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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • お前の使い魔-16

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

お前の使い魔-16

最終更新:2008年12月12日 20:33

匿名ユーザー

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「ダネットは……愛していない人に嫁げと言われたら……どうしますか?」

 姫殿下からの問いの意味がわからず、ダネットはしばらくぽかんと口を開けていたが、徐々に理解したのか、急に顔を真っ赤にして騒ぎ出した。

「わわわ私はその、そういう人というかですね? その、あの、えっと」

 この反応からして、ダネットにも気になる相手みたいなのいるんだ。そういえば、ちょっと前にそんな話してたような気がする。

「私とあいつはそういうんじゃなくてですね、愛してるとかじゃなくてですね、でも愛していないという訳じゃなくて、えっと」

 語るに落ちてるわよダネット。よっぽど『あいつ』とやらが好きみたいね。
 ん? なんかムカツク。なんでだ?

「その『あいつ』さん? その方以外ともし今すぐ結婚しなさいと言われたら結婚しますかダネット? ごめんなさい変なことを聞いて。でも聞いておきたいの。」

 姫殿下が、慌てるダネットに静かに語りかける。
 ダネットは顔を真っ赤にしながら、しばらくもごもご言っていたが、考えがまとまったらしく、赤みの残る顔ではっきりと答えた。

「嫌です」

 おお、愛されてるわね『あいつ』 むー……なんか複雑だ。

「……ならばルイズ、あなたならどうですか? 愛していない人に嫁げといわれたらどうしますか?」

 姫殿下の問いに、わたしはしばらく考えた後答えた。

「……結婚すると思います」

 わたしの答えが予想外だったのか、ダネットは驚いた顔でわたしを見る。

「どうしてですかお前? だって好きじゃない奴ですよ? 年中顔に変な仮面をつけた変なおっさんとかでもいいんですか?」

 なによその妙に具体的なおっさんは。

「流石にそんなのと結婚しろとは言われないでしょうけど、万が一にも父様や母様から言われたら……結婚しなくちゃいけないでしょうね」

 わたしの返事が気に入らないのか、ダネットは食い下がる。

「私にはわかりません。アンアンだってそうですよね? 結婚っていうのは好きな相手だからするんですよね?」

 ダネットの問いに、姫殿下は首を縦には振らなかった。



「アンアンもお前も変です! おかしいです! どうして好きじゃない相手と結婚できるんですか? 結婚っていうのは、好きな相手とずっと一緒にいるってことじゃないんですか?」
「あんたの言い分はもっともよダネット。だけどね……」
「わたくしは姫で、ルイズは貴族なのです」

 それでもダネットは納得しない。

「わかりません。わかりたいとも思いません」

 たまにダネットが羨ましく思える。
 わたしも、もし貴族として産まれなかったら、彼女みたいになれたのだろうか。
 だけど、わたしは貴族なんだ。だからわたしはダネットに言わなくちゃいけない。

「じゃあ聞くわダネット。もしあんたが結婚を断れば、あんたの大事な人に迷惑をかけてしまうとしたらどうする? 沢山の人に迷惑をかけてしまうならどうする?」

 ダネットは眉を吊り上げ、わたしに向かって言う。

「どういう意味ですか」
「言ったまんまよ。もしあんたが好き勝手にして、その結果、他の誰かが大変なことになるなら、場合によっては死んでしまうとしたら、あんたはどうするの?」

 ようやく理解できたのか、ダネットは無言でうつむいた。

「国を治める王族である姫殿下、そして平民を治める貴族であるわたし。嫌な言い方かもしれないけれど、ダネットとは立場が違うのよ。」

 こんなこと言いたくはない。でも、こうでも言わなきゃきっとダネットは納得しないだろう。
 ほんと、真っ直ぐというか頑固というか……。

「……じゃあアンアンは、他の誰かの為に結婚するんですか?」

 うつむいたままのダネットの問いに、姫殿下は少し悲しそうな顔をする。

「そんなのって……そんなのってないです! どうしてですか! アンアンが何か悪いことしたんですか!? どうして幸せになっちゃいけないんですか!?」

 まるで自分のことのように怒るダネットを見て、姫殿下は優しく微笑み答える。

「望まない結婚かもしれませんが、わたくしは幸せです。だって、民を、あなたやルイズの幸せを守ることができるんですもの」

 これが決め手になったのか、ダネットはうつむいたまま泣き出した。
 姫殿下は、そんなダネットに近づいてゆっくりと抱きしめ、優しく話しかける。

「今日会ったばかりのわたくしの為に泣いてくれてありがとうダネット。ぶしつけかもしれませんが、あなたのことをお友達と思ってもよろしいですか?」

 ダネットは肩を震わせながら姫殿下を抱きしめ返すと、溜まっていたものを吐き出すように答えた。

「ひっぐ……当然でず! アンアンは私の友達でず! 大事な友達でず!!」

 鼻水まじりの失礼極まりない答えだったが、わたしは止めようとは思わなかった。むしろ羨ましくも思える。

「ありがとうダネット。ほら、泣かないで。わたくしはとても幸せですのよ?」
「うー……ひっぐ……」



 しばらくして、ようやく泣き止んだダネットが離れた後、姫殿下はわたしに教えてくれた。

「わたくしは、ゲルマニアの皇帝に嫁ぎます。」
「ゲルマニアですって!?」

 まさかあんな野蛮な成り上がりの国と……。

「そのゲルなんとかってなんですか?」

 新たな疑問を口にするダネットに、わたしはわかりやすい答えを返す。

「キュルケの産まれたとこよ」
「乳でかの国……乳でかってお姫様だったんですか!?」
「どうしてそうなるのよ」

 少しは見直したかと思ったけど、やっぱりダメットだ。アホの子だ。

「つまり、キュルケは留学生なの。それで、姫殿下はキュルケの生まれ故郷の成り上がり皇帝と結婚するって言ってるの」
「リューガクセー……コーテー……お前は難しいことばっかり言います。もっとわかりやすく言いなさい」

 これ以上、どうやってわかりやすく言えというのだろうか。うーむ……。

「姫殿下は、遠い場所の野蛮な王と結婚するっていうことよ」
「一大事じゃないですか! アンアンが殺されちゃいます!!」
「なんでそうなんのよ!」
「だって野蛮って言ったじゃないですか」

 わたしと姫殿下と顔を向かい合わせ、どう説明したものかと頭をかかえるのであった。

 色々な例えやら何やらを出し、ようやくダネットが納得した頃には、わたしも姫殿下も少しだけ疲労の影が見えた。

「つまり、アンアンは遠い場所の偉い奴と結婚するんですね」

 ダネットの言葉に姫殿下は頷く。
 それを見たダネットは力強く姫殿下の肩に手を置き、とんでもないことを言い出した。

「アンアン!」
「は、はい?」
「何か私に出来ることはありませんか? アンアンが望むなら、その偉い奴の首根っこへし折ってきてやりますし、結婚式の邪魔をしろって言うならしてやります」

 あんた絶対にさっきわたし達が言ったこと忘れてるでしょダネット。
 まさか隣室のキュルケも、自分の国の皇帝を暗殺しようとしてる使い魔がいるなんて思いもしないでしょうね。

「落ち着きなさいダネット。姫殿下がそんなこと望むはずが」
「では……一つだけお願いを」
「ええ!? ちょっと姫殿下! ゲルマニアの皇帝を暗殺なさるおつもりですか!?」
「よく言いましたアンアン! 私がいたら百人力です!! お前、ゲルなんとかへ行く準備をしましょう!」



 待て待て待て待て、どうしてこうなるのよ! 洒落にならないわよ!?
 でも姫殿下の命とあらばやるしかないの!? ということは、わたしとダネットは明日からお尋ね者!? だけど王室からの勅命とあらば許されるんだろうか?

「いえ違います二人とも。わたくしが頼みたいのは別のことです」

 良かった……心底ほっとした……お尋ね物のメイジなんかになったら、家族に顔向けできなくなるとこだった……。

「むー……じゃあ、何を頼みたいんですかアンアン?」

 どうしてちょっと残念そうなのよダネット。

「実は……」

 姫殿下の頼みとは、皇帝の暗殺とまではいかないものの、これまたとんでもないものだった。
 『アルビオンのウェールズ皇太子へ送った手紙の奪還』
 これだけなら別段難しいものではないかもしれないが、問題はアルビオンの現状である。
 アルビオンは現在、反乱により内戦が起こり、戦争真っ只中。しかも、当然手紙が反乱軍に奪われる前に行かなきゃならない。
 更に、姫殿下は現在、自分の周りに信用がおけるものもおらず、わたしとダネットの二人だけで行くしかないときたものだ。
 これを頼んだのがどこぞの馬の骨ならば、鼻で笑って失敗魔法を食らわせるような内容である。
 だが、これは姫殿下の頼みなのだ。他でもない、わたしのおともだちの頼みなのだ。

「……という訳です。非常に勝手な頼みだとは思います。ですので、もし断るというのであれば、わたくしは諦めましょう」

 姫殿下はそう言って、瞳に涙を浮かべた。
 きっと、わたしかダネットが断れば、本当に諦めるのであろう。そんな涙だった。

「ダネット」
「ええ。わかってます」

 わたしはダネットと頷き合い、姫殿下をしっかり見つめながら答えた。

「お任せください姫殿下。その手紙、必ずやこのわたくしめが奪還して見せましょう」
「もし誰かが邪魔をするなら、私たちが首根っこへし折ってやります」
「二人とも……」

 わたし達の決意を聞くと、姫殿下は耐え切れなかったのか涙をこぼし、わたしとダネットに抱きついてきた。
 ダネットはそんな姫殿下を抱きしめた後、ふいに入り口を見て口を開いた。

「そういう訳ですから、そこの三人も協力しなさい」

 はい? 今なんて言ったのダネット?
 わたしと姫殿下は訳がわからず、ダネットが見つめる入り口へと視線を向けると、ゆっくりとドアが開いた。

「驚いた。いつから気付いてたのよダネット」
「恐らくは最初から」
「ぼくの高貴さが扉からにじみ出てしまったようだね。実に罪だ……」



 ぞろぞろと現れたのは、キュルケにタバサと、おまけとして薔薇を咥えたギーシュの三人。
 わたしと姫殿下が口をパクパクさせてダネットを見ると、当のダネットはケロッとした表情でわたし達を見返して言う。

「もしかして気がついてませんでしたか? 気配はうまく消してましたけど、絹ずれの音なんかしてましたよ?」

 化け物かあんたは。

「まさかタバサの言うとおり、最初っからバレてたとは思わなかったわ。隠れてて損しちゃった」
「つつつつぇつぇつぇ」
「どうしたのよルイズ、変な顔して」
「ツェルプストーがなんでいんのよおおっ!?」

 わたしの叫びで我に帰ったのか、姫殿下の顔色が凄い勢いで青くなっていく。
 そりゃあここで話していた内容は、ぶっちゃけとんでもないことのオンパレードだ。
 そんな姫殿下に、キュルケは死神の鎌を振るうような一撃を決める。

「お初にお目にかかりますアンリエッタ姫殿下。私の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。ゲルマニアの貴族であるツェルプストーの者です」

 あ、姫殿下が固まった。

「どうしてアンアンもお前もさっきから変なんですか?」
「どうしてもこうしても無いわよ!! 何でもっと早く言わないのよあんたは!! このバカ! ダメット!!」
「なんで怒られなくちゃいけないんですか! 気付かなかったお前が悪いんじゃないですか!」
「こっそり教えるぐらいしなさいよ! 第一、あんな話をキュルケに聞かせたらマズいってことぐらい察しなさいよ!!」
「なんで乳でかに聞かせたらいけないんですか! 乳でかも友達なんだからいいじゃないですか!!」
「はあ!? ツェルプストーが友達!? 冗談じゃないわ! 敵よ敵!」
「嘘言わないでください! いっつも仲がいいくせに! お前は嘘つきです!!」
「なんですってええええっ!? もう一回言ってみなさいあんた! 吹っ飛ばすわよ!?」
「何回でも言ってやります! やーい嘘つきー! 嘘つきー!」
「むきいいいいっ!!!!」



 こんな感じでわたしとダネットが口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩へとレベルアップさせている間に、キュルケは姫殿下へと近づいていた。
 それに気付いたわたしはダネットを引き剥がし、急いで姫殿下の前へ行き庇う。
 なんせキュルケはゲルマニアの貴族だ。
 キュルケに過剰な愛国心があるようには見えないが、話の中にゲルマニアの皇帝を卑下するような内容もあったのだから油断できない。

「ちょっとツェルプストー! あんた姫殿下に何をする気よ!」
「別に何もしないわよ。あんたも姫殿下も騒ぎすぎなの。ほら、どきなさい」

 キュルケはそう言ってわたしを横へ押しやると、いまだ固まったままの姫殿下の前でかしずいた。

「ゲルマニアの貴族として、そして民として、この度のアンリエッタ姫殿下と我が国の皇帝のご婚約、心よりお祝い申し上げます」

 キュルケの言葉に我に帰ったのか、姫殿下はおずおずと口を開いた。

「あの……先ほどのわたくしの話はどこまで……?」
「先ほどのとおっしゃいますと? ああ、手紙の件でございますわね。私めも奪還の命を授かれればと思います。」

 キュルケの言葉は、暗に『さっきの皇帝を卑下する事は忘れる』と語っていた。
 それに気付いたのか、姫殿下はほっとした顔になると、キュルケの後ろにいたタバサとギーシュへと視線を向ける。
 タバサはゆっくりと、ギーシュは大慌てでかしずき、更にギーシュはまくし立てるかの如く、手紙の奪還の任務を自分も受けたいと言い出す。

「ルイズはいい友人を持っていますね」

 のほほんとした姫殿下の言葉に、わたしは流石に頭を抱えるのだった。

 こうして、上手い具合に付いてくることとなった三人を含め、姫殿下から正式に勅命を受けることとなった。
 わたしは、姫殿下よりウェールズ皇太子宛ての手紙と、『水のルビー』を受け取った。
 事情を説明し、この水のルビーと手紙さえ見せれば、ウェールズ皇太子は手紙を返してくれるようだ。
 姫殿下から授かった手紙の中身が気になりもしたが、そこは邪推しないのが華というものだろう。
 姫殿下がわたしの部屋から帰った後、キュルケ達と明日の段取りを話し合い、この日は解散となった。
 夜も遅くなり、眠気が襲い始めたので、わたしはダネットより先に床に着くことにした。

「じゃあ先に寝るわね」
「はい。おやすみなさい」

 わたしの意識が夢の世界へと旅立つ直前、ダネットが部屋を出てどこかへと行っていたような気もするが、まあ気のせいだろう。



 翌日、学院の前にわたしが行くと、いち早く来ていたギーシュの使い魔であるジャイアントモールのヴェルダンデに襲われそうになった。
 そう「なった」のである。では今現在、どういう状況かというとだ。

「ひいいいいいっ! ヴェルダンデ! ぼくの可愛いヴェルダンデ!!」
「脂が乗ってて実に美味しそうです。キザ男も食料を持ってくるなんて気が利いてますね」
「ダネットー、三枚におろしちゃっていいわよー」
「任せてください!」
「やめてくれええええええっ!!」

 このギーシュの使い魔であるジャイアントモールは、突然出てきたかと思ったら、わたしに襲い掛かってきたのである。
 ギーシュ曰く、わたしが持っている水のルビーが目当てだったらしい。
 全く、姫殿下から授かった水のルビーを奪おうとするなんて、こんな不届きな使い魔は食料にでもなんにでもなればいいのよ。

「えっと、干し肉にするには時間がありませんから、取り合えず血抜きだけでもしましょう」
「君にはこのつぶらな瞳を持つヴェルダンデの可愛さがわからないのかい!? ほら、見てごらんよ! 泣いてるじゃないか!!」
「全くわかりません」
「笑いながら刃物をヴェルダンデに向けないでくれえええっ!!」

 こんな感じでドタバタ騒ぎをしていると、突然後ろから声を掛けられた。

「元気なのはいいことだが、一応、お忍びの任務なのだから静かにしないといけないんじゃないかな君たち?」

 この声は……。

「ワルドさま!?」

 振り向くと、昨日、式典で見たわたしの婚約者であるワルドさまが、朝もやの中から現れた。
 一でわたしの顔に血が集まり、かっと熱くなって顔色が赤くなるのがわかる。
 それと同時に……またあの黒い何かがどろりと心の中に流れ込む。
 危険だ。離れろ。今すぐに離れろ。離れることが出来ないというなら今すぐに殺

「どうした娘っ子、顔色が悪いぜ?」

 持っていたデルフの声に、はっと我に帰る。

「な、なんでもないわ」
「ほう、インテリジェンスソードとは珍しい。しかし、なぜ可愛い僕のルイズがそんな物騒な物を持っているんだい?」

 いつの間にかわたしに近づいていたワルドさまは、そう言ってわたしからデルフを取り上げて横に置き、わたしをひょいと抱きかかえた。

「お、お久しぶりでございます」
「相変わらず軽いな君は! まるで羽のがっ!?」

 わたしを抱きかかえ、笑顔だったワルドさまの顔が一瞬歪む。
 緩んだワルドさまの手から降りたわたしが、慌ててワルドさまの後ろを見ると、ダネットが怒りの表情でジャイアントモールを手に仁王立ちしていた。



「いきなり現れて何ですかこのエロヒゲは」
「ぼくのヴェルダンデを振り回すなあああっ!!」

 取り合えず無言でダネットをどつく。

「助けてやったのに何をするんですか!」
「ワルドさまになんて事すんのよあんた!」
「そんな奴知りません!」
「あんたがそのジャイアントモールで殴った人よ!」
「こんな奴、エロヒゲで充分です!!」

 こんな感じで、わたしとダネットが早朝から元気に取っ組み合いを始めていると、後ろから呆れたような声が聞こえた。

「あんた達、こんな時まで喧嘩?」
「いつもの光景」

 声のした方を見ると、支度を済ませたキュルケとタバサが歩いてきた。
 キュルケはざっと周りを見渡すと、一点で視線が止まる。

「あら、昨日式典にいらしていた方じゃないですか」

 む、何か嫌な予感。

「ちょっとキュルケ、ワルドさまに変なちょっかい出さないでよね」
「別にいいじゃない。あんたのじゃないんだし」

 むむむ、この色情狂、まさかワルドさまに手を出すつもりか。
 そんな事を考えていると、殴られたショックから立ち直ったワルドさまがわたしの横に来て、キュルケに話しかけた。

「僕はルイズのものだよレディ」
「あ、ワルドさま! お怪我はありませんか?」

 わたしはほっとしてワルドさまを見つめる。
 というか、ワルドさまって今、自分はわたしのものだって言ったわよね? ということは、あの婚約のことを覚えてくれているのかしら。
 正直、嬉しい。うー、顔が赤くなる。

「ルイズのものってどういうことかしら?」
「言った通りのままだよ。僕はルイズの婚約者なのさ。ああ、紹介が遅れたね。僕は、女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」

 やっぱり覚えててくれたんだワルドさま……。
 キュルケが大口を開けてわたしを見てる。ふふ、羨ましいか。

「そ、そういうことよ。わかったら変なちょっかい出さないことねツェルプストー」

 言った後、わたしはふんと髪を掻き揚げる。
 おお、なんか優越感。



「よくわかりませんが、このエロヒゲは敵じゃないんですか?」

 まだ警戒心を全開で出しているダネットがワルドさまを指差して言う。

「失礼よダネット! この方はその……わたしの……えっと」
「お父さんですか?」
「違うわよ!」

 ダネットにワルドさまを紹介すると、以外にもダネットは素直に頭を下げた。

「すいません。勘違いしちゃいました」
「いや、構わないよ。先に自己紹介をしなかった僕も悪いからね」

 そう言って、ワルドさまはさっきのダネットの無礼を笑い飛ばした。
 ん? 何となく目が笑っていないような……気のせいかしら?

「しかし、姫殿下には聞いていたが、結構な大所帯だね」
「え、ええ。色々ありまして。そういえば、ワルドさまはどうしてここに?」
「僕も姫殿下に頼まれたのさ。同行させてもらうよルイズ」

 なんとワルドさまを助っ人に寄こすなんて、姫殿下って意外と抜け目がないわね。

 各々の自己紹介も終わり、さて行こうかとなった時、面々をぐるりと見渡した後、ワルドさまは不安げな表情で言った。

「この人数だと、馬で移動するのは大変じゃないのかい? 僕のグリフォンで移動するにしても、あれは二人乗りだからルイズしか乗せれない。やはり、少人数でいくのがいいと思うんだが」
「えっとですね、それに関しては」
「問題ない」

 タバサが短く答え、上を見上げると、上空からタバサの使い魔である風竜が降りてきた。
 ワルドさまは驚いた様子で、タバサに語りかけた。

「これは驚いた……君の使い魔かい?」
「そう」

 ワルドさまは「ふむ」と短く口にし、手を口に当てて何か考え込んだ後、頷く。

「これならば全員で空路を行くことができそうだね」

 笑いながらそう言ったワルドさまを見て、わたしの背中にぞくりと悪寒が走った。
 ワルドさまは笑顔だ。いつもと全く変わらない。だけど、だけど……今確かに、表情の裏の舌打ちが聞こえた。
 変だわたし。昨日、ワルドさまを見てからどうもおかしい。

「そ、そうですね。では行きましょう」

 わたしは不安を振り払い、みんなに声を掛けた。
 すると、ワルドさまがわたしの肩を抱いて口笛を吹き、降りてきた自分のグリフォンへと連れて行こうとする。



「あ、あの、ワルドさま?」
「ん? どうしたんだいルイズ?」
「えっと、わたしはその」
「恥ずかしがっているのかい?」
「いえ、そうじゃなくて」

 ワルドさまと一緒にグリフォンに乗る。
 嬉しい。嬉しいのだが、わたしの中の何かが拒絶している。
 一緒にいたいと思う反面、突き飛ばしてでも離れたいという感覚。
 なんで? どうして?

「お前はあっちです」

 わたしの手がぐいっと引かれる。
 見てみると、デルフを手にしたダネットが、開いてる方の手でわたしの手を掴んで引っ張っていた。

「使い魔君、申し訳ないんだが、ルイズは僕と」
「エロヒゲって呼び続けますよ?」
「……行きたまえ」
「はい。代わりにこれをお願いします」
「ぼくはこれ扱い!? というかヴェルダンデも連れていきたいのだけれど……」
「じゃあ血抜きしますね」
「諦めます……」

 笑顔でワルドさまに傷心のギーシュを押しやり、タバサとキュルケが乗る風竜へとわたしを連れて行くダネット。

「あんた急にどうして?」
「何となく嫌そうだったからです」

 驚いてダネットを見ると、相変わらずの笑顔でわたしを見ていた。
 わたしにもよくわからなかった何かを見抜いたとでも言うのだろうか。
 いや、実際に見抜いたんだろうな。そんな気がする。

「……ありがと」
「んっしょ、んっしょ。え? 何ですか?」

 わたしの呟きは、一生懸命風竜に乗ろうとするダネットには聞こえなかったようだ。

「何でもないわよ。それより、手を貸しなさいよ」
「仕方ありませんね。ほら、掴まりなさい」
「あ、あんたは忠誠心ってもんが足りないわよ!」
「それ何ですか? 美味しいんですか?」
「食べ物じゃないわよ!」

 そんなこんなで騒ぎつつ、わたし達一行は、アルビオンへの船が出る、港町ラ・ロシェールへと向かうのだった。

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