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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 鷲と虚無-08

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

鷲と虚無-08

最終更新:2008年10月24日 01:28

匿名ユーザー

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  • 鷲と虚無


近づいてきたシエスタ、才人、ウォレヌス、プッロを眼に止めたメイド達はすぐに洗濯を止め、何やらひそひそ話しをし始めた。
おそらくこの三人の異邦人についてだろう。彼女達の顔には好奇心と僅かばかりの恐れが見られた。
そのひそひそ話しもシエスタ達が眼前にやって来たらすぐに止み、彼女たちの視線は三人に注がれた。

シエスタはメイド達の前に立つと、大きな声で話し始めた。
「ねえ、みんな!この人達が昨日話したミス・ヴァリーエルに召喚された人達よ。紹介するわ!」
そう言って彼女は三人を指しながら紹介し始める。
「右からヒラガ・サイトさん、ティトゥス・プッロさん、そしてルキウス・ウォレヌスさんよ」

才人はペコリと頭を下げた。
「ど、どうも。はじめまして、皆さん。平賀才人です」
思えばこれだけ多くの女性から注視されたのはこれが生まれて初めてだろう。喜ばしい事だ。
まあ、使い魔なんてやるんだからこれ位の役得は無くちゃな、と才人は思った。

「俺はティトゥス・プッロ。よろしくな」
「……ルキウス・ウォレヌスだ」
プッロは朗らかな口調に自分を紹介したが、ウォレヌスは嫌々と言った様子でボソリと呟くだけだった。
それを見て才人はシエスタと会った時もウォレヌスは一言も喋らなかった事を思い出した。
どうやら洗濯場に来てからウォレヌスの機嫌は悪くなったようだ。
だが才人にはその理由を本人に聞く度胸と、何よりも暇が無かった。メイド達の質問責めが始まったからだ。

最初の質問はメイドの一人が三人を順々に見つめた後に始めた。
「あなた達の事を昨日シエスタが教えた時ははっきり言って半信半疑だったんだけど……本当だったのね。ねえあなた達、本当にそのローマとか言う遠い異国からやってきたの?」
「ああ、そうだよ。でも俺はローマじゃなくて日本って言う全く別の国から来たんだ。」
「ふ~ん」

そして別のメイドが口を開いた。
「人間が召喚されるなんて聞いた事が無いんだけど、本当に使い魔にされちゃったの?あなた達」
「残念な事にな。まあ使い魔やる代わりに金は出させるって約束させはさせたんだが」
そのメイドはプッロの答えにひどく驚いた様子を見せた。
「貴族の方にそんな約束をさせたの!?一体どうやって?」
「学院長のジジイが俺たちの国の事をいろいろと知りたいそうでな、俺たちを引き止める為にあっちから言い出してきたんだよ」
「へ~、そうなんだ……」
そしてこの二人を皮切りにメイド達は次から次へとに三人にむけて質問を浴びせ始めた。

彼女たちは中々好奇心が旺盛なようで、ローマや日本がどんな場所か、何をしていたら召喚されたのか、これから一体どうするのか、
元いた場所じゃ何をやっていたか、使い魔にされてしまって文句は無いのか、など様々な事を三人に尋ねた。
もっとも答えたのはプッロと才人だけでウォレヌスは押し黙ったままだったが。

ウォレヌスの態度からプッロもウォレヌスがどんどん不機嫌になっているのに感づいたのだが、才人と同じくメイド達の質問に答える為に何も出来なかった。
この問答は30分以上続き、メイド達はあらかた知りたい事を聞き終えたのか、シエスタのそろそろ止めないと迷惑になると言う言葉もありようやく三人は解放される。
そしてメイド達はそれぞれの洗濯だらいに戻っていった。


「迷惑をかけてすみませんでした。ちょっとうんざりしたでしょう?まったく、みんな次の仕事があるって言うのに……これじゃ絶対に遅れちゃうわ」
シエスタは三人にそう申し訳なさそうに言ったが、プッロは特に気にしていない様子だ。
「いやぁ、別に構わんさ。質問の量にはちょっと驚いたがな」

才人もプッロと同じく彼女たちの質問の多さには驚いていた。少なくとも自分があれだけの質問を聞かれたのは生まれて初めての事だ。もっとも質問をしてきたのが若いメイドさん達だったので不快な気は全くしなかったのだが……
ハルケギニアのようなテレビもパソコンも無い世界では多分噂話は重要な娯楽の一つなのだろう。そして「突如現れた謎の異邦人たち」程格好の噂話は無い事は才人にも容易に解った。
彼女達の口から三人の事が(恐らく誇張されて)学院中に知れ渡るのはすぐの事だろう。

「じゃあ才人さん、洗濯を始めましょう。すみませんけど、もう6時頃ですから急ぎますよ。もうすぐ朝食の用意を手伝わなきゃいけないんです」
シエスタはそう言って洗濯だらいの前にしゃがみ込んだ。
「ああ、解った。よろしく頼むよ」
才人もシエスタにならい、洗濯籠を地面に置いてからシエスタの隣にしゃがんだ。

そして洗濯だらいに服を入れようとしたシエスタにプッロが声をかけた。
「あ~シエスタちゃん、お前さん達が洗濯をしている間井戸を使っていいか?ちょっと顔を洗ってさっぱりしたいんだが……」
「ええ、いいですよ。井戸の使い方は解りますよね?」
「ああ、問題ない。じゃあすぐに戻ってくる。隊長、行きましょう」
プッロはそう言ってウォレヌスの腕を掴み、半ば無理やり彼を引っ張っていった。

井戸から桶をくみ上げたプッロは水を思い切り顔に浴びせ、しずくが彼の顔から滴り落ちた。
そして彼はそのままジャブジャブと顔を洗る。冷たい井戸水のお陰でプッロの頭からは眠気が吹っ飛んだ。

「さ、隊長もどうぞ。スッキリしますよ」
プッロが桶を差し出すと、ウォレヌスは何も言わずに受け取り、プッロと同じように残った水を顔に浴びせて顔を洗った。

実はプッロが井戸に来たのは顔を洗う為だけでない。二人だけなら人目を気にせず話せるだろうと言う魂胆があったからだ。
プッロはウォレヌスがなぜさっきから黙ったままのかを知りたかった。
ウォレヌスは元々無骨で口数も少ない男だったが、洗濯場についてからの彼の無愛想ぶりは彼の基準としても異常だ。
メイド達の質問には全く答えず、表情も石の様なままだった。ウォレヌスと10年の付き合いを持つプッロには彼がかなり不機嫌になっている事が簡単に解る。
このまま放っておいてなにか問題が起きる前に何とかしたほうが良い、とプッロは考えたのだ。

そして彼は深く息を吸い込んでからウォレヌスに話しかけた。
「まったく、どうしたんです?さっきから黙りこくってる上にメデューサに睨まれたみたいに無表情ときている。これじゃ俺まで気が滅入っちまいますよ。いったい何があったんですか?」
ウォレヌスはプッロをじっと見つめていたが、やがて口を開いた。

「……いいかプッロ、前にも言ったがな、奴隷に気軽に接するんじゃない。連中を付け上がらせる事になる。見ろ、現にあの奴隷娘は我々に対しまるで同格かの様に振舞っている」
ウォレヌスはうんざりしたように言い放った。

彼にとって奴隷とはあくまでも自由市民の所有物でしかない。奴隷を必要以上に寛大に扱うのは連中を増長させるだけと言うのがウォレヌスの持論だった。
だから彼は自分たちに対して何の畏怖も見せなかったシエスタが気に入らず、彼女の挨拶を無視した。
そして他のメイド達が何の遠慮も見せずに延々と質問を続けるのを見て彼はますます苛立った、と言うわけだ。


だがプッロは呆れた様な様子で言い返した。
「別にいいでしょう、それ位」
プッロはウォレヌスほど市民と奴隷の違いに拘っているわけではない。無論同格と考えているわけでもないが。

プッロにウォレヌスは血相を変えて言い返そうとした。
「良くは無い!連中を付け上がらせればスパルタクスのように――」
だが彼が発言を終わらせられる前にプッロが割って入った。
「そもそもね、シエスタ達は奴隷じゃないんですよ」

ウォレヌスはプッロの言った事が理解出来ず、顔をしかめた。
「何ぃ?奴隷じゃない、だと?いったいどう言う事だ?あの娘は現にあそこで服を洗っているじゃないか!」
「実際に本人がそう言ってたんですよ。“メイド”とか言う家事やらなんやらをする仕事をやっているそうで、俺たちと同じ平民だと言ってました」

ウォレヌスは心の底から驚いた。自由市民が洗濯を仕事にするなど彼、と言うか普通のローマ人にはとても考えられない事だからだ。
奴隷を買えない貧乏人ならともかく、ある程度裕福な家庭ならば家事や料理は奴隷にやらせるのがローマでは当たり前になっている。
だから自由市民が雑用を仕事にするなどウォレヌスにとっては完全に常識の外だった。
彼がシエスタを奴隷だと思い込んでしまったのも無理は無い。

「……じゃあ何か、ここじゃ自由市民が奴隷のように雑用を仕事にするというのか?まったく……蛮人のやる事は理解できん」
いくら蛮人だとは言えここは色々とおかしすぎる。そう思いながらウォレヌスは呟いた。
「まあ蛮人云々はともかく、ここの連中が相当変わってるってのは間違いなさそうだ。まあ魔法使いがごろごろいる様な場所ですから変わってるのも当然でしょうけどね」

ウォレヌスは頭を抱え、自分達のおかれた状況を呪った。
プッロの言葉で改めて自分たちが全く未知の世界にいる事を実感してしまったのだ。
「クソ……一体何の因果で私達はこんな場所にいるんだ」
「そうですねぇ、ま、おおかたフォルチュナに小便をかけられたんでしょう。神々のやる事は死すべき運命の俺たちには理解出来ませんからね」
プッロは半分おどけた様な口調で言う。

「フォルチュナだと?フォルチュナどころか神々全部に小便をかけられた気分だ!
見ろ!共和国の栄えある第十三軍団の予備役長官及び首位百人隊長であるこの私が、気が付いたら全く見知らぬ異国で小生意気な蛮人の小娘の奴隷にされてるんだぞ!こんな馬鹿げた事があるか、クソったれめ!
大体なんなんだ貴様は?昨日あんなに喚いていた癖にやけにここに馴染んでるのはどう言う事だ?え?」

今日の朝からウォレヌスはプッロの態度が気に入らなかった。あのシエスタと言うメイドとやらともやけに仲良くしていたし、他のメイド達の質問責めにも進んで答えていた。
ウォレヌスにはなぜプッロが昨日あんなに使い魔になる事に抵抗し、荒れておきながら手のひらを返したかのように態度を変えたのかが理解出来ず、またそれが気に入らない。
これでは昨日とは立場が逆ではないか。ハルケギニアの自由市民が奴隷の仕事をすると言う奇怪な風習を目撃したショック、その奇怪な世界に孤立してしまった事への落胆、そしてプッロの半分おどけたような口調への苛立ちのために、ウォレヌスは声を荒げてしまった。

激昂したウォレヌスにプッロは諭す様に話しかけた。この二人、性格は違えど頭に血が上りやすいのは共通している。
だから付き合いの長い彼らは片方が感情を露わにした位で慌てふためく事はない。

「落ち着いて下さいよ。俺だって別にこの状況に納得したわけじゃない。でも少なくともここに長い間いなきゃいけないのはもう決まった事なんです。
ならギャアギャア言ったってどうしようもないんだから、可能な限り楽しまないといけないと考えてるだけです。それにここの連中がろくでなしだけじゃない事も解ったでしょう?シエスタを見なさいよ。」

プッロの言う事はもっともだ、と思いウォレヌスは素直に謝った。
文明人を自負するウォレヌスにとって感情だけで行動するのは恥じるべき事なのだ
「……ああ、確かにお前の言う通りだ。すまんな、改めて私達がどんな状況に置かれているかを考えたらつい荒れてしまったんだ」


プッロは特に気にした様子は見せなかった。
「まあ、次からは気をつけてください。ああ、そうだ。もうここから離れていいですか?顔は洗ったんだからもう用はないでしょ?」
「別に構わんが、どこへいくんだ?」
「どこって、あいつらの所にですよ。こんな所で突っ立ってても退屈なだけでしょう。それに朝飯が何時なのかシエスタに聞きたい。昨日の夜から何も食ってませんからね、腹が減ってるんですよ」
ひもじそうに腹をさすりながらプッロは答えた。

二人が才人達の所に戻った時には洗濯はある程度終わったようだった。
「へ~、結構終わったようじゃないか」
プッロは才人に声をかけた。
「ええ、もう半分くらいはやりました」
「才人さん、洗濯は生まれて初めての割には結構お上手なんですよ。この分なら次からは自分だけでも出来るようになりますよ」
「そ、そうかな?」
才人は照れながら答えたが、内心では腕がとにかく疲れる以外はそれ程難しい事じゃないな、と才人は思った。
実際、才人は自分が思ったよりもずっとうまく洗濯のコツを飲み込んでいた。

「じゃあさっさと終わらせちまおう。次は下着か」
そう言って才人は洗濯籠の中からルイズの絹製のパンツを取り出した。
彼はそれを洗濯だらいの中に入れて洗い始めようとしたのだが、シエスタの声にそれが遮られた。
「あ、才人さん。気をつけて下さい。絹は揉み洗いしちゃ駄目――」

その時、ウォレヌスの叫び声が周りに響いた。
「絹だとぉ!」

突然の声に驚いた才人は思わず尻餅をついてしまった。
「ど、どうしたんですか、一体!?」
ウォレヌスはその問いには答えず、才人に近づくと洗濯の中のルイズの下着をむんずと掴むとそれをじっと見つめた。
大の男が真剣な表情で少女のパンツを見つめているのは才人にはとても不気味に思えたが、彼にそれを口にする勇気は無いのは言うまでも無い。

ウォレヌスだけでなくプッロも絹の下着に異常な反応をしめしていた。
彼はウォレヌスの隣に立つと
「た、隊長。その下着、本当に絹で出来てるんですか?」
と興奮した声で話しかけたのだ。
「ああ、間違いない。なんと豪勢な……」
ウォレヌスは信じられないとでも言わんばかりの様子で答えた。

才人は何故二人がパンツにこんな反応を起こしているのか全く理解できない。
二人揃って少女のパンツに欲情する様な変態には見えないし、そもそも二人はパンツではなくパンツが絹で出来てる事の方に驚いている。

混乱した才人を尻目に、シエスタは恐る恐るプッロ達に話しかけた。
「あの。プッロさん、ウォレヌスさん。絹の下着の何がそんなに凄いんですか……?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。そんな事を言うって事は、絹はここじゃありふれてる物なのか?つまり、ここで作られているのか?」

ウォレヌスは興奮を隠せない様子で、逆にシエスタに問い返す。シエスタが奴隷だと思っていたさっきまでならこんな風に彼女に話しかける事は有り得なかった。
だがウォレヌスは現金な物だがシエスタが奴隷ではないと知って態度を変えたのだ。

「え、ええ。そうですよ。確かに高価ではありますけど……」
「す、凄えな。こりゃ大発見ですよ、隊長!」
「ああ、まさか絹が下着に使える程ありふれているとは……」


この二人がここまで絹に驚愕したのには当然理由がある。
絹は服の素材としてローマの上層階級に非常に人気があるのだが、ローマ人には絹の製法が完全に謎だった。
そのため入手するにはパルティア経由で中国、彼らの言うセリカから輸入するしかなかった。
その値は法外な物で、当然ウォレヌス達のような一般庶民にはとても手が出せない物である事は言うまでも無いし、ローマで最も裕福な金持ちでさえ絹製の下着など持ってはいなかっただろう。
そんな物が無造作に洗濯籠に置いていたのだからの二人がこれだけ仰天したかのも当たり前と言える。

シエスタはもう一度プッロに尋ねた。
「あの、絹ってひょっとしてローマじゃもの凄く高価な物なんですか?」
「高価なんてもんじゃない、同じ量の金と絹は同じ値で取引されてるくらいだ!絹で出来た下着なんて聞いた事もねえよ。あのクラッススでさえ持ってなかった筈だ」

「い、一体なんでそんなにするんですか?」
才人がプッロに聞いた。それまで二人の突然の大声に硬直していた才人だったが、好奇心の方が勝ったようだ。
「誰も作り方を知らないからだ。作る方法が無いから輸入しなきゃいけないんだが、それを持ってるパルティアの商人どもはいつもふざけた値をふっかけてきやがるんだよ。それでも金持ちは買うんだがな」
そこにウォレヌスが割って入った。

「もしかしてシエスタ、君は絹がどうやって作られるのか知ってるのか?知っているのなら教えてくれ。そう言えばサイト君、ニホンは確かセリカの近くにあるんだったな?君も知ってるんじゃないか?」
ウォレヌスは絹の製法について大きく興味を持っている。単なる好奇心と言うだけでなく、製法が解れば場合によっては莫大な利益を上げられるかもしれないからだ。
もしローマ人の商人が絹を直接製造出来ると知れば、その方法に莫大な値をつけるだろう事は想像に難くない。
別に彼は守銭奴と言うわけではないのだが、特に軍を除隊した後に家族を養う為なら金はいくらあっても困らないとは考えている。

「絹なら多分、蚕の繭から取る物だったと思うんですけど……」
「ええ、私も詳しい事は知りませんけどその筈です」
二人とも知ってはいるが大した事は知らない、そんな風に答えた。

「蚕?なんだそれは?」
「虫ですよ。蛾みたいな……」

ウォレヌスは腕を組んでふーむ、と唸った。
(虫……それは考えてなかったな。昔何かの木の葉から作られてると聞いたんだが)
今はこれ以上聞いても意味は無いだろう、とウォレヌスは思った。
二人とも詳しい事は知らなさそうだから、ここで根掘り葉掘り聞いても意味が無いだろう。
そう考えウォレヌスは二人に礼を言った。

「ありがとう。長年の謎が解けてすっきりした。洗濯の邪魔をして申し訳なかった」
ウォレヌスの次にはプッロが謝罪した。
「ああ、俺もだ。いきなり大声を出してすまなかったな、二人とも」
「い、いえ。別になんでもないですよ、こんな事」
「私だって目の前に金と同じ価値の物が転がっていたら同じ様な反応をしたと思います。気にしないで下さい」

そして才人はシエスタに絹類を洗う時の幾つかの注意点を受けながらも洗濯を続ける。
ウォレヌスとプッロは近くに座り、二人が終わるのを待っていた。

「ふ~っ、終わった。ありがとうな、シエスタ」
そう言って才人は硬直した腕を伸ばした。
「どういたしまして、才人さん。これならもう私の助けは要らないんじゃないですか?」
「ああ、これならもう大丈夫だ。本当に助かったよ」
「いえ、困ってる時はお互い様ですから……」


その時、近くから女性の声が聞こえてきた。他のメイド達の一人だ。
「シエスター!時間よー!」
それを聞いたシエスタは立ち上がった。

「あら、もうこんな時間!すみません皆さん。もう次の仕事があるのでもう行かなきゃいけません」
「え?まだシエスタには洗濯物が残ってるんじゃなかった?俺のせいで仕事が終わらせられなかった、なんて事には……」
「心配しないで下さい。仲間達に私の残った分をやってくれる様に頼んでおきましたから。じゃあ皆さん、またお会いしましょう」
そう言ってシエスタは歩き去ろうとしたが、プッロが彼女を呼び止めた。

「おっ、そうだ、シエスタ。行く前に聞いときたかったんだが、朝飯は何時始まるんだ?昨日の夜から何も食ってないから結構腹が減ってるんだよ」
「朝食ですか?私達は早朝に食べるからもう終わらせていますけど、生徒の方たちは七時半からです。お腹が空いてるんでしたら一緒に来ますか?私の次の仕事は朝食のお手伝いなんですよ。朝食の中から何品か抜く位なら料理長も許して貰えると思いますけど……」
「本当か!?いやー、本当に運が良い――」
嬉しそうに返答したプッロだったが、残念ながらそうはいかなかった。
「残念だが断らせてもらおう」

このプッロと言う男、好きな物はと聞かれれば「女と食い物」と答える程に食べるのが好きなのだ。
だから当然と言うべきか、この見知らぬ異国の食べ物には大いに期待していた。
それが一時的にとは言えおあずけになったのだから、彼がこのウォレヌスの言葉にええっ?なんで!と残念そうに声を上げたのは至極当然だろう。

「いいか、今はもう朝の三時間目、才人君の言葉で言えば7時から30分程になった。今から厨房に行って朝食を取るんじゃ間に合わん。時間通りに起さなかったとあの娘がギャアギャア騒ぐのを見たいのか?あと少しの間我慢するんだ」
「……ちぇっ、解りましたよ」
プッロは名残惜しそうに言った。確かにあの娘がキャンキャンと騒ぐのを見るのは鬱陶しいだろう。
それに腹が減ったと言え数々の戦場で経験した飢えに比べれば後数十分我慢する位はなんでもない。
「じゃあまた会おう、シエスタちゃん」

シエスタは別れの言葉を言った後、その場から去った。
「じゃあ今からどうします?」
才人は二人に言った。
「周りをうろつく様な時間は無い。部屋に戻った方がいいだろう。多少早いがもう奴を起こしてもいいかもしれん」
「じゃあそうしましょう。またあのガキの生意気な面を見ると思うと気が滅入りますがね」
プッロはそう言って歩き出し、二人もそれに習った。

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