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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 汝等、虚無の使い魔なり!-03

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

汝等、虚無の使い魔なり!-03

最終更新:2009年07月27日 12:17

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  • 汝等、虚無の使い魔なり!


「系統魔法に、失われた五番目……、いえ、零番目かしら」

 ルイズの部屋、目覚めた紅朔は窓枠に座り、足をぶらぶらと外で揺らす。

「貴族に平民、尊き血統……。 それなら……」

 そう考え、妖しい笑みを浮かべる紅い少女。
 ウフフアハハと哂うのは、企みを思い付いたからであった。





「正直シチューをこの世界でも頂けるとは思わなかった」

 学院の厨房で九朔がいただくのはホワイトソースのシチュー。
 異世界、と言うことで食文化なども大きく違うのだろうと思ってはいたが、こういったシチューなどがあるとは思っていなかった。
 良い意味で期待を裏切られたと言うところか。

「美味しいですか? 九朔さん」
「うむ、これなら飲食店を開いてやっていけるのではないか?」
「料理長のマルトーさんは凄く料理の腕が良いんですよ」

 如何に素材が良くともそれを生かす腕が無いと料理とは美味くならない、つまりマルトーと言う者は料理長を任せられるほど秀でた者。

「同意だ」

 程よいサイズに切り分けられた野菜など、細部に渡って趣向が凝らされている。
 味の追求だけではない、食べる者の事も考えられている一品。
 料理に満足しながら食べる九朔に、シエスタは躊躇いながら疑問を問いかけた。

「クザクさんは、その、どうして……、使い魔になる事を選んだんですか?」
「ふむ、主殿が気になったから、だろうな」
「貴族様が、ですか?」
「うむ、それにこの世界も妙な結界が張っておるし、何かがあると思ってな」
「この世界? けっかい?」
「ああ、我らはこの世界の住人ではない。 空間を隔てて召喚された身だ」
「……えっと」
「この世界の住人ではないと言う事だ」
「……クザクさんはここじゃない所から召喚されたんですか?」
「うむ」

 しかも戦闘中にだ、あの門に飲み込まれるのが速くても遅くても、あのキ○ガイから街を守れなかっただろう。
 ……そうなると、リベンジを狙うキチ○イが次襲ってきた時には拙いか。
 戻る時は時間軸の指定をせねばならんかもしれん。

「その、どう見ても人にしか……」
「世界は無限に広がっている、この世界の人間と姿かたち全く同じ人間も居れば、人型ではない不定形の生物も居る。 この世界にも人ではない生き物は居るだろう?」
「あ、はい。 確かにそうですね」
「見も聞きも感じることもできんだろうから、想像しろと言うのも無理な話か」
「……クザクさんは平民とかじゃ、無いんですよね?」
「我等が居た世界では、貴族とは本の一握りしか居らぬ。 無論、此方の世界のように貴族であるから魔法が使えるなどと言う者は居らんと言って良い。 その点で言えば人類の9割以上が平民であろう、一国の王であっても例外ではない」
「王様でも、殆どが平民なんですか……」
「才覚、そして己の研鑽を怠らぬ者なら如何様にも出世が出来るであろうな」
「何か、クザクさんの世界って凄いですね……」
「世界が違うからな、この世界の常識と違えば何かしらに価値観の感じ方が変わるだろう」

 スプーンで残りのシチューを掬い上げ口に運ぶ。
 租借、飲み込み食事が終わる。
 渡された布で口周りを拭き、軽く会釈をして礼を言う。

「馳走になった」
「いえ、まかないものですから」
「これでまかないか、食事が楽しみになるのではないか?」
「え、ええ……、その、重くなったりしないかなーと……」
「重く? ……ああ、加減をせねばならんな」

 ふっと笑う九朔。
 その笑みを見て顔を紅く染めるシエスタ。

「その、また食事が無ければいつでもいらして下さい」
「あい分かった、その時は寄らせていただく。 料理長に美味かったと伝えておいてはもらえぬか?」
「はい、確かに伝えておきます」
「助かる。 そろそろ行かねば、主殿を待たせるかも知れんのでな」
「お気を付けて」

 九朔は頷き、シエスタは手を振って見送った。

「……何?」

 食事を終え、厨房から食堂に戻る最中に異様な気配を感じた。
 嫌な予感がする、こう、背中に何かが這うような。
 その感覚を信じ向かってみれば人だかりを見つけた。
 人垣、恐らくはギャラリーだろうが、その向こう側から知った気配を感じる。
 そうして近づけば……。

「……しょうがない、手加減してあげようじゃないか」
「あらぁ? 優しいのねぇ、それじゃあ私は手加減しないで置いてあげるわ」

 聞き覚えの有り過ぎる声が人垣の向こう側から聞こえてきた。
 紅朔め、また何かしおったか。
 そう考え、人垣の外枠に近づき、一度跳ねてギャラリーの中心を視界に納める。

「……何?」

 居たのは紅いドレス、所々半透明の衣服を身にまとう少女。
 そしてフリルの付いた、白いブラウスと深紺色のズボン、貴族の証であるマントを羽織、手には杖を持った金髪の少年が居た。
 紅いドレスの少女、紅朔が右手を水平に起こし、手のひらを広げる。

「な、何だねそれは……?」

 現れたのは紅くて丸い、平べったくて外周部が尖ったナニカ。
 それがすさまじい速度で回転し始める。
 丸ノコと言えば良いのか、人を容易く両断せしめる速度と威力を持って其処に在った。
 それに慄く少年貴族。

「……一体何をしておるのか」

 半ば呆れながら後ろに下がる。
 一歩二歩三歩、下がりきって同じ歩数の分だけ走り出す。
 そして跳躍、厚さ1メートルはある人垣を軽く飛び越え、少年貴族とギャラリーの間に降り立った。
 その時には紅朔は紅い血で出来た丸ノコを飛ばしており、弧を描いて少年貴族の頬を掠らせていた。

「あ……、あ、当たらなければ意味は無い!」

 飛び込んできた九朔に気が付いていないのか、外れてよかったと冷や汗ダラダラの少年貴族が大声を上げる。
 周りのギャラリーは闖入者の九朔に驚き、ざわめき始めた。
 さらに弧を描き、紅い丸ノコは紅朔の手元へ戻り、吸い込むかのように紅朔の掌に消えていく。

「紅朔、一体何をしている」
「あら、騎士殿。 朝餉はもう済んだの?」
「ああ、厨房でいただいた。 紅朔はまだ食べては居ないのだろう?」
「いいえ、美味しくいただいたわ」
「! 何だね君は!? まさか挟み撃ちをする気か!」

 今更気が付いたのか、少年貴族が九朔に問いかける。

「我か? 我はルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔、大十字九朔である」
「な、何? その平民がルイズの使い魔ではないのかね!?」
「正確には紅朔も使い魔であろうが……」
「私は使い魔になった覚えなど無いわ」

 誓いを立てたのは九朔であって紅朔ではない。
 そう言う意味では紅朔は使い魔ではない。

「これからとてもたのしぃ~事をするんだから、騎士殿は邪魔をしないでね」
「楽しい? 一体何を……」

「来れぇ~、無垢なる刃ぁ。 でもんべい~ん」

 と気が抜ける声で宣言する紅朔、指先から紅い水滴が地面に落ち、それと同時に地面の土が盛り上がり、瞬時に形作っていく。
 その事に驚愕する少年貴族と、その周囲のギャラリー、それとよく見ればギャラリーの中に居た主殿までもが驚いている。

「……どう言う事だ、紅朔。 この世界の魔法は貴族しか使えないのではなかったのか?」
「れんき~ん、っと。 ……魔法とは『血』に宿る力、ならば私に使えぬ道理は無いわ」

 形作った土が紅朔の魔法により命を吹き込まれる。
 それを見て紅朔は口端を上げて笑みを浮かべる。、
 それは鋼鉄の人形、それは魔を断つ剣、それは無垢なる刃、それは砕けぬ最後の城壁、その名は『デモンベイン・トゥーソード』。
 の模造品、要は魔法で作り上げたただの人形。

「……なるほど、汝であれば容易いか」
「簡単すぎて反吐が出そうよ」

 つまりは紅朔は決闘相手の少年の血を取り込み、少年が持つ『魔法』を理解したのか。
 伊達に『血液言語版』などと銘打たれている訳ではなかった。
 そんな紅朔が使う魔法は少年の魔法、違うのは人形の造形のみ。

「さあ、逆転勝利のピースは揃ったわ」
「初めから圧倒してただろうが」
「泣き喚き額を地面に擦り付けながら許しを請う準備はよろしくて?」

 紅朔は九朔の声を無視し、二メートルほどのデモンベイン・トゥーソードを構えさせる。

「……君がメイジだとは思わなかったよ」
「詰まらない矜持に縋り付いて威張り散らすメイジと言う醜悪な存在と一緒にしないで欲しいわね」

 一息に言ってのける紅朔、それを聞いて周囲の少年少女達は怒り心頭に発する。

「……無能の使い魔はよほど知恵が足りないのか、やはりゼロの頭しか持ちえてないようだね」
「無能? ゼロォ? アハ、アハハハハッ!」

 そんな物言いを聞いて、気が狂ったように大声で笑い出す紅朔。

「ゼロゼロゼロォ!? 最高じゃなァい!? 次元の壁をぶち抜きアカシックレコードにアクセスを許される程の力を“無能”だと! アハハハハハハハハハハッ!!」

 空を仰ぎ、両掌を天へと向け、大口を開けて笑い続ける紅朔。
 怒り心頭だった周囲のギャラリーは冷め始めた、『こいつの頭はおかしい』と見始めていた。
 一頻り笑い終え、頭と腕を垂れ下げる。

「ゼロってのは良いわねぇ、魔導書でも人外でもない真っ当な人間でありながら世界を壊す力を持ち得るなんて、ねぇ?」
「ッ!」

 斜めに傾けた頭、視線はルイズへと向けられていた。
 血に濡れた紅い瞳、赤く朱く紅い、それは恐怖を奮い起こす視線。

「……もう良いだろう、紅朔。 汝はやり過ぎるきらいがある、これを機に直したらどうだ」
「私は私よ、例え御父様と御母様に言われようと変わらないわ」

 はぁ……、と大きくため息を付く九朔。

「……ちょっと、あんたたち一体何なのよ! 本当に平民なの!?」

 恐怖を押し殺したのか、ルイズが大声で叫ぶように言った。
 九朔は振り返り、その問いに答える。

「主殿、昨日言った通り我等はこの世界の人間ではない。 この世界のように貴族であるから魔法が使える、と言った物は無い。 才覚があれば誰もがこの世界で言う魔法を使える、そう言う世界で生まれた存在である」
「じゃああんたたちは……」
「うむ、主殿達が言うように、元居た世界では『マギウス』、この世界で言えば『メイジ』と呼ばれる。 尤も、我等は元居た世界でも特殊ではあったが……」

 両親が『旧神』と呼ばれる存在で、その片方、母が『魔導書』と言う普通では考えられない存在。
 強いて言うなら、半人半書と言った所か。

「……正直に言おう、我等は生粋の人間ではない」
「人間じゃあ、ない?」
「生粋ではないとは言え、食事や睡眠、排泄も必要とする、殆ど人間と変わりない。 根源が多少人間と違うだけなのだ」
「……えっと、人間じゃないけど人間……?」
「良い得て妙な、つまり我等は──」
「騎士殿、詰まらぬ講釈なんて必要ないでしょう?」
「しかしだな、我等は『知って居る』。 主殿にも知っておいて貰っていた方が、後々煩わしい事態になりはすまい」
「固定概念に凝り固まった、頭の回転が愚鈍な奴等に言っても無駄でしょう?」

 大量の毒を含む言葉、それに反応するのはやはり『貴族』。

「いい加減にしたまえ、かなり精巧なゴーレムとは言え7体の『ワルキューレ』に勝てると思っているのかね?」
「木偶の百や二百、魔を断つ剣には届かない」

 言うと同時にデモンベイン・トゥーソードが大地を蹴る。

「シャンタク!」

 脚部に付く、扇状に広がる飛行ユニット。
 勿論魔術的要素を含まない為、ただの飾り。
 そこまで凝る必要があるのか、それを広げて一体のワルキューレに飛び掛る。

「ティマイオス!」

 高く上げられた右足が、一体のワルキューレの脳天に叩き付けられ一撃で潰れ壊れる。

「クリティアス!」

 着地と同時にしゃがみ込み、右足を軸として水面蹴り。
 強力な蹴りはワルキューレの下半身を蹴り壊す。

「ツァール!」

 右掌から生え出る鋼色の剣、それを構え駆け出し振るい一閃、ワルキューレを横に両断。

「ロイガー!」

 左掌から同じ様に生え出た剣、飛び上がりムーンサルト。
 中空で左腕を振るい、ワルキューレの上半身を縦に切り裂く。

「切り裂け!」

 落下しながらロイガーとツァールを組み合わせ、十字型に変化させる。
 そのままオーバースローにて投げ下ろし、高速で飛翔してワルキューレを貫き、半ば地面に埋まり5メートルはある切れ目を作っていた。

「アトランティスぅ」

 着地と同時にまたも跳躍、そして自由落下。

「ストライク!」

 迎撃に槍を突き出すワルキューレを、突き出した槍ごと蹴り潰した。
 自重により十数センチの凹みを地面に作り、地面を穿った右足を基点として構える。

「光射す世界に、汝ら闇黒、棲まう場所無し!」

 掌を一度合わせ、何かを包む込むかのように離す。
 両腕を天高く上げ、円を描きながら下げる。

「渇かず、飢えず、無に還れっ!」

 一気に駆け出し、斧を構えていたワルキューレに掌底を叩き付けた。

「レムリアァ・インパクトォッ!」

 この全ては魔術的要素を含まない、ただの格闘戦。
 まるで滑稽、三文芝居の人形劇。
 子供が描く、つまらぬ英雄<ヒーロー>が立ち回る演劇。

「……全く」

 ボゴンボゴンと崩れながら転がるワルキューレ、それを見ながらため息を吐く九朔。
 少年貴族は唖然としたまま、ギャラリーも唖然としたまま、ルイズも唖然としたまま。
 まるで踊るように、軽やか過ぎる動きでゴーレムが駆け巡って7体のワルキューレを叩き潰した。
 唖然とするのも無理は無い、戦いを始めてまだ十数秒しか経っていないからだ。

「さぁ、お楽しみの時間よぉ」
「え、あ?」

 紅朔が声を掛けたのは、ワルキューレが全滅した事に理解が追いついていない少年貴族。
 嘲哂う、紅朔は微笑を浮かべて少年貴族、ギーシュ・ド・グラモンを見た。

「貴方はどんな声で啼くのかしら? 耳を引き裂くような悲鳴? 耳に残り続けるような苦鳴? それとも……」

 一歩、デモンベインゴーレムが踏み出す。

「泣き喚く事さえ出来ず、その生を終えるのかしら?」

 拳を握ったデモンベインゴーレムが走り出す。
 狙いは呆然と立つ少年貴族、青銅のゴーレムを一撃で破壊し潰す攻撃に貧弱な少年貴族は耐えられないだろう。
 一撃で死に至る、それが分かりきった攻撃。

「いい加減にしろ」

 そんな石をも簡単に砕く打撃を、間に割り込み左手一つで止めた九朔。

「これ以上やっても互いに禍根を残すだけではないか」
「禍根? こんな屑の死体が一つ出来上がるだけで他に何も残りはしないわ」
「汝はそうであっても、この者の家族が黙っては居るまい」
「牙を向いてくるなら悉くすり潰してあげましょう」
「先に手を出したのは紅朔であろう? ならば引くのも紅朔であらねばならん」
「驕った傲慢は嫌いなのよ、今ここで全員殺しておけばスッキリするでしょう?」

 そう言って、紅朔の指先から滴る赤い液体。
 それが地面に落ち、染み込み吸い込まれる。
 途端に数十もの土の塊が地面から盛り上がる、同時にギャラリーから悲鳴が上がった。

「知る最強、『烈風』であの程度なら簡単じゃなぁい?」
「簡単であってもやる意味など無い! いい加減機嫌を直せ」
「騎士殿も知っているでしょう?」
「分かるがそうしようとする事には繋がらん、少し落ち着け」
「騎士殿が落ち着かせてくれるの?」
「汝が望むなら」
「……そう、騎士殿がそこまで言うなら」

 生成途中であった複数のデモンベインゴーレムが崩れ、ただの土へと還る。
 その数は約50体、ギャラリーの内と外、囲うように作られていた。
 一斉に掛かればこの場に居る者を殺し尽くすことも出来るかも知れぬ。
 だが、そんな事をしても全く意味が無い。

「……はぁ、全く。 いい加減その性格を直さんと、父上と母上に呆れられるぞ」
「御父様と御母様なら、ありのままの私を受け入れてくれるわ」
「……そうだと良いな」

 苦笑混じりで九朔が返せば、優しい笑みを紅朔が浮かべる。

「ち、ちょぉぉっとぉ!! あんたたち本当に一体何なのよっ!!」

 そんな似つかわしくない状況で、再度ルイズが吼えた。

「そっちの赤いのはゴーレム作っちゃうし! 九朔は軽々と何メイルも飛び上がるし! 訳分かんないわよ!!」
「ふむ、やはり主殿には話しておいた方が良いな」
「さっさと話しなさい! 訳分からなくてイライラするわよ!」
「ふあ……、私は眠いから寝てくるわぁ」

 小さな欠伸を零した紅朔はフワリと浮き上がり、女子寮の方角へと飛んでいった。

「フライまで! あぁーもう!!」
「人目があるので主殿の部屋で話を、……覗き見ている者も居るのでな」
「覗き? だれよ覗いてんのは!!」
「主殿が気にする事でもあるまい、部屋へ戻ろう」
「さっさと行くわよ!」

 今一要領を得ないが、話してくれるならさっさと聞いておきたい。
 そう思いルイズはかかとを翻すが。

「……道を開けなさい!」

 そう一喝してギャラリーをこじ開けた。
 ズンズンと進むルイズについて歩く九朔、その視線は中空へ一度だけ向けられた。

「……ガンダールヴ?」
「……恐らく」

 向けられた視線、遠見の鏡で一部始終を見ていた存在。
 あやふやな会話をするのはトリステイン魔法学院の学院長『オールド・オスマン』と、この学院の教師『コルベール』。

「ガンダールヴはあんな見たことが無い魔法を使うのかね?」
「ど、どうでしょうか……」
「どう見ても使い慣れてるようにしか見えんのじゃが」
「彼女の方はどういう存在か今ひとつ……」
「わからんと?」
「はい、ディテクトマジックを掛けたのですが……」
「ふむ……、ではもう一人の少年の方は?」
「同じです……」
「そちらもよく分からんとな?」
「あの少女と同様に、霧掛かったようによく分からないのです」
「寧ろあの少年の身体能力、そっちのほうがガンダールヴ向きじゃないの?」
「それはそうですが……」

 左手の甲に付いているルーン、それがどちらか一人だけならまだましだった。
 問題は全く同じルーンが二人に付いていると言う事、そして少女は見たことの無い魔法を使い、少年は尋常ではない身体能力を見せ付けた。
 並のメイジなら簡単に片付けてしまうだろう二人、この力が『ガンダールヴ』の物なのか見当が付かない。
 と言うか、先ほど見せた力はガンダールヴの力ではなく、元から持っていた力にしか見えないオールド・オスマンだった。

「詠唱中から守るって、あれじゃあ詠唱し終わる前に敵を倒し尽くしそうなんじゃが……」
「それには同意しますが、確かにあのルーンはガンダールヴの物でして……」
「なら、彼らはガンダールヴの力を使ってないと言うことじゃろう? そんな人物を召喚したのはダレじゃ?」
「ミス・ヴァリエールです」
「あーあー、あの二人の娘か。 あの二人に似て優秀なんじゃろう?」
「い、いえ……、彼女は上手く魔法を使えないようでして……」
「ふむ……、つまり彼らは虚無の使い魔でミス・ヴァリエールの属性は『虚無』って事じゃろ? 全く面倒なことじゃ、あ奴はたいそう娘たちを可愛がっとるそうじゃないか」
「やはり王宮に……」
「王宮のボンクラどもが戦争のダシに使い、公爵が激怒する事など目に見えとるぞい」
「では如何様に?」
「保留じゃ保留、下手に触って厄介な事にでもなったら堪らん。 儂が全て預かるから他言無用じゃ、ミスタ・コルベール」
「はい、わかりました……」

 とぼとぼと学院長室から出て行くコルベールを見送り、オスマンは盛大にため息を付いた。

「はぁー、あの見たこと無い魔法に凄まじい身体能力、どっちもやばいじゃろ……。 あれなら『メイジ殺し』も苦では無いじゃろうなぁ……」

 もう一度ため息を吐くオスマン、これから来たり来る出来事を想像し、がっくりと肩を落とした。


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