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  • 虚無と最後の希望 Level13

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無と最後の希望 Level13

最終更新:2010年08月16日 15:21

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level-13「襲撃」


「ルイズ、誰が来ても部屋の中に入れるな」

 そう言ってチーフはキングサイズはあるベッドを簡単に抱え上げ、ドアに立てかけた。
 大の男が数人がかりで動かす物を、まるで小さな空き箱を持ち上げるかのように動かした。
 もとより身体を強化されているチーフ、小口径の弾丸一発や二発で貫けないエリートのエネルギーシールドやブルートのアーマーさえ一撃で殴り打ち破るだけのパワーがある。
 スーツのパワーアシストをも利用すれば、数十トンもの戦車さえもひっくり返す事が出来る。
 そんな法外な膂力を持つチーフに掛かれば高だか木製のベッド、キングサイズであろうと簡単に持ち上げられる。

「え? どうして?」

 そんなチーフの突然な行動に戸惑うルイズ。
 部屋に入ってくるなり、ベッドから降りる事を要求。
 従って降りれば今の行動、訳が分からない。

「敵が来た」

 ただ一言、そう言ってドアの前に物を積み上げていく。
 室内の大きいと言える物をあらかた積み終え、窓の正面に立たないよう歩み寄ってほんの一瞬顔を出して覗いた。
 敵と言うフレーズを捉え、内心戦々恐々とするルイズだったが。
 それを見抜いたのか、チーフは簡潔に声を掛けた。

「片付けてくる」

 平坦だが力強く、安心感を生み出す声。
 何か言わなくちゃと、口を開くが。

「そ……その、き、きき気を……」
「……ああ」

 喉で止まる言葉、だけど言いたい事が分かったのかチーフは頷く。
 振り向き窓を開け、窓枠に足を掛けて体を乗り出した。






 宿の外に降り立つと同時に速攻、腰に掛けてあるデルフリンガーを掴んで駆け出す。
 ガンダールヴによって強化された身体機能、その速度は優に人の限界を超える。
 チーフの着地、その音が聞こえた方へ視線を向けた時には、4人の傭兵たちに緑色の鎧が襲い掛かっていた。

「ブッ!」

 デルフリンガーの峰、一回転させながら一人の傭兵の胴に打ち込む、まるで車に撥ねられた様に飛んでいった。
 その傭兵が地面に落ちる前にそのままの勢いで体を回転、踏み込みバットを振る様に3人の傭兵を巻き込み打ち飛ばした。
 鎧を着込んだ3人の男達の悲鳴が上がり、合計400リーブル以上、200キログラムは超える傭兵達が5メイル以上空を飛んで地面に転る。
 発見しても成す術無く、接近、戦闘、終了まで5秒も掛かっていない。

「ヒュー、流石は相棒だ」

 デルフリンガーが茶化すが、それに答えず。

「………」

 チーフは飛来した矢を左手で掴み止めた。

「ヒッ!」

 矢を撃った男、矢を圧し折りながらチーフが視線を向ければ悲鳴を上げた。
 この距離、約30メイルの距離で当てれると確信を持ったのだろう、弓を引き絞り、矢を放った。
 だがチーフはいとも簡単に掴み止めた、時速200キロメートル近いスピードで飛来する矢をだ。
 どのような絶技か、人間ならば止められずに体に当たっていただろう。

 チーフに見据えられた傭兵、慌てて第二射を放とうと矢柄に手を伸ばし。
 弓に矢を掛け、敵を確認した時には目前の振り上げられた長剣。
 双月が照らすその緑色の、人の形をしたそれの顔面に映る、怯えた自分の顔が見えた。

 この男は後日後悔した、あんな美味い話に乗るべきではなかったと。
 怪しむべきだったと、怪我に涙を飲みながら後悔した。
 だがこの男だけではない、この宿襲撃に参加した者の殆どが後悔する事となる。






「何だ?」

 これから貴族様が泊まる宿を包囲しようって所に、端から一際煩い怒声が上がっていた。
 視線をやると、……なんだありゃ?
 人が空を飛んでいる、浮き上がるフライじゃなくて上がって落ちる、放物線に吹っ飛ばされる人間。
 次第に近付いてくる喧騒が頂点を迎えた所に、原因となった存在が視界に入った。

「ありゃあ……、ゴーレムか?」

 全身緑色の、顔の部分に金ぴかの何かを張り付けた、人の形をしたモノ。
 2メイルを超えそうなほどデカいそれが、包囲網の一角、雇われた傭兵達をなぎ払っていた。
 人の頭を丸々掴んで持ち上げられそうな右手に錆びた長剣を持ち。
 そのぶっとい足で人間では出し得ない速度で駆け。
 他の奴らを殴り、蹴り、投げ、鈍器と化した長剣で一撃の下に叩きのめしていた。

「おいおい、えらい強いゴーレムだな」

 やられた数は既に20人を超えていた、現れた方向には窓から逃げないよう20人ばかし居た筈。
 つーと、窓から出てきた? 置いてた奴らは逃げたかやられたか、どっちにしろ戻ってはこないだろうな。
 てかあの旦那、あんな強いゴーレム出せるメイジがいるなんで聞いてねーぞ。
 スクウェアメイジでも居たのか? あんだけのゴーレムは早々お眼にかかれねぇ。
 精巧に出来た操作型のゴーレムか、機械的、効率的に倒し続けるそれは同じメイジとして感嘆を覚えた。
 しかしだ、前金も貰ってるし、ここで見逃したり、逃げるわけにもいかねぇ。

「このままじゃあやべぇーな、おい、あのゴーレムぶっ潰すぞ」

 杖を取り出す、周りに居た奴らも頷き杖を取り出す。
 言っちゃあ何だが、俺を含め周りに居る奴は元貴族。
 ラインとトライアングルで構成される実戦派メイジ集団、戦闘経験もたっぷりで殺したメイジは100人を超えている。
 スクウェアメイジも殺った事もある、ちょっとは名の知れた傭兵団。
 その傭兵団の頭として激と命令を飛ばす。

「目標、敵ゴーレム!」

 軍隊方式に則って行動し、整列、杖を構えて集中。
 声を張り上げ、各々が得意な魔法を練り上げる。
 傭兵の群から頭一つ分ほど飛び抜けていたゴーレムの頭が此方を向いた。
 気が付いた所でもう遅い、既に魔法発動の分の精神力は溜まっている。

「構えーッ!」

 一際大きな声をあげ、魔法を撃ち放つと宣言する。
 それに気が付いた他の傭兵どもは、巻き込まれまいと挙って逃げ出し始めたために群集が一気に開け、傭兵団とゴーレムの間に障害物はなくなった。

「チッ」

 だが魔法を放つ号令を出す前に、緑色のゴーレムは魔法から逃れようと走る奴らを壁にして逃れる。

「邪魔だァ!! さっさとどかねぇとブッ殺すぞ!!」

 その怒号で更に傭兵どもが慌てふためき逃げ回る。
 一向に緑色のゴーレムの全身が見えない、人の壁によって守られた存在。
 そのくせ、ゴーレムが駆ければ人が跳ね飛ばされる。

 ただの傍観者であれば、面白い光景ではあったが。
 自分たちも鎮圧対象だからいただけない。

「クソが! 1番2番3番、発射用意ッ!」

 もう他の奴らなんて知るか、無理やりにでも障害物を退ける。

「──放てッ!」

 3本の杖から放たれる魔法、火球、風刃、氷矢、各々が得意とする攻撃魔法。
 3メイルの火の玉が地面を削りながら飛び、不可視の鋭利な風の刃が走り、歪な氷の矢が数十本と駆ける。
 目標はゴーレム、だがこれは障害物を退ける為の物、ゴーレムに当たらなくても良い。
 火球で燃え上がり、風刃で両断され、氷矢で串刺しに。
 阿鼻叫喚、俺ら以外の人間が幾ら死のうと関係ない、俺たちはあのゴーレムを排除して宿の中に居る奴らを殺すだけだ。

「開いた、4番5番6番!」

 大勢の傭兵が死に、道が開ける。
 それが失態、障害物が無い。
 その状態がどれ程危険だったのかはこの時気が付かなかった、そして気が付いた時にはもう遅い。
 炸裂音、何かが弾けた様な音が一帯に響く。

「ギッ」

 杖を構えていた仲間の一人が、声を上げて蹲った。

「あ?」

 座り込んだ仲間を見れば、杖を持っていた右腕があらぬ方向へ圧し折れていた。
 血が噴出し、人の芯と言える骨が飛び出ていた。

「おいおい、何が……」

 何が起こったのか、疑問はすぐ晴れた。
 緑色のゴーレムを見てやれば、俺たちに何かを向けていた。
 月光で白銀に輝く、無骨なデザインのそれ。
 向けられた穴、微かに見えるそれから上る白い煙。

「まさか……」

 あれと似たものを何度か目の当たりにした事がある。
 火の秘薬を使って、鉛を撃ち出す銃。
 近づかないと当たらない上、そこまで威力が無い武器。
 なのに、あのゴーレムが使ったのは短銃身の銃で、この距離で当ててきた。
 撃たれた奴を見た事がある、2サントも無い穴が開く程度だった。
 だがこれは何だ? どうして仲間の腕が圧し折れ、骨が飛び出ている?

 あれは銃なのか? こんな馬鹿げた──。

 ゴーレムが構えるそれは本当に短銃なのか、思考を巡らせていれば再度破裂音。
 無事だった仲間が、押し飛ばされたように倒れる。

「冗談じゃねぇ、逃げるぞッ!」

 すぐさま詠唱を破棄、かがんで蹲る仲間を無理やり引っ張り、四の五の言わずに逃げ始める。
 こんな奴が居るとは聞いてない、こんな奴を相手取るならあれだけの前金では到底足りない。
 腕を圧し折り、骨を飛び出させる銃を持つ奴なんぞと戦えるか!

「ギャア!」

 さらに破裂音が聞こえれば、横に回転しながら飛んで転がった全身鎧の傭兵。
 弾が当たった部分、右肩の金属が大きく拉げ、赤い花が咲いていた。

「連続発射とかふざけんな!」

 悪態をつきながら逃げる。
 あの距離で金属の鎧を貫通する威力だと?
 おまけに連続で撃てるなどと、常軌を逸した銃。
 それを自分に向けられる恐怖、それが銃に対してのトラウマを植えつける。

「ほら! 逃げろ逃げろ逃げろ!」

 撃たれた仲間を抱え、無事な仲間と走って逃げる。
 フライで逃げれば、目を付けられるかもしれない。
 他の奴らを盾にして走った方が撃たれ難い。
 必死扱いて逃げる、他の奴らとは反対方向。
 何人もの傭兵達とすれ違う。

 無謀にも切りかかる他の傭兵ども、さっさと逃げれば良いのにと思いながら走る。
 横目でその光景を覗けば、剣を振り上げ襲い掛かる奴の手を簡単に掴んで投げ飛ばし。
 軽装の鎧の奴が槍を突き出せば、その穂先が体に触れる前に柄を掴み、引っ張り奪い取る。
 矢が飛んでくれば簡単に叩き落し、奪い取った槍を振り回す。

 左手に持つ長剣をまるで小枝を振り回すように振るい、悉く叩きのめし。
 右手の奪い取った槍で近づかれる前に薙ぎ払う。

「化けもんじゃねぇか……」

 秒単位で地に伏せる者が増える。
 長剣と奪い取った槍、その2本が猛威を振るう。
 暴風と言っても良い、駆けながら攻撃を繰り出し、あのゴーレムが通った後は倒れ伏す傭兵たちだけ。
 他の奴らを相手にしている今なら……、と考えて頭を振る。
 また撃たれたら堪ったもんじゃねぇ。
 やはり逃げて正解だった、あんなの幾ら金を積まれても絶対に戦わないと決心した。





 最優先排除目標、メイジの一団の撤退を確認。
 残る目的、宿周囲の敵を掃討。

「一番厄介なメイジが居なくなった、後は簡単だねぇ」

 周囲の敵を見据える。
 確認できるだけでも100人ほど。
 誰もが剣や槍、弓など原始的な武器を持つ。

「簡単だ」

 デルフリンガーを回す。
 そして一歩、高く跳躍した。
 人を優に超える高さまで飛び上がり、数人の頭上を通り過ぎる。
 着地地点、重量が400キログラム以上有るマスターチーフが傭兵の一団へ突っ込んだ。
 空中で足蹴、蹴られた傭兵は大きく仰け反り転倒。

「このッ!」

 着地と同時に前方から剣を振り上げ、斬りかかろうとする男の左脇腹へ右手の槍で払い打つ。
 殴り飛ばされ、他の傭兵にぶつかり転がる。
 その場で横に回転、槍で大きくなぎ払い、当たった傭兵達が吹っ飛ばされる。
 その反動、大きく撓っていた槍が圧し折れ飛んでいく。
 手元に残るのは折れて短くなった槍、見てからそれを投げ捨てる。

「調子乗ってんじゃねぇぞ!」

 そう息巻きながらも、チーフに打って向かう者は居らず周囲を囲むだけであった。
 怯えるのも無理は無い、今の行動だけで10人以上が戦闘不能に陥った。
 攻撃すれば自分達も同じようになるかもしれない、と考えたからだ。

「………」

 右、傭兵の壁。
 左、傭兵の壁。
 正面、傭兵の壁。
 後方、傭兵の壁。
 周囲を完全に囲まれている。

「で、どうすんだ相棒」
「決まっている」

 道が無いなら。

「ぶち抜いて作る」

 デルフリンガーを一回転。
 5メイルの距離を一歩で埋め、デルフリンガーを振るう。
 傭兵たちが構えていた槍を叩き折り、勢い付けたまま肩から体当たり。
 そのまま腕を振るえば4人ほど重なって払い飛ばされる。
 飛んだ4人が他の傭兵にぶつかり、10人以上が転倒して怪我を負う。

「くそッ! 何なんだこいつは!?」

 たった一つの存在に蹂躙される100人以上の傭兵達。
 その光景を見て誰かが苦辛を吐いた。

 異常とも思える光景は、当の本人、マスターチーフにとって当然でなければいけない光景。
 『彼』、スパルタンは人より速く、より強く、より強靭に。
 より強力な者として作り上げられた超兵士。
 ならば、策を用要らないただの人間が勝てる訳も無い。

 ……いや、『負けてはならない』。
 勝たねば、勝ってしまわねばならない存在である。
 それが彼らが生まれた理由、人類に勝利を齎す存在として作り上げられたのだ。

「ば、化け物が!」

 人類をはるかに上回る存在を打倒する為に彼は生きる。
 より凶悪で、より醜悪で、より強大な存在も明らかになっている時。
 生きて元の世界に戻り、最終兵器の破壊と寄生虫どもの殲滅。
 これらを成し遂げるための、足がかりとなるべき存在である。

 故に負けない。
 折れぬ心、諦めぬ精神、如何なる苦境でも突破し、這い上がる。
 今この場、今まで体験してきた数多の苦難、その時の状況と比べてたらはるかに温い。

「終わりにしよう」

 囲まれた中、落ち着きの有る声。
 それを聞いた周囲の傭兵たちは、この存在がゴーレムではないことを理解する。
 たった一人の人間に、魔法を使わない奴にここまでやられたのか、と。
 チーフに対して向けるべきではない、自業自得でありながら理不尽な怒りに燃える。

「こぉろせぇ!!」

 誰かが声を張り上げて言った。
 途端に襲い掛かり始める無数の傭兵達。

「手加減する必要はなくなったな、相棒」

 最初から正当防衛、殺しに掛かってくる者たちへの止むを得ない武力行使。
 害意を持って襲ってくる者たちへの相応の対応、それは程度により、最悪の場合殺害さえも許可されている。
 多数によって少数を襲う、そして先の『殺せ』と言う言葉。
 この状況はマスターチーフが他の人間を殺害する事も良しとされる状況。

「殺しても意味が無い事も確かだ」

 だが、それでも殺す事を良しとしない。
 戦意の喪失を狙う事はあっても、命の喪失を狙う事はない。
 彼が殺すのは人類に敵対するもの、預言者達が率いるコヴナントや寄生虫と、それに取り付かれた者達だけだ。
 故に、彼は殺さない。
 詰まらない理想と言われるだろう、だが彼にはその理想を実現するだけの力がある。

「143……、136……、131……、119……、103……、100人切ったぜ相棒」

 纏めてなぎ倒され、見る間に数を減らしてゆく傭兵たち。
 その状況を見ていきり立つ者、冷静になる者、傭兵たちはその二つに分かれた。
 雄たけびを上げて突っ込み、容易くなぎ倒され気絶する者。
 我に返り、その異常に恐れをなして逃げ出す者。
 どちらが正解か、考えなくても分かってるだろう。





 元よりこの存在と敵対、向き合うべきではなかったと。










「……外、静かになってきたわね」

 キュルケは盾にしたテーブルに寄りかかり、外の音に耳を澄ます。
 飛び出そうとしたタバサを押し留めた頃から大きくなった喧騒。
 消耗戦に持ち込もうとしていただろう襲撃者、不本意ながらそれに付き合うしか出来なかった自分たちだったが。
 争っているような声がどんどん小さくなる事に疑問を持ち始めていた。

「ダーリンかしら……?」
「かもしれないね、彼なら一人で蹴散らしそうだし……」

 ギーシュが相槌を打つ、ギーシュの言う通り本当にやりかねない。

「彼が外に? まさか……」

 そう言った子爵が宿入り口を一瞬だけ見遣る。

「玄関の傭兵達も外に出たようだ」
「あら? 私達嘗められてる?」

 メイジである私達を抑えず、外に居るらしいダーリンを優先する?
 ある意味正解かもしれないわね、メイジを圧倒する魔法を使えない軍人がそんじょそこらの傭兵に負ける訳が無い。
 外の奴らは魔法が使えないなら数で圧倒する位しか無さそうね。

「彼が囮になってくれている今がチャンスだな」
「……チャンス?」
「ああ、僕達は出来るだけ早く任務を達成しなければいけない。 なら今最も優先される事は『先に進む事』だ」
「ダーリンを置いて行くって事?」
「ああ、今ならすんなりと奴らの包囲網から抜けられるだろう」

 そう言って身を低くしたまま階段へ走り出す子爵。
 恐らくルイズの部屋に向かってるんだろう。

「……どうする? 子爵の言う事は一理有るわ」
「子爵の言う事は分かるが、彼を置いて逃げるなんて貴族の風上にも置けないんじゃあないか?」
「ダーリンに貴族や平民なんて関係無さそうだけどね」
「……誰かが残らねばならない」

 異国の軍人であるチーフ、ある程度地図で確認はしていたものの。
 やはり知らない土地では道に迷ったりするかもしれない。
 だから、少なくともチーフより土地勘がある私達の誰かが残らねばならない。

「誰が残るの? 私でもギーシュでもタバサでも、モンモランシーはどうでも良いわね」
「ちょっと! そんな言い方無いんじゃないの!?」
「貴女は怪我した時の治療要員、どっちにしろ危ない方に残る必要があるわねぇ」

 つまり、一番強いスクウェアメイジである子爵とはお別れになる。
 そう言ってやれば、何かを喉に詰まらせたように唸るモンモランシー。

「なら僕はモンモランシーと共に居るよ、僕はモンモランシーの騎士だからね!」

 そんな格好付けの言葉に感動するモンモランシー。

「はいはい。 で、誰が残る? 希望する人は優先するわよ?」
「……私は彼女に付いて行く」
「彼女……、ルイズの事?」

 頷くタバサ。
 ついて行くのはダーリンの主だからかしら。
 それに、チーフが外にいるならば、もう私達の出番は無いかもしれない。

「子爵が彼を置いて進むなら、私は彼女と一緒に居る」
「……そうね、ならタバサがルイズと子爵に付いて行って」

 流石に子爵とタバサに守られるなら、いかにゼロのルイズでも無事で居られでしょうね。

「ちょ、ちょっと待って!」

 と、階段の上から聞こえるルイズの声。

「置いて行くってどういう事!?」
「そのままの意味だよ、彼が囮になってくれている今がチャンスなんだ」
「そんな……、囮になるなんて一言も言ってなかったわ!」
「君の事を心配させないようにしたんだ、彼の気持ちを汲み取ってやってくれ」

 そんな問答、子爵がルイズの手を取ったまま降りてくる。

「君達はどうする? 僕達と共に行くか、ここで傭兵どもを迎え撃つか」
「タバサはお二人に付いて行きますわ、私とギーシュとモンモランシーは残って彼を待とうかと」
「……分かった、さあ行こうルイズ」
「本当に置いていかなくちゃいけないの!?」
「ああ、外にはかなりの数の傭兵どもが居る。 今ここで抜け出さなければ危うくなるんだ」
「で、でも」
「分かってくれ、この任務は非常に大事な事なんだ。 それは君にだって分かっているだろう?」
「………」

 ワルドの剣幕に押され、押し黙るルイズ。
 黙ったが、まだ何か言いたそうな雰囲気。
 あまり時間が無いのに、こんな問答をしている暇なんて無いでしょうに。

「ルイズ、さっさと行きなさい。 子爵の言う通り大事な任務なんでしょ? ダーリンなら囮どころか全滅させるわ、心配するだけ無駄よ」
「……そうね、でもチーフは私の使い魔なの。 置いては行けないわ!」
「もう、こんな事言い合ってる場合じゃないの! すぐに追いつくからさっさと行きなさい!!」

 怒声、余りの愚図り様が癪に障る。

「……タバサ、お願いね」

 すぐにルイズから視線を外し、隣のタバサを見てお願いする。
 それに頷き、立ち上がるタバサ。

「さぁルイズ、行こう」

 私に怒鳴られ、半ば放心状態のルイズを引っ張っていく子爵。
 その後ろにタバサが付いて歩いていき、カウンター横の裏口へと進んでいった。

「……さて、主役はこの舞台から退場してもらったわ。 これからどうしましょうか」
「どうするって言ったって、あの使い魔が無事だなんて本気で思ってるわけ?」
「思ってるわよ? だってトライアングルのタバサに勝ったのよ、そんな人がそこら辺の傭兵に負けるわけ無いじゃないの」
「それは本当なのかい!?」

 ギーシュが仰々しく驚く、その隣でモンモランシーも眼を丸くしている。

「本当よ、その場に居たもの。 ……この目で見なかったら貴方達と同じように信じてなかったでしょうね」
「嘘……じゃ無さそうね」
「こんな時に嘘なんて付かないわよ、不謹慎すぎるでしょ」

 これが嘘で、チーフが既に倒されていたら次は自分達の番になる。
 実際はそんなこと無いだろうと、チーフの実力を知るキュルケは露にも思っていなかった。

「それにしても、もう殆ど聞こえなくなってきたわね」

 散漫に聞こえてくる音。
 10分前にはうるさいぐらいの喧騒だったのに。

「とりあえず、外を確認してみましょ」

 そう言って盾にしたテーブルから頭を出して、宿内を見渡す。
 宿内に敵は誰一人居ない、テーブルの陰から飛び出して壁沿いに進む。
 ゆっくりと進み、窓から外を覗こうとすれば……。

「ヒィ!?」

 いきなり窓から飛び込んできた傭兵、それを見てギーシュが悲鳴を上げた。

「……気絶してるわよ、ダーリンに殴り飛ばされたのかしら」

 白目を剥いて、倒れ伏す傭兵。
 その鎧の胸の部分、拳の形に凹んでいた。
 無謀にも切りかかったらしい、そして殴り飛ばされた。
 そんな馬鹿な傭兵から視線を外し、窓の外を見る。

「……あらー」
「ど、どうしたのかね?」
「見れば分かるわよ」

 そう言って譲る。
 ギーシュが身を乗り出し、窓の外を覗く。

「……これはまた、凄いな……」
「何が凄いのよ」
「チーフが殆ど倒しちゃってるよ」

 窓の外、数十の倒れ伏す傭兵。
 その中に立つのはたった一つの影。

「やっぱり、頼もしい存在よねぇ」

 頭を抑えられ、身動きを取れなかった私達と比べ。
 単身で敵に襲い掛かり、物の見事に傭兵たちを叩きのめした。

「メイジでさえも出来ない事を、こうも平然とされちゃあねぇ」
「同感だね」

 魔法が使えない人間は、魔法を使える人間より弱いと言う固定概念が崩れ去った瞬間。
 やっぱりとんでもない人間だと思い直す。
 窓から顔を覗かせ、周囲を確認。
 居るのはチーフと、遠くの方に走り逃げ去っている奴らだけ。

「ダーリーン!」

 その声を聞いてこちらに顔を向けてくる。
 それから左右を確認、宿入り口まで歩いてきた。

「大方は片付けた」
「そりゃあ、これだけ倒せば敵も逃げるわよねぇ」

 100に届きそうな、もしかしたら100人を超えているかもしれない。

「怪我は」
「だーれも、ダーリンのお蔭で皆無事よ」
「そうか」

 それを聞いてから、宿の中に入るチーフ。

「あ、ダーリン。 ルイズたちは先に行っちゃったわよ」

 動きが止まり、振り向くチーフ。
 バイザーにキュルケの顔が映りこんだ。

「何処へ」
「目指すはアルビオン、と言う事はフネに乗るしかないの」
「……桟橋は何処にある」
「今から追いかけるの? 多分もう出発してるかもしれないわ」
「まだ追いつけるかもしれない」

 落ち着いた声、やっぱりルイズを近くで守りたいらしい。

「向こうよ、行きましょう」

 私が指差した方向、その先には巨大な樹が有った。





 4人は駆ける、正確に言えばチーフのみ走り、それに付いて行くためにフライで飛ぶ3人。
 剣を握ったチーフの走る速度は人の全速の倍近い、フライでも使わなければ到底追いつけない。
 そんなスピードで駆ける4人、巨大な樹で出来ている桟橋が見えて、空を見上げる。
 遠く、月光に照らされ空に浮かぶフネ。
 どんどんと小さくなっていく。

「どうやらあれの様ね」

 見る間に小さくなって行く。
 かなりの速度が出ているようだ。
 それを見ながら走り、桟橋に到着。

「他のフネは」
「聞いてくるわ、少し待ってて」

 キュルケがそのまま飛びながら桟橋の奥へと進んでいく。
 その間に、飛んでいるフネは見えなくなった。
 それから数分、キュルケが戻ってくる。

「駄目だったわ、あのフネが一番風石を積んでるらしいの。 他のフネじゃアルビオンまで持たないらしいわ」

 それを聞いて、視線を戻して空の彼方を見据える。

「明日の朝まで待つしかないわ、そうしないとアルビオンの大地を踏む事は出来ないわ」


 その方角は、ルイズと子爵とタバサが乗ったフネが飛んでいった方向だった。


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