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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロな提督-23 b

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロな提督-23 b

最終更新:2008年06月05日 23:54

匿名ユーザー

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  • ゼロな提督


 城の大ホールは既にトリステイン貴族と彼等に使える召使い達でごった返している。
 エレオノールがカトレアとお供数名を連れてマリアンヌ陛下の詔を拝聴すべくホールへ
向かった。
 公爵夫妻とルイズは姫殿下や枢機卿に続いて馬車でサン・レミ聖堂へ向かう。なので城
の正門へ。彼等の共はジェローム以下ヴァリエール家の執事と召使い数名、それに警護の
メイジ達が務める。

 で、残った配下の者達と、新参のルイズ専属の執事と召使いであるヤンとシエスタは、
てくてくと城をあとにした。
「やれやれ、僕らは歩いて中央広場か。結婚式って、どこも儀式や演出が大変だけど、さ
すがロイヤルウェディングは桁外れの大変さだねぇ」
「しょーがねーやな!見ろよ、周りを。街道もどこも貴族やら平民やら馬やら馬車やらで
一杯だぜ!おめーら平民まで馬車や馬を使ったり、パレードに参加したら、もう誰も通れ
なくなるぜ!」
 背中のデルフリンガーの言うとおり、もう街は押すな押すなの大混雑だ。

 パレードが通る大通りには、既に警備の騎士達と見物人が陣取っている。裏通りには露
店が並び、大道芸人が芸を披露している。酒場は満席、宿屋は満室。
 当然、混雑緩和のため、一般人の馬車・馬の乗り入れは厳禁。街の入り口の駅も馬と馬
車で満杯。
 城から下ってきたヴァリエール家の使用人達も、街に入る前に気合いを入れていた。

 使用人達の一番後ろで、シエスタはヤンの手をキュッと握る。
「ちょ、ちょっとシエスタ…」
「この大混雑じゃ、はぐれかねませんよ。さ、急ぎましょう!」
 ニッコリ笑いつつも強引にヤンの手を引いていく。
 ヤンは、やれやれ…と呟きつつチクトンネ通りを通って中央広場へ向かった。


「あ!ここですよ、ここ」
「ああ、ジェシカさんが言ってた『魅惑の妖精亭』だね」
 ヴァリエール家使用人一行の後ろをついていく二人の視界に居酒屋が入った。見た目は
ごく普通の居酒屋だ。街のお祭り騒ぎはここにも届いているようで、中から酔っぱらいの
下手な歌声や乾杯の音頭が響いてくる。
「ちょっと。ジェシカに挨拶していきましょうよ!」
 そう言ってシエスタはヤンを居酒屋の中へと引っ張る。引っ張られるヤンは少し困り顔
だ。
「ちょ、ちょっとシエスタ。はやく聖堂に行って公爵夫妻をお迎えする準備をしないと」
「大丈夫じゃねーか?偉い人の演説とか、パレードとかはそーそー簡単に終わらねーモン
だろ」
「ん~、そうだねデル君。じゃ、ちょっと挨拶していこうか」
 二人は他の使用人達に「後で追いつきますから」と声をかけ、居酒屋の中に入った。


 居酒屋の中は凄い熱気だ。
 沢山の男達が朝から飲み倒しているのだろう。そこかしこでグデングデンな酔っぱらい
が給仕の女の子にちょっかいをかけようとしてスルリと逃げられている。
 で、給仕の女の子達の姿も熱い。ヤンとしては目のやり場に困る。胸を協調したデザイ
ンの服、スカートの丈も短くて白い脚が輝いてる。可愛い女の子がきわどい格好で飲み物
を運んでくるのが人気の店だった。
 よく見るとテーブルの上にはハルケギニア料理に混じって、餃子やホットドッグも並ん
でいた。どうやら新メニューとして受け入れられたらしい。


 店内に入った二人に、すぐに元気な声が飛んできた。
「あっらー!?シエスタに、ヤンさんじゃないの!いらっしゃーい!!」
 お盆を片手に駆けてきたのはジェシカ。
「久しぶりー!ちょっと近くを通ったから寄ってみたの」
「あ、あの、お久しぶりです…」
 ヤンは、思わず目を逸らした。何故なら、ジェシカは普段着だったタルブの時とは異な
り、大きな胸を強調、というか胸元が大きく開いて谷間を見せつける服装だったから。
 赤くなるヤンをみて、ジェシカはニンマリと笑ってしまう。
「あらあら、どうして目をそらしているのかしらぁ?挨拶は相手の目をみてしないと、失
礼ですよぉ?」

 言われたヤンは視線をジェシカに戻した。それでもやっぱり視線が下にストンと下がり
そうになる。
 ぎゅにっ!「んぎゃ!」
 シエスタに手をつねられた。

「あっらぁ~ん?あなたが噂のヤンさんねぇ!?お噂は娘から聞いてますわよぉ~」
 珍妙なイントネーションの男の声も飛んできた。
 声の方を見た瞬間、やっぱり目を逸らしてしまった。ジェシカとは正反対の理由で。
 ボディービルダー級の体格なのにオネエ言葉。肌にピチピチの紫な衣装。クネクネした
物腰。…見事なまでのオカマ。
 シエスタが少し苦笑いしながら、オカマを紹介してくれた。
「こちらは私の叔父で、ジェシカのお父さんのスカロンです」
 紹介されるが早いか、スカロンはヤンに腰を振りながら近寄ってくる。ヤンはじわじわ
と後ずさっていく。
「はぁじめましてぇ!あたくし、この『魅惑の妖精亭』の店長、スカロンですぅ。あたく
しのことは、お店ではミ・マドモワゼルと呼んで下さいねぇ!」

 ヤンの頬が引きつる。必死に作り笑いをしようとして、失敗したようだ。

「は、初めまして、ヤン・ウェンリーと言います。スカロンさん…」
「イヤンイヤンッ!ミ・マドモワゼルですぅ!」
 ヤンの目は、違う意味で大きなスカロンの胸に視線が行ってしまう。見事な大胸筋が華
麗にビクビクと上下していたから。

「み、みす…み・まど、もわ…ぜる」
「トレビア~ン!」
 スカロンは満足して微笑んだ。
 そしてヤンの背に手を回す。触られたデルフリンガーが「やめてー!」と叫んだが、ヤ
ンの耳には入らなかった。そんな余裕は無かった。
「せぇっかくいらして下さったんですからぁ、ゆっくりしていってねぇ~ん!新メニュー
の味見とかもしていって欲しいしぃ~」
 といって店の奥へと連れ込もうとする。

 その筋肉に相応しいパワーで引きずられそうになったヤンは、色んな意味で身の危険を
察知した。背中にもアリが行列しているかのような気色悪さが走り抜ける。
「す!すいません!僕らは、その、中央広場へ!サン・レミ聖堂へ急いで行かなければな
らないんです!」
「あっらぁ~ん?でも、ちょっとくらい」
「ごご、後日!日を改めて伺いますので!今日はこの辺でぇっ!」
 叫んだヤンはシエスタの手をひっつかみ、逃げるように店を飛び出した。
 後ろから聞こえる「またきてねぇ~ん!待ってるわよぉ~」という言葉は、故意に記憶
から抹消した。





 息を切らして逃げてきたヤンは、ようやく中央広場に到着した。
 広場の反対側に見えるファーサード(聖堂正面入り口)はアーチ状の上部に沢山の彫刻
が飾られ、窓の上には聖人像が並んでいる。ファーサードの向こうにある身廊(聖堂入り
口から祭壇までの空間)の天井には、見上げるような尖塔が幾つも見える。
 大通りから噴水周囲、そして聖堂にかけては警備兵によって群衆が排除され、人混みの
中にぽっかりと無人の空間が広がっている。

 もちろんそれ以外の空間はお祭り騒ぎで埋め尽くされている。露店で買ってもらったお
菓子を頬張る子供達を連れた夫婦、パレード到着を待ちわびる若いカップル、聖堂へ祈り
を捧げる老人達。中央広場周囲の石造りの建物も、全ての窓から沢山の人が顔を覗かせて
いた。屋根に登っている元気で向こう見ずな若人達もいる。
 よく見るとカゴの様なものを持った人が塔や上層階の窓にちらほらと見える。パレード
到着に合わせて花吹雪か紙吹雪を撒くのだろう。

 空を見ると、数え切れないほどの竜が編隊を組んで飛んでいるのが見えた。
「へぇ~、竜騎士隊だね?あんなに沢山いるのは初めて見たなぁ」
 手で陽光を遮りながら見上げるヤンと同じく、眩しそうにシエスタも空を見上げた
「首都警護竜騎士連隊ですね。それと、クルデンホルフの空中装甲騎士団(ルフト・パン
ツァー・リッター)も、かな?パレードを空から警備しているんでしょう」
「つーか、あれもパレードの一環なんだろーな」
 デルフリンガーの言うとおり、編隊を組んだ竜騎士隊は悠々と城の上を旋回している。
街を監視しているような素振りは見えない。

 二人は警備の人々にヴァリエール家に仕える者と告げ、聖堂敷地内に通された。他の使
用人達に一礼して、聖堂横で待機する。
「さて、あとはパレードが来るのを待つばかり。公爵の馬車が来たら、皆でお迎えしたら
いいんだね?」
 シエスタも頷いて、聖堂での予定を説明する。
「そうです。といっても私達は教会内には入りませんので、入る時と出る時に整列して礼
をするだけで終わるでしょう」
「やーれやれ!たったそんだけのために、こんな沢山の使用人を連れてくるたーよ!貴族
の見栄ってやつぁ大変だね」
 デルフリンガーの指摘は正しく、教会敷地内には沢山の使用人がたむろしてる。パレー
ドに参加している貴族達の配下だろう。
「こらこらデル君、そういう事は小声でコッソリ言うものだよ。しばらく黙っててくれな
いかな」
「へぇ~い。ま、しっかりやんな」
 デルフリンガーはチンッと音を立てて鞘に収まった。ヤンの背中が急に静かになる。


 さて、待つのは良いのだが、なにせ贅を尽くした雅な婚礼パレード。国民へのお披露目
もあるので、やたらノンビリ進んでくる。
 なので、教会で待ってる人々はヒマだ。他の使用人達も手持ち無沙汰。

 シエスタは暇つぶしに、ヤンの話の続きを聞いてみる事にした。
「ところで、ヤンさん。先ほど城で話してた事なんですけど」
「ん?ああ、あれかぁ」
「一体、どんな事を言おうとしてたんですか?」
「う~ん、確かに考えられる手はあるんだけどね・・・」
 尋ねられたヤンは腕組みして考え込んでしまう。
「なんというか、まともに考えると有り得ないような手なんだよ。考えすぎというか、さ
すがに気にする事はないと思うよ」
 そう言って頬をポリポリとかいてしまう。


「ふぅ~ん。でも、ちょっと教えてもらえませんか?」
 大きな瞳で見上げてくるシエスタに、今度は頭をかいてしまう。
「そう言われてもなぁ…うーん、笑わないで聞いてくれるかな?」
「ええ、もちろんです!とっても気になりますよ」
「まぁ、そう言ってくれるなら…」
 というわけで、ヤンは語り出した。どうにも荒唐無稽な、というか杞憂とも言える懸念
を。


 そもそも聖地奪還運動と王権は本来矛盾しない。なら何故レコン・キスタは王権打破を
唱えたのか。
 王家は聖地奪還をせず、城の中で惰眠をむさぼり始祖への信仰を蔑ろにし、挙げ句の果
てに王家同士で延々と無意味な小競り合いを続けて、国を疲弊させるばかり。『こんな怠
惰で無能な王家は廃し、有能な貴族による共和制をもって新たなる統治を築こう。そして
我らの聖地を奪還しよう』…これがレコン・キスタの大義名分だ。

 だが、ただ王家を排除しただけでは、国民の寄って立つ基盤が無くなる。国の中心たる
カリスマを失ってアルビオンは空中分解を起こす。有力貴族同士が権力闘争を繰り返す群
雄割拠の時代に突入する。完全に王家を排除するのは得策でない。形式だけでも王家を残
しておくべきだ。
 だが、王家を残しておくと今度は王政復古の可能性も残してしまう。王家による統治の
正当性を唱え、レコン・キスタへの不満分子が集結してしまう。そしてレコン・キスタを
排除した上で、飾りの王を頭上に戴くだろう。

 なら、王族自身が聖地奪還運動に同意してくれると都合がよい。レコン・キスタの重臣
として残しておけばいい。十分に貴族連合内で重用して反逆の意思を削ぎ、同時に実権を
出来る限り与えず飼い殺しにしておく。そんな地位を受け入れてくれる王家の者がいれば
最高だ。
 が、そんな都合の良い王族はいなかった。だから彼等はアルビオンでウェールズ皇太子
を生かして捕らえた。説得し、脅し、洗脳し、操り人形とするために。

 そして、これらは全てトリステインにも当てはまる。
 いや、アルビオンではモード大公投獄という政治的失敗が存在した。そこを反王家派貴
族につけ込まれたのだろう。だがトリステインでは王家が国民の支持を失うような目立っ
たスキャンダルが無い。レコン・キスタが侵略してきても王党派の反抗は激しく、統治に
困難が生じるのは疑いない。トリステインの平定にまごつくと、今度はアルビオンで王党
派が息を吹き返しかねない。

 レコン・キスタはトリステイン王家内の協力者を必要としている。政治的地位を求めず
聖地奪還運動に共鳴してくれて、国民の人気も高い飾りの王族を。



「あの…それって、まさか…」
 ここまで聞いて、シエスタは話の結論に気が付いた。恐る恐る尋ねてくる。
 ヤンはちょっと周囲を見て、誰もヤンの話に耳を向けてないのを確認してから、黒髪か
らのぞく少女の耳に囁いた。

「そう、彼等はアンリエッタ姫が欲しいんだよ」

 シエスタはゴクリと音を立ててツバを飲み込む。
 ヤンの背中で剣がカチ…と控えめな音を立てた。
「んじゃ、ヤンよ…あいつらが仕掛けてくる策って…何だ?」
「何だと思う?」
「姫さんの、誘拐?」
「それもアリだね。でもそれだと、レコン・キスタは国際的非難を受けるよ。傀儡にする
にも色々と支障が出るし。もっと良い手を使わないとダメ」
 今度はシエスタが周りを気にしながらヤンに耳打ちする。
「あの、まさか…アンリエッタ姫がアルビオンに、レコン・キスタに走る、とか?」
「そのとーり」
 軽く答えたヤンだが、少女と長剣のまとう雰囲気は重い。

 そんな二人を見て、ヤンはクスクス笑い出した。
「やだなぁ、そんな真面目に考えるほどの事じゃないよ」
「え、でも…」
 シエスタは少し不安げだ。
「いくらなんでも、もう結婚式の最中だよ?アンリエッタ姫の説得なり何なりするには、
時間が無さ過ぎたのさ」
「あー、そだよな?この状況で、姫さんがアルビオンへ走るなんて、あるわけねーわな」
 長剣はツバを鳴らして同意した。シエスタは肘でヤンの脇をつつく。
「もう!脅かさないで下さい!」
「はは、ゴメンゴメン。でも、良い暇つぶしになったろ?」
 ヤンが指さす先には、群衆の歓呼の響きを受けて街道をしゃなりしゃなりと進んでくる
パレードの先頭が見えていた。

 中央広場にはグリフォン隊・ヒポグリフ隊・マンティコア隊が警護する馬車の大行列が
行進してきた。聖堂の鐘も鳴り響き、呼応するように町中の鐘も鳴り出す。
 ファーサード前に停まる豪奢な馬車からは、トリステインの国政を預かる重鎮達が赤絨
毯の上に降り立つ。その中にはオールド・オスマンとロングビル、そしてギーシュの姿も
あった。生憎ヤンの姿には気付かず、そのまま聖堂に入っていった。他にも、姉のような
女性を連れたタバサの姿も見かけた。タバサはヤンをチラリと見てから教会に入っていっ
た。

 ヴァリエール家の馬車を待ちながら、ヤンはさっきの話の続きを考える。



 ルイズの話では、アンリエッタはウェールズへの想いを振り切れてはいない。
 ウェールズはレコン・キスタに捕らえられ手紙も発見されたので、両者の関係はアルビ
オンでは周知の事実。
 もし、ウェールズを慕って姫がアルビオンへ走ったら…?

 バカバカしい、とヤンは下らない憶測を振り払った。
 確かにアンリエッタ姫は恋文の一件から、典型的門閥貴族の思考を持つと見ている。自
己正当化と陶酔と浅慮については目を覆わんばかりだ。しかも悪気がないのが一番手に負
えない。
 おまけに、この段階でアンリエッタ姫がアルビオンへ走れば、同盟が反故になってアル
ビオンが攻めてくるどころではない。激怒したアルブレヒト三世が宣戦布告する。トリス
テインはアンリエッタ姫派とマリアンヌ王妃派に分裂する。王家は国民の支持を失う。新
教徒が反乱を起こす。

 だが、そんなことはアンリエッタ姫だって分かっている。それはルイズの話からも確か
だ。それに、いくら政略結婚の駒として育てられ、政治的教育も実権も与えられず、蝶よ
花よと育てられた世間知らずだとしても、だからこそ国のために身を捧げる事だけは教え
られていただろう。
 第一、ルイズからの報告でウェールズ皇太子が正常な状態に無いであろう事は知ってい
るはずだ。この段階でウェールズの名を持ち出されても、レコン・キスタを信用するはず
もない。


「我ながら、バカな事を考えたもんだなぁ…まるで御伽噺みたいな話だ。ちょっと浮かれ
て調子に乗ってたかも知れない。まったく、お城で公爵に話してたら、大恥かいてた所だ
よ」
 聖堂の鐘が鳴り響き舞い散る花吹雪と紙吹雪の中、ようやくやって来たヴァリエール家
の馬車に頭を下げながら、ヤンは公爵夫人の忠告に従って口を慎むとしよう、と心に刻ん
だ。


 そして多くの馬車から降り立った貴族達が聖堂に入り込んだ後、大歓声に包まれてユニ
コーンにひかれたアンリエッタ姫の馬車が到着した。
 目も開けづらいほどの花と紙が舞い、騎士隊の杖がしゃんっと小気味よい音を立てて掲
げられる。
 花のように見目麗しい王女は、輝かんばかりの白いウェディングドレスに身を包む。そ
の頭上にはキラキラと輝くティアラがあった。ローゼンリッターの斧から取り外した炭素
クリスタルの刃を銀の本体を飾り、その周囲も光を乱反射する色とりどりの宝玉がちりば
められている。
 その後ろから、もう一人の少女が降り立った。見事な金髪を左右に垂らした、背の低め
な少女。だが気の強そうな瞳が爛々と輝いてる。ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クル
デンホルフ殿下だろう。王女ほどではないが赤い華麗なドレスに身を包み、栄誉ある巫女
の大役を仰せつかった誇らしさに胸を張っている。

 二人の少女は大観衆の歓呼を受け、周囲の騎士と召使い達に傅かれ、聖堂の中へとゆっ
くりと進んでいった。



























 甘かった。




 ここがファンタジー世界だと忘れていた。

 いや、別にハルケギニアはファンタジーじゃない。
 確かに魔法はある。だがこれは、違う宇宙であるので違う物理法則が働いているためだ
ろう。だからこそヤンの宇宙では絶対ありえない『召喚』『錬金』が人力で容易くできる
のだ
 ハルケギニアは魔法という技術を基礎とした歴とした文明社会だ。決して御伽噺の世界
ではない。人々は毎日を笑い、泣き、怒り、裏切り、戦い、信じ合って生きている。人間
としての根本はヤンの世界と何ら変わるところはない。

 だが、やはりファンタジー世界だ。

 トリステインが、ではない。魔法が、ではない。パラレルワールドが、ではない。
 真のファンタジー世界は、そんな所にはなかった。








 あの女の頭がファンタジーだったんだ!








 中央広場、サン・レミ聖堂前、正午。
 大司教の祝福を受けて後、聖堂から出てきたアンリエッタ姫がいた。
 凍り付いた空気の中、群衆や警護の騎士達や並み居る貴族達の視線が彼女に集中する。

 一般群衆の中から警備を華麗にすり抜けて、ふわりと聖堂から出てきたアンリエッタと
ベアトリスの前に降り立ったのは、凛々しい金髪の若者。
 誰からともなく「ウェールズ…」「…皇太子…?」という呟きが漏れた。




 アンリエッタ姫は、しばし皇太子と見つめ合う

 そして、二人は互いに向けて歩み寄り

 熱い抱擁と共に


 口付けをかわした。

              第23話  ロイヤル・ウェディング  END

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