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  • ゴーストステップ・ゼロ-19

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゴーストステップ・ゼロ-19

最終更新:2009年04月15日 00:53

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  • ゴーストステップ・ゼロ


空賊に捕らえられた一行は、スキンヘッドの男に従って彼らのフネの中を船尾へ向かって進んでいた。
案内している男の他にも3人程、武装した男達が付いてきている。通路は人がすれ違う事ができる位の幅しか無いので、これ以上いても邪魔になるだけだろう。
静かな通路は意外と清潔に保たれており、火は灯っていないものの等間隔にランプが据え付けられていた。
一行を案内してきた男は扉の前に直立するとノッカーを鳴らして、扉の中にいる人物に一行を連れてきた旨を告げる。
すると、扉の向うからマリーガラント号で出会った空賊の頭の声が聞こえてきた。どうやらここが船長室らしい。

ヒューはそんな男達を横目にルイズに近付くと何事か耳打ちする、驚いたようにヒューを見返すルイズだったが、使い魔の表情を見て一つ頷くと、隠していた<水のルビー>を左手に嵌めて目の前にある扉を睨みつけるのだった。



ゴーストステップ・ゼロ  シーン19 “Negotiation”

    シーンカード:チャクラ(調和/双方互角。自然な安定。何らかの均衡。和解。相互協定。)



船長室は意外と広い空間だった、実用性を重視してはいるもののそれなりに立派な家具や手入れが行き届いた寝具や室内、一見しただけではここが空賊の船長の寝床だとは誰も思わないだろう。

部屋に入った一行の前にはマリーガラント号で見た隻眼の男…恐らくこの男が空賊の頭目なのだろう…がいた。男は豪奢なソファに座りながら手の中にある立派な拵えの杖をもてあそんでいる。
周囲には護衛役だろうか、体格が良い数人の男達が壁際に立って此方を見ていた。

「手前ぇら、お頭の前だ。挨拶しな」

案内役の男が頭目の横に立ってルイズ達にドスの効いた声で命じる。
命じられた当のルイズは頭目を上から下まで見た後に一つ溜め息を吐くと以外にも…。

「ルイズよ。」

と、家名は言わないまでも自らの名を告げた。これに驚いたのは目の前にいる空賊達ではなく、ヒューとワルドを除いた友人達だった、自分達が知っているルイズだったらまず言う筈が無いのである。

(「ちょ、ちょっとルイズ、貴女どういうつもりよ」)
(「ぼ、僕達も名乗った方がいいのかね?」)

あっさりと自らの名を明かしたルイズに少なからず呆れた様な表情を見せた頭目だったが、不敵な表情を浮かべると改めてルイズに問いかける。

「ほう、ずいぶんとあっさり名乗るもんだな。トリステイン貴族にしちゃあ珍しい、で?家名も答えて貰えるんだろうな。」
「ええ、貴方が自らの出自に誇りを持って、自分の名を告げる事ができるのならね。」

ルイズがその言葉を発した途端、室内に重苦しい空気が満ちる。
周囲にいた空賊達の表情は明らかに強張り、中には得物に手をかけている者までいた。頭目も杖をしっかりとルイズに向けており、指先一つ動かす事も困難な状況だ。
そんな状況の中、ルイズはいきなり別の事を話し始める。

「まぁいいわ、これからする質問に答えてくれたら私の家名もおしえてあげる。」

いきなり変わった話題にいぶかしみながらも、頭目はルイズに目で続きを促す。

「アルビオンの王党派はまだ健在なのかしら?」
「ああ、風前の灯火だけどな。」

頭目は嘲笑を含んだ声でルイズに答える。

「さあ、答えたぜ。約束通り名乗りな」
「ええ、約束ですものね答えてあげる。私の名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 トリステイン王国ヴァリエール公爵家の末娘です。
 ウェールズ・テューダー皇太子殿下、我が国のアンリエッタ姫殿下より密命を受けまかりこしました。」

ルイズはそう告げると微笑をその顔に浮かべながら頭を垂れた。
しかし、室内は先程までとは別の意味で凍り付いている。そんな中、最初に口を開いたのは皇太子と呼ばれた男だった。

「この俺が皇太子だって?こいつは傑作だ!
 お嬢ちゃん、この俺の何処を見てそう思った?」
「お恐れながら3点ほど根拠がございます。」
「へぇ、言ってみな」

ルイズは下げていた頭を上げて、頭目と真正面から向き合うと自説を説き始めた。

「まず、一つ目にこのフネに乗っている船員達の規律です。」
「規律?」
「はい、まず襲撃時まで遡ります。マリーガラント号に乗り込んできた際、無用の混乱が起きていませんでした。
 それから甲板で見た限りですが、酷い怪我を負った人もいません。
 次にこのフネに乗ってからですが、襲撃が成功したというのに騒いでいる声がきこえませんでした。しかも船内は隅々まで手入れが行き届いている事から、規律がしっかりしているのだろうと推察しました。」
「そいつは買い被り過ぎってヤツだよお嬢ちゃん、俺達の足元は板切れ一枚隔てるだけで奈落の底だ、そんな場所で好き勝手されたら他の連中にも迷惑だからな、自然とこうなるのさ。」

頭目はルイズの一つ目の説に軽薄な笑みを浮かべながら反論する。
対するルイズは、特に動じた様子もなく一つ頷くと次の説を述べていく。

「それでは二つ目です、それはこのフネの人員構成です。」
「こいつは驚いた!公爵家のお嬢さんは空賊の人員構成に詳しいとはな!」

その頭目の言葉に周囲の空賊も失笑と嘲笑を上げた。
そんな笑いにルイズは唇を噛み締め、手を握り締めて激昂する事をかろうじて堪えた後、震える声で言葉を紡ぎ始める。

「残念ながら、詳しかったのは我が公爵家ではありません。
 この情報は貴方達が解放した船員達から仕入れたものです、その彼等から仕入れた情報では10人近いメイジを抱える空賊がいるとか。
 しかもその船員達の話では空賊にいるメイジは普通多くても5人だそうです。平和な時ならともかく戦時中ともなれば貴重な戦力となるメイジは両陣営で引っ張り凧でしょう?
 そんな稼ぎ時にこんな場所で空賊をしている…、すなわち貴方達は王党派もしくはレコン・キスタのいずれかということです。しかし現在の戦況を鑑みるにレコン・キスタの線は限りなく低いでしょう、とすると残るのは貴方達が王党派であるという可能性です。」
「面白いな、実に面白い。しかし、それだけでこの俺が皇太子だと断言できるはずがあるまい?」

頭目の問いに一つ頷くと、ルイズは最後の……そしてこれ以上無い確実な証拠を“見せた”。

「最後の理由ですが……失礼ながらウェールズ皇太子、この様な時に王族たる証しを身に帯びるのはどうかと愚考いたします。」

そう述べつつルイズは<水のルビー>を嵌めている左手をウェールズに見えるように持ち上げてみせる。
ルイズの左手を訝しげに見ていた頭目は何かに気付いたのか、自分の左手を見た後で顔を俯けてしばらく肩を震わせていたかと思うと、やにわに笑い始めた。その笑い声は先程まで伝法な口調で喋っていた人物と本当に同一人物かと疑ってしまいそうになるほど若々しい声である。

「いや、まさかこんな馬鹿みたいな理由で変装が見破られるとは!」

ひとしきり笑った後、ソファから立ち上がると身に帯びていた変装道具をむしり取っていく。
蓬髪の鬘、薄汚れた眼帯、もじゃっとした付け髭の下から現れたのは凛々しい顔つきの青年だった。

「トリステインからのお客人に大変失礼をした、改めて挨拶させてもらおう。
 アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ。
 先程までの失礼をどうか赦していただきたい、此度の内戦では色々とあってね少々慎重になっているのだよ。
 しかし、トリステインに伝わる<水のルビー>がヴァリエール嬢の手にあるということは、貴女はアンリエッタから余程の信を得ているという事だ、ならば我等も信用できるというもの。
 これより以降、貴公等は我がアルビオン王国最後の客人として迎えよう。
 ようこそ、アルビオンへ。」

そう晴々と宣言した皇太子の左手には石の色こそ違うものの、ルイズの左手にある<水のルビー>と全く同じ意匠の指輪が煌いていた。



ルイズ達に皇太子が自らの正体を明かした時から、彼女達に対する待遇は先程までとは異なり賓客をもてなすものになった。
杖を始めとする武装や荷物も返還されたのは当然の事として、船員達の態度が無法者の空賊から礼儀正しいアルビオン空軍の軍人へと豹変した事はその最たるものである。

そうして現在、再び体調を崩して席を外しているヒューを除いたルイズ達は船長室でウェールズ皇太子と対面で会話していた。

「しかし、トリステインからはともかくゲルマニアやガリアの貴族までいらっしゃるとは思いもしなかったな。」
「私達にもそれなりの理由がございます、今回はそれがトリステインの利と一致したまでですわ。」
「しかし、そちらの少女は大丈夫かね?気分が優れないようなら部屋を用意させるが…」
「ああ、お気になさらずとも結構ですわ、この子ちょっと人見知りが激しいもので。」

ウェールズの言葉に対したのはキュルケだった、ちなみにキュルケの隣にいるタバサはマントに付いているフードを深々と被っているため表情も分かり難い。

「ところで、密使……いや、ラ・ヴァリエール嬢。先程言っていた密命というのは?」
「詳しい事は此方に。」

問われたルイズは一礼すると、懐から取り出した手紙を皇太子に差し出す。
ウェールズは愛しそうにその手紙を見詰めた後、花押に接吻をし、その手紙の封を慎重に開いて便箋を取り出す。
中に入っていた便箋は一枚のみだったが、ウェールズは何度も読み直した後、満足気に微笑んだ。

「手紙の内容、確かに承った、しかし今すぐという訳にはいかない。面倒だがニューカッスルまで足労願えないだろうか。
 実を言うと、件の手紙は手元にはなくてね、姫の手紙を空賊船に持ち込むわけにもいかないし……。まぁ、この指輪をしたままで空賊をしていた愚か者が言う事ではないんだが。」
「そんな、愚か等とは思っておりません。皇太子殿下がこの様な事をしていたのにも何か訳があったはずですから。」
「訳もなにも、必要に駆られて行っているのだよ。
 金のある反乱軍には次々と物資が送り込まれる。しかし、対する我等が王軍は貧乏な上にニューカッスルに封じ込められ補給すらままならない、補給を断ち物資を奪うのは戦の常道だが、堂々と王軍の軍旗を掲げる訳にもいかないしね、仮に掲げたとしてもあっという間に反乱軍に取り囲まれてしまう。だからこそ空賊を装っていたのさ、情けない事にね。
 ところで、先程までの推察は見事だった。流石はヴァリエール公爵の娘御だな、末恐ろしいよ」
「いえ、親に教わったわけでは……」
「何と、それでは自分で気が付いたとでも?」

皇太子の感歎した様子に、顔を赤らめた後。意を決したのか、胸を張ってルイズは皇太子に言葉を返す。

「実は、この部屋に来る前まで何も考えておりませんでした。ああいう事が出来たのは私の使い魔の助言があってこそです」
「使い魔?となるとあの竜が君の使い魔なのかい?」
「いえ、あの竜はそこにいるタバサの使い魔です。私の使い魔は今、床に伏せっている男です。」
「ほう、彼がそうなのか。で?その助言というのはどういったものだったのかな?」
「4つありました。
 よく観る事・情報を思い出す事・王軍である可能性・指輪を嵌めていく事。それだけです」
「なるほど、観察する事と情報を思い出す事でこのフネの違和感に気付き、指輪を嵌めた事で私と私達の正体に思い至った…という訳かな?」
「はい、後は王族が死んでいない事を確かめれば確定できると思いました。」
「となると、私が嘘をついて王族が死んだと言ったら?」
「恐れながら、御身を盾に帰還するつもりでおりました。」
「杖は取り上げていたはずだが」

訝しげに尋ねるウェールズに対してルイズはにっこりと笑って。

「秘密でございます」

と答えるだけだった。



その頃、ヒューが眠っている部屋に忍び込む人影があった。
長いマントに羽根付き帽子、鉄拵えの杖に鼻から上を覆う白仮面……ワルドの遍在である。
音も無く侵入に成功したワルドは腰に差している杖を抜くとヒューが起きない様に小声で呪文を呟く。否、そうしようとした瞬間、寝台から突き出てきた細い腕が杖を抑える。

「!貴様、気付いていたのか?」
「人の寝顔を見るのは少々悪趣味なんじゃないのか?ワルド子爵。おっと、変な気を起こすなよ?動かなければ殺すつもりはない……いや、遍在に言っても無理な話か。」
「何だと?いや、何故私の正体を知っている。」
「ラ・ロシエールで死んだ筈の奴がここにいたら、後は簡単な消去法だろう?ギーシュとオレは端から考えられないし、他の3人にしたところで、体格どころか性別から違うからな。
 後は遍在かどうかだが、ルイズお嬢さん達の所にいないと現場不在証明が出来なくなる上に殺した後が色々と面倒だ、ならこの場にいる子爵は遍在という事になる」

そう言ってワルドの杖を手放すと、ヒューは難儀そうにベットから起き上がる。左手で立てかけてあったデルフリンガーを取った後、シーツの中から<駆風>を握った右手を出す。
手放された杖を構えるワルドだったが、同時にヒューの右手に握られた道具がこちらを向く。その道具に穿たれた小さな黒い穴に遍在とはいえワルドは言い知れない不安を抱いていた。

【止めときな子爵どの、こいつで撃たれたら洒落にならねぇぞ】
「インテリジェンスソード?それに撃つという事は、右手のそれは銃ということか」
【おう、そうとも。それからオレサマはデルフリンガー。相棒の相棒さ】

ワルドは一歩足を引くと構えていた杖を腰に戻す。
未だ仮面は被ったままだが、両腕を組んで壁に背を預ける。ワルドが引いた事を見たヒューも<駆風>を懐に戻し、デルフをベッドに立てかける。
両者が戦闘状態を解いた所でワルドが話を切り出す。

「どういうつもりだ?僕がレコン・キスタの一員だと知っているのに何故殺さない。」
「遍在か本体か見分けがつかないからな、一々付き合っていられないさ。
 それに子爵ドノには聞きたいことがある……、何故連中の仲間になった?」
「知れた事、腐り切った現王権を打ち倒して、真にハルケギニアの将来を憂う我々が統一を果たし、さらには彼の地にある“聖地”を解放する為だ。」
「“聖地”?」
【東にある砂漠の彼方、ブリミルのヤツがハルケギニアに初めて降り立ったとされる伝説の土地の事だよ相棒。
 今じゃあエルフ達が居座っているんでな、人間には行きたくても行けない状態なのさ。】
「成る程、宗教戦争って事か。不毛な話だ」

呆れた様なヒューの言葉に、ワルドは声を荒げる。

「何だと?貴様如きに何が分かる!彼の地の奪還は我等ブリミル教徒にとっては義務とも言うべき尊い願いなのだ!」
「分からんね、アンタ等貴族がどれだけ妄想を膨らまそうと勝手だが、それで迷惑を被るのはアンタ達よりも弱い立場の人間だ、奪還したいのならしたいヤツだけで勝手に行けって話だよ。
 第一アンタ達貴族はアレだろう?平民を導く為にブリミルとかいうヤツから魔法を貰ったんだろう?ならどうしてその導くべき平民を殺そうとする、それは義務とやらに反しないのか?
 ここで平民の事は知らない、“聖地”さえ奪還できれば良いというのなら論外だな、アンタ達がいう現王権以下の存在になる事は確実だ。
 それに懸けてもいいが、平民にとって“聖地”なんて見た事も無い土地の為に「義務だから命をかけろ」なんて言っても、納得しないぞ?彼等は彼等の税で生きているアンタ達貴族と違って、日々働かないといけないんだ、夢を見るのはそこら辺を解決してからにするんだな。」
「……っ!」

ワルドはヒューが言った“貴族としての義務”という言葉に返す事ができなかった。確かに自分達が使う魔法という力は平民達を教え導く為に得たはずの力だったのだから。
教え導くという事は、即ち生かそうという事に他ならない。教え導いた挙句死なせてしまってはそれまでの労力が無かった事にもなるからだ。
絶句しているワルドに意外な言葉がかけられる。

「子爵、賭けをしないか?」
「賭け、だと?」
「ああ、この旅の間……というか明日だが、ルイズお嬢さんが魔法を使えれば俺の勝ち。使えなければ子爵の勝ち。」
「その口ぶりからすると、使えるようにするあてがあるという事か?」
「さてな、まぁ勝つにしろ負けるにしろ子爵にはあまり不利益は無いと思うんだけどね。どうする?」
「報酬は?」
「俺が勝ったら子爵にはレコン・キスタを抜けてもらう、ついでにルイズを守ってやってくれ。」
「?よく分からんな。では僕が勝った時は好きにさせてもらう。」

そう言い放つとワルドの遍在は淡雪が消えるように、虚空に消えていく。
最後の一片が消えた時、ヒューは腹の底から大きな溜め息をついた。そんなヒューにデルフが声をかけてくる。

【相棒、良いのかい?あんな約束しちまって。】
「お嬢さんの守り手は多い方が良いからな。その点、子爵ドノは満点だ。」
【へぇ、そりゃまたどうしてだい?】
「腐っている貴族を知っているからさ、子爵ドノはさっきこう言っていたろう?『腐り切った現王権を打ち倒し』って」
【ああ、確かに言ってたな。】
「なら、腐る事・堕落する事に抵抗があるって事さ。これから腐るって可能性はあるけどな、そこは人である以上しょうがな。
 恐らく子爵は潔癖なんだろう。祖国の腐敗を止めたいが自分では力不足、上に立つべき大后は逃げの一手、周辺国は国力を増し続けている。そんな時、隣国でこの騒ぎだ、彼がこう思ったとしてもおかしくないだろう。『腐りきってしまうのであればいっその事』ってね。」
【なるほど、要するにやけっぱちって事か。】
「さて、そこだ。自棄という割には一々手が込んだ手を打ってくるからな。まんざら自棄ってわけでも無いんだろう、落とすのなら旨い汁を吸い上げてから、というのが本音なんじゃないのか?」
【旨い汁ねぇ、そりゃあもしかしてお嬢ちゃんの事か?】
「恐らく間違いないだろう。多分、子爵は何かの拍子でお嬢さんが“虚無”の使い手だと知ったんだろうな。」
【てえと、レコン・キスタ絡みって事か?】
「問題はそこだ、クロムウェルは“虚無”を使えない、これは確定している、確率的にありえないからな。
 そうなると、“虚無”についてある程度の知識を有している人物がレコン・キスタにいるって事だろう。」
【てぇと、連中からお嬢ちゃんを監視しろとでも言って来たってぇのか?】
「それかな、恐らく魔法を使えない貴族の監視でも命じられて気が付いたんだろう。
 となると、連中の後ろには“虚無”の使い手が…ゲルマニアとトリステイン以外の2国の何れかが付いているはずだ。」
【何か芋づる式に背景が明らかになっていくな。】
「とはいってもな、ほとんど想像の範囲さ。それに分かったからといってどうしようもない、ここからはお嬢さん達に頑張ってもらおう。」


そうしてヒューが船窓から外を眺めると、雲の中に入ったのか船窓は真っ白に染まっていた。


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