神の盾、左手に魔剣、右手に槍を持ち、主を守るガンダールヴ。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は・・・。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は・・・。
幼き異邦人
ガイ魔王との戦いが終わってから数ヶ月、それぞれの居場所に戻っていった修太たちは、ふとした偶然から再会した。
修太たちの会話は他愛のないものだった。
内容はシンの故郷を見つけて墓を建てよう、尼蛭の親を探そう(これに関しては尼蛭自身が『自分で探す』と言い張って固辞した)、などであった。
談笑が続く中、修太は鏡みたいな物を見つけた。
それと同時に、みんなと別れる直前にイワンが言った事を思い出した。
修太たちの会話は他愛のないものだった。
内容はシンの故郷を見つけて墓を建てよう、尼蛭の親を探そう(これに関しては尼蛭自身が『自分で探す』と言い張って固辞した)、などであった。
談笑が続く中、修太は鏡みたいな物を見つけた。
それと同時に、みんなと別れる直前にイワンが言った事を思い出した。
「あの洞窟から脱出する直前、俺はシンの心に語りかけた。俺なりに別れを告げるために」
そう言ったイワンの表情はどこか暗かった。
「しかし、俺が別れを告げた直後、シンが言ったんだ」
イワンは続けた。
「『ガイ魔王が溶岩の中に消えた直後、とんでもない未来が見えた。チビだけが異世界に迷い込み、そこで数年間にわたって戦う未来だ。この事はチビだけに伝えてくれ。他の連中には、チビが異世界に行くまで黙っていてくれ』と」
そう言ったイワンの表情はどこか暗かった。
「しかし、俺が別れを告げた直後、シンが言ったんだ」
イワンは続けた。
「『ガイ魔王が溶岩の中に消えた直後、とんでもない未来が見えた。チビだけが異世界に迷い込み、そこで数年間にわたって戦う未来だ。この事はチビだけに伝えてくれ。他の連中には、チビが異世界に行くまで黙っていてくれ』と」
シンが見ることが出来たのは『確定した=変更出来ない』未来である。
既に覚悟を決めていた修太は、迷わず鏡みたいな物に近づいた。
炎修太、仲間たちからの愛称は『チビ』。
修太が消える瞬間を、イワン、一輝、ウォン、ミカ、尼蛭以外の人たちも目撃したため、周囲は大きな混乱に包まれた。
既に覚悟を決めていた修太は、迷わず鏡みたいな物に近づいた。
炎修太、仲間たちからの愛称は『チビ』。
修太が消える瞬間を、イワン、一輝、ウォン、ミカ、尼蛭以外の人たちも目撃したため、周囲は大きな混乱に包まれた。
修太が目を覚ますと、目の前にはピンク色の髪の少女がいた。
その少女が、隣にいるハゲに何かを訴えかけた(日本語ではないため修太には何と言っているのか分からなかった)が却下されたらしく、こちらに顔を向けた。
そして少女は何かを唱えてから修太に唇を重ねた。
修太は驚いたが、その直後胸から走る激痛に襲われた。
激痛の余り呼吸が出来なくなった修太を、少女は力強く抱きしめた。
激痛が収まり、ようやく呼吸できるようになった修太に少女が話しかけた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ・・・・・・」
少女が言っている言葉が日本語に聞こえるが、少し前まで酸欠状態だった修太がそれを認識するのには、十秒ほどかかった。
(あれ、さっきまで何言ってるのか全然分からなかったのに・・・?)
「お姉ちゃん、誰? ここ、どこ?」
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。そしてここはトリステイン王国の魔法学院。それと、私の隣にいる人はこの学院の教師、ジャン・コルベールよ」
「よろしく」
「ところで、貴方のお名前は?」
ピンク色の髪の少女、ルイズに名前を聞かれた修太は即答した。
「修太、炎修太」
「ホムラシュータ?」
「お姉ちゃん達に合わせると、シュータ・ホムラになるかな」
そこにコルベールが割って入った。
「ミス・ヴァリエール、彼のルーンを確認したいのですが」
「あ、はい。ねぇシュータ、ちょっと服を脱いでくれる?」
「え?」
「ルーンの形を調べるだけだから」
「うん…」
修太は上着とシャツをめくり、胸に刻まれたルーンをコルベールに見せた。
それを見たコルベールの顔が青ざめるのを、ルイズと修太は見逃さなかった。
「ミスタ・コルベール?」
「ああ、失礼。ミス・ヴァリエール、明日、シュータ君と一緒に私の研究室に来てください。理由はそのときお話しますから」
「…はい」
こうして、春の使い魔召喚は終わり、解散となった。
空を飛んで学院に戻る生徒たちの姿を見て驚きつつも、修太は彼らが向かう方向へと歩こうとしたが、何故か足がふらついてしまった。
それを見たルイズは、修太には歩けるほどの体力が残っていない事に気付き、彼を抱き上げてから学院へと歩いていった。
ルイズに抱かれながら、修太はふと考えた。
「ぼくは何と戦うんだろう?」と。
その少女が、隣にいるハゲに何かを訴えかけた(日本語ではないため修太には何と言っているのか分からなかった)が却下されたらしく、こちらに顔を向けた。
そして少女は何かを唱えてから修太に唇を重ねた。
修太は驚いたが、その直後胸から走る激痛に襲われた。
激痛の余り呼吸が出来なくなった修太を、少女は力強く抱きしめた。
激痛が収まり、ようやく呼吸できるようになった修太に少女が話しかけた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ・・・・・・」
少女が言っている言葉が日本語に聞こえるが、少し前まで酸欠状態だった修太がそれを認識するのには、十秒ほどかかった。
(あれ、さっきまで何言ってるのか全然分からなかったのに・・・?)
「お姉ちゃん、誰? ここ、どこ?」
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。そしてここはトリステイン王国の魔法学院。それと、私の隣にいる人はこの学院の教師、ジャン・コルベールよ」
「よろしく」
「ところで、貴方のお名前は?」
ピンク色の髪の少女、ルイズに名前を聞かれた修太は即答した。
「修太、炎修太」
「ホムラシュータ?」
「お姉ちゃん達に合わせると、シュータ・ホムラになるかな」
そこにコルベールが割って入った。
「ミス・ヴァリエール、彼のルーンを確認したいのですが」
「あ、はい。ねぇシュータ、ちょっと服を脱いでくれる?」
「え?」
「ルーンの形を調べるだけだから」
「うん…」
修太は上着とシャツをめくり、胸に刻まれたルーンをコルベールに見せた。
それを見たコルベールの顔が青ざめるのを、ルイズと修太は見逃さなかった。
「ミスタ・コルベール?」
「ああ、失礼。ミス・ヴァリエール、明日、シュータ君と一緒に私の研究室に来てください。理由はそのときお話しますから」
「…はい」
こうして、春の使い魔召喚は終わり、解散となった。
空を飛んで学院に戻る生徒たちの姿を見て驚きつつも、修太は彼らが向かう方向へと歩こうとしたが、何故か足がふらついてしまった。
それを見たルイズは、修太には歩けるほどの体力が残っていない事に気付き、彼を抱き上げてから学院へと歩いていった。
ルイズに抱かれながら、修太はふと考えた。
「ぼくは何と戦うんだろう?」と。
神の盾、左手に魔剣、右手に槍を持ち、主を守るガンダールヴ。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は…。
神の笛、主のためにあらゆる幻獣と心通わせ、巧みに操るヴィンダールヴ。
神の本、叡智とその手に持った道具で主を支えるミョズニトニルン。
記すことさえはばかられる四番手、人でありながら人ならざる力を持ち、主に仇なす計画を壊し、それを企てた者を討つ、かの名は…。
彼らは魔法が使えないその少女を『ゼロ』のルイズと呼んだ。
少女は魔法が使えない事に苦しんだ。
何故か修太には、仲間たちと少女が重なって見えた。
次回、『踊る火炎人形』。
修太が操るのは地獄の業火。
火傷と熱中症には御用心。
少女は魔法が使えない事に苦しんだ。
何故か修太には、仲間たちと少女が重なって見えた。
次回、『踊る火炎人形』。
修太が操るのは地獄の業火。
火傷と熱中症には御用心。