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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • GIFT03

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GIFT03

最終更新:2008年05月14日 00:02

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 虚無の曜日。
 ブルドンネ街に出向いたルイズが最初に入った店は、床屋だった。
 「さっぱり短く切ってちょうだい」
 どのようにいたしましょうか、と聞かれたルイズは迷うことなくそう言った。
 「短くともうしますと、どの程度に?」
 「そうね」
 ちょっと考え、
 「あの子と同じくらい」
 そう言ってルイズが指したのは、店で働いている十一、二ほどの少年だった。
 スポーティーな短髪である。
 「よろしいのですか?」
 床屋のほうはとまどった様子で、
 「こんな綺麗な髪の毛を……もったいない」
 「いいの」
 確かにその髪は、コンプレックスだらけのルイズにとって、誇れるものの一つだった。
 しかし、今のルイズには、そんな小さなものにすがる必要などまったくない。
 むしろあのクールなコスチュームを完全にまとう時、長い髪は邪魔になるだけだ。
 「早くしてちょうだい。それとも、私が後で難癖つけるとでも思ってるの?」
 鋭い声でルイズはせかした。
 せっかくの休日の時間を、つまらないことで無駄に浪費したくはないのだ。
 「い、いえ! まさか、そのような……」
 あわてた床屋は、すぐさま散髪にとりかかった。
 散髪が行なわれる間、ルイズは目を閉じていた。
 闇の中で、数日前の出来事を思い出された。
 今ではまるではるかな昔のことのように思えるが。
 使い魔召喚の儀式前日の夜を……。


 きたるべき明日に備え、ルイズは幾度もリハーサルを繰り返した後、腕を組み机の上に突っ伏していた。
 やっているのは、偉大なる始祖への祈りであり、願いであった。
 ……血の出るような思いのこめられた。
 「ルイズ……。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
 ルイズは自分の名をつぶやき、神話の存在である始祖へ問いかけていた。
 お尋ねします。
 ルイズは唇を噛んだ。
 どうして、私は魔法が使えないのですか? コモン・マジックすら満足に扱えず、いまだ自分の系統すらわからないのです……。
 努力や勉強が足らないのですか? しかし、偉大なる始祖ブリミル……。
 あなたは、これを自画自賛だとお笑いになられるでしょうが……。
 私はこれまで身を削り、心を削って、励んできました。
 しかし、その全てがまるで意味を成さないのです。これは、どういうわけでしょうか?
 私は貴族に相応しくないからですか?
 でも、では、どのようにすれば貴族らしいといえるのでしょう?
 わかりません、もう、何もわかりません。
 魔法が使えないために、私はあらゆる人間から軽蔑されています。
 これが、貴族の生きかたですか?
 どうして、これほどまでに恥辱を受け続けねばならないのです……。
 私がどんな罪を犯したと?
 魔法の才能がゼロなのは、何故なのですか。
 いえ、どうして私は貴族の、それも名門ヴァリエールの家に生まれついたのです。
 私のような出来損ないが、どうして。
 何かの間違いですか?
 あるいは、始祖よ。あなたの気まぐれなのですか?
 平民として生まれていたなら、こんな思いをするなどなかったのに……。
 なまじ、貴族などに生まれてしまったばかりに、私はどこまでも蔑まれ続けねばならない……。
 まるで毒の茨で覆われた道を、ひたすらに歩き続けるようです。
 私は貴族としての誇りを守るため、全てを費やしてきました。
 魔法が使えないのなら、せめて心だけでもと。
 しかし、それはどうやら愚かな自己満足にすぎないということを思い知らせてきました。
 今までの、人生の中で。
 恥の多い人生を送ってきました。
 でも、もう力つきそうです。
 明日、もしも使い魔の召喚ができなかったら……。
 私はこれまで以上に、屈辱にまみれて生きていかねばならないでしょう。
 そうであるなら、もはや私には生きていく意味などありません。
 屈辱を受けるだけの人生など……。
 いつ家名を剥奪され、あらゆる人から唾を吐きかけられることに脅えるだけの人生なら……。
 願わくば、始祖よ。
 どうか、私に使い魔を……。忠実なるしもべを……。
 それがかなわないのなら――
 誰にも聞こえない小さな声。
 でも、ルイズははっきりと口に出して言った。
 「どうか、私を殺してください……」


 そして……。
 願いは、かなえられた。
 ルイズは、神聖で美しく、強大な力を持った忠実な使い魔を得たのだ。
 偉大なる、毒の名を持つ贈り物を得た――


 散髪が終わった後、そこにはまるで違うルイズがいた。
 もともと人並外れた美貌のルイズである。短髪になったからといって魅力がなくなるわけではなかった。
 これはこれでよい。まるで男装でもしているかのような趣がある。
 「けっこう。いいできだわ」
 ルイズは不安げな床屋に料金を少し多めに払ってやり、上機嫌で店を出た。
 次に入ったのは、靴屋だった。
 頑丈で動きやすく、黒いものを選ぶ。
 その次は服屋だった。
 前から考えていたように、黒い服、それに革製の黒いズボンを買った。
 店主のいうところ、通気性もよく、破れにくく、丈夫らしい。
 確かに着心地はいいし、動きやすかった。
 それに、これならあのコスチューム……手袋ともよくあいそうだ。
 試着室で、ルイズは密かに持って来たブラック・コスチュームを、マスクをのぞく全てを着こんだ。
 その上に服、ズボン。それに、新調したばかりの靴をはいた。
 鏡に映る自分。
 その姿に、ルイズは非常に満足した。
 新しきルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、もはや傷つくことはない。
 まわりから馬鹿にされ、平民にすら蔑まれるような存在ではない。
 その努力や誇りが、何の意味もないことのように踏みつけにされることもない。
 ルイズは残るマスクをつけて、さらに完全な状態になりたい気持ちになった。
 さすがにそれは思いとどまったが……。
 服屋を後にしたルイズは、颯爽というよりも傲慢な雰囲気をまとって街を歩いた。
 まるで自分がこの街の主であるかのように。
 制服やマントは店がサービスでつけてくれた小さなショルダーバックにまとめて放り込んだ。
 もはや、まず貴族の令嬢には見えない。
 もっとも、目のある者なら、すぐにぴんとくるだろうが。
 ルイズは広い場所を全力で走りまわりたい衝動にかられながら、以前はあまり細部を見ていなかった街を観察してみた。
 こうしてみると、以前は見ているつもりで多くのものを見過ごしていたことに気づく。
 街というのは人間と同じでいくつもの別の顔を持っているものらしい。
 露店を見ているうちに、ルイズはちくりと警戒信号を感じた。
 ルイズの見えない糸に何者かが触れたのだ。
 マントをつけていなくても、その立ち振る舞いで『お嬢様』とわかったのか、悪意を持った者が近づいてくる。
 おそらく、スリか何かだ。
 目で見ていなくても、ルイズには全てが感じ取れた。
 どうやってさり気なく近づき、どうやってルイズの懐に手を入れるつもりなのか、全てわかった。
 ルイズはタイミングを見計らい、すっと露店から離れた。
 そのとたんに一人の男がつんのめり、露天の中に頭から突っこんでいった。
 怒号と悲鳴が飛び交い、野次馬たちが群がる中、ルイズはさっさと歩き出していた。 
 ぶらぶら歩いていると、また別の視線が向けられていることを察知する。
 それも、今度は複数。
 おかしな相手に目をつけられたのかもしれない。
 ルイズは使い魔の力を試してみたくなったが、さすがに人通りの多い場所ではまずいと思い、路地裏のほうに入った。
 適当な場所を探すうちに、銅製の武器屋の看板が目に映った。
 すぐに通り過ぎようと思ったが、何となく惹かれるものがあり、ルイズは武器屋に入ってみた。
 店の親父はルイズをじろりと見るとドスのきいた声で、
 「坊や、ここにゃお菓子やオモチャはおいてないぜ」
 ルイズは一瞬何のことかと思ったが、よく考えれば今のルイズの服装は少年と間違われても仕方がない。
 ムッとしかけるが、すぐにそれが利点であることに気づく。
 自分をつけてくる相手も、少年だと勘違いしているのかもしれない。
 ……少年だと思われるのなら、少女であるルイズには目が向きにくくなる。
 あれ?
 ルイズは、少し奇妙に思った。
 店の中には、気配が二つある。
 一つはまぎれもなく店の親父のものだが、もう一つはよくわからなかった。
 始めて感じる気配だった。
 人間や獣、ドラゴンやサラマンダーなどの幻獣とも違っていた。
 まあ、いい。
 特に殺気や危険は感じないので、ここは知らん顔してもいいだろう。
 ルイズは並んでいる商品を見たり、つついたりし始めた。
 「おい、坊主。聞こえねえのか? そういうことはママのおっぱいを卒業してから…………」
 店主は脅すように言ったが、すぐさま顔から血の気が引き始めた。
 ルイズが商品の一つを片手に持って、近づいてきたからだ。
 それは、バトルアックス……戦斧と呼ばれる武器の一種だが――
 通常のものよりも刃を大きくした分、重量も跳ね上がり、鍛えた大の男でも扱うのに苦労する代物だ。
 『華奢な少年』には扱うどころか、持ち運ぶことすらできかねる。
 そのはずなのに、目の前の子供はニヤニヤしながら、まるで軽い棒切れのように軽々と振り回しながら、こっち向かってくる。
 しかも――
 このガキ、本気だ……。
 長年の勘で、店主は相手が迷うことなく、自分の脳天に斧を振り下ろすことを予測した。
 店主は自分が悪い夢でも見ているのではないかと、いや、夢であることを切に願った。
 ぶんぶんという斧が発する不気味な音を聞きながら。
 この時、『少年』の左にはめた手袋が淡く光っていることに、すっかり動転した気づきもしなかった。
 「おい、ちょ、やめ……まて……まって!」
 店主は必死で制止しようとするが、まるで意味がなかった。
 ルイズはどんどん店主に近づいていく。
 やがて――店主は気づく。
 どうして、この『少年』がこれほど恐ろしいのかを。
 商売柄、いかつい大男やゴロツキどもの相手は慣れており、少々の脅しでがたつくような玉ではなかった。
 だが、今相手にしているのは、過去に見たどんな傭兵や腕自慢とも違っていた。
 得体の知れない、はるか遠方の秘境からきた魔物でも相手にしているような気分だった。
 直感する。
 こいつは、人間じゃない。
 姿こそ、少女のような顔をした『こせがれ』だが……。
 その雰囲気にもっとも近いものは、まだガキの頃、最初に見たオーガ鬼だ。
 あの人に似て、人とはまるで異なる筋肉の塊みたいな化け物に震えあがった、その恐怖はいまだに忘れられない。
 きっと、死ぬまで忘れることはかなわないだろう。
 お前はなんだ。
 店主は悲鳴にならない、悲鳴をあげた。
 そして、カウンターに近づいたルイズは、無造作に斧を振り下ろした。
 「ひいい!」
 女みたいな声を出して、店主は頭を抱えてうずくまる。
 しかし、痛みもショックがなかった。
 恐る恐る目を開けると、カウンターを真っ二つにし、床に刃を叩き込んだバトルアックスが見えた。
 「はずれちゃった……」
 ルイズはニヤリとして、羽根ペンでも持ち上げるみたいに、バトルアックスを持ち上げる。
 その笑みから、わざと外したことがわかった。
 「でも、次こそは!」
 ルイズは構え直し、じろりと店主を見下ろした。
 冗談じゃねえよ!!
 店主はゴキブリみたいに壁際まで這って逃げた。
 ルイズはそれを追い、バトルアックスを持ったまま、ひょいとカウンターをジャンプで飛び越え、店主の前に立った。
 もはや、店主は生きた心地さえしなかった。
 「カンベンしてくれぇッッ!! カンベンしてくれぇッッ!! 俺が悪かったあああッッ!!」
 店主は土下座し、必死で許しを乞う。
 「ふん」
 その態度にルイズは冷笑する。
 「おいおい、そこまでにしとけや! そんな親父殺したってしょうがねーだろうが!!」
 予期せぬ声が、ルイズを制止した。
 「誰?」
 ルイズは声のほうを振り向き、すぐに一本の錆びついた薄手の長剣を見つけた。
 こいつが…? いや、もしかすると。
 「あんた、インテリジェンスソード?」
 声をかけると、剣は応えた。
 「おう、そうとも。俺様ことデルフリンガー! 通称クレイジーモンキー!」
 「はあ?」
 「しょっぱなの軽いギャグよ。気にするな。それよりあんちゃん……」
 剣は笑みを含んだ声で、
 「見かけのわりにてーした馬鹿力じゃねーかい。どうだ、俺を買わねえか? 損はさせねーぞ?」
 「生憎剣なんか使ったことないんだけど」
 言いながら、ルイズはおしゃべりソードの柄を握る。
 また左手袋が、正しくはそれに刻まれた使い魔のルーンが輝く。
 すると、剣はいきなり黙りこんだ。
 「なに? おしゃべりはおしまい?」
 「おでれーた。おめ、『使い手』か? いや、違う……のか? いや、間違いねえ。間違いねえが……。ま、いいやな。おい、俺を買え」
 「やだ」
 ルイズは断った。
 「にゃにおう?!」
 「なんであんたみたいなボロ剣……。贈り物っていうのなら、もらわなくもないけど」
 ルイズはちらりと店主を見る。
 「ひ…! さ、さしあげます! そんな剣でよろしけりゃあ、いくらでもさしあげますんで。命ばっかりは……」
 店主は床に膝をついたまま両手を合わす。
 「なに、それ。それじゃまるで強奪してるみたい……」
 「いえ、とんでもない! どうぞ、お受け取りくださいませ!」
 店主はあわてて首を振った。
 「こんなボロ小屋で埃かぶってるよか、あなた様のようなお強いおかたにもらっていただけるほうが何倍も幸せです!」
 「そこまで言われたら、断るわけにもいかない」
 ルイズはふっと微笑んだ。
 店主はほっと胸を撫でおろしたが、その矢先、錆びた剣先を鼻面に突きつけられた。
 悲鳴をあげることもできず硬直しているところへ、
 「抜き身で往来に出るわけにもいかない。鞘もプレゼントしてくれると大感激なんだけど」
 『少女』のような、優しい声が上から降ってきた。
 「容赦ねえなあ……。だが、気に入ったぜ、相棒!」
 デルフリンガーの嬉しそうな声が、ひどく遠くに聞こえた。
 「人を見かけで判断して、うかつな言動をするとろくでもない目にあう。勉強になった?」
 ルイズは鞘におさまったデルフリンガーを受け取ると、ちゅっと店主に投げキッスをして店を出ていった。
 「……………てめーは俺の親父の名にかけてクソッタレだ、ちきしょう」
 一人になった店主は、破壊されたカウンターを見ながら、半泣きでつぶやいた。
 「こんな商売、もうやめだあ……!!」


 「いたか」
 「いねえ」
 数人の男たちが互いにしかめっつらを見せ合いながら路地裏で話していた。
 いずれも人相の良くない男たちだ。
 俗にゴロツキとかいわれるような連中だった。
 街で金持ちのお坊ちゃんらしい『少年』を見かけ、鴨にしようと追っていたのだが……。
 武器屋から剣を手に出てきた後、ふいに姿が見えなくなってしまった。
 まるで、天に昇ったか、地に潜ったか。
 「あいつ、メイジだったんじゃねえのか?」
 「でも、マントつけてなかったぜ」
 「馬鹿か。そんなやつはいくらでもいるさ」
 ゴロツキたちは憶測を飛ばし合いながら、ぼやいていた。
 あれが少年であれ、少女であれ、捕まえてその筋に流せば、好事家が高い値で買ってくれる。
 場合によっては――美少年は絶世の美女よりもはるかに高い値がつくのだ。
 それを逃したとなると、非常に悔しいことだった。
 男たちはぼやき続ける。
 自分たちが追っていた相手が、すぐ近くで自分を観察しているとも知らずに。
 ルイズは愉しげにその会話を聞いていたが、口元に残忍な笑みを浮かべ、背負った長剣に手を伸ばす。
 だが、すぐに思い直したように手を止めた。
 そして、ポケットから大事そうに黒いマスクを取り出した……。


 「ママとはぐれちゃったの、仔猫ちゃんたち?」
 頭上から陽気な声をかけられ、ゴロツキたちは身をすくませた。
 どこから現れたのか、上の壁に真っ黒な怪人が張りついていた。
 まるで、巨大な蜘蛛のように。
 「あ……?」
 「なんだあ……」
 驚く男たちの前、怪人は音もなく飛び降りると、いきなり手近な相手を殴り倒した。
 男は壁に叩きつけられ、動かなくなる。
 死んではいないが、下顎が見事に砕けていた。
 当分の間、悪くすると一生ステーキは食えないだろう。
 いきなりの展開にぽかんとしているところに、次の犠牲者が出た。
 胸倉をつかまれ、放り投げられたのだ。
 投げられた男はくるくる回転しながら踏み潰されたガマガエルのように地面に叩きつけられた。
 「て、てめえ!」
 「なんだ、おめえはッッ!!」
 やっと男たちは臨戦体勢に入った。
 しかし黒い怪人はかすかに小首をかしげ、蜘蛛のようなポーズで男たちを見ている。
 マスクをして表情が見えないが、雰囲気から明らかに馬鹿にしているのがわかった。
 男の一人が小剣をつかみ、踊りかかるが、剣を振り下ろす前に顎にハイキックを受けて昏倒した。
 黒い影は風のよう動き、矢継ぎ早にゴロツキに襲いかかった。
 次に停止した時、たっているゴロツキは一人もいなかった。
 時間にして一分もたってはいない。
 「蜘蛛の糸を使う必要もなかったわねえ……」
 少々不満そうな声でつぶやき、黒い怪人はさっと姿を消した。
 この後、街はにおかしな噂がたつことになる。
 壁を這いまわる不気味な黒い化け物の噂が……。


 「相棒もつれねえよなあ」
 女子寮の部屋。鞘から三分の一ほど刀身を出したデルフリンガーは不満そうな声でルイズに呼びかける。
 「早速に活躍できるかと思ったのに、俺様ぬきでやっつけちまうんだもの」
 「血でも吸いたかったわけ?」
 ルイズは机で予習復習をしながら、返事だけする。
 「俺様は吸血鬼じゃねえよ。でも、剣として造られたからにはなあ……」
 「私も使おうかと思ったんだけど」
 ルイズは手を休め、
 「武器を持った状態じゃ、全員殺してたかもしれないから」
 何でもないことのように、物騒な発言をする。
 「ふーん。気を使ったってわけかい」
 「別に? あの連中が死のうが知ったことじゃないけど、素晴らしい発見をして嬉しかったら……ね?」
 ルイズは左手袋のルーンを見て、微笑む。
 あの店でバトルアックスを持った瞬間、体が異様に軽くなり、パワーが数倍、それ以上に増幅されるのを感じた。
 まったく驚きだ。
 この優れた使い魔はまだ素敵な能力を秘めていたのである。
 その気になれば、一国の軍隊とも戦えそうに思えた。
 無論勝利することも。
 「気分が良かったから、見逃してやったってえわけね……」
 デルフリンガーがかちかちと音をたてる。
 ルイズはそれに応えず、ニッと笑っただけだった。
 「しかし、おでれーた。使い魔とメイジは一心同体ってえけど、まさかそこまでに一つになってるなんてなあ」
 デルフリンガーは感心したようにつぶやく。
 「それにしても、変わった生き物だよなあ。ぱっと見布切れみてえなのに……」
 「生き物。やっぱり、生き物なのね」
 ルイズは服ごしにコスチュームをなでた。
 「ああ、それだけは間違いねえな。俺みてえに魔法で造られたもんでもねーよ、きっと」
 この使い魔がどこからきたのか考えると、実に不思議な気分になった。
 まあ、いい。
 ルイズは肩を揺する。
 問題は、ないのだ。
 「言っとくけど……」
 「わかってらあな。こいつは秘密だ。相棒の秘密は絶対にもらさねえ」
 「よろしい」
 会話も途切れ、ルイズは改めて勉強に専念しようと机に向かう。
 が。
 ぴくり、と健康や育ちの良さを示すその頬が動いた。
 ルイズはペンを置き、椅子を動かしてドアのほうへと体を向ける。
 どんどんと粗雑な音が響いた。
 「開いてるわ」
 乱暴にドアが開かれ、金髪の少年が入ってきた。
 目つきが物騒で、下手をすれば刃物でも取り出しそうだった。
 「デートのお誘いかしら、ギーシュ・ド・グラモン」
 ルイズは足を組みながら客を出迎えた。
 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
 来客の声は殺気に満ちていたが、ルイズは笑みを消そうとしない。
 ギーシュはルイズを見て一瞬ぽかんとした。
 え? 誰?
 そんな表情だった。
 長い髪の少女が少年のような短髪になっていたのだから、しょうがなくもあるが。
 ギーシュはすぐにキッと表情をこわばらせ、
 「僕と、決闘しろ……」
 「また、それ?」
 ルイズは息を吐き、
 「女の子を前にして、物騒なことね。薔薇の存在意義はどうしたの? ああ、身のほどを知って返上したのかしら」
 「黙れっ!!」
 ギーシュは顔を歪めて杖を突きつける。
 その表情に、へらへらと女子の尻を追いかけ、プレイボーイを気取っていた時の余裕はなかった。
 追いつめられ、逃げ場を失ったドブネズミのようだった。
 ルイズは立ち上がり、息がかかるほどの距離まで顔を近づけた。
 「ゼロのルイズに虚仮にされたのが、それほど恥ずかしかった――?」
 「……!」
 ギーシュは一瞬驚いて飛びすさる。
 あの食堂で恥辱を受けて以来、ギーシュは一分も安らいだ時間が得られなかった。
 仲間内では馬鹿にされ、女子からも軽蔑の目で見られるようになった。
 ルイズにやられる直前、二股がバレて二人の少女から別れのビンタとワインの洗礼を受けたことも相乗効果となっていた。
 先にルイズに平手を受けたマリコルヌは部屋に引きこもっている。
 噂ではまだ寝こんでいるそうだ。
 目の前で杖を折られて捨てられた上、その憎い相手に一矢報いることさえできなかったことがショックだったのだろう。
 それも、相手は学院始まって以来の劣等生、ゼロのルイズ。
 しかし――自分は違う。
 こんな相手に、ヴァリエールとは名ばかりのゼロに馬鹿にされてたまるものか。
 「決闘だ……。ヴァリエール」
 杖を握りしめ、ギーシュはうなった
 「……やめておいたほうがいいと思うけど?」
 ルイズはステップでも踏むように後ろにさがってから、またギーシュに顔を近づけ、耳もとで囁いた。
 「恥の上塗りって言葉知ってる?」
 くすくすとルイズは笑った。
 その言葉を受け、ギーシュの目から理性の炎が消失していく。
 ルイズはそれを観察しながら、
 「まあ……。それほどまでにいうのなら、受けてあげていいわよ?」
 「明日の昼休み……ヴェストリの広場だ」
 「いいわ。素敵なお花を用意してきてよね?」
 うなるギーシュに、ルイズはまるでデートのOKを出すかのように、花のような笑みを浮かべた。
 美しく、可憐な容姿とは裏腹に、人を蝕み、死に至らしめる毒花のような微笑を。
 そんな相棒を見ながら、
 どーせ、決闘でも俺の出番はねえんだろうなあ……。
 デルフリンガーはちょっとセンチになっていた。


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