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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 鷲と虚無-09

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

鷲と虚無-09

最終更新:2008年11月21日 20:15

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ルイズは昨日早くに床についたせいだろうか、いつもより早く目が覚めた。
寝ぼけ眼をこすりながらむっくりと上半身を起こしたルイズは、一瞬なんで私の部屋に鎧や盾が置いてあるのかしらと疑問に思ったが、すぐに昨日の事を思い出した。
あの三人が召喚されて、紆余曲折の末なんとか使い魔に出来たのだ。そして部屋には誰もいない事に気付く。
三人がいったいどこに行ったのか疑問に思ったルイズは、まさか三人が逃げ出したのでは?と恐れたが、それは無い筈だとすぐに否定した。
ウォレヌスが言っていた通り逃げ出したって行く所なんて奴らには無いのだから。昨日が丸っきり夢でもない限り必ず戻ってくる。ルイズは自分にそう言い聞かせた。

(でもだとしたらどこにいるのかしら……主人の許可を得ずに勝手に出歩くなんてふざけてるわ)
そしてルイズは改めて三人をキチンと躾なければ、と考えた。だがそれは簡単にはいかないだろう。
彼らが自分に対して忠誠心などカケラも持ってないのは明らかだ。
それでも使い魔を完全に従順にさせるのはメイジの義務である。それだけは絶対に成し遂げなければならない。
主人の言う事を聞かない使い魔などあってはならないのだ。

そう思った時、ドアが開き、才人、ウォレヌス、プッロがゾロゾロと部屋に入ってきた。
ルイズは心の中でホッとした。彼らは逃げ出したわけでもないし、昨日の騒動が幻だったわけでもない。
彼らは自分が召喚に成功した証拠だ。そして召喚に成功したと言う事はもう自分は魔法が使えるようになったと言う事でもある。
私はもうゼロじゃない、ルイズはそれを強く実感し思わず笑みをこぼしそうになる。これからは級友達にあのふざけたあだ名で呼ばれる事も無いのだ。
幸せを心の中で噛み締めていたルイズに、才人が呆れたような声で話しかけた。

「なんだ、もう起きてるのかよ。なら俺が起こす必要なんて無かったじゃねえか」
ルイズは才人の言葉に、朝一番に主人にかける言葉がそれ?とムカッとなった。
そしてルイズは主人としての威厳を保たねば、と考えた。それにこいつらがどこに行ったのか聞かなければ、とも。
昨日自分が洗濯を頼んだのは完全に忘れている。

「あんたね、それが一日の初めにご主人様に会って言う言葉?おはようございます、ご機嫌はいかがですか、ご主人様って言う位の気は利かせなさいよ。だいたい一体どこに行ってたのよ、あんた達?主人を置いて勝手に出て行くなんて何考えてるの?」
才人は眉をひそめた。こいつ、何言ってるんだ、と言いたげな表情である。
「どこって、洗濯にだよ。お前がそうしろっつったんだろ。忘れたのか?」
「あっ、そう言えばそうだったわね……」
そこにウォレヌスが一つ付け加えた。
「そして私達は顔を洗うのと外の空気を吸うために彼についていった」

完全に忘れていたが、思い出した。確かに自分は昨日こいつに洗濯を命じたのだった。自分の言いつけを守ったのなら、さすがに非難する事は出来ないだろう。
使い魔には厳しく、だがあくまでも公平にと言うのがルイズが受けた教育だ。
だからルイズはならいいわ、でも次からは一人は部屋に残る様にしなさいと言おうとしたのだが、その前にプッロが口を開いた。

「おい、昨日も言ったがな、俺はお前を主人と認めた覚えはない。忘れるなよ、このティトゥス・プッロ腐っても小便臭いガキの奴隷になるつもりなんてない!」
プッロは腕を組み、ムスッとした表情で言い放った。

ルイズは即座に激昂し、彼女の色白な顔が紅に染まった。
自分は今までゼロだなんだと陰口を叩かれても一度も面と向かってガキだなんて呼ばれた事は無い。
ましてや小便臭いとは!そもそも小便などと言う下賎な言葉を自分の目の前で使われた事自体がルイズにとって初めてだ。
「ああああああんた、今なんて言ったの!?しょしょしょしょしょ、小便臭いガキですって!?」

だがルイズの剣幕をプッロは全く意に介さない。彼はルイズの薄いネグリジェに包まれた肢体をジロジロと見ながら、追い討ちをかけた。
「だってそうだろ?その体つきを見る限りじゃ精々十三くらいだろ。なら小便臭いガキだな」
そこに才人が追い討ちをかけた。
「ま、確かにその体つきでは甘めに見積もって14歳ってとこだな。お前、何歳なんだ?」

実際の年より若く見られるのは普通は良い事なのだろうが、だが今のルイズにとっては罵倒でしかなかった。
プッロが自分を取るに足らない小娘としか見ていないのは日を見るより明らかなのだ。
そして一番の問題はプッロの言った事が事実、だと言う事だ。
自分の貧相な体つきはいつも悩みの種であり、平たく言えばコンプレックスだった。
だから、私は豊かな体つきのちい姉様とお母様の血を継いでるのよと自分に言い聞かせていたのだが、よりによってルイズが一番気にしてる所をプッロは的確についてしまった。

「あ、あ、あのね、こう見えても私は16よ!こ、子供なんかじゃないの!」
ルイズは声を張り上げる。これで少しでもプッロが態度を改めればと思って。だが彼女の淡い期待はプッロの突然の哄笑に掻き消された。
「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!じゅ、じゅ、十六ぅ?その体で?貴族の割には随分とひもじい生活をしてるんだな!ええ?そこらの奴隷でももうちょっとマシな体つきをしてるぞ!」
「うう、うるさいわね!これから成長するのよ!いいい、遺伝的に見てもこのままで止まる確率は低いの!」

ルイズはどもりながら必死になって言い返す。興奮した時の彼女の癖だ。
だがプッロにルイズを恐れる様子は全く無い。だがそれは当然と言えるだろう。
兜以外は全裸で戦い、死を少しも恐れずに野獣の様に突撃してくるガリア人のガエサタエと呼ばれる狂戦士と、顔を紅潮させてどもりながら怒鳴る娘ではどう考えても前者の方が遥かに恐ろしい。
プッロはその様な連中と何度も戦い、生き残ったのだ。

「へ~、遺伝ねえ……でもその年じゃもう成長する可能性は低いと思うがね」
プッロの言葉に才人はプッと噴きだし、ウォレヌスすら僅かに頬を歪ませた。

(ああもう、なんでこいつらはこうもうっとうしいのよ!)
この三人の中でも、このプッロは特に酷い。こいつだけは絶対に自分をご主人様と呼ばせてやる、とルイズは決意した。
そうしなければ気が治まらないし、何よりこのまま平民如きに貴族をバカにさせるなぞ道徳に反する事ですらある。
まずはこいつらに躾を与え、自分が主人である事を頭に叩きこまさなければならない。

それには実力行使が必要だ。こいつらにはいくら口で言っても無駄なのは明らかだった。
実力行使と言っても体格で言えば、自分は才人はともかくプッロやウォレヌスとは比べ物にもならない。
乗馬に使う鞭は棚の中に置いてあるが、その様な物をこの二人が少しでも恐れるわけが無いのはルイズにも理解できた。

だが体格差など魔法の前では何の意味もなさない。
これが昨日までなら話は違っただろうが、もう自分はゼロではないのだから魔法を扱えるのだ。
例え兵士だろうが平民は魔法の前では全くの無力。まずそれを解らせねばなるまい。

(さ~て、一体こいつをどうしてくれようかしら?いったい何時までそうやって余裕でいられるかしら?)
ルイズはどんな魔法を使ってやろうかと心の中でほくそえみながら、プッロを見つめた。

「ヴァリエール、一体これからどうするんだ?朝食に行くのか?」
ウォレヌスにルイズは余裕を見せて答えた。
「え?ああ、そうよ。今から食堂に行くの……でもその前に服を着せて」
「何だと?」
「だから服を着させて。早くしなさい」
そう言いながらルイズはニヤリと笑った。もちろん彼らがそんな要求を呑む筈が無いのは承知している。

プッロの顔から笑みが消え、同時に才人が抗議の声を上げた。
「うんなもん自分で着ればいいだろ!なんで俺達がそんな事しなきゃいけないんだ?」
ルイズはチッチッと自信に満ちた表情を見せながら指を振り、もう一度ルイズははっきりと言った。
「貴族はね、下僕がいれば自分で服を着たりしないの。だから着せて」


ウォレヌスは眼を見開き、口を真一文字に結んだ。不快になったのは明らかだ。
「下僕だと?笑わせるな!我々はあくまで雇用されただけの筈だ。服を着せてくれる奴隷が欲しいなら奴隷市にでも行け」
この反論はルイズには予想外だった。確かにこいつらとは使い魔として金を出して雇うという奇妙な契約を結んでいるのは事実だ。
だが、それでもコンタラクト・サーヴァントを通じて使い魔の契約を結んだのもまた事実。ルイズはその点を押し出した。

「例え雇用されたとしても、あんたたちが召喚の儀式を通して私の使い魔になった事に変わりは無いわ。その時点であんた達は私の下僕なの!解る?」
だがウォレヌスも勢いを落とさない。
「だが私たちはお前と給金を条件に使い魔になる事を呑んだ。その様な選択肢を与えられた時点で奴隷とは言えん!」

そしてウォレヌスに続いてプッロが面白そうにルイズに質問を浴びせた。
「それに俺達があくまで拒否したらどうする?どうやって服を着させるんだ?」

「いい質問ね!いいわ、平民が貴族に逆らうとどうなるか教えてあげる。魔法の力をたっぷりと味わいなさい」
ルイズは自信たっぷりにそう言うと、ベッドから降り、机の上の杖を取ろうと腕を伸ばした。
……だがルイズが杖を手にする前に、プッロがさっと杖を取ってしまった。

ルイズは傍から見たら滑稽な程に狼狽してしまった。プッロが先に杖を奪うなど考えもしなかったのだ。
杖が無ければメイジは全くの無力。力で言えば平民と何の違いもないのだ。
「ちょ、ちょっとあんた!すぐにそれを返しなさい!」
「うん?こいつの事か?」
プッロは杖を手でクルクルと玩びながら答えた。顔には意地悪そうな笑みが浮かんでいる。
返すつもりが全く無いのは誰にでも見て取れた。
「そいつは無理だな。あのジジイを見る限りじゃ、魔法を使うにはこの棒切れが必要なんだろ?なら渡す訳にはいかないな」

ルイズは杖を取り返そうとプッロに掴みかかろうとしたが、プッロはルイズをヒョイヒョイと避け続ける。
プッロに触れる事すら出来ないルイズをおかしく思ったのか、才人はククッと笑い始めた。
ウォレヌスはと言うと、わざわざ自分から魔法を使うと宣言するとはマヌケな奴だ、と呆れた顔で呟いた。

「しゅ、主人に暴言を吐くだけでなく杖まで奪うなんて……いったい何考えてるのよ、あんたは!これが最後の警告よ!すぐに杖を返して!」
ルイズは精一杯の凄みを入れて言ったつもりだったが、プッロは杖を返すどころか、何か面白い事を考え付いたかのように笑みを更に底意地の悪そうな物に変えた。
「う~ん、そうだな……返してやってもいいがその前に、俺達に対して魔法を使わないと誓った後に、お願いします返して下さい、って言ってみな。そうすりゃ返してやるよ」

ルイズは絶句してしまった。この野蛮人に杖を返してくれと頼むなど問題外だ。貴族の威厳も何もあったものじゃない、いやそれ以前に自分の誇りが許さない。
(魔法を使わないと誓う?お願いします?冗談じゃないわ!)
だが自分に杖を取り返す術が無いのも事実だ。ルイズは自分の無力さに心中で悪態をついた。
結局、杖が無ければメイジはただの人間なのだ。
ルイズはなんとか杖を取り返せる方法は無いかと考えた……一つあった。魔法とは全く関係無いが非常に効果的な方法を。
これならプッロも杖を返さざるを得ないだろう。

そしてルイズは勝ち誇ったようにプッロに向けて宣言した。
「あんたバカじゃない?使い魔に哀願するメイジが一体どこにいるっていうのよ。あんたら全員今日から飯抜き。主人をコケにした挙句に杖を奪った罰よ。ま、杖を今すぐ返すんなら許してやってもいいけど?」

この宣言にルイズの期待通り、才人は不安な顔になったが、プッロとウォレヌスはそうはならなかった。
ウォレヌスはだからどうしたといわんばかりの表情をし、プッロにいたってはプッと笑い出した。

「おいおい、そんな事に意味があると思ってるのか?」
「ど、どう言う意味よ」
ルイズはうろたえた。予定ではこいつはもうしどろもどろになって許しを請うてる筈なのに。
(なんで?なんでこいつは平気にしてるの?)


プッロは哀れむようにルイズに言った。
「お前なんぞに頼らなくてもお前と学院がくれる給金で飯を買えばすむと言う事だ」
この言葉に才人は感心したように声を上げた。
「そ、そうか!それをすっかり忘れてた」

これは完全に考えの外だったが、考えてみれば当たり前の事だ。
学院長が少なくとも普通に生活するには不自由しないだけの金を出すと合意したのだから。
使い魔として雇用されてるんだから当然給金は出さなければならない。それに学院側からも何か仕事を提供すると学院長は言っていたんだからそっちからも収入はあるだろう。
プッロ達からすればその金で食料を購入すれば良いだけの話なのだ。

あんな事に賛成するんじゃなかった、とルイズは後悔した。
だがそれでもルイズは諦めなかった。彼らはまだ金を1ドニエも持っていないのだ。まだ一縷の望みはある、とルイズは考えた。
「で、でも、今日はどうするの?あんた達はまだお金なんて全然ない筈よ!だから最初の給料が手に入るまであんたらは食事抜き!」

だがこれも大してこたえなかったようで、プッロは落ち着いてルイズに返答した。
「別に構わんさ。食い物を手に入れる方法なんざ他にもあるからね」
才人にとってもこれは予期せぬ答えだったようだ。
「あ、あるんですか?そんな方法が?」
「まあな。ま、それをこいつの目の前で教える訳にはいかないがな」

食べ物を手に入れる方法。それが何なのかルイズは考えてみた。
まずサイトはともかくプッロとウォレヌスは相当の場数を踏んだ兵士に見える。ならば近くの森から何かを取って来て食べる位ならやりかねない。
そして特にプッロなら、厨房に忍び込んで何かを失敬する位なら平気でやりそうだ。もしそんな事になって、それが発覚すればそれは自分の責任になる。
使い魔の不始末は主人の不始末になるのだ。厨房からパンを盗んで捕まった使い魔を持つメイジなんて聞いた事もない。
そんな事になれば果たして学院から、いや両親からなんと言われるか……
「おい、どうした?俺たちに着替えさせるんじゃなかったか?杖はもういいのか?」
何も言わないルイズを見て、プッロが実に楽しそうに声をかけた。

ルイズは必死で何とかしてこいつに自発的に杖を返させる方法は無いかと考えたが、何も思い浮かばない。
そして杖を持たずに授業に出るのはリスクが高すぎる。もし何かを実演しろと言われたら言い訳のしようが無いからだ。
正直に使い魔に奪われましたと答えるのは論外だし、無くしたと嘘をついても叱責されるのは目に見えてる。
もうどうしようも無い、そう判断したルイズは断腸の思いでプッロに杖を返してくれるように頼んだ。

「プッロ、杖を返して……お願い。あんた達に魔法は使わないと約束するから」
「そう、そうやって素直に頼めばいいんだ」
そう言ってプッロはニヤッと笑い、杖をルイズに放り投げた。
だが彼は最後にもう一撃加える事を忘れなかった。
「ところで、着替えの方は手伝わなくていいのか?お嬢ちゃん?」

「うるさいわね!気が変わったのよ!気が!服は自分で着替えるわ!」
(一々傷口に塩を塗るんじゃない!もうゼロじゃなくなったって言うのに、一体どうしてよりによってこんな連中が使い魔なのよ!)
ルイズはそう思いながら、恥辱にまみれた気分で制服を身に着けた。

怒りと屈辱に顔をゆがめさせながらルイズはもう一度、こいつらを絶対に、絶対に服従させてやると誓った。
(ヴァリエール家の名にかけて、こいつらに絶対に私が主人だって認めさせてやるわ!絶対に!)


四人は部屋を出た。廊下には似たようなドアが幾つか並んでいる。
プッロは上機嫌だった。何せあの生意気なクソガキをへこませる事が出来たのだから。
そして彼は目の前のドアから出てきた女を見て更に上機嫌になった。

その女は褐色の肌と彫りの深い顔を持っており、燃えるような赤毛と突き出た胸がひと際目を引いた。
(こりゃかなりの上玉だ……!このガキとは大違いだなぁ)
年は恐らく二十歳にも達していないだろう。だから女と言うよりは娘と呼んだ方がいいかもしれない。
だが色気と言う点ではルイズとは比べ物にならない。まさにプッロの好みと言える女だった。

そしてその娘が、ルイズに向けて口を開いた。
「あら、おはようルイズ。結局サモン・サーヴァントはどうなったん――」
そこまで言ってから彼女は呆けたように口を開けた。
「あらら、男を三人も部屋に連れ込むなんて……使い魔召喚に失敗したからって随分とヤケになってるのね、ルイズ。意外な一面だわ」

ルイズのさっきまで紅くなっていた頬が再び真っ赤になった。
「いったいなんでそう言う発想になるのよツェルプストー!こいつらは私達の使い魔!」
「軽い冗談よ、本気にしないで……ってちょっと待って。使い魔?彼らが」
そう言って、彼女はプッロ達をマジマジと見つめた。その顔を見るにどうも半信半疑のようだ。
シエスタ達もこのことに仰天していた事を思い出し、人間が使い魔とやらになるのは本当に珍しい事みたいだな、とプッロは思った。

ツェルプストーと呼ばれた娘は手を腰に当て、三人を覗き込んだ。
「ねえ、あなた達。本当に彼女に召喚されて、契約しちゃったの?使い魔のフリをしろって言われたとかじゃなく?」
「ああ、本当にそうだ」
そう才人は答え、プッロはそれに不本意ながらね、と付け加えた。

「私がそんな情けない事するわけないでしょ。嘘だと思うならミスタ・コルベールや学院長に聞いて見なさい」
「あっはっはっはっは!サモン・サーヴァントで人間、しかも三人召喚しちゃうなんて完全に予想外だわ!さすがゼロのルイズね」
「うるさいわね、召喚も契約も成功したんだからその名前はもう無効よ。しかも召喚した数で言えばあんたを三倍も上回ってるのよ!」
ルイズはムキになって悔しそうな声で言い返す。
(こいつら、仲が悪いみたいだな)
プッロは彼女たちのやり取りを見てそう思った。そしてどうやら口げんかでは褐色の娘の方が一枚上手のようだ。

「ま、数では勝ってるかも知れないけどやっぱり使い魔ならもっとちゃんとしたのが良いわよね。フレイム~」
彼女が勝ち誇ったような声でそう言うと、彼女の部屋からのっそりと真っ赤な色をした大きなトカゲの様な生き物が現れた。
驚く事に尻尾には炎が燃え盛っている。

「うわっ!真っ赤な何か!」
このトカゲを見た才人はそう叫んで慌てて後ずさり、プッロとウォレヌスは身構えた。
もっとも、プッロもウォレヌスもこのフレイムが危険だと思考したわけではない。単に戦場での長年の経験のおかげで、未知の物体に反射的に反応してしまったのだ。

「あら、あなた達、サラマンダーを見るのは初めて?私が命令しない限り誰かを襲うなんて事は無いから安心しなさい」
ツェルプストーの言葉に三人は警戒を解き、プッロはこのトカゲをじっと見つめてみた。形はトカゲに似ているが、大きさは桁違いだ。
そして尻尾に炎を灯しているトカゲなど見た事も聞いた事もない。

だがこんな場所ならこれ位の動物ならいてもおかしくないだろうと思い、この事はあまり気にならなかった。
代わりにプッロが気になったのは果たしてこのトカゲが食べられるのかどうか、だ。
基本的に、彼にとって動物と言うのは食べる為に存在しているのだ。


(あまりうまそうには見えねえな)
もともとトカゲなんてよほど食料が不足している時位にしか食べた事がないし、特にうまいとも思えなかった。
この火トカゲも例外ではないだろう。だが、こいつの尻尾は既に燃えてるんだから料理する必要がないから楽だなとプッロは思った。

「ほら、この逞しい体つきと尻尾の炎を見なさい。間違いなくこれは火竜山脈のサラマンダーよ。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ、きっと」
ツェルプストーが自慢げにその大きな胸を張った。
「あっそ。そりゃ良かったわね」
「ま、そう気を落とさない事ね。ゼロのルイズ。ただの平民三人でもきっと何かの役に立つかもしれないじゃない……もしかしたらね」
彼女は含み笑いをしながらそう言った。ルイズをバカにしているのは明確だ。
それ自体は大いに結構な事だが、「平民三人」と言う言葉がどう考えても肯定的に使われていないのがプッロは少し気に障った。

「そう言えばあなた達、お名前は?」
だがそれでも自分たちにはある程度の興味を持ってるらしい。
恐らくは珍しいものを見た、程度の関心だろうが。

「平賀才人」
「ティトゥス・プッロだ」
「……ルキウス・ウォレヌス」
「あら、そろいもそろって変な名前ねえ」
「そりゃ悪かったな。それにこっちからすりゃそっちも変な名前だらけだし」

才人がブスッっと答える。プッロも彼に同意した。
ヴァリエールだのツェルプストーだの全く耳慣れない名前なう上に、発音しにくいといったらありゃしない。
それにどう見ても自分より十歳以上下の娘にそんな事を言われるのも癪だ。

「おいお嬢ちゃん、他人の名前を聞くなら自分も言うのが礼儀って奴じゃないかね?」
「あら、ごめんなさいね。確かにその通りだわ」
ツェルプストーと呼ばれた娘は特に気分を害した様子は無かった。
だがなぜかルイズの方が難色を示した。

「平民が貴族に対してそんな口を聞くんじゃないの!なに考えてるのよ、全く!」
「キャンキャンとうるさいな、お前は。俺はこっちのお嬢ちゃんに話してるんだよ」
鬱陶しがるように言ったプッロに、ルイズは既に興奮で赤く染まった頬を更に真っ赤にさせて叫んだ。

「あ、あんたはまた主人に対してそんな口を……よりにもよってこいつの前で……!」
「私は別に構わないわ。でもルイズ、使い魔に言う事を聞かせられないのは情けないわね。もうちょっと躾をなんとかした方がいいわよ?」
ツェルプストーはクスクスと笑いながら言った。プッロが見るに、この娘はルイズをからかう事を大きな楽しみにしているらしい。
彼女の言葉にルイズは唇を噛んで睨みつけること以外は何も出来なかった。

「そうそう、ティトゥス。私はキュルケ。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。二つ名は“微熱”よ。じゃあ授業で会いましょう、ゼロのルイズと使い魔さん達」
ツェルプストー、いやキュルケは最後にそう言うと、ウィンクをし、フレイムを連れて颯爽と去っていった。

去っていくキュルケを見ながら、プッロは何かが引っかかっていた。彼女の名前だ。
(キュルケ、キュルケ……あっ、思い出した!)
キュルケと言うのは記憶が正しければ、ウリュッセウスをたぶらかそうとした魔女の名前の筈だ。
むろん、本その物を読んだ事は無いがプッロもウリュッセウスの冒険については知っている。
(でもまさか関係がある訳は無いだろうな……ただの偶然か)


「あ~もう、全くイライラさせるわね、あの女!使い魔にまで色目を使って!」
ルイズが地団太を踏みながら言った。
「一体誰なんだよあいつ。クラスメートかなんかか?」
「残念ながらね!ゲルマニアから留学してきた色情魔よ!」

ルイズの可愛らしい唇から飛び出してきた、思っても見ない言葉にプッロは仰天してしまった。
(ゲルマニアだと!?)
ゲルマニア。勇猛さそして野蛮さでは他に並ぶ物の無い、ゲルマニア諸部族が住む地。
プッロはガリア戦争の最中、カエサルがゲルマニアに牽制的な遠征を行った際にこの地に一度だけ足を踏み入れた事がある。
ある程度「文明化」されたガリアとは違い、そこは完全な未開地としか言いようが無く、こんな場所で暮らすんならそりゃ強くはなるだろうな、と思った物だ。
正直に言えば、あそこにはもう二度と戻りたくない。
(それが一体なんでこのガキの口から出た?ここはゲルマニアと何千マイルも離れている筈だぞ)

「おい……お前今ゲルマニアって言ったのか?」
「そうだけど?」
ルイズの言葉を確認したプッロはこの事について彼女を詰問しようとしたが、その前にウォレヌスが彼の肩を掴んだ。

「一体何を……」
ウォレヌスは答える代わりにプッロに耳打ちした。
「今は黙っていろ。この事については後で調べる」
この事はかなり気になるが、隊長がそう言うのなら仕方ない。

「なに?一体なんなのよ?気になるわね」
「こっちの話だ……ところでゼロのルイズとは何の事だ?」

ウォレヌスは話を逸らすためか、ルイズにあだ名の事について聞いた。
プッロもその事については少し疑問に思っていた。ゼロとは一度も聞いた事が無い言葉だからだ。

「ただのあだ名よ。それにもうその名前はもう私には意味が無いからあんたには無関係」
ルイズはきっぱりと言い切った。彼女の反応を見てプッロにはどうも彼女がその事について話したがっていないように見えた。
(どうやらあまり良い意味じゃないみたいだな、ゼロって言葉は)

食堂に向けて歩き出した四人だったが、先ほどの騒動で、ルイズはかなり苛立っているようだ。
その表情は重い。彼女の険悪な雰囲気を見てとったプッロは、少しやりすぎたかなと思った。
いくら生意気で傲慢だろうと、結局はただの娘。
無論、ちらを足蹴にするなら容赦する気は全くないにしても、あまりからかいすぎるのも大人気ない。

そう思った時、ルイズが足を止めた。
「……忘れてたけど、あんた達は食堂に入れないわ」
才人はルイズに即座に抗議した。
「え~っ、なんでだよ!今更食事抜きとか言い出すのか!?」

このガキ、何を考えてんだ?とプッロは思った。食事を抜こうが意味は無いとさっき言ったばかりなのに。
「おいおい、俺はもう背中と腹がくっ付きそうなんだぞ?それに言っただろ?お前が食事抜きにしょうが関係無いって」
はーっ、とため息をついてルイズは答えた。
「違うわよ。貴族と平民が混じって食事するのが駄目だって事。次からは“何とか”するけど、今日の所は無理ね」


(チッ、面倒くせえな)
プッロは元々の性格と、ローマでは法で平民と貴族が同じ権利を保障されている事もあってあまり階級の差と言う物に気を払わない。
「偉い人」にはそれなりの敬意を払った方がいいと言う事位は理解しているし、貴族が平民よりも格式では上と言う事もなんとなくは解るが、貴族と言うだけで心の底から恐れたり敬う様な事は無い。
ましてや貴族とは言えど蛮人の子供でしかない。

だがウォレヌスはさほど気にしていないようだ。
「こっちは構わん。食堂にはお前と同じ位の子供で沢山なんだろう?こちらだけで食べる方が楽だ。だが一体どうすればいい?」
(ま、確かにこいつの様なガキどもがウジャウジャしてる場所で食うってのも疲れるな)
そう考えてプッロは納得した。

「そうね……仕方ないから厨房にでも行って何か貰ってきなさい。私の名前を出せば余り物くらいにはありつけるだろうから」
「なら最初からそっちに行かせりゃ良かっただろ」
「うるっさいわね、今思い出したんだから仕方ないでしょ。とにかく食べ終わったら二年生の教室に集まって。道が解らなければ誰かに聞きなさい」

だが才人は疑問を洩らした。
「そもそも教室に行って俺たちは何をするんだよ。お前と一緒に勉強するわけじゃないんだろ?」
そりゃそうだ、とプッロは内心で笑った。自分が勉強をするなんて冗談でしかない。
だとすれば一体なぜ教室に行かなければならないのだろう。

「当たり前でしょそんな事。教室で座ってるだけでいいのよ」
ルイズの答えに才人は更に疑問を重ねた。
「そんな事してなんになるんだよ?俺達がいる意味はあんのか?」
もっともな疑問ではある。勉強をするわけでもないのにわざわざ教室に座る理由は無いだろう。
そしてルイズもどうやらその答えを知らないようだ。

「いちいち口答えしない!他の使い魔は全部そうするのよ……それに座ってるだけでいいなんて、そんなに楽な仕事なんて他にないでしょう?」
「ま、そりゃそうだけどさ……」
確かに座るだけならこれほど簡単な仕事はないだろう。そう考えれば使い魔とやらの役目も大した事は無いのかもしれないな、とプッロは思った。
「とにかく朝食の後は二年生の教室に行けばいいんだな?じゃあさっさと行かせて貰うぞ」
そう言ってウォレヌスはルイズに背を向け歩き出した。

三人ともあの場所からの厨房への道を知らなかったのだが、幸いにも途中出合った奉公人の一人に道を聞く事が出来た。
そして彼らは厨房へと歩いていたのだが、才人はある事が気になっていた。
さっきルイズが「ゲルマニア」と言った時プッロとウォレヌスは明らかに奇妙な反応をした事だ。
才人は直接聞いた方が早いだろうと思い、プッロに話しかけた。
ウォレヌスでも良かったのだが、彼には近づきがたい雰囲気がある。少なくともプッロの方が話しかけやすい。

「あの、さっきあいつがゲルマニア、って言った時に何か言いたそうでしけど、どうかしたんですか?」
「ああ、あれか。ローマの北にそんな名前の場所があるんでな。それがあいつの口から出たんで驚いたんだよ」

どう言う意味だよそれ、と才人はいぶかしんだ。
「場所って、町の名前か何かですか?」
「いや、国、と言うか地域の名前だな。完全に未開の地でなあ、たくさんの部族が住んでるんだが、連中は人間と言うよりは動物に近い。酷い場所さ」


そう言えば世界史の授業でそんな事を聞いた事があったかもしれない、と才人は思った。
(確か、ゲルマン民族の大移動がどうのって話だったなかな……でも内容は全然思いだせねえな)
学校での成績は平均でも、才人は歴史と言う物に対して興味が殆ど無い。
彼には歴史を習うと言うのが、単に年号の暗記をするだけの作業にしか思えなかったのだ。その為、テストが終わった後は覚えていた事は全部忘れてしまうのが普通になっていた。
今更考えてもどうにもならない事は承知していても、才人は今になってもっとまじめに勉強しとくんだったと後悔した。そうしていればこの人達についてももっと解ったかもしれない。

それでもなぜウォレヌスがプッロを止めたのかが解らない。
「あの、なんでウォレヌスさんはプッロさんを止めたんですか?」
プッロもこれを不思議に思っていたようで、才人に合わせた。
「ええ、教えてくださいよ。あいつがゲルマニアの事を知ってるはずなんて無いのに、気にならなかったんですか?」

ウォレヌスは事も無げに答えた。
「正直に言えばさっさと朝食を食べたかったんでな、それに明らかに機嫌が悪くなったあの小娘と話したくなかった……そもそもあのキュルケとか言う女がやってきたゲルマニアは我々が知っているゲルマニアとは多分関係がない」
「へぇ、なんでそんな事が解るんです?」
「肌の色からして違うだろう、あの女は。あれじゃゲルマニア人どころかシュリア人だ」

実際にゲルマニア人を見たプッロはこの言葉で納得した様子だったが、才人は疑問を捨て切れなかった。
偶然全く同じ名前の国が存在するなんて事があるのだろうか?しかも地球とは何の関係も無いだろう異世界に。
「でもウォレヌスさん、偶然全く同じ地名になるなんて有り得るんでしょうか?はっきり言って都合が良すぎると思うんですけど……」

ウォレヌスは顎に手を当てた。才人が言った事を考えているのだろう。
「……確かに不自然な感じがするのは否めんな。出来ればこの国の地図を見たい所だ。そうすれば地理も含めて色々と確認出来るんだが」
「そんな事するよりもあの女に直接話しを聞いた方が早いと思うんですがねえ」
そう言ったプッロをウォレヌスがジロリと睨んだ。
「ふん、もっともらしい言い訳だな。だがあの女と寝たいだけなんだろう?」
図星を疲れたのか、プッロはえっへっへっへっへ、と笑って何も言わなかった。

才人にはプッロの言いたい事はよく解った。
あのキュルケと言う女の子はとても魅力的だった。ルイズもとても可愛い(少なくとも顔は)が、色気という点では及ぶべくもない。
だが女性経験など全くない才人は、二人のストレートな発言に少し恥ずかしくなったしまった。
キスですら昨日、ルイズと契約した時にしたのが始めてだったのだから。だから才人は急いで話題を変えた。

「それにしてもかっこよかったですよ、プッロさん」
「あぁ?何の話だ?」
「ほら、あいつを言い負かしたことですよ!」

実際プッロに言い負かされ渋々自分で着替えたルイズを見てスカッとしたのは事実だ。
それを見た才人は二人に感謝したかったが、同時に少しばかり恥を感じている。
飯抜きと言われた時、自分はあっさりとルイズの要求に屈しようとしたのと比べて、この二人はいとも容易くそれを撤回させたのだ。

プッロは肩をすくめた。特に考えているわけではないようだ。
「ああ、あれか。気にするな。こっちもあのガキの吠え面が見られて楽しめたし。ま、少しやりすぎたかもしれんがな」
才人も同感だった。ルイズの自信満々の表情が次第に歪んで行ったのは、悪趣味だが確かに面白いと言わざるをえない。
だがルイズは明らかに狼狽し、困惑していた。生意気な奴だとは言え、あんな事を何回も繰り返すのは嫌だ。


(なんとかあいつにもうちょっと俺たちをマシに扱う様にさせるのは無理なのかな?)
だがそれはルイズの性格を見る限り難しそうだ。と言ってもまだここに来てから1日だ。時間はたっぷりある……
(ってちょっと待て。なんでここに長く暮らす事が前提になってるんだよ、おれ)
こんな所からは一刻も早く帰りたい筈なのに。この思念を晴らす為にも才人はもう一つ気になった事を聞く事にした。

「食料を手に入れる方法なんていくらでもある」と言うプッロの言葉だ。
この発言でルイズはへこまされたのは確かだが、才人にはその方法が解らない。
「ところで、さっきあいつに食べ物なんていくらでも手に入るって言ってましたよね?いったいどうやって手に入れるんです?」

プッロは肩をすくめた。なんだそんな事か、と言わんばかりに。
「うん?そりゃ考えればすぐに幾つか思いつくだろ。シエスタ辺りに厨房から何か持ってきてくれる様に頼むとか、厨房の連中を少し手伝ってお礼として貰うとか、それが駄目ならそうだな、盗めばいいんだよ」
「ぬ、盗む?」
「ああ。夜中に厨房とかにこっそりと入って残り物を幾つか失敬するだけさ。誰の迷惑にもならないだろ?」

最初の二つはともかく、プッロがあまりにもあっさりと窃盗を口にしたのに才人は驚いてしまった。
ウォレヌスもこれには難色を示したようだ。
「我々はケチな泥棒じゃない。そんな事が出来るか」
「可能性の一つとして挙げただけですよ。それはそれとしてもいよいよとなれば近くの森に入って、何か食えそうな物を探すって手もあるな」
「それじゃ時間がかかりすぎる上に長くは持たん。まあどちらにせよ、食料を手に入れるのにあの小娘だけに頼るなんて事はない」

才人は感嘆してしまった。
ご飯なんて待っていれば自動的に母親が作ってくれるし、ちょっと金があればインスタント食品でもなんでも買える。
そんな認識の自分と比べて、この二人は自分よりずっと生活力がある。これは単に彼らが大人だから、兵隊だからとかじゃない。
かれらは何か自分とは根本から違う部分がある。才人はそう直感した。だがはたしてそれを恥じるべきかどうなのか、才人には判断が出来なかった。

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