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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ウィザーズ・ルーン~雪風の翼~10

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ウィザーズ・ルーン~雪風の翼~10

最終更新:2007年10月10日 20:38

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だれでも歓迎! 編集
 一行がしばらく歩くと、森の中でそこだけ開けている広場になっている場所に出た。
 広さは学院の中庭とだいたい同じくらい。一五〇メートル級のHunter Pigeonがぎりぎり降りられるかどうかといったところか。
 ヘイズが視線を廻らせると、なるほど広場の中央付近に、元は木こりが使っていたらしき廃屋然とした小屋がある。
 その小屋のほうを指差しながらミス・ロングビルは、
「フーケらしき人物は、あの小屋の中に入っていったという話です」
「にしちゃあ、随分とボロボロの小屋だな。とても雨風しのいで寝泊りできるようには見えねえ。隠れ家にしても変装でもして、
辺境の宿でも取ったほうがいくらかマシだろうに」
 ヘイズの指摘に、「確かにそうだよな」と答えるサイトとキュルケ。
 窓は外れているわ屋根は穴だらけだわで、お世辞にも隠れ家に使えそうには見えない。
 むしろどちらかと言えば、
「罠」
 タバサの呟きに、首肯する一行。
 フーケの能力は三十メートルを超える巨大な土ゴーレム。小屋に誘い込んで殲滅するつもりであれば、オトリとなる小屋はボロければボロいほどいい。
「しかし、フーケが中に潜んでいる可能性も否定できません」
 そう発言したミス・ロングビルの意見ももっともだ。あくまでも一時しのぎ的にここを選んだだけ、という可能性も否めない。
 小屋の外から大魔法で一蹴、というルイズの意見も「『隠れ身の衣』ごと吹っ飛ばしたらどうするのよ」というキュルケのツッコミで却下。
 ということで、サイトたちは作戦会議を始めた。
 タバサは可愛らしく地面に正座して、作戦を説明するために、地面に枝で図を書いた。
 まず、偵察役が小屋の中に入る。
 そして中にフーケがいた場合、そのまま倒してしまう。小屋の中には巨大なゴーレムを作るのに必要な量の土がないから、不意を付けば倒すのは容易なはず。
 万が一逃げられたとしても、外に待機しているメンバーが、フーケがゴーレムを作る前に集中攻撃で沈める。
 中にいなかった場合は、小屋の中を調べ万が一『隠れ身の衣』があった場合、奪還してすぐに脱出する。
 他のメンバーは小屋の周囲に待機、ゴーレムの襲撃に備える。


 フーケを確実に倒すことを主眼とした二段構えの作戦。
 フーケがいてもいなくても偵察役にとって、この作戦が最もリスクが少ないはずだ。
 とそこまでタバサが説明したところで、サイトが手を挙げて質問した。
「その作戦だと、フーケが外に居た場合はどうするんだ? 目的は奪還だから、やっぱり逃げるのか?」
「いや、恐らくだがオレ達が誘われてるとしたら、逃げるのは不可能だと思ったほうがいいな。見せしめか警告かわからねえが、
オレ達が二度と追ってこないようにするぐらいはあるかも知れねえし、もしかすると口を封じる気かも知れねえ。顔は見えなかったが、
ここにいる全員が奴の姿を見たわけだしな。学院を真正面から襲った手口を見ても、大胆な行動に出るのは十分に予想できる」
 作戦についての話し合いが終わったところで、首をかしげながらルイズが、
「でその作戦、偵察役は誰がやるの?」
「すばしっこいの」
「機動力が高く、杖を持ったメイジが相手でも最速で先手がとれる奴、ってこったな。となりゃあ、この中で一番適任なのはサイトだ」
 タバサの短い返答にヘイズが補足する。ヘイズの指摘に目を丸くしながらサイトは、
「俺かよ!」と飛び上がるが、「ゴーレムの出せないゴーレム使いは、騎士剣を奪われた騎士と同じでちっとも怖くねえよ」というヘイズの励まし。
 ミス・ロングビルは辺りを偵察してきますと言って、森の中に消えてしまった。
 「頑張ってねダーリン」と笑顔で肩をばしばし叩くキュルケとは対照的に、「とほほ」と呟きながらサイトはがっくりと肩を落とした。


 サイトはデルフリンガーを抜き放った。と同時に左手のルーンが輝きだし、体が羽のように軽くなったのを自覚する。
 皆が定位置に付いたことを確認してからため息一つ、一息に小屋の入り口まで駆け抜ける。
 スパイ映画でやっていたように入り口から中を覗き込むと、部屋の中には長い間放置されて荒れ放題となった炭焼き小屋の様相が見えた。
 部屋の真ん中に置かれた机には埃が積もっているし、そこらじゅうに空けられた酒瓶が散乱している。そして酒瓶の間を縫うように椅子が転がり、
暖炉は見るも無残に崩れてボロボロだ。
 部屋の片隅に積み上げられた薪だけが、唯一「ここは炭焼き小屋ですよー」ということを主張している。
 そして肝心のフーケだが、どこにもその姿が見えない。小屋のどこかに潜んでいるのかとも思い、油断なく隅々まで視線をめぐらすも、
この小屋には人一人が隠れられそうな場所が一つも見当たらない。
「相棒。中からは魔力が微塵も感じられねー。やっこさん、ここには居ないみたいだぜ」
 踏み込もうか躊躇しているサイトに、デルフリンガーのお墨付きが出た。
 恐る恐る扉を開き、小屋の中に侵入する。
 そしてきょろきょろと小屋の中を見渡すが、
「『隠れ身の衣』なんて、それらしいものはどこにもないじゃないか。っていうか『隠れ身の衣』って一体どんなのなのか、知らないんだよな俺」
 名前が『隠れ身の衣』というからには、やはり衣っぽいものを探せばいいのだろうか。しばらく埃まみれの棚を漁っていたサイトは、そこだけ周囲と違う雰囲気の箱を見つけた。
「もしかしてこいつが『隠れ身の衣』かな」
 サイトが箱の中身を確認しようと開けた時だった。
 何かが落ちる轟音が響き、それに呼応するように外からルイズの悲鳴が聞こえた。
 サイトは中から白いローブのようなものを掴み、踵を返してすぐさま小屋の外へと駆け出した。


 サイトが小屋から飛び出してくるのと同時に、ゴーレムの腕が振るわれ、小屋の屋根が一息に吹き飛んだ。
 ヘイズの読みどおり、小屋は囮でフーケは外に待ち伏せていたようだ。
「サ、サイトーッ!!!」
 サイトまでもがいっしょに吹き飛んだのではないかと、ルイズは目に涙をためながら大声で叫ぶ。
「盗賊風情がやってくれるじゃない!?」
 キュルケも興奮を抑えきれないように、口汚く罵った。
 叫び声を尻目に、ヘイズはサイトが持っているのが、ローブらしきものであることを確認した。
 ――サイトの持ってる奴、あいつはもしかすると――
 大パニックとなった中、ゴーレムにいち早く反応して、攻撃を加えたのはタバサだ。杖を振ってエア・カッターのルーンを唱える。
 圧縮された空気の刃が、唸り声を上げながらゴーレムの右肩を強襲する。
 エア・カッターはわずかにゴーレムをよろめかせ、その体表にちいさな窪みを作った。
(――予測演算成功。「破砕の領域」展開準備完了――)
 続くようにしてヘイズは、両手をオーケストラの指揮者のように構え、両の指を次々と打ち鳴らす。
 打ち鳴らされた音に従って、空気中の分子がビリヤードの球のようにぶつかり合い、次々とその配列を変更していく。
 やがて空気分子は最初にトレースされた配置をつくりあげ、空気分子によって出来た論理回路を形成し、その論理回路は騎士に似た情報解体を引き起こす。


 ――世界は情報で出来ている。
 ヘイズの居た世界で三人の科学者により提唱されたその理論は情報制御理論と呼ばれ、その力を行使するものをウィッテン・ザイン式情報制御能力者――通称、魔法士と呼称された。
 情報制御理論によれば、世界というものは物質でできた世界であると同時に、情報によってできた世界でもある。
 情報と世界は表裏一体、物質に何か変化を与えれば情報の海では情報が書き換えられ、情報を書き換えれば物質に影響が与えられる。
 そして物質的な強固さは、情報的な強固さと必ずしも比例しない。
 物質的な強度に関わらず、情報的な硬さはその物質の思考速度に依存する。
 実際には強固なはずの岩や鉄塊でも、情報と言う側面では紙切れ一枚分の防御力にすぎない。
 反対に物体としては脆い人間やコンピュータは、情報という面から見れば城よりも堅固な強度を持つ。
 ――例えば騎士という魔法士が居る。
 五十倍速という出鱈目な速さで動き、剣型デバイス騎士剣によって氷塊の盾や金属の腕による防御を情報解体で切り刻み、騎士剣による一撃を与える。
 そんな騎士でも最後の一撃は、必ず直接斬りつけるという方法を取る。決して情報解体によって、人体を崩壊させようとはしない。
 何故ならそんなことは不可能だからだ。
 世界最強クラスの騎士が十人束になっても、魔法士ではない普通の人を情報解体することは出来ない。
 これは根性論などで超えられるものではなく、大脳生理学や物理学など、体系付けられた明確な理論によって明らかにされている定理だ。
 だがいかに大質量とはいえ所詮は土の塊ならば、それがたとえ青銅だろうが純銀だろうが、紙切れが人の形をして動いているに等しい。


 タバサがつくった窪みに従って、線状に情報解体をかけていくと、ゴーレムの肩が一瞬震えて砂のように崩れだす。
 そこだけひときわ細くなった肩に、タバサが駄目押しのエア・ハンマーをぶつける。
 ゴーレムの右腕が地面に落下し土くれへと変貌するが、昨夜のように土くれがむき出しの肩へとうごめき、腕を修復しようとする。
「させるもんですか!」
 間髪入れずに胸元から杖を抜き放ったキュルケが、呪文を唱えゴーレムを炎で包み込んだ。
 炎がゴーレムの全身を嘗め回るが、結果はわずかに修復を阻害するだけ。
 その身を炎で焼かれているにも関わらず、ゴーレムは意にも介さないように巨大な足を一歩踏み出した。
 しかしそこに一陣の風が駆け抜ける。
 ゴーレムの行く手を阻むように、弾丸となって飛び出したサイトが足に斬りつけ、返す刀で抉るようにデルフリンガーを突き入れる。
 そこへ援護するように破砕の領域を打ち込んで、振り上げられた左腕の拳を解体するも、気にした様子も見せずサイトに拳が叩きつけられた。
 とっさにデルフリンガーを両手で構え防御するも、正面から叩き込まれたその質量の前に容赦なく吹き飛ばされるサイト。
「サイトッ!」
 吹き飛ばされたサイトを見てルイズは怒りのままにファイア・ボールを唱えるも、爆発となってゴーレムの胴体をほんの僅かへこませただけだった。
 ゴーレムは攻撃を受け、魔法を撃ったルイズを攻撃対象とするためか顔をぐりんと向ける。
「サイト! そのローブを寄越せ!」
 ヘイズの叫び声にサイトは踵を返し、ヘイズのほうへと歩を進めようとするが、再生を終えたゴーレム右腕がサイトを襲う。
「足止め」
「了解よ。今助けるわダーリン」
 タバサとキュルケの魔法が右腕に殺到。僅かながらもゴーレムを足止めする。
 その隙にヘイズとルイズの傍まで戻ってきたサイトが、ローブをヘイズに渡した。
「よし、ルイズこのローブを被ってろ。あとこの通信機を手放すんじゃねえぞ」
 ヘイズは通信機とローブになにやら細工をし、ルイズに無理やり被せる。
 ヘイズがローブの一部をなにやら弄ると、一瞬ルイズの周辺が蜃気楼のように揺らめくと、ローブがルイズごとその姿を消してしまった。
「な、なんだこりゃ!? ルイズが消えた!?」
「説明はとりあえず後回しだ。ここから動くなよルイズ。サイト、あのゴーレムを止めるぞ」
 タバサとキュルケの二人だけでは、いつまでも持たない。今はまだ耐えているが、すぐに精神力が枯渇してゴーレムに蹂躙されることは明白だ。


「ちょーっとマズイわね。これじゃあジリ貧よ」
 キュルケが辛そうに呟く。
 足止め程度とはいえ、この巨体だ。生半可な魔法では足止めどころか、表面に傷一つつけることすらできない。
 タバサは緊張に全身が震えるのを感じた。ガリア北花壇騎士としての仕事に匹敵する大物だ。
 とはいえ全く手がないというわけではない。
 ――異世界の学問、か
 昼間ヘイズから借りて読んでいた本の内容を思い出す。
 「分子運動とエントロピーについて」――たしかそんな内容だった。
 物質と言うのは小さな粒で出来ていて、それが早く動いたり遅く動いたりすることで、温度が変化するらしい。
 そして極端に温度差がある物を、一息に混ぜると――。
「策がある」
 タバサはそう言って、本日何回目かになるファイアーボールを放つキュルケに耳打ちした。
 タバサの提案した作戦に、キュルケは愉快そうに頷き、
「おもしろそうじゃない。このままじゃ埒が明かないし、それに賭けてみるのも悪くないわ」
 などと笑みを浮かべた。
 二人並んで立ちルーンを唱える。
 杖を振りタバサが唱えたのは、タバサが最も得意とする呪文「ウィンディ・アイシクル」だ。
 しかし呪文によって作り出される氷柱の色は、通常のウィンディ・アイシクルの範疇に収まらない。
 タバサが空中に従えるのは、三本の淡青色の槍。
 今のタバサの精神力でほぼ限界に近い魔法だ。「雪風」の冷たさを限界まで込めた、量ではなく質に特化しきった窒素と呼ばれる気体の結晶の槍。
 殺傷力では氷でも十分だったため作った事のなかった、極限まで冷たさを追求した結晶。
 だが通常ではここまで温度を低下させることは出来ない。通常では。
 「温度と言うものは体積と圧力に反比例する」そう本に書いてあった。
 だから、まず一定の空間で出来る限り空気を取り除き、空気を薄い場所を作った。
 タバサが本を読むときに使うサイレントの応用である。
 そうしてからウィンディ・アイシクルで結晶の槍を作り上げたのだ。
「行け!」
 小さな声で叫び、杖を振り下ろした。淡青色結晶の槍が、ゴーレムの胴体に殺到し串刺しにする。
「お次は私の番ね。くらいなさい、とっておきの炎球よ!」
 キュルケがとびっきりの笑顔で、その杖を振った。
 そして生まれた炎球はタバサの槍に正確に到達し、
「うわあ……これは拍手喝采ものねー……」
 大爆発を起こしてゴーレムの上半身が跡形もなく吹き飛んだのだった。


 「私も戦う!」と言い張るルイズを宥めすかして、タバサたちのもとにたどり着いたヘイズが見たものは、下半身だけになりながらも再生を続けるゴーレムの姿だった。
「おい、話が違うじゃねえか。一度倒せばそれで終わりじゃねえのかよ。オレの目には再生してるように見えるんだが」
「俺にもそう見える」
 ヘイズとサイトは軽口を叩き、ついで疲労困憊ですでに立つのが精一杯という感じのタバサたちの様子を見る。
 再生し続けるゴーレムを眼前にして、もはや逃げる体力も残っていないようだ。
 急ぎタバサたちの元に駆け寄る。
 杖を支えにして必死に立つタバサと、もはや起き上がるのもつらそうなキュルケは、
「……予想外」
「……ちょっと……あれは……反則よ」
 と息も切れ切れに、恨めしそうに唸った。
 ――こりゃ今が使い時、か――
「サイト、オレがあいつを始末する。一発限りの大技だ。使ったら三時間は普通の人間になるが、その後にフーケが現れたらお前に任せる。ほぼ確実にフーケは精神力切れのはずだ」
「ああ、分かった」
 神妙な面持ちで了承するサイトにすべてを任せ、ヘイズは左手をオーケストラの指揮者のように構え、胴体の半分まで再生したゴーレムを睨みつける。
(稼働率を百二十パーセントに設定。予測演算成功。「虚無の領域」展開準備完了)
 ヘイズが指を打ち鳴らすと、場は静寂に包まれた。
 打ち鳴らした音に従って、空気分子が論理回路を構築するところまでは「破砕の領域」と同じ。
 一定の配列に並んだ論理回路は、情報制御演算を行いさらに一回り大きな論理回路を構築する。そしてその論理回路がさらに大きな論理回路をと、断続的にそのサイズを増大させていく。
 そして極限まで膨れ上がった論理回路は自己崩壊を起こし、その際あらゆる情報防御を突破して対象を解体する。
 それがヘイズの切り札――「虚無の領域」だ。
(I-ブレイン、オーバーフロー。再起動まで三時間の休息が必要)
「嘘」
 再生を続けていたゴーレムの体が一瞬振動したかと思うと、キュルケの呟きと共に砂となって崩れ去った。
 後には疲労困憊の一同と、森の静寂だけが残った。
 そのはずだった。ある人物の声が響くまでは。


「剣と杖を遠くに捨てな。ああ、そこのアンタは隠し持ってる銃もだよ」
 ヘイズたちが見たものは、ローブを奪い、ルイズの首筋に杖を突きつけているミス・ロングビルの姿だった。
「まったく、無理して再生させたのに、二度までも私のゴーレムを倒すなんてね。まさかアンタが先住魔法の使い手だとは思わなかったから、こんな展開は予想外だよ」
 タバサたちには昨夜の戦闘後に、破砕の領域がどういうものか説明したが、ミス・ロングビルことフーケには何も説明していない。
 だから杖もなしにゴーレムを倒したヘイズを、先住魔法の使い手と勘違いするのは不思議ではなかった。
「その口ぶりからすると、あのゴーレムを操ってたのはアンタで、つまるところお前の正体はフーケだったってわけか。あと一応言っとくが俺のは魔法じゃねえ」
 嘆息しながらヘイズは吐き捨てた。
 武器はなし。通信機はルイズの襟元で、義眼の中に仕込んである薬品は取り出せそうもない。さらにI-ブレインは向こう三時間は動かない。
 ――完全にお手上げってことか。
「私はこれでおいとまさせてもらうよ。このローブが姿を透明にするマジックアイテムだと分かったしね。困ってたんだよ。
魔力を込めても身につけても動かない、この『隠れ身の衣』の使い方をさ」
「つまり、オレ達を襲って使わざるを得ない状況に追いやって、使い方を知ろうとしたってことか。それが狙いだとは考えてなかった」
 ヘイズの言葉にフーケは肩をすくめて首肯した。
 ようするにヘイズ達はまんまと踊らされていたということだ。
 タバサとキュルケは元から身動き一つ出来ない。ルイズは杖を持ってはいるものの杖を突きつけられて動けないし、サイトとヘイズは丸腰だ。
 現状としてフーケをどうこうするのは、逆立ちしても無理。
「じゃあね、お馬鹿さん達」
 フーケに突き飛ばされて、ルイズが地面に投げ出される。
 フーケは『隠れ身の衣』を翻しその身を包むと、襟元にあるボタンのようになっているところを押すが、
「な、なんだ!? 何故透明にならない?」
 慌てたようなフーケに、唖然とする一同。
「そりゃあオレの世界の発明品でな。大戦初期に開発された試作品だから、なんらかの演算機関の補助がねえと使い物にならねえんだ。たとえば通信機とかな」
 驚愕に支配される中で一人だけ、動ける者が居た。
 ルイズである。
 今の今までたいした活躍もなく、邪魔者扱いされるわ人質にされるわ今地べたに這いつくばされるわで、ルイズの鬱憤は溜まりに溜まっていた。
 慌てるフーケが杖を構えるよりも早く、ルイズの魔法が解き放たれた。
「もおーっ!! 何なのよ、バカーーーーーーー!!!!」
「ちょ……待って……ッ!」
 フーケの発する悲鳴などもはや聞く耳持たず。ルイズはこれ以上ない怒りを込めた叫び声と共に、ファイア・ボール……になるはずだった大爆発をぶつけた。
 ――後にはペンペン草も生えませんでしたって、こういうことを言うんだな。
 ヘイズはとろんとした目で、ルイズに知れたら半殺しではすまないことを思い浮かべた。
 そして後には昏倒して時々うめき声を上げるフーケと、勝ち名乗りを上げるルイズ、そして疲れがどっと出て言葉も出ない一同の姿があった。

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