっかり出ている…
「まったく、マントは燃やされるし、使い魔はこんなだし…今日は厄日ね、厄日っ!!!」
…ドキッ…ゴメンなさい…ルイズおねえちゃんにはまだ内緒にしていることがあるんだ…
「え、い、今のって、キ、キス…あつつつつつつつつつつ!?!?!?」ボッ
「我慢しなさい、使い魔のルーンが刻まれてるだけよ…ってあつっ!?」
…キスされた後、左手がすっごく熱くなって
…「はんしゃてき」ってことなんだと思う
…モンスターに襲われたりしたのと勘違いしたのかもしれない
…思わず…「ファイア」ってちっちゃく唱えちゃったんだ
「あつつつつつ…うぅぅぅ…?…何、コレ…」
…しばらくして、左手の痛みがおさまって…変な模様が左手(の手袋の上)に描かれているのに気づいたんだ…
「はぁ、はぁ…あぁっ!?私のマントっ!?」
…このときまで、咄嗟に「ファイア」を唱えてたのに気づかなかったんだ。
…そして、このピンクの髪のおねえちゃんのマントをちょっと燃やしちゃったことも…
「…あ、ん、た、がやったのねぇ~!!! ツェルプトーっ!!!!」
「ゴ、ゴゴゴゴゴゴゴごめんなさ~い!!!! え?」
…気づいたら、おっきなトカゲ…かな?尻尾に火がついてるけど…がボクの足元にいたんだ…
「あら、ダメよ、フレイム~!いくらヴァリエールのでもマントを燃やしたりしちゃ…」
…まっ赤な髪の、おっきなおねえちゃんがケラケラと笑ってた
…足元のトカゲはボクの左手を心配そうにペロッとなめてくれた
…ぶっきらぽうだけど優しそうで…ちょっとサラマンダーを思い出した
「あんた、自分の使い魔の制御もできないの!?人のマント燃やしてくれて!!」
「あら、フレイムはそこのお人形さんが痛そうにしてるから心配になっただけよ?優しいでしょ?
でも、尻尾の先にまさかあなたのマントがあるとはねぇ…まぁよかったじゃない、黒こげにならなくて!」
「キィィィィィィィ!」
…あ、マントを燃やしたのはトカゲくん…フレイムって言うのかな?のせいになってる…ゴメンなさい…
「はいっ、そこまでっ!!ミス・ツェルプトー、使い魔同士の友情は結構なことですが、
周囲に被害が及ばぬよう気をつけるように!ミス・ヴァリエールもマントの件はそのぐらいで!」
…頭のまぶしいおじちゃんが近づいてきて、ボクの左手をしげしげと眺めた
「ふむ、コントラクト・サーヴァントは無事成功のようだね。おや、珍しいルーンだな…しかも衣服の上に、か…」
…そう言ってボクの左手のスケッチをする…間近に太陽があるみたいで目がショボショボした…
「さてと、じゃあ皆教室戻るぞ」
「ルイズお前は歩いて来いよ」
「あいつ『フライ』はおろか『レビテーション』もまともにできないんだぜ」
「チビの人形みたいな平民、あんたの使い魔にはお似合いよ」
「あ、でもちょっと可愛くない?」
「そうかぁ?僕には不気味だけどなぁ…」
…みんながふわりと浮きあがる…レビテトでも使ったのかなぁ…?
…まっかな髪のおねえちゃんもフレイムといっしょに空に浮かんで行ってしまった
…青い髪のメガネの女の子が最後にボクをじっと見てからおっきなドラゴンと一緒に飛び去って
…ピンクの髪のプリプリ怒ってる女の子とボクだけが原っぱに取り残された…
「あ、あの…えーと…ヴぁ、ヴァリエールおねえちゃん…?で、いいのかなぁ…?」
…さっき呼ばれていたのがきっと名前だろうと思ってそう声をかけた
「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!!
呼ぶんなら『ご主人さま』と呼びなさいっ!!あぁ、もうっ、何なのよっ!!!」
…おねえちゃんはすっごく長い名前だった。ダガーおねえちゃんの本名ぐらい…
…『ご主人さま?』
「え、あ、あの、『ご主人さま』って、どういうこと…?ルイズおねえちゃん…?」
…呼びにくかったので、「ルイズおねえちゃん」って呼ばせてもらうことにした
「あんたは私の使い魔!!だから、私はあんたの『ご主人さま』よっ!
…ま、まぁ『ルイズおねえちゃん』でもいいけど…」
…あ、良かった。この呼び方で良かったみたいだ…それにしても、使い魔って…?あれ?それよりも…
…さっきからなんでボクは動けるようになっているんだろう…?
「もぅっ!!!ボーっとしてばっかりで!!そんなに貴族の部屋が珍しい!?」
「わ、え、あ、ゴメンなさい…広くて豪華だなぁ、って…」
…で、ルイズおねえちゃんの部屋に来てから今まで、ハルケギニアの話、貴族の話、そして使い魔の話を聞いたんだ
…もしかして、ここはガイアやテラじゃないかもしれないって気づいたのはこのときなんだ
…これだけ大きなお城みたいな学校、飛空挺で世界中まわったけれども見なかったもんね…
…ルイズおねえちゃんによると、ここはハルギゲニアのトリステインって国の、トリステイン学院、魔法の学校なんだって
…魔法の学校かぁ…ちょっと、ワクワクするなぁ…でも、貴族しか通えないんだって…ちょっと残念だなぁ
…で、使い魔って、召喚獣とは違って、メイジ(魔道士に近いのかな?でも貴族らしいから違うかもしれない)とずっと一緒にいるんだって
…で、えーと…か、感覚のきょーゆー?とかいうのと、魔法のための素材探し、それから、護衛なんていうのもやるらしい…
…ボク、よくわからないけど、使い魔になっちゃったみたいだ…なんか色々大変そうだなぁ…
「はぁ…感覚の共有もできないし、田舎者すぎて薬草の知識も無い、護衛だって…そんなナリじゃね…」
「う…ゴメンなさい…」
…さっきから謝ってばっかりだなぁ…
「まぁ、いいわ、あんたには雑用とか、明日から色々やってもらうから!いいわねっ!!」
「あ、う、うん…」
「もうこんな時間だし、今日はもう寝るわ…あんたは床よ!」
「う、うん…」
…旅の途中で何回か野宿もしたし、床で寝るのは久しぶりだけど全然平気だ…
…ともかく、死んじゃったって思ったら、まだボクには色々やれることがあるらしい…雑用だけど…
…だれかのために何かできるんだったら、いいことじゃないかなぁと思うんだ…雑用だけど…
…そんな色々なことを考えながら、寝ようとしたら、帽子の上に薄い布が飛んできたんだ
「それ、明日洗っときなさいよ!!」
「え?あ、うn」「返事は『はい』!」は、はいっ…」
…それは、下着だった…
…ともかく、ルイズおねえちゃんの使い魔になっちゃったみたいだし、色々やってあげよう、と思ったんだ
…それに、ルイズおねえちゃん、ちょっと怖いけど…うまく言えないけど…何か、ほっとけない気がするんだ…
…だから、ジタン、みんな…ボク…がんばるよ…
…おやすみ…
ピコン
~おまけ~
ATE ―ルイズの1日―
…もう、寝たのかしら?
「グゥ、グゥ」
…わ、わかりやすい寝方ね…
ほんっと、今日は散々な1日だったわ…
召喚は何度も何度も失敗するし、
出てきたのはとんがり帽子の人形みたいな平民だし、
お気に入りのマントは燃やされるし…しかもあのツェルプトーの使い魔に!
何よ、サラマンダーが何よっ!た、ただの火を吐くトカゲじゃない!
…うー、私ももっとすごい使い魔が欲しかったのに…
…とんがり帽子をキュッキュッって直す仕草にちょっと「あ、カワイイ」とかときめいちゃったけど…
…「ルイズおねえちゃん」って言われてうれしくなっちゃったりしたけど…
いや違う違う違う!!!あれはほら、そう、母性本能!?
いやいやいやいや違うわ、貴族!そう貴族として、平民を庇護しなければならないという責任感からくる感情よ、うん、そうなのよ!!
…貴族として、よね。サモン・サーヴァントもコントラクト・サーヴァントも成功したんだし、もうゼロじゃないのよね、私…
そうとなれば、この平民に貴族として明日から、みっちり良いところをみせなくてはね!!
おねえちゃんとsってちっがーーーうっ!!貴族!き・ぞ・くとして!!
…弟がいればこんなのだったのかなぁ…
ちがうちがうちがうー、弟とかそんなんじゃなくてコイツは平民でーっ!あーもうっ!寝なくちゃ明日から通常授業なのにーっ!
眠れないのもみんなこの使い魔のせいよーっ!もーっ!
ピコン
~おまけ2~
ATE ―どっかの作者の失敗―
ディシ○ィアが出るうれしさで思わず初SS書いちまったなぁ…
まぁ、ジタン召喚するのと迷った挙句(最強のFFは9かT、異論は認める)
ビビ選んで良かった…初SSにしてはみんな期待してくれてるみたいだし…
でも、だ…
失敗しちまったぁぁぁぁ!!
最初は「ビビ召喚でデルフ持ったらスタイナーなしで一人魔法剣使えるんじゃね?KH2で見せた剣術と組み合わせて…うはwww夢がひろがりんぐww」
って考えてたのにっ!!!
デルフ魔法吸収しちゃうじゃんっ!!!魔法剣使えないじゃんっ!!
ビビの最強奥儀「リフレク2倍返し」+「いつでもリフレク」しようとしてもデルフ吸収しちゃうじゃんっ!!
俺のばかぁぁぁぁぁぁ
#navi(ゼロの黒魔道士)
#navi(ゼロの黒魔道士)
「はぁ…全く、どうしてくれようかしら、こんな役立たず…」
「あ、う、うん、ゴメンなさい、ルイズおねえちゃん…」
…出会ってから、ちょっと時間が立ったんだ。
…ここは、お城みたいな魔法学院。
…目の前のきれいだけどちょっと怖い女の子はルイズおねえちゃん。
…で、ボクはビビ、死んじゃって、動かなくなったはずが…
「なんっであんたが使い魔なのよぉ~!!!!!」
…使い魔、になっちゃったみたい…ホントに、なんでなのかなぁ…?
―ゼロの黒魔道士―
~第一幕~魔法の学び場 トリステイン魔法学院
…窓の外の空には2つのお月さま、
ここもお月さまは2つなんだなぁと変な感心をしてしまう。
「ちょっと!またあんた、聞いてるのっ!?」
「わぁっ!?ご、ゴゴメン…なさい…ルイズおねえちゃん…」
さっきからずっとこの調子なんだ…
…ちょっと、今日までにあったことを思い出してみた…
…たしか、黒魔道士の村にいたんだ…
もう、だんだん体が動かなくなるのが分かったし、
寿命(リミット)が近いんだなって分かってた…
黒魔村のみんなは優しくしてくれたし、
ジェノムのみんなともなかよくなっていってるみたいだった…
…それを見守るのはうれしかったけど…動かなくなってきている体で、見てるだけなのはちょっと悲しかったなぁ…
ときどき、みんなお見舞いに来てくれた…
…フライヤおねえちゃんやダガーおねえちゃんは国を立て直すのにいそがしいはずなのに…
…サラマンダーは黙ったままだったけど…なんか優しくなってたなぁ…
…スタイナーおじちゃんはちょっとうるさかった。「手伝うのである!!!」ってジェノムのみんなを手伝ったりしたんだけど…
…「ぬぉぉぉ!?」ドンガラガッシャーン…
…みんな、得意と不得意があるんだなぁ…
…クイナが来たときは、食事が豪華になるんだ。いつもの同じ材料なのに…
…「…クェー」「チョコボのコドモ…珍味ネ…」ジュルリ…
…い、いつもと、同じ、だよね?…
…エーコは、シドおとうさんといっしょに「し、新飛空艇の試験飛行で来ただけよ!あんたが心配じゃないんだから!」って言って来てた…
…試験飛行でなんであんなに、お菓子持ってくるのかなぁ?…食べきれないからって言ってボクにおしつけるし…
…そして、昨日、最後の日の前の日、いよいよ体が動かしにくくなったとき…
「よっ、意外と元気そうじゃん!」
…ボクに、生きる意味を、ボクに勇気をくれた最大の恩人が、来てくれたんだ…
「いやぁ~、ちょっと危なかったんだけどさ…やっぱヒーローは遅くなるもんだから、なっ!」
…そう言ってウィンクする…ボクは、少し体を起こして、「無事…だったんだ…」って聞いたら…
「ん、まぁ色々あってな…あ、ダガーにはまだ内緒な?ちょっとしたサプライズ用意してるんだ…」
…そういって照れくさそうに笑ってた…きっと、そのまま会いに行くのが、ちょっとはずかしいんだなって思った…
「お、うまそうなリンゴがある…クイナの見舞いかな?1個もらうぜっと…」
…エーコからもらったリンゴの山から、器用に尻尾で1個をお手玉のように抜き出して、ダガーで皮をむいて…
「ほれ、ウサギの完成~!」
…一緒にウサギリンゴを食べて、いっぱい、いっぱい、話したんだ…
…しばらくして、「劇の練習の時間だからな…見に来てくれよ?アレクサンドリアで一芝居うつからさ!」って言って出て行った…
…ジタンは、やっぱり、優しかった。強かった…
…そして、今日…
…体がいよいよ動かなくなって…
…気づいたら光に包まれて…
「ふぅ~ん、ビビ、ね…で、あんた結局何なのよ?平民にしては…色々変だし…」
…「トリステイン魔法学院」ってところにいたんだ…
「え、へ、変…かなぁ…?」
…たしかに、「人間」では無いから、ちょっと「変」なのかもしれないけれど…
「あんた、顔あるの?頭よりおっきなトンガリ帽子かぶって…まだ寒いとはいえそんな厚着だし…」
…顔かぁ…そういえば考えたことなかった…なんとなく恥ずかしくなって帽子をキュッキュッてかぶりなおした…
「…ミスタ・コルベール!やりなおしさせてください!こんなのが私の使い魔なんて!」
…使い魔?さっきも聞いたなぁ…こんなのって…まさか、ボクのこと…?
「それはできません、ミス・ヴァリエール、春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。
そう簡単にやり直しは認められない、いずれにせよ彼を使い魔にするしかない」
…頭のまぶしいおじちゃんがそう言った…カレを使い魔…?この場合、彼って…
「え、あ、あの、す、すいません…使い魔って…」
「あーもう、なんでこんなのが…あんた感謝しなさいよ、普通平民が貴族にこんなことされるなんて一生無いんだからねっ!」
「え、あ、え?え?」
…こっちは慌てるしかなかった。ゆっくりときれいだけどキツそうな顔が目の前に近づいてきて…
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 チュッ
…女の子の唇って、やわらかかったんだなぁ…
「ほんとに!!!!もう!!聞いてるのっ!!!!」
「わわわわっ!?ゴ、ゴメンなさい…」
…さっきから、ルイズおねえちゃんの部屋で謝り続けている気がするなぁ…
…時間はもう日が暮れて空ではお月さまが2つしっかり出ている…
「まったく、マントは燃やされるし、使い魔はこんなだし…今日は厄日ね、厄日っ!!!」
…ドキッ…ゴメンなさい…ルイズおねえちゃんにはまだ内緒にしていることがあるんだ…
「え、い、今のって、キ、キス…あつつつつつつつつつつ!?!?!?」ボッ
「我慢しなさい、使い魔のルーンが刻まれてるだけよ…ってあつっ!?」
…キスされた後、左手がすっごく熱くなって
…「はんしゃてき」ってことなんだと思う
…モンスターに襲われたりしたのと勘違いしたのかもしれない
…思わず…「ファイア」ってちっちゃく唱えちゃったんだ
「あつつつつつ…うぅぅぅ…?…何、コレ…」
…しばらくして、左手の痛みがおさまって…変な模様が左手(の手袋の上)に描かれているのに気づいたんだ…
「はぁ、はぁ…あぁっ!?私のマントっ!?」
…このときまで、咄嗟に「ファイア」を唱えてたのに気づかなかったんだ。
…そして、このピンクの髪のおねえちゃんのマントをちょっと燃やしちゃったことも…
「…あ、ん、た、がやったのねぇ~!!! ツェルプストーっ!!!!」
「ゴ、ゴゴゴゴゴゴゴごめんなさ~い!!!! え?」
…気づいたら、おっきなトカゲ…かな?尻尾に火がついてるけど…がボクの足元にいたんだ…
「あら、ダメよ、フレイム~!いくらヴァリエールのでもマントを燃やしたりしちゃ…」
…まっ赤な髪の、おっきなおねえちゃんがケラケラと笑ってた
…足元のトカゲはボクの左手を心配そうにペロッとなめてくれた
…ぶっきらぽうだけど優しそうで…ちょっとサラマンダーを思い出した
「あんた、自分の使い魔の制御もできないの!?人のマント燃やしてくれて!!」
「あら、フレイムはそこのお人形さんが痛そうにしてるから心配になっただけよ?優しいでしょ?
でも、尻尾の先にまさかあなたのマントがあるとはねぇ…まぁよかったじゃない、黒こげにならなくて!」
「キィィィィィィィ!」
…あ、マントを燃やしたのはトカゲくん…フレイムって言うのかな?のせいになってる…ゴメンなさい…
「はいっ、そこまでっ!!ミス・ツェルプストー、使い魔同士の友情は結構なことですが、
周囲に被害が及ばぬよう気をつけるように!ミス・ヴァリエールもマントの件はそのぐらいで!」
…頭のまぶしいおじちゃんが近づいてきて、ボクの左手をしげしげと眺めた
「ふむ、コントラクト・サーヴァントは無事成功のようだね。おや、珍しいルーンだな…しかも衣服の上に、か…」
…そう言ってボクの左手のスケッチをする…間近に太陽があるみたいで目がショボショボした…
「さてと、じゃあ皆教室戻るぞ」
「ルイズお前は歩いて来いよ」
「あいつ『フライ』はおろか『レビテーション』もまともにできないんだぜ」
「チビの人形みたいな平民、あんたの使い魔にはお似合いよ」
「あ、でもちょっと可愛くない?」
「そうかぁ?僕には不気味だけどなぁ…」
…みんながふわりと浮きあがる…レビテトでも使ったのかなぁ…?
…まっかな髪のおねえちゃんもフレイムといっしょに空に浮かんで行ってしまった
…青い髪のメガネの女の子が最後にボクをじっと見てからおっきなドラゴンと一緒に飛び去って
…ピンクの髪のプリプリ怒ってる女の子とボクだけが原っぱに取り残された…
「あ、あの…えーと…ヴぁ、ヴァリエールおねえちゃん…?で、いいのかなぁ…?」
…さっき呼ばれていたのがきっと名前だろうと思ってそう声をかけた
「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!!
呼ぶんなら『ご主人さま』と呼びなさいっ!!あぁ、もうっ、何なのよっ!!!」
…おねえちゃんはすっごく長い名前だった。ダガーおねえちゃんの本名ぐらい…
…『ご主人さま?』
「え、あ、あの、『ご主人さま』って、どういうこと…?ルイズおねえちゃん…?」
…呼びにくかったので、「ルイズおねえちゃん」って呼ばせてもらうことにした
「あんたは私の使い魔!!だから、私はあんたの『ご主人さま』よっ!
…ま、まぁ『ルイズおねえちゃん』でもいいけど…」
…あ、良かった。この呼び方で良かったみたいだ…それにしても、使い魔って…?あれ?それよりも…
…さっきからなんでボクは動けるようになっているんだろう…?
「もぅっ!!!ボーっとしてばっかりで!!そんなに貴族の部屋が珍しい!?」
「わ、え、あ、ゴメンなさい…広くて豪華だなぁ、って…」
…で、ルイズおねえちゃんの部屋に来てから今まで、ハルケギニアの話、貴族の話、そして使い魔の話を聞いたんだ
…もしかして、ここはガイアやテラじゃないかもしれないって気づいたのはこのときなんだ
…これだけ大きなお城みたいな学校、飛空挺で世界中まわったけれども見なかったもんね…
…ルイズおねえちゃんによると、ここはハルギゲニアのトリステインって国の、トリステイン学院、魔法の学校なんだって
…魔法の学校かぁ…ちょっと、ワクワクするなぁ…でも、貴族しか通えないんだって…ちょっと残念だなぁ
…で、使い魔って、召喚獣とは違って、メイジ(魔道士に近いのかな?でも貴族らしいから違うかもしれない)とずっと一緒にいるんだって
…で、えーと…か、感覚のきょーゆー?とかいうのと、魔法のための素材探し、それから、護衛なんていうのもやるらしい…
…ボク、よくわからないけど、使い魔になっちゃったみたいだ…なんか色々大変そうだなぁ…
「はぁ…感覚の共有もできないし、田舎者すぎて薬草の知識も無い、護衛だって…そんなナリじゃね…」
「う…ゴメンなさい…」
…さっきから謝ってばっかりだなぁ…
「まぁ、いいわ、あんたには雑用とか、明日から色々やってもらうから!いいわねっ!!」
「あ、う、うん…」
「もうこんな時間だし、今日はもう寝るわ…あんたは床よ!」
「う、うん…」
…旅の途中で何回か野宿もしたし、床で寝るのは久しぶりだけど全然平気だ…
…ともかく、死んじゃったって思ったら、まだボクには色々やれることがあるらしい…雑用だけど…
…だれかのために何かできるんだったら、いいことじゃないかなぁと思うんだ…雑用だけど…
…そんな色々なことを考えながら、寝ようとしたら、帽子の上に薄い布が飛んできたんだ
「それ、明日洗っときなさいよ!!」
「え?あ、うn」「返事は『はい』!」は、はいっ…」
…それは、下着だった…
…ともかく、ルイズおねえちゃんの使い魔になっちゃったみたいだし、色々やってあげよう、と思ったんだ
…それに、ルイズおねえちゃん、ちょっと怖いけど…うまく言えないけど…何か、ほっとけない気がするんだ…
…だから、ジタン、みんな…ボク…がんばるよ…
…おやすみ…
ピコン
~おまけ~
ATE ―ルイズの1日―
…もう、寝たのかしら?
「グゥ、グゥ」
…わ、わかりやすい寝方ね…
ほんっと、今日は散々な1日だったわ…
召喚は何度も何度も失敗するし、
出てきたのはとんがり帽子の人形みたいな平民だし、
お気に入りのマントは燃やされるし…しかもあのツェルプストーの使い魔に!
何よ、サラマンダーが何よっ!た、ただの火を吐くトカゲじゃない!
…うー、私ももっとすごい使い魔が欲しかったのに…
…とんがり帽子をキュッキュッって直す仕草にちょっと「あ、カワイイ」とかときめいちゃったけど…
…「ルイズおねえちゃん」って言われてうれしくなっちゃったりしたけど…
いや違う違う違う!!!あれはほら、そう、母性本能!?
いやいやいやいや違うわ、貴族!そう貴族として、平民を庇護しなければならないという責任感からくる感情よ、うん、そうなのよ!!
…貴族として、よね。サモン・サーヴァントもコントラクト・サーヴァントも成功したんだし、もうゼロじゃないのよね、私…
そうとなれば、この平民に貴族として明日から、みっちり良いところをみせなくてはね!!
おねえちゃんとsってちっがーーーうっ!!貴族!き・ぞ・くとして!!
…弟がいればこんなのだったのかなぁ…
ちがうちがうちがうー、弟とかそんなんじゃなくてコイツは平民でーっ!あーもうっ!寝なくちゃ明日から通常授業なのにーっ!
眠れないのもみんなこの使い魔のせいよーっ!もーっ!
ピコン
~おまけ2~
ATE ―どっかの作者の失敗―
ディシ○ィアが出るうれしさで思わず初SS書いちまったなぁ…
まぁ、ジタン召喚するのと迷った挙句(最強のFFは9かT、異論は認める)
ビビ選んで良かった…初SSにしてはみんな期待してくれてるみたいだし…
でも、だ…
失敗しちまったぁぁぁぁ!!
最初は「ビビ召喚でデルフ持ったらスタイナーなしで一人魔法剣使えるんじゃね?KH2で見せた剣術と組み合わせて…うはwww夢がひろがりんぐww」
って考えてたのにっ!!!
デルフ魔法吸収しちゃうじゃんっ!!!魔法剣使えないじゃんっ!!
ビビの最強奥儀「リフレク2倍返し」+「いつでもリフレク」しようとしてもデルフ吸収しちゃうじゃんっ!!
俺のばかぁぁぁぁぁぁ
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