トリステイン2日目は、驚愕から始まる。 
「うわあぁぁぁぁぁくぁぁ!!!!!!!!!!!」 
廊下を走りぬけ、階段を駆け上がり、扉を蹴り開ける。 
朝日にキラリと光る波平-1ヘアーはミスタ・コルベール先生。
朝日にキラリと光る波平-1ヘアーはミスタ・コルベール先生。
「学園長!学園長!!!!がぁくえんちいよぉぉぉおおぉぉお!!!」 
ミスタ・コルベールがドアを蹴り開けて学園長室に飛び込みます。 
学園長室の主、オールド・オスマンはコルベールに背を向ける形で座っていました。
学園長室の主、オールド・オスマンはコルベールに背を向ける形で座っていました。
「あ、会ったことを正直に話しますっ!! 
つ、使い魔のルーンを調べていて寝オチして起きたら!!
いつの間にか目の前でパンツ男が背中に毛布かけてくれたんです!!!!
しかもサンドイッチの夜食まで用意してくれててっ!!!!
ごくろうさまかっこはぁとかっことじるのメッセージカードまで添えて!!!!!
な…なにを言ってるのかわからねーと思うが、私もナニをされたかわかっていない。
頭がどうにかなりそうだ!
妄想とか夢オチなんてチャチなもんじゃあない!
もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったんですぅぅ!!!!!」
つ、使い魔のルーンを調べていて寝オチして起きたら!!
いつの間にか目の前でパンツ男が背中に毛布かけてくれたんです!!!!
しかもサンドイッチの夜食まで用意してくれててっ!!!!
ごくろうさまかっこはぁとかっことじるのメッセージカードまで添えて!!!!!
な…なにを言ってるのかわからねーと思うが、私もナニをされたかわかっていない。
頭がどうにかなりそうだ!
妄想とか夢オチなんてチャチなもんじゃあない!
もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったんですぅぅ!!!!!」
……………………………………………………………………。 
……………………………………………………………………。
……………………………………………………………………。
……………………………………………………………………。
……………………………………………………………………。
「オスマン………? 
オールド・オスマン……………!?
こ、こいつ……………死んでいる!?」
オールド・オスマン……………!?
こ、こいつ……………死んでいる!?」
『怪奇!!パンツ男の恐怖事件』は一晩で学園中の噂になりました。 
目撃者は貴族から平民、使い魔にいたるまで多岐に渡りました。
目撃者は貴族から平民、使い魔にいたるまで多岐に渡りました。
曰く、パンツ男の名前は変態仮面である。 
曰く、パンツ男は被るパンツによってゲージ使用技が変わる。
曰く、パンツ男は始祖ブリミルの使い魔の名前すら伝えられていないものである。
曰く、パンツ男のパンツの中に入っていったものは二度と戻ってこれない。
曰く、パンツ男は被るパンツによってゲージ使用技が変わる。
曰く、パンツ男は始祖ブリミルの使い魔の名前すら伝えられていないものである。
曰く、パンツ男のパンツの中に入っていったものは二度と戻ってこれない。
まあそんなこんなで一晩で七不思議の一つに入るぐらいに学園内を練り歩いたわけです。 
異世界漂流1日目からナニやってんでしょうねこの男は。
異世界漂流1日目からナニやってんでしょうねこの男は。
さて、我らのヒロインルイズの寝起きは最悪でした。 
まるで半分眠った状態から、いきなり地獄を見せつけられたかのようなテンションでした。
まるで半分眠った状態から、いきなり地獄を見せつけられたかのようなテンションでした。
「なんか………ムッチャひどい夢を見た気がする」 
なぜかルイズの脳の中ではパンツ被ったパンツ一丁の男が枕元に立ってたり、頭上で回転したりするフラッシュバックが起こります。 
恐ろしい。ナニが恐ろしいってそんな見たこともないものが自分の脳の中で躍動的に踊るのが恐ろしいです。
そのフラッシュバックの中にはタバサがいてギーシュがいてキュルケがいてオスマンがいてコルベールがいました。
みんながみんな自分を見て悲鳴を上げたり恐れおののくのを見て、悲しみを感じるよりもなぜか快感を感じていた感覚に恐怖しました。
ルイズは知る由もありませんが、使い魔のルーンを通じて夢に使い魔の記憶が刷り込まれたのでしょう。
恐ろしい。ナニが恐ろしいってそんな見たこともないものが自分の脳の中で躍動的に踊るのが恐ろしいです。
そのフラッシュバックの中にはタバサがいてギーシュがいてキュルケがいてオスマンがいてコルベールがいました。
みんながみんな自分を見て悲鳴を上げたり恐れおののくのを見て、悲しみを感じるよりもなぜか快感を感じていた感覚に恐怖しました。
ルイズは知る由もありませんが、使い魔のルーンを通じて夢に使い魔の記憶が刷り込まれたのでしょう。
          ルイズの正気度が1下がりました。 
まあ、そんなこんなで朝なので、着替えて授業に出なければいけません。 
「服」
「はい」
「下着」
「はい」
「な…ななななな……なんで懐から出てくるの!?」
「……………………」
「ししし、しかもそれ昨日履いてたパンツよね!?」
「姫、暖めておきました」
「嘘つきなさい。それ洗いもしてないじゃないの」
「服」
「はい」
「下着」
「はい」
「な…ななななな……なんで懐から出てくるの!?」
「……………………」
「ししし、しかもそれ昨日履いてたパンツよね!?」
「姫、暖めておきました」
「嘘つきなさい。それ洗いもしてないじゃないの」
羽柴秀吉作戦は失敗に終わりました。 
ルイズ信長はたいそうお怒りになり、乗馬用のムチで叩くこと数度、逆効果でした。疲れました。
しまいには爆発音が轟きました。
ルイズ信長はたいそうお怒りになり、乗馬用のムチで叩くこと数度、逆効果でした。疲れました。
しまいには爆発音が轟きました。
すったもんだで硝煙くさい部屋から出ると、部屋の前でキュルケがタバサと話し込んでいました。 
「ルイズ、朝から隣で爆発なんてさせないでよ、いやいつでも爆破は勘弁願いたいんだけど」
「騒音公害」
「しつけよしつけ。仕方ないじゃないムチで叩いたら喜ばれちゃったし」
「ルイズ、朝から隣で爆発なんてさせないでよ、いやいつでも爆破は勘弁願いたいんだけど」
「騒音公害」
「しつけよしつけ。仕方ないじゃないムチで叩いたら喜ばれちゃったし」
なんだか込み入った事情のようなので、キュルケはスルーすることにしました。 
「ところで聞いた?怪人が出たのよ!私見ちゃったのよ!しかもタバサも!!」 
「見た。おどろいた」
「見た。おどろいた」
「「コワ~~~イ!!!」」 
息は合ってるもののタバサは棒読みなのでアンバランスです。わざわざ打ち合わせしてたんですかあなたたちは。 
「肩に引っ掛けたパンツ一丁で頭にパンティかぶってるの!それでスゴクいいカラダしてるの!!」 
「股間から色々なものを取り出していた」
「あと網タイツに皮手袋もしてたわね。ポイント高いじゃないの」
「怪人だけど紳士だった」
「ぜんぜん紳士じゃないわ!なんせ良い所で乱入してきたおかげで私の身体は不完全燃焼よ!!」
「着ていた下着もかぶっていた下着も見たことが無いほど良い生地でできていた。
おそらくはそれなりに爵位を持つか財産を持っている人物が正体」
「よく見てるわね。しかもあの状態の下着に目を凝らすなんて………」
「たぶんメイジかエルフ。窓から飛び降りたり風より早く動いたり壁をよじ登ったりしていた」
「股間から色々なものを取り出していた」
「あと網タイツに皮手袋もしてたわね。ポイント高いじゃないの」
「怪人だけど紳士だった」
「ぜんぜん紳士じゃないわ!なんせ良い所で乱入してきたおかげで私の身体は不完全燃焼よ!!」
「着ていた下着もかぶっていた下着も見たことが無いほど良い生地でできていた。
おそらくはそれなりに爵位を持つか財産を持っている人物が正体」
「よく見てるわね。しかもあの状態の下着に目を凝らすなんて………」
「たぶんメイジかエルフ。窓から飛び降りたり風より早く動いたり壁をよじ登ったりしていた」
ちなみに下着の材質は朝になってから調べて驚き済みだ。 
あきらかにトリステインの技術レベルで作れるものではなかったので更に驚きです。
渡されたベビーパウダーも異国の文字で書かれていて読めませんでした。
この時点でタバサは変態仮面の正体を怪しんでいましたが、それを表に出すことはしません。
無表情ですし、正直怖いですし。
あきらかにトリステインの技術レベルで作れるものではなかったので更に驚きです。
渡されたベビーパウダーも異国の文字で書かれていて読めませんでした。
この時点でタバサは変態仮面の正体を怪しんでいましたが、それを表に出すことはしません。
無表情ですし、正直怖いですし。
ルイズは女たちの噂話を聞いて固まっていました。 
「夢だけど………夢じゃなかった」 
呆然としながらルイズは潰れました。 
          いるんですよ、あなたのとなりに変態仮面が……… 
その日、ギーシュはどこかおかしかった。 
いや、ギーシュはいつもおかしいのだが、輪をかけておかしかった。
なんというか魂のネジが外れているというか、頭の中がお花畑に突っ込まれているのか、身動きがとりにくいのか。
どれほど抜けてるかというと昨晩学園を騒がせた『怪奇!パンツ男の恐怖』のことが耳に入らないぐらいである。
いや、ギーシュはいつもおかしいのだが、輪をかけておかしかった。
なんというか魂のネジが外れているというか、頭の中がお花畑に突っ込まれているのか、身動きがとりにくいのか。
どれほど抜けてるかというと昨晩学園を騒がせた『怪奇!パンツ男の恐怖』のことが耳に入らないぐらいである。
そんなギーシュも恒例イベントをこなさないと存在意義がなくなってしまうため、食堂で白いふわふわしたものを落っことしました。 
平民、色条狂介がジャストタイミングで拾ってくれるように
平民、色条狂介がジャストタイミングで拾ってくれるように
「あの、ハンカチを落としましたよ」 
「おや、すまないな。ってキミそれはちがうよ僕のハンカチはバラをあしらった見事なものなんだ
そんな金モールを過剰にあしらったハンカチは知ら………な……………いや待てよ?」
「おや、すまないな。ってキミそれはちがうよ僕のハンカチはバラをあしらった見事なものなんだ
そんな金モールを過剰にあしらったハンカチは知ら………な……………いや待てよ?」
しかし、それはハンカチじゃなくて!! 
「パ」
「ぱ」
「パンティィィだぁ~~~~!!!」
そう、それは小さなぬのきれ、女体の神秘、青少年の希望、アレ、ともいうべき女性の下着だったのです!!
「パ」
「ぱ」
「パンティィィだぁ~~~~!!!」
そう、それは小さなぬのきれ、女体の神秘、青少年の希望、アレ、ともいうべき女性の下着だったのです!!
「あ!あのパンツは!!!」 
「なんでギーシュのポケットから女物のパンティーが!?」
「あの金モールのドリルロールつきパンツはモンモランシ家に代々伝わるパンツ柄だ!!趣味悪パンツッ!」
「マジか!?モンモランシーのパンツがギーシュのポケットから出てきたということは!!」
「いや待て落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない」
「あのパンツが盗ってきたのか、モンモンから渡された物なのかで非常に意味が変わってくるのですが!!」
「ギーシュ貴様!いや、この裏切りモン!」
若者同士が集まるとゴシップに花が咲くといいますが、咲いたのは嫉妬の花でした。
しかしなんでモンモンのパンツの柄を知っているのかマリコルヌ。
「なんでギーシュのポケットから女物のパンティーが!?」
「あの金モールのドリルロールつきパンツはモンモランシ家に代々伝わるパンツ柄だ!!趣味悪パンツッ!」
「マジか!?モンモランシーのパンツがギーシュのポケットから出てきたということは!!」
「いや待て落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない」
「あのパンツが盗ってきたのか、モンモンから渡された物なのかで非常に意味が変わってくるのですが!!」
「ギーシュ貴様!いや、この裏切りモン!」
若者同士が集まるとゴシップに花が咲くといいますが、咲いたのは嫉妬の花でした。
しかしなんでモンモンのパンツの柄を知っているのかマリコルヌ。
「ああ、それは僕の愛しのモンモランシーが昨夜……ガボッ!………」 
「ギーシュ!余計なことは言わないで!!」
口に10本ほど香水の瓶を突っ込まれてギーシュは沈黙しました。
言わないでといいながら、ほとんど言ってる様な気もしますが、そこは伏せときましょう。
「ギーシュ!余計なことは言わないで!!」
口に10本ほど香水の瓶を突っ込まれてギーシュは沈黙しました。
言わないでといいながら、ほとんど言ってる様な気もしますが、そこは伏せときましょう。
それを見ながら狂介は汗をぬぐいながら妻の折檻(対弟用)を思い出していました。 
秋冬君はいつも春夏にひどいことをされていたなあ……、と。
あと当然古典的にこけておきました。
何故ならば、彼も古き良き時代のジャンプを象徴するギャグマンガの主人公だからです。
秋冬君はいつも春夏にひどいことをされていたなあ……、と。
あと当然古典的にこけておきました。
何故ならば、彼も古き良き時代のジャンプを象徴するギャグマンガの主人公だからです。
「いや、なつかしい俺も妻と初恋の人(のパンツ)を同時に落とした時はひどい目にあった。 
あの時は死ぬかと思った………いやマジで」
「朝っぱらからナニ不道徳なことを呟いてんのよ」
あの時は死ぬかと思った………いやマジで」
「朝っぱらからナニ不道徳なことを呟いてんのよ」
やっぱり平民を召喚するのはゼロの私にふさわしいハズレなのね……… 
昨晩のダメージが残っているのか、精神テンションが落ちているからか、一転してネガティブ人間です。
昨晩のダメージが残っているのか、精神テンションが落ちているからか、一転してネガティブ人間です。
「ギーシュさま!私とのことは遊びだったのですね!」 
「ああ、ケティ!確かに僕はキミと馬に乗った!
でも僕は昨日気づいたんだ!実は僕はモンモランシーのほうが好…………」
「ひどいわ!」
ふと見るとギーシュが二股疑惑で香水の瓶の束をくわえた状態のままビンタを食らってました。
瓶が割れて流血です。
二股疑惑のお仕置きとしてはひどいほうです。
「ああ、ケティ!確かに僕はキミと馬に乗った!
でも僕は昨日気づいたんだ!実は僕はモンモランシーのほうが好…………」
「ひどいわ!」
ふと見るとギーシュが二股疑惑で香水の瓶の束をくわえた状態のままビンタを食らってました。
瓶が割れて流血です。
二股疑惑のお仕置きとしてはひどいほうです。
こりゃスルーしてどっかいったほうがいいな。 
と、トラブルメーカー経験豊富な狂介はその場を立ち去ろうとしました。
しかし、トラブルというものは総じて逃げようとすると追いかけてくるものなのです。
と、トラブルメーカー経験豊富な狂介はその場を立ち去ろうとしました。
しかし、トラブルというものは総じて逃げようとすると追いかけてくるものなのです。
「待ちたまえ!そこの平民!!」 
「え~~~っとコれはアレですか。二股ばれた八つ当たりですか」
「そんなことはしない!グラモンの人間がそのようなはしたない真似をするか!」
「え~~~っとコれはアレですか。二股ばれた八つ当たりですか」
「そんなことはしない!グラモンの人間がそのようなはしたない真似をするか!」
「じゃあ平手打ちと折檻の件で」 
「平手打ちでも折檻でもない!むしろ望むところだ!」
「平手打ちでも折檻でもない!むしろ望むところだ!」
望むのですか。 
「モンモランシーのパンティーを返したまえ!あと僕以外が嗅ぐな!!」 
そっちかよ! 
そう、まだ狂介はフリフリのパンティーを手に持ったままでした。しかもさっきうっかり汗拭いてました。
そう、まだ狂介はフリフリのパンティーを手に持ったままでした。しかもさっきうっかり汗拭いてました。
「い、いやこれはハンカチと間違えただけなんだ。なんか香水くさいし」 
「くっ!しっかり嗅いでるではないか!!
これでは無事パンティーを取り返しても、一旦洗って、それでモンモランシーに返して履いて踏んでもらってからまた貰わないといけないではないか!」
「いやその手順はおかしい」
「くっ!しっかり嗅いでるではないか!!
これでは無事パンティーを取り返しても、一旦洗って、それでモンモランシーに返して履いて踏んでもらってからまた貰わないといけないではないか!」
「いやその手順はおかしい」
変身後ならともかく、変身前の狂介は基本的にツッコミキャラなのです。ドジッコ入ってるけど。 
変身後ならツッコミどころありなキャラになれるのですが………
変身後ならツッコミどころありなキャラになれるのですが………
それにしてもなんてことだ!ギーシュが話しているだけで名門グラモン家とモンモランシ家の威厳やら威信やらがモリモリ下がっていく。 
「貶められたモンモランシーのパンティのため!このギーシュ・ド・グラモンが決闘を申し込む!!」 
          このギーシュはダメな方のギーシュでした。
