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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 三つの『二つ名』 一つのゼロ-03

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

三つの『二つ名』 一つのゼロ-03

最終更新:2011年06月01日 13:53

匿名ユーザー

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  • 三つの『二つ名』 一つのゼロ


「うう……ん」
 妙な寝苦しさに、意識が覚醒しはじめた。
 やたらと背中が痛む。ベッドが、変に硬い。まるで床の上にでも寝ているようだ。
 ごろり寝返りを打つと、なにかにぶつかった。
 表面は柔らかいが、奥にちょっとした固さと質量感がある。なんだこれは?
 うっすらと目を開ける。大きな何かが目の前にあった。
 なんだろうか、頭の方にピンク色の毛があって、その下に肌が覗き、白いのはTシャツ……。
「……うおおっ!?」
 クリフは驚いて飛び起きた。隣で、ヴォルフが眠っていた。
 なんでこいつはこんなところで寝ている。ここは僕のベッドでは?
 ふと、ベッドについた手に冷たさと硬質感を感じた。
下を見ると、ベッドではなく床の上に眠っていたことに気づいた。
 ああ、そうか。そうだった。
 僕は、僕達は昨日……見知らぬ異世界へと、飛ばされたんだった。
 異世界……。
 頭の中で、その単語がぐるぐると渦巻く。悪夢ではなかった。
 目覚めて早々に気分が大きく落ち込む。右手で顔を覆い、嘆息した。なんてことだ……。
 横で口を開けて眠るヴォルフは、クリフが飛び起きた衝撃にも意を介さずに寝息を立てていた。
 クリフは寝不足のしぱしぱとする目を擦りつつ、室内を眺めた。
柔らかそうなベッドの上で、桃色の髪をした少女―――ルイズが、
 あどけない顔で静かに眠っていた。ちょっとだけ羨ましい。
しかし、その寝顔がずいぶんと綺麗だった。
ヴォルフのごつい寝顔を見た後だと、余計にそう感じる。
 部屋の隅で、うずくまるようにして寝ていたキクロプスの姿は見えなかった。
どこかに出かけたのだろうか、そういえば彼は朝が早い。
大方、腹ごなしのトレーニングにでも行ったのだろう。
 クリフはゆっくりと立ち上がった。ひどい倦怠感が身を包む。
睡眠不足に加えて、慣れていない一晩の床での雑魚寝は、意外に体へダメージを与えていた。
 大きく伸びをすると、ゴキゴキと背中の骨が鳴る。
窓の外を眺めた。朝の光は少し柔らかで、清清しいほどに晴れ渡っていた。
窓に寄り、鍵を外して開けると、気持ちのいい爽快な空気が室内に吹き込んできた。
 朝の輝きに、クリフは少しだけ気分が良くなった。
とにかく、あれこれと一人で考えてもしかたがない。ルイズから、また話を聞かなければ。
 チラリとルイズの寝顔を見る。
 そうだ、そういえばルイズは自分が僕達を呼び出した、などと言っていた。
呼び出したというのが召喚というのを指すのならば、当然戻すこともできるのではないだろうか。
そうだ、何故僕はこんな単純なことに気がつかなかったんだ。後で聞いてみよう。
 とりあえず、まだ気楽に寝ているヴォルフに近づいた。すごい勢いでよく寝ている。
その暢気な寝顔が少々勘に触る。よくもまあ、こんなに安眠できるものだ。
 その肩を揺らして起こすことにした。
「……んが」
 間抜けな声を出して、ヴォルフが目を覚ました。
「ずいぶんとよく眠っていたな」
 ついでにチクリと嫌味を言っておく。
「……あら、クリフ。おはよー。……んんー、良い朝ねー。ふあ~あ」
 ヴォルフが伸びをしながら起き上がってくる。
自分とは比べ物にならないほど大きな音を体中から出して、巨大なあくびをした。
嫌味にすら気づいていないようだ。
「……あら? ここってどこかしら」
 ヴォルフは少し寝惚けた声で辺りを見回した。そのうち、ポンと手を打つ。
「ああそうそう、異世界異世界。……ってなによそれ」
 いや、知らないよ。
「あー、夢じゃなかったのねぇ。ちょっとビックリしたわ」
「……僕もさ」
「ま、しょうがないわね。さぁーてとっ」
 軽やかにヴォルフは起き上がると、窓の外の朝日を眺める。
「ワーオ、気持ちのいい朝ねー。とっても空気がおいしいわ。絶好の洗濯日和ね」
 本当に気楽な奴だなぁ、とクリフは思う。
その気楽さには何度も助けられたこともあるのだが、時々悲愴感とは無縁にも思えてしまう。
 ヴォルフが振り向き、視線をさっきまで寝ていた場所に向けた。
その先に、ルイズに昨日渡されていた白いパンツが落ちていた。
「こ~の小娘のパンツも洗わなきゃね。んじゃ、ちゃっちゃと行きましょう」
 そう言うと、ルイズのベッドへと向かう。
「起きなさーい。朝よー」
「……んー……」
「ほらほら、寝てないで。授業があるとか言ってたでしょ」
「……ん……むにゃ……」
 ぐっすりと眠ったルイズは、ちょっとやそっとの声では目を覚まさなかった。
「あーもうめんどくさいわねー。ほら、起きる!」
 がばっとルイズの毛布をめくると、朝の冷気にルイズが驚いて飛び起きた。
「きゃっ! なになに、なにごと?」
「朝よお嬢ちゃん。今日はよく晴れてるわよー」
「はへ? そ、そうなの……。ってだ、だれよあんた!?」
 寝起きの頭に巨躯の大男を見たルイズが慌てた。
確かに、朝一番でこれを見たら誰でも少しは驚く。
「使い魔ちゃんのミス・ヴォルフよ? 忘れたかしら」
「え、ああ、つかいま。使い魔ね。そうだわ、昨日召喚したんだっけ」
 ふあーあ、と可愛らしいあくびをあげる。ヴォルフのでかいあくびとは大違いだった。
はたと、ルイズは何かに気づいてぼんやりと周囲を見回す。まだ眠いのか、目頭を擦った。
「……あれー? ひとりー……すくないわね……?」
「あら、そう言えばそうね。クリフ、キクロプス知ってる?」
 今頃気づいたかのように、ヴォルフが振り向く。
「さあ? いつもの朝のトレーニングじゃないか?」
 クリフの言葉に、ルイズはぷくー、と頬を膨らませた。
「んもー。かってに出歩いちゃダメなのにー。ごしゅじんさまをおこしもせずにー……」
 うつらうつらと文句を呟きながら、のそのそとネグリジェを脱ぎ始めるルイズ。
「あーちょっとちょっと。はいはいストップ。ちょっと待ちなさい」
 ヴォルフはルイズを手で押し止めると、クリフに向かって命じた。
「はい、野郎は出る! お嬢様のお着替えタイムよ。さっさと出た出た!」
 そうして一も二もなく、クリフは上着とネクタイを手に廊下に追い出された。


 部屋から追い出されたクリフが扉の前で何をするでもなく立っていると、
曲がり角からキクロプスが現れた。
 上着を手に持ちピッタリとしたアンダーシャツといういでたちで、白いタオルで汗を拭いている。
「…………どうしたクリフ、そんなところで」
「……追い出された」
「…………? ……ああ、嬢ちゃんが着替えでもしてるのか」
「うん、それだ……あれ、お前そのタオルはどうした?」
「…………メイドに貰った」
「メイド?」
「…………学園付き、とかなんとか……」
「へえ」
 貴族だとかなんだとかと聞いたが、使用人もちゃんといるのか。本格的だなぁ。
 クリフの後ろでは、閉じた扉からルイズとヴォルフの騒がしい声が聞こえてくる。
また何か言い合いでもしてるらしい。
「…………立ち往生だな」
「着替えが終わるまでは入れないな……そのうち出てくるだろ。それより、顔が洗いたいな」
「…………水道はないぞ」
「……嘘だろ?」
「…………本当だ。……井戸から汲まなければ水はない」
「参ったな」
 異世界かぁ……。水道がないだなんて。ってことは……トイレも汲み取り式だったらやだな……。
 その時、廊下に並ぶ木で出来たドアの一つが開いた。中から、赤い髪の褐色の少女が現れる。
「ん?」
 ルイズが昨日着ていた制服と同じだが、はるかに背が高くクリフと大して身長が変わらない。
色気のある香水が鼻腔をくすぐった。
出るところが出て、ずいぶんと発育のいい娘だ。
「……あら? あなたたち、確か……」
 こちらに気づいて珍しいものを見るような目で眺める。
「昨日ルイズが召喚してた、平民じゃない? どうしたのよ、廊下で」
「ああ、はじめまして、かな?」
 クリフが挨拶すると、軽く手をあげて気安く振り返した。
「違うわよ? 昨日はアタシもそこにいたわよ?」
「そうか、それは失礼。僕はクリフ・ギルバート。こっちは……」
「…………キクロプスだ」
「あら、礼儀正しいわね。あたしはキュルケ。微熱のキュルケよ。よろしくね?」
「ああ、よろしく。……僕達はちょっと、追い出されちゃって」
「どうして?」
「それは……ぐわっ!?」
 キュルケの疑問に答えようとした時、クリフの背後で扉の開く音がし、後頭部に硬いものがぶつかった。目から火花が散る。
「あ、ごめんなさい。大丈夫?」
 声に振り向くと、ルイズがドアノブを握って戸口に立っていた。
着替えが終わったのか、ドアの前にクリフが立っていたことに気づかなかったらしい。
クリフはわりと強かにぶつけた頭をさすった。いたた・・。
 ちょこちょこと歩いてルイズが外に出ると、続いてヴォルフがぬっ、と多少窮屈そうに扉をくぐる。
「そんなとこにボケーッっと突っ立ってたら危ないわよクリフ?
 あ、キクロプスも帰ってきたのね。ちょうど良かった、これから朝ご飯らしいわよ。
 ……あら、どなたかしら?」
 突如隣人の部屋から抜け出てきたヴォルフの威容に、キュルケは少し驚いた眼差しを向けた。
身長というよりも、大量についた筋肉でヴォルフは横にも大きい。
それが見る者に圧力を与える。
 それでもキュルケはニコッと笑いかけてひらひらと手を振った。
 それから視線を下に落としルイズを見ると、少し質の違ったニヤッとした笑みを浮かべる。
「おはよう。ルイズ」
 ルイズは嫌そうに顔をしかめると、平坦な声で挨拶を返した。
「おはよう。キュルケ」
「これがあなたの使い魔?」
「そうよ」
「あっはっは! すごいじゃない、本当に人間なのね! こんなにいっぱい呼んでどうするの?」
「うるさいわね」
「あたしも昨日使い魔を召喚したのよ。どこかのゼロさんと違って、一発でね。フレイム~」
 ドアが開け放されたままのキュルケの部屋から、赤い何かが現れた。
「わっなにこれ!? お、大きいわね」
 ヴォルフが驚いた声を上げた。
「おっほっほ! あなたサラマンダーをみるのははじめて?」
「そりゃそうよ。だいじょぶなの、首輪もしないで?」
「あたしが命令しなきゃ動かないわ。あなた体大きいのに臆病ね」
「本当にだいじょぶなのー?」
 サラマンダーは最大サイズの大型犬よりも二周り以上の大きさがあった。
舌先からチロチロと火を出しながら、スッとキクロプスに近づいてきた。
「…………む? ……なぜ俺に近づく? ……いかん、火が……」
「あら? どうしたのかしら、はじめて見た人にフレイムが懐くなんて……」
「ちょっとー、勝手に動いてるじゃなーい。やめてよーアタシトカゲとかヘビはダメなのよー」
 体を摺り寄せるフレイムにキクロプスが慌てるが、服に引火はしない。
「…………うん? ……この火は……」
「ああ、大丈夫よ。この子の火は点けようと思わなければ点かないわ」
「…………便利だな」
「でしょう?」
「……そんなの大したことないわ」
 そっぽを向きながらけちをつけたのはルイズだ。
「あーらルイズ。そんなに羨ましいの?
 そうよねーこんな立派な火トカゲだものねー。ほら、この尻尾なんかすごいでしょ。
 これは火竜山脈のサラマンダーよー。
 この尻尾を好事家に見せたら、値段なんかつかないぐらいよー」
「……あっそ」
「ふっふーん。素直に嫉妬してもいいのよ?
 それじゃお先に失礼するわ。おいでフレイムー」
 そう言うと、颯爽とキュルケは立ち去っていった。
その後を、少し名残惜しそうにフレイムがぺたぺたとついていく。
「…………動物にはわりと好かれる性質だがな……」
 ぼそりと呟くキクロプス。
 うーん、火か……発火……パイロキネシス……。
 あの大きな火トカゲは何か見抜いたのだろうか……などとクリフが考えている脇で、
ルイズが真っ赤な顔で地団太を踏みはじめた。
「う~、悔しい~! なによ、いい気になっちゃって! あの女!!」
「まあまあ、そんな怒んないの。しょうがないでしょ」
 ヴォルフが宥めるが、お構いなしにルイズは興奮する。
「しょうがなくないわよ! いい?
 『メイジの実力を計るには、使い魔を見ろ』って言われてるくらいなのよ!
 なんでわたしがあんた達なのよ!」
「知らないわよそんなの。あんたのせいでしょ?」
「それこそ知らないわよ! ちょっと間違っただけよ!」
「どっちよ」
「知らないわよ!」
「それはどういう意味の知らないなの?
 どうしてアタシ達が呼ばれたのか、それとも自分が今言い間違えたから?」
「あーもう知らない知らないー!」
 ばたばたと腕を振り、ぷんすかしながらルイズは歩いていってしまった。
「あはは、ホントにからかい甲斐のある子ねぇ」
 あ、ヴォルフ。こいつ楽しみはじめてるな?
「……ほどほどにしとけよ」
 クリフは一応釘を刺しておく。
ルイズが本当に機嫌を損ねたら、落ち着かせるのはおそらく自分にお鉢が回る。
「はいはい。だいじょぶよ」
「お前の大丈夫は信用できないからな……」
「あら、心外ね」
 はぁ……。よく言えたもんだよ、元の世界でもどれだけサイボーグ部隊の連中とのトラブルを引っぱってきた前科があると思ってるんだ。自覚なしはいつもだけど……。
「…………いいのか?」
 ぼそ、とキクロプスが言葉を挟んだ。
「なにがだ?」
「…………俺達は食堂の場所を知らない。……置いていかれたら、朝食を食い損なうぞ?」
 三人は慌ててルイズの後を追った。


 食堂は学園で一番背の高い中央の本塔、その中にあった。
「この『アルヴィーズの食堂』は、メイジであると同時に貴族でもある生徒のために作られたのよ。
 あんた達平民なんか本当は入れないんだから、感謝しなさいよ」
 ルイズの説明を聞きながら、クリフは周囲を見回した。
 ふんだんに用いられた大理石や見事な壁の彫刻、高級な拵えの長い机が三つ並んでいる。
使っているテーブルクロスから燭台に至るまで、えらく豪奢な食卓だ。なるほど、貴族か。
 テーブルの上には大きな七面鳥のロースト、金粉の浮いたスープや鱒のパイ、マッシュサラダや香ばしい香りのパン、上等そうなワインなどが所狭しと並べられている。
「うっひょー、こりゃ豪華だわ。おいしそうねー。うーんいい香りー」
 早速、席につこうとするヴォルフ。それを、ルイズが裾を引っ張って止めた。
「? なによ」
「ご主人様より先に座らない。先にやることあるでしょ」
「ないわよ?」
「ある!! なに勝手に決めてるのよ、もう!
 ほら、椅子を引いてちょうだい、勝手なことしないの」
「……んもぅ、手がかかるわねー」
 ヴォルフは渋々としながらも、ルイズの前の椅子を引く。腕を組んだまま、ルイズが腰掛けた。
「さて、それじゃ……」
 自分も座ろうと、隣の椅子を引こうとしたヴォルフの手を、またもルイズが押さえた。
「ダメよ。勝手に座らないって言ってるでしょ」
「今度はなによ?」
「あんたはこっち」
 ちょい、と下を指差すルイズ。そこには、平たい皿が三枚置いてあった。それぞれ、スープと固そうなパンが少量だけ載っている。
「なにこれ? ワンちゃんでもいるの?」
「そんなわけないでしょ。ここは貴族の食堂よ。だから、あんたは床よ」
 ……。……えっ?
「……はぁ? ……なんですって?」
「本当は貴族しか入れないのよここは。
 使い魔だってダメなんだけど、わたしの特別な計らいで床。ありがたく思いなさい」
「……ああん!? アタシ達犬と同じ扱いだってーの?」
 ピキッと額に血管を浮き出すヴォルフ。
「犬より少しは上よ。食堂には入れないんだし」
「……ケンカ売ってんのかしらこの小娘」
「口を弁えない使い魔にはちょうどいいわ」
 そこでルイズはくるりとクリフに顔を向ける。
「あなたはまだマシだから、椅子を使っていいわ。
 ただし、向こうの厨房から借りてらっしゃい。背もたれのないやつよ。
 でも、食べるものは一緒。差別しちゃダメだからね」
 ……。これを、食えと。……。こういうのは……子供のすることとはいえ、ちょっと。
「……アッホくさ。大人をなめてるのかしら」
「なに、文句あるの?」
「あるに決まってるでしょ。やってられないわ」
 ヴォルフはひょい、と勝手にテーブルの上の鱒のパイに手を出し、口に運んだ。
「あっ! こら、ちょっと!」
「あらおいしい。お、このワイン良さそうね。さ、みんな行きましょ」
 大きな手でいくつかのパンを鷲づかみ、脇にワインを挟むとスタスタと歩いていってしまう。
ついでに、右手には先ほど食べたパイが載った大皿を持っていた。
流れるような動きはさすがだ。やるなあ。
「ああー! こらー!! 待ちなさーい!!」
「…………俺もいらん」
 呟き、キクロプスもヴォルフの後について行ってしまう。
「あ! 勝手な真似はしないでってば! ちょっと、待ちなさいよ! こら!」
 怒声を張り上げるルイズを、意にも介さない。
「無視するなー!! 言うこと聞きなさーい!! 何よ勝手にー!!」
「ええと……」
 うーん、参ったな。こんな仕打ちを受けるとは。
昨日からあまり機嫌は良くなかったみたいだけど、そんなに怒らせることをしたかな……。
 クリフはコホン、と一つ咳をつくと、
「……悪いけど、僕も遠慮するよ。これはさすがに、ね」
 そう言って、出て行った二人を追った。
「えっ? あっ、ちょ、ちょっと待って! ねえ!」
 ルイズの声が背中に浴びせられたが、構わずに外へ向かった。


 食堂を出た三人は、中庭の芝生に座ってかっぱらってきた朝食を摂っていた。
「あ~もう! ムカつくクソガキね! コケにするにも程があるわ!」
 憤慨しながら鱒のパイを咀嚼するヴォルフ。気分はともかく、味は気に入ったらしい。
すでに半分以上一人で食べてしまっている。
「うーん。どうしたのかな……ヴォルフ、何か癪に障ることでも言ったのか?」
 寝床はまだしも、ここまでされる謂れはないのだが、とクリフは思う。
「知らないわよ。だいたい、朝だって着替えさせろとかふざけたこと言うし。
 グダグダうるさいからやってやったけどさ、赤ちゃんかってーのよ」
「ううむ……」
 平民がどうのと言っていたが、そういえばここは封建社会なのだろうか。
そうだな、異世界なんだし。そのへんに理由があるのかもしれない。
「それにしてもこれ、おいしいわねー。レシピ知りたいわ」
 ヴォルフは次々とパイを口に運ぶ。常人より体が大きいので、当然口も大きい。
かなりのハイペースで食べてしまう。あまり僕は食べてないんだけど……。
 そうだ、そういえば、元の世界に戻す召喚について、ルイズに話を聞きそびれて飛び出してきてしまった。まあ、あのコルベールとかいう教師もいたし、どこかで聞くチャンスもあるだろうが。
「ふむ……まあ、それはいいとしてだ」
 それより、当座の問題が浮上している。
「昼食から、どうするか……?」
 ルイズの「施し」を断ったので、次の食事からは自分達で探さなければならない。どこかでありつけるといいんだが、学園の中すら不案内の自分達では少々難しい。
「アタシはあのガキから貰うのはやーよ。冗談じゃないわ」
「…………そうだな」
 すでに食べ終わり、芝生に寝転んだキクロプスも同意を示す。
 ヴォルフ達はさすがにムッとしていた。誰だって、あんなことされれば怒る。
そうでなくても、自分達は化け物や実験動物と呼ばれ蔑まれてきた過去があった。
ルイズはそれを知らないが、誰にでも我慢ならないことというものはある。
極端な差別的蔑視には、少し耐えがたいものがあった。
 いくら異世界の権威に属する貴族であっても、あの態度に頭を下げるのはいくらなんでも自分もご免ではある。
「じゃあなんとか探さないとな。なにかアイディアはあるか?」
 クリフがそう言うと、ヴォルフは口を動かしたまま手を組んで首をひねった。
「ううん……どうしたもんかしら。何かいい手は……?」
 クリフとしては、子供の頃から実験場での生活だったので食べ物に困るという状況はあまり経験がなく、こういう時に手段がいまいち思いつかない。
 この中では、唯一まともに市井で暮らしていたヴォルフに意見を期待したいところなのだが……。
「いい手……いい手……そーねー、……どうしましょ?」
 ぽかんとした顔でこちらを見てくる。
 ダメかな……。
 そこでふと、キクロプスが起き上がった。自分達が出てきた本塔の方を眺める。
「どうした、なにか思いついたか?」
「…………あれだけの食堂だ、当然……厨房も大きいだろう。……そこで働けばいい」
「あ、なるほど。それがあったじゃないのー。
 食べ物はいくらでもあるし、人手が足りてないなんてこともありそうじゃない。
 それでいきましょ」
 ふむ、その通りだ。やはりキクロプスは誰かと違って頼りになる。
「…………最悪断られても、残飯くらい出るだろう。……あれだけの量だ」
「……残飯は嫌ねぇ」
「僕もちょっと……」
 ……確かに腹は膨れることは膨れるが。戦場の男の発想、というか。
「…………大丈夫だ、食えないことはない」
「そりゃそうかもしんないけど。生理的にやーよ……」
「とにかく……聞いてみようか」
 三人は立ち上がった。その時クリフの視界の端に、塔の玄関からひょいと桃色の髪が顔を出した。
 ルイズだ。
 きょろきょろとあたりを見回し、こちらに気づくと少し躊躇うように近づいてきた。
「あ~ら、クソ生意気な小娘が来たわよ」
 ルイズに気づいたヴォルフが意地悪そうな声を出す。
 ルイズはクリフ達の前まで来ると、じっと上目遣いにこちらを見て、呟いた。
「……あの……その、勝手に、……動いちゃ、ダメじゃないの……」
「ああん? そんなの知らないっての。なんであんたに断らなきゃいけないのよ?」
「それはっ! ……その……わたしの、使い魔だから……」
「あーはいはい使い魔ね。アホらしいわ、ガキのお遊びに付き合ってられるかっての」
「ガ、ガキの……! なによその言い方! 減らない口ね! わたしをなんだと思ってるのよ!」
「そっくりそのまま返すわよクソガキ。何しに来たのよ?」
「ほんっとに……! ……こ、これから授業なのよ!」
「あ、そう。行ってくれば?」
「あんた達も来るのよ! さっさと来なさい! こんなところでクダ巻いてないで!」
「悪いけどお断りよ」
「なんでよ!」
「イヤだから」
「はあ!? あんた達、使い魔でしょ! わたしの!」
「メシもまともに出せない主に仕えるなんて冗談じゃないわ。
 もうちょっと考えてものを言いなさい」
「じゃ、じゃあどうするのよ! 使い魔やるって昨日言ったじゃない!
 あんなに頼んだから認めてやったのよ!」
「残念だけど廃業ね。アタシ達これから食堂で働くつもりだから。あんたは別のやつ探したら?」
 いやヴォルフ、談判に行くだけでまだ決まったわけじゃ……。
「食堂!? 何よそれ!! ダメよ、使い魔は呼んだのが死ぬまで次のは呼べないんだから!
 勝手なこと言わないで!」
「あらそうなの? でも勝手なのはそっちじゃない。あんたの都合なんて知ったこっちゃないわ」
「ダメったらダメ!! とにかくダメよ!! ダメダメダメ!!」
「はいはい、そこでワガママ言ってなさい。さ、行くわよー」
 ルイズとの会話を切り上げて行ってしまおうとするヴォルフ。
その姿にカッとしたルイズが、ヴォルフの背中に思い切りケリを入れた。
「きっかないわよ~。なにそれ、蚊が刺したみたい。
 アタシを止めたきゃバズーカでも持ってきなさい。あーっはっは!」
「止まりなさーい!! 止まれ、この! この!!」
 叩いたり蹴ったり引っ張ったりしても、ルイズの力ではヴォルフをとても阻めない。
まるで重戦車に挑むアリだ。
飛びついても、笑いながら進撃するヴォルフに引き摺られるだけだった。
「止まれー!! 止まるのー!! と、ま、る、のー!!
 わ、わたしは貴族なのよ! 貴族の命令が聞けないの!?
 聞けないんなら、しょ、処刑しちゃうわよ!?」
「やってみたらどう? アタシ達相手に出来たらだけど」
「ほ、本当にしちゃうわよ!? ギロチンでどーんよ!? 嘘じゃないわよ、怖くないの!?」
「はいはいムダムダ。軍隊が来たって怖くないわね」
「止ぉまぁれー!! んぐぎー!!」
 ルイズは全力でヴォルフの腰を引っ張って踏ん張るが、何の効果ももたらさない。
そのうち、手が滑って勢いよく後ろ向きに転倒した。
「きゃあ!! いったぁ!!」
 地面に頭を打つ。よほど強烈に入ったのか、その場にうずくまった。
「あら、だいじょぶ? 間抜けねぇ」
「おいおい、大丈夫かい?」
 クリフは思わずルイズに駆け寄った。かなり痛かったらしく、プルプルと震えている。
「いたいぃ……! うう~……!」
「あー、これはタンコブになるなぁ……。危ないぞ、あんなことしちゃ」
「う~……! 勝手に、動くな~……!」
 ルイズはもうホコリまみれで半泣きだ。少しチクリと胸が痛む。
「ほら、もうだいじょぶでしょ。行くわよクリフ」
「動くなー!!!」
 ルイズは立ち上がると腰から杖を取り出して、背を向けたヴォルフに向かって振った。
「『ファイアーボール』!」
 その時、クリフは妙な力の収束を感じた。
感じたことのない、しかも異様に濃密なエネルギーの塊。
なんだこれは、あ、まずい、障壁を!
 ドカン!! という爆発音が響いた。

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