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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 偽伝シャルロット-01a

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

偽伝シャルロット-01a

最終更新:2009年07月05日 09:26

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  • 偽伝シャルロット


「全軍! 進めェ――ッ!!
 今こそ歴史あるガリアの玉座に、正当なる主を迎える時だッ!」

「怯むなッ! 王族の名を語る叛徒どもを根絶やしにせよ!」

期せずして対岸の両側から巻き起こった叫びを皮切りに、両軍が一斉に渡河に移る。
地の底から響くような大軍同士の咆哮に、居合わせた兵士たちはみな、
この戦いが、大国ガリアの未来を決める一戦である事を、強く意識させられていた。

そもそもの事の起こりは一年前。
先の政変により死亡したものと思われていた、今は亡きオレルアン公・王弟シャルルの一人娘、
シャルロット・エレーヌ・オレルアンの、突然の帰還が全ての契機となっていた。

かつては何ら魔法の才能も持たず、神童・名君と謳われた父の、英邁さの欠片も持たなかった青髪の少女は、
いつしか不屈の闘志と、恐るべき軍事的才能を宿した指導者へと変貌し、再び諸侯の前へ姿を現した。
彼女の率いる異形の騎士団は、ガリア国内での軍事的成功を重ねる中で、雪だるま式に兵力を膨らませ、
ついには現ガリア国王・ジョゼフ一世率いる正規軍と拮抗しうるほどの勢力となって、今日の一大会戦に至ったのである……。

そして、この日のリネン川における両軍の激突は同時に、ハルケギニアの戦術史における一大転換期となった……。



「な、なんだ!? あのアレはッ!」

「ゴーレム! いや、コ、コイツは……!?」

兵士の驚愕が絶える間もなく、突如として前線に割り込んできた強大なる暴力が、戦場の色を塗り替える。
味方である筈の正規軍を踏み潰しつつ、巨大な拳がシャルロット軍の精鋭達を容赦なくなぎ払う。
両軍にとって悪夢のような、乱入者の名前は『ヨルムンガント』。

ジョゼフの狂的な指導の下に開発されたその兵器は、
ブ厚い装甲の上から重ねられたエルフの魔法により、極めて高い防御力を誇るのみならず、
大量の風石を原動力とする事によって、20メイルを超す巨体でありながら、走る、跳ぶといった規格外の運動性能を発揮した。
こと真正面からのぶつかり合いにおいて、このヨルムンガントに拮抗できる戦力は、当代においては存在しなかった。

いや、この場合正しくは、存在しない筈だった、と記すべきであろう。

 ・
 ・
 ・

「今日はいつになく、ご機嫌がおよろしいようで?」

「……そう見えるか?」

阿鼻叫喚の光景を眼下にしながら、それをさして気にした風も無く、ポツリと女が疑念を漏らす。
問いを受けた彼女の主、ガリア王ジョゼフ一世は、それこそ何ら気のない返事で応じた。
一切の鷹揚の感じられない口調に加え、眼下で死に行く兵たちに対し、何の感慨も抱かぬような淀んだ瞳。
その風体から、彼の心中を窺い知ることは、常人には極めて困難である。
ただ、長年彼の手足となって策動してきた、使い魔のシェフィールドのみは、彼の言葉の奥底に奇妙な揺らめきがあるのを感じ取っていた。

ふむ、と、頬杖をついて思案した後、ジョゼフが再び口を開いた。

「成程、俺も所詮は人の子だ。
 予期せぬ者との再会に、我ながら、どこか昂ぶるものがあったと言う事か」

「シャルロット姫殿下の事を言っておられるのですか?」

ふう、と一つ嘆息し、シェフィールドが首を振るう。

「私には分かりません。
 血を分けた実の娘にすら、何ら興味を抱かぬあなた様が、何故、彼の者に興味を示すのか?」

「俺から言わせれば、子供など、血を分けただけの他人に過ぎん。
 だが、アレは違う、アレは我が弟シャルルの忘れ形見。
 しかもそれが、飛びっきりの【無能】と来た」

「…………」

「輝かしい弟の生涯の中で、ただ一事、あの娘の存在だけが唯一の汚点だった。
 俺自身、何度あいつを縊り殺してやろうと思ったか分らん。
 だが、あの娘の事を考える時のみ、俺は弟の事を憐れみ、ちっぽけな自尊心を満たす事が出来た。
 結果的には、アレは自身の無能さでもって、父親の延命をしていたと言うわけだ」

ジョゼフの口調は次第に熱を帯び、その瞳には、病人のような奇妙な輝きが宿る。
それが、共に無能と呼ばれ、蔑まれてきた者同士のシンパシーなのか、あるいは、より深い嫌悪の感情なのか。
傍らのシェフィールドには判断がつかなかった。

「その唾棄すべき弟の恥部が、俺を殺しに来ると言う。
 よりにもよって、自らが汚していた父の仇を討つために、だ。
 まったくもって忌々しい限りではないか!
 そう、この世に何の怒りも抱く事の出来なくなった筈の俺が、ただ、アレの存在だけが煩わしい」

「それで、ですか」

「ロマリアの坊主どもも、トリステンの聖女とやらも、もはや俺を揺るがす事は出来ん。
 だが、唯一人、あの小娘だけが、俺を殺し得るかも知れんな……」

「……まさか。
 それは、陛下の買被り過ぎですわ」

まるで、他人事のように滅びを語る主人に対し、神の頭脳が反駁する。
その口調には、どこか僅かに苛立った風な響きがあったが、主は気付かない。

「ヨルムンガント……、あの怪物を前にしては、もはや大勢が揺るぐ筈も無い、か?」

「御覧の通りですわ。
 あれは、エルフの魔力に風石の出力、ミョズニトニルンの知彗を加えた究極の玩具」

主人の言葉を肯定するかのように、地上の鋼鉄騎士の振るう蛮刀が、水面を割って大地を砕き、我が物顔で戦場を蹂躙する。

「大軍の結集する大会戦こそ、あれの性能を存分に発揮できる格好の舞台。
 現在の地上において、ヨルムンガントを砕きうる兵器など……」


ドワオォォッ!!


突如として、戦場に豪音が轟き渡り、衝撃が大地を揺るがして爆炎が天空を焦がす。
立ち込める砂煙が戦場の時を止める中、神の頭脳が心血を注いだ究極の兵器が、ドカリ、と大地に片膝を突く。

「なッ……!」

シェフィールドの呻きを遮るかのように、ブオオオォォォという咆哮を響かせ、乱入者が天高く黒煙を噴き上げる。
吹き出す蒸気と共に、六つの大車輪が力強い回転運動を始め、鋼鉄の化物が勇ましく大地を揺るがす。
爆風を蹴散らし大河を割って、鋼の巨体が一直線に爆走する。
ドゴオ、と言う爆音が再び天地を揺るがし、メガトン級のストレートを浴びたヨルムンガントの上体が、ズシリと川底に沈んだ。

 ・
 ・
 ・

「獣機隊、敵ゴーレムを撃破!」

鋼の救世主がもたらした戦場の一大転機に、オオオオ、と一斉に甲板が沸き返る。
一方、部隊を率いる青髪の少女は、何ら浮き立つ事無く、冷徹な瞳を戦場へと向け続けていた。

「甲賀、伊賀両徒士団は、ただちに両翼へ展開、鋼獣の援護を」

「ハッ」

少女の指令を受け、黒衣の伝令がムササビのように天空を舞う。
程なく、黒色の異装と帷子に身を包んだ異形の軍隊が前線を押し返し、鵺のように自在にうねり、戦場を侵食し始めた。

「ふヒヒ! いやはや、絶景かな絶景かな、
 何とも見事な地獄絵図ではございませぬかッ!!」

「……邪阿弥」

「ムホホ」

凄惨なる戦場の光景に似合わぬ素っ頓狂な笑い声に、フッと少女が視線を外す。
背後にいたのは、弊衣蓬髪に加え淀んだ三白眼をぐるぐると滾らせた、狂人のような風体の男であった。

「姫君の宿願も遂に現実となる日が来ましたな! ハハッ
 いかなる刻を巡ろうとも、これ程に心沸き立つ光景はありますまいて」

「……まだ、大勢は決したわけでは無い」

「いいや! あなた様は勝ちますな」

面倒くさげに短く答えた少女に対し、ずいっ、と狂人が畳みかける。

「敵将のジョゼフとやらがどれほどのものか存じませぬが、
 この地上に、あなた様と張り合えるほどの狂人はおりますまい。
 たかだか親の仇ひとつを討つために、これほどの事を為さる御方など……」

「…………」

「っと、これは少々口が過ぎましたな、ふはっ、許されよ」

狂人の、人を喰ったような戯言を気にもせず、少女は移りゆく戦場の光景を、じっと睨み続けていたが、
やがて、後退を続ける敵陣の中に、奇妙に突出した形で前線に留まるフリゲート艦を見出した瞬間、
その瞳に、青色の業火の如き、灼けるような輝きを煌めかせた。

「――邪阿弥、竜飛鳥の用意を」

「何と! この上なお、自らの手で決着を付けに行かれるおつもりか!
 フハハハッ 素晴らしい、それでこそ我が主殿よ!」

狂人の不快な笑い声を気にも留めず、少女はきっと顔を上げ、静かな口調で指令を下した。

「旗艦、全速前進」

 ・
 ・
 ・

――五年ほど前。

当時のシャルロットは、無力で、無能で、無害で、無意味な少女であった。

彼女の誇りであった優しき父は姦計に斃れ、既にこの世の者では無かった。
彼女の憧れであった最愛の母は、彼女を守るため、毒杯を呷って心を壊した。
そして彼女自身は、従姉妹から犬以下の扱いを受けた挙句、無意味に死地へと放り込まれていた。

僅かな時の間に、最愛の人を、身分を、尊厳を奪われた十二歳の少女に出来る事は、
ただ両足を血の色に染めながら、暗闇の中を必死で逃げ惑う事のみであった。

やがて呼吸が乱れ、全身が悲鳴を挙げ、心の砕けたシャルロットは、巨木を背に、ゆっくりと崩れ落ちた。
獲物が抵抗の意思を失ったのを確認し、野獣がうなり声を挙げ、彼方の闇より迫る。

(……なぜ私は、いまだにこんな物を握りしめていたのだろう)

無我夢中で森林を駆けずり回りながら、なおも手放すことの無かった右手の杖に、少女が恨めしげな視線を向ける。
優秀なメイジになどなれなくても良かった。
ただ、貴族ならば誰でも使えるような、初歩の初歩の力すら引き出す事さえ出来たならば、
あんな矮小な獣を相手に、惨めな最期を迎える事は無かった筈である。

だが、少女があらん限りの詠唱を喚き、どれほど必死で杖を振り下ろそうとも、ついぞ奇跡は起こらなかった。
さもありなん、彼女は神童と謳われた父とは違い、生まれついての無能だったのだから……。

グルルルル、と言う、地の底より響くようなうなり声が、少女の心を絶望で満たしていく。

(いや…… こんな闇の中で、獣の牙にかかって、一人ぼっちで死んで行くなんて……!
 誰か…… 誰か助けて! 父様、母様…… 誰か、誰か……!)

――誰か。

そう考えた瞬間、シャルロットの嚢中に閃くものがあった。
彼女が学んだ初歩的な魔法の中で、ただ一つだけ試していない物があったのだ。

(サモン・サーヴァント……)

生涯のパートナー使い魔を呼び出し契約するための、基本にして最も重要な魔法、サモン・サーヴァント。
系統や力量を問わず、あらゆるメイジが等しく行使できるその詠唱ならば、無能の身である彼女でも成功の可能性があった。

シャルロットに迷っている暇は無かった、野獣の牙は、既に彼女の間近まで迫っていた。

「わ、わが名は……、我が名は、シャルロット・エレーヌ・オレルアン――」

「グオアァアアァ――!!」

「――が運命に従いし、【使い魔】を召喚せよッ!!」

詠唱と共に杖を振り下ろす、同時に、風を巻いて野獣が迫る。
奇跡は、いや、怪異はその時起こった。

本来ならば、詠唱は使い魔を呼ぶゲートを為し、光り輝く鏡のような形を作る筈だった。
だが、彼女の眼前に現れたのは、奇妙に歪み変容する、蜃気楼のような空間であった。

野獣がキャインと一声上げて、うねりを上げる亜空間へと吸い込まれ、豆粒のようになって消え失せる。
呆然とする少女の前で、空間は砂漠に、海に、戦場に、ジャングルに、ビル群にと、
自在に流転を繰り返しては、多様な光景を映し出していた。

『やや! これはとんだ失態よ!
 刻渡りに成功したは良いが、帰る方法を考えておらなんだ』

ゆらめく空間の中から、不意に野太い男の声が響き、シャルロットの眼前に影を為した。

「フハハッ! こいつは参った、随分と辺鄙な所へ出てしまったわ!」

空間の消滅と共に、シャルロットの前には、酷い獣臭を放つ浮浪者のような風体の男が現れた。
男はしばしの間、独り言を繰り返しながら周囲を見回していたが、
やがて、眼前でへたり込むシャルロットの存在に気付くと、少女が思わず気絶しそうになるほどの笑顔を向け、言った。

「のう、童、ここは何処じゃ?」

 ・
 ・
 ・

「成程、つまりはヌシの唱えた、【さもん】とやらが、
 影能の世界にいたワシを、この世界へと導いたと言う訳か。
 ヒヒッ! 世間とはなんと驚きに満ち溢れておることか」

ひとしきりハルケギニアの世界について説明を受けた後、その男、邪阿弥は嬉しそうに呟いた。
その狂人のような仕草に怯えつつも、シャルロットがおずおずと声をかける。

「あ、あの…… 【影能】って……?」

「知りたいか、童?」

言いながら、邪阿弥はすっくと立ち上がると、背筋をピンと張って左手を差し出し、何らかの【型】に入った。
シャルロットが思わず目を見張る。
居住まいを正した邪阿弥の動きは、先の狂人と同一人物とは思えなかった。

よくよく観察してみると、一見緩慢に見える所作の一つ一つが、その実、強大な力の均衡で保たれた状態である事が分かる。
かつて宮廷で見た、芸人達の躍動感あふれる踊りとは根本的に異なる、
それはまるで【静】の中にダイナミズムを見出すかのような舞であった。

「――元来、能芸とは刻を超え、見る者を芸の世界へ、過去へ過去へと誘うもの……」

一切の緊張を緩める事無く、邪阿弥が説明をする。

「数百年前、我が先祖・世阿弥は、その能芸の世界に於いて、一つの境地に到達した。
 すなわち、能の世界を現世から切り離し、刻の流れを超え、自在に渡り歩く事に成功したのだ」

「刻を超える……、本当に、そんな事が……?」

「出来る!
 お主も先ほど見たであろう、移ろい行く刻の世界を」

ばさり、と、邪阿弥が扇子を広げる。
シャルロットの眼前に先ほどと同じ、拳大の揺らめく空間が現れる。

「フフフ……、確かにお主らの世界の【さもん】とやらは、よく出来た魔法よ。
 ここで主の窮地を救える者があるとすれば、ワシぐらいのものであろうからのォ」

「……え?」

「分らぬか?」

驚くべき超常現象を目の当たりにし、思考が混乱する少女に対し、邪阿弥がにやりと笑みを浮かべる。

「この世界に居場所を持たぬお主であっても、
 別の刻、別の世界でならば、大手を振って生きられるやも知れぬ。
 お主を苛んでいる世界に満ち溢れた悪意も、刻を超えてまで追ってくる事は出来ん」

「本当!? 本当にそんな事が出来るの……?」

「もちろん、我が芸は未完成ゆえ、好きな時代に行けるというわけではないが、
 なあに、次の世界が気に入らなければ、更に刻を超えれば良いだけの事。
 その内に、お前がなりたいものになれる世界が見つかるだろうて」

「…………」

男の言葉が、少女を救い出す蜘蛛の糸なのか、あるいは悪魔の囁きなのか、今のシャルロットには分からない。
だが、その言葉は甘美な響きをもって、彼女の全身に染み渡った。

刻を超えられるのならば、もう、叔父の恐怖も、従姉妹の癇癪も恐れる必要がない。
何より、魔法が使えない自分を無能と蔑む、悪意ある世間の視線から解放されるのだ。
生まれてから十二年間、自らを苛み続けたコンプレックスから解き放たれる。
絶大なる魔法社会に生を受けたシャルロットにとって、その事実は、まさに無上の悦びであった。

「さあ、どうだシャルロット?
 刻を超えて生きられるならば、お前はなにがしたい、一体なにが欲しいのだ?」

「私、わたし は……」

邪阿弥の囁く誘惑に、シャルロットが呆然と思考を巡らせる。
彼女の誇りである、優しき父の姿が見えた。
彼女の憧れである、最愛の母の姿が見えた。
ラグドリアン湖のほとりでの、戻ることのない麗しい日々が見えた。

だが、記憶の奔流が、彼女の頭を撫でる、どこか困ったような叔父の笑顔を見出した瞬間、彼女の世界は暗転した。

「……しい」

「ホ? 今、なんと……?」

「力が欲しい!」

きっ、と顔あげ、ドス黒い衝動に全身を焦がしながら、少女が叫ぶ。

「力が欲しい。
 優しい父様を卑劣にも射殺した、あの男を誅するだけの力を。
 愛しい母を壊したアイツを、八つ裂きに出来るだけの力を……!」

「ふ、ふヒッ! ヒ、ヒィーハッハハッハ―――ッ!!」

眼前の少女が初めて見せた激情に、突如として邪阿弥が狂声を上げる。

「ふヒハッ! す、素晴らしい。
 世間知らずの小娘なんぞ、折を見て、どこぞの女衒にでも売り払ってくれようと思っていたが、
 成程、使い魔にふさわしい主人を選び出すのも【さもん】の力と言うわけか!」

「……?」

「いやはや、失礼仕った、シャルロット姫殿下」

そう言って、邪阿弥はどかりと胡坐をかくと、シャルロットに対し、深々と頭を下げた。

「刻渡りによって力を得たあなた様が、この現世にいかなる地獄絵図を描きなさるのか、
 この邪阿弥、是が否でも見届けたくなり申した。
 我が影能の力、如何様にでもお使い下され、シャルロット様」

「力を貸してくれるの、邪阿弥?」

「無論。
 さて、それではゆるりと参りましょうか、姫殿下」

言いながら、邪阿弥はすっくと立ち上がると、例の淀みの無い所作で、前方に大きな円を描いた。
静寂の中、空間がぱっくりと断ち切れたかの様に、ひと際大きな揺らぎを見せ始める。

「一つだけ確認しておきますぞ。
 我が影能は、いまだ未完成……
 ひとたび刻を超えたが最後、再びこの時代に戻ってこれるかは分かりませぬ。
 最悪、私が死ねば、あなた様は刻の狭間を永劫に彷徨う事となる」

「……構わない。
 それだけが、ヤツを討ち果せるだけの力を手に入れられる方法なら」

「ムホホ! それでこそ我が主に相応しき御方よ!
 ささ、ここから先は、決して御手を離しなさるな」

えらく上機嫌な言葉を漏らしながら、邪阿弥の体が、ゆっくりと彼方の刻の中へと吸い込まれていく。
そして、シャルロトの周囲の世界も、徐々に変容を始め……。

(待っていて下さい、母さま。
 私は必ず、この時代へと帰ってくる、そして……)

――その日、

非業の死を遂げたオレルアン公の一人娘、シャルロット・エレーヌ・オレルアンは、ハルケギニアより姿を消した。

 ・
 ・
 ・

「まさか! ヨルムンガントを破壊するゴーレムなど……!」

神の頭脳の戦略を諸共に打ち砕く異形の兵器の出現に、シェフィールドは常ならぬ狼狽を見せ、
舳先より身を乗り出さんばかりにして、食い入るように戦況を見つめ続けていた。

誤算だったのは、黒煙吹く鋼鉄の巨体の出現ばかりでは無い。

全身針鼠のように矢の雨を浴びながら、怯む事無く長刀を振るう不死身の剣士。
戦場を毬のように飛び跳ねながら、斬撃諸共に敵を押しつぶす巨漢。
髪の毛のように細い糸を振り乱し、舞うように周囲の敵を輪切りにしていく優男。
ニワカのような体液を張り巡らし、逃げ惑う兵士を絡め捕る巨大蜘蛛。

いずれも杖一本持たず、しかも生半なメイジよりも多彩で極端な能力を持った奇人集団。
それは、未だかつてハルケギニアの人間が体験した事の無い、未知なる悪魔との闘いであった。

「なに、ミューズよ、取り立てて驚くほどの事ではないさ」

まるで他人事のように、ジョゼフがぶっきらぼうに言い放つ。

「ただ、あの小娘が、俺たちの同類だったと、それだけの事だ」

「あのシャルロットが、【虚無】だと……!
 そんな、それこそあり得ない事です」

主人の断定を、頭を振ってシェフィールドが否定する。
大いなる始祖ブリミルが、聖地奪還のために残した幻の系統・虚無。
長年の諜報活動により、シェフィールドは現在、ロマリア、トリステイン、そしてアルビオンに一人づつ、
虚無系統の魔法を行使する担い手たちが存在することを確認していた。

「伝承が正しければ、虚無の担い手は同時代に四人。
 まして、あの小娘は再び世に出て以来、魔法はおろか、杖一本握ったことが無いではありませんか」

「伝承に誤りがあるのか、ヤツが例外的な存在なのか、それは知らん。
 だが、ヤツが俺の同類だというのは、これ程の殺意を浴びれば嫌でも分かる」

「殺意……?」

「見ろ」

ジョゼフに促され、シェフィールドが上空を仰ぐ。
彼方の虚空に見えたそれは、木製の巨大な飛竜であった。
カラクリ仕掛けの翼竜の翼は巧みに風を捉え、雲を突き抜け竜騎士を振り切り、
天空を滑るが如く、一直線の矢となって、フリゲート艦へと近づいてきていた。

「クッ、あれもシャルロットの……!」

木竜はフリゲート艦の頭上をすり抜け、降り注ぐ爆弾の雨が、ドワオズワオと甲板を揺るがす。
艦上に戦場の混乱が満ちる中、間隙を縫うように、一人の少女が甲板へと舞い降りる。

「シャ、シャルロット!!」

驚愕と憎悪がミョズニトニルンの胸中に溢れ返り、強大な激情が、感情のガーゴイル達の間をかけ抜ける。
船内の機械人形達は反射的に動き出し、シャルロット目掛け、あらぬ限りの矢を撃ち放つ。

シャルロットは慌てる事無く、背中の唐傘を引き抜いて、ばさりと眼下へと広げる。
鉄傘は直ちに堅固な盾となり、迫りくる矢を左右へと弾いた。
そして、その行為は同時に、攻撃のための布石でもあった。

「ハアアァアァァッ!」

突如として、傘先からジャキリと生えた銃口が、唸りを上げて回転を始め。
ガギャギャギャギャンとした壊滅的な機械音を上げながら、痛烈なる弾丸の嵐を艦上に刻み始めた。
甲板が砕け、ガーゴイルが爆ぜ、鋼鉄の渦が地獄絵図を描き出す。

「お、お前は……!」

ミョズニトニルンの叫びが豪音の中に消え、木片が頬をかすめ、銃弾が舐めるように体の両脇を通過する。
それでも尚、無能王はさしたる反応も見せず、ただ恬然と、眼前で破壊を続ける少女を見つめていた。

「随分と面白い玩具を手に入れたようだな、シャルロットよ」

「……ジョゼフ」

仇敵の呼びかけに、シャルロットが破壊の手を止める。
自陣の燦々たる有様を気にした風も無く、その男は、冷めた瞳を少女へと投げ掛けていた。

「無能王、ジョゼフッ!」

全身に満ちたドス黒い衝動を浴びせるように、シャルロットが、再びジャキリと銃口をかざす。

「父上を弑し、玉座を簒奪した報い、今こそその身で受けろ!」

「……簒奪?」

ハッ、と面白くもなさそうに、ジョゼフが吐き捨てる。

「簒奪? 野心? 何だそれは。
 アイツはこの世でただ一人、俺のチェスに付き合える男だったんだぞ。
 そんな下らん理由で殺したりするか」

「何!」

予想外の言葉に面食らうシャルロットに対し、ジョゼフが更に畳みかける。

「余人には分かりはすまい。
 俺があの、誇るべき弟に対し、どれほどの想いを抱いていたか。
 そして、何故にアイツを殺さねばならなかったか。
 他人になんぞ分かってたまるか!

 ……だがシャルロット、お前だけには分かる筈だ」 

「……?」

「何故ならお前は俺と同じ……
 偉大なる父の存在に苦しみ続けた人間なのだから。
 まばゆいばかりの父親の存在を、誇りながら妬み、憎みながら愛したお前になら、分かる筈だ!」

「――ッ!? 貴様ァ!」

叫びと同時に、シャルロットが引き金を目一杯引き絞り、銃弾が一直線に放たれる。
刹那、ジョゼフの姿が視界から掻き消える。

「! 消え……?」

「……ああ、そうだ。
 こんな力さえ持って生まれなければ、世界を灼かずに済んだものを」

「!?」

不意に真後ろより響いてきた仇敵の声に、シャルロットが反射的に振り向く。
同時に、咄嗟にかざした左の掌に、ジョゼフの凶刃が深々と突き刺さる。

「くっ…… あ!」

「なあ、そうだろう、これほどの力があったところで、ヤツはもういないんだ。
 だったらもう、全てを灰に帰すしかないだろう?」

「ジョゼフ…… お前は……」

ぎりりと奥歯を噛みしめ、シャルロットが後方へ跳ねる。
ジョゼフの刃に絡め捕られた左手を置き去りにして……。

「……何?」

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