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  • ルイズと夜闇の魔法使い-22

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズと夜闇の魔法使い-22

最終更新:2011年02月16日 09:30

匿名ユーザー

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 時を遡ること約二週間。
 王都に連行される馬車から逃げ出したフーケ――マチルダは「ほとぼりが冷めるまで身を隠そう」と素人丸出しの意見を出したサイトを無視してラ・ローシェルへと向かった。
 人目を避けて向かったためその道程は五日ほどもかかったが、当のラ・ローシェルの警備や手配はこれと言って変わった様子もなかった。
 経路が限定されかつ戦時中であるアルビオンへの逃亡は考慮していなかったのか、それとも衛士隊が襲撃を受け敗北するという醜態を喧伝したくないのか。
 ともかく、二人は拍子抜けするほどあっさりとトリステインを脱出し故郷のアルビオンへと戻ってきたのである。

 フネに乗るところまではむしろ吹っ切れたかのように手際よく行動していたマチルダだったが、しかし実際に空に浮かぶ大陸を目にし、そこに降り立つと途端に歩みが遅くなってしまった。
 ウェストウッドに帰り着けばそこで待つティファニアに事情を打ち明けねばならない――という未来が現実味を帯びてきたのだから致し方ないのかもしれない。
 だがいくら歩みを緩めても進んでいる以上はそこへと辿り着く。
 マチルダは最終的に半ばサイトに手を引かれるような形でウェストウッド村へと到着し、ティファニアと再会した。
 戻ってきた二人を見た彼女は大いに喜び、その日の夜は子供達と共に贅を尽くした食事が振舞われた。
 マチルダとしては暗澹とした気持ちを完全には払拭できなかったものの、その時だけはほんの少しだけ気を晴らして再会を祝した。

 そうして子供達が寝静まった夜半に、その時が来た。
 おそらくはその事実を想像だにしていなかったのだろう、不安よりは期待が混じった顔でサイト達にマチルダの『仕事』の事を尋ねたティファニアに全てを打ち明けたのだ。
 話を聞いた彼女はその内容を把握しきれていないのか、半ば呆然とした表情のままマチルダの話に聞き入っていた。
 話を終えてもやはり表情は変わらないまま。
 我に返ったティファニアがどんな表情を浮かべるのか、どんな言葉を放つのか、マチルダは逃げ出したい衝動に駆られながらただじっと待ち続けた。
 そしてティファニアが返した反応は……平手打ちだった。
 夜の静寂を裂くほど派手な音が響き渡り、脇で話を聞いていたサイトが一瞬肩を震わせた。
 およそそのような事とは程遠い――いや、子供達の世話をしているのだから手をあげるくらいはあるだろうが――ともかく、そんな彼女からは考えられないほどに力のはいった平手だった。
 マチルダは痛みよりも行動そのものに忘我して呆然とティファニアを見つめる事しかできなかった。
 今まで見たことのない、ティファニアの怒りにゆがんだ顔。
 彼女は憤りも露に肩を震わせ、言葉もなくじっとマチルダを睨み続けた。
 そして次に彼女から出てきたのは、嗚咽だった。
 ティファニアは一転して眼からぼろぼろと涙を零し、床に崩れた。
 慌てて寄り添ったマチルダに縋りつきながら、彼女は子供のように泣きわめく。

 ――平手打ちよりも、そんなティファニアの姿を見ている方がはるかにいたかった。

 サイトはいつの間にか部屋から姿を消していた。
 マチルダは震えるティファニアの身体を優しく抱きしめ、何度も髪や背を撫でさすりながら夜を明かした。


 ※ ※ ※


 それから三日ほどの間、マチルダは村の外に出ることもなくティファニア(とサイト)と共に生活を共にしていた。
 サイトを召喚してからの半年はともかくとして、それまでは特に理由もないのに終日村に留まった事はほとんどなかったので自主的な謹慎とでもいった所なのかもしれなかった。
 もちろん最初の内はそれを喜んでいたティファニアだったが、彼女の意図に気付いてそれを気に留め、出かけてみてはどうかと促したのだ。
 それを受けてマチルダはシティ――彼女の生まれ育ったシティ・オブ・サウスゴータ――に出かけると言った。
 因縁の深すぎる場所だけにティファニアは不安を覚えたが、当のマチルダは軽く笑って見せる。
「四年前にすげ変わった名ばかりの元領主、その娘なんて誰も覚えちゃいないよ。顔を知られるほど街に貢献した事もないしね」
 やや自嘲的に吐き出したその言葉と共に、彼女は陽が暮れる頃には帰ると村を出て行った。

 ティファニアとサイトはやや遅めの昼食を終えた後、テーブルを挟んで向かい合う形で椅子に腰掛けていた。
 たった三日程でしかないはずなのに、その前はいないのが当たり前だったのに、マチルダがいなくなった家は穴が空いたような寂寥をティファニアに感じさせていた。
 一方のサイトは、この空間に微妙な気まずさを覚えて何も喋ることができなくなってしまっていた。
 というのも、ティファニアにとってはマチルダがいないのが普通であったのと逆に、彼にとってはマチルダがいる事のほうが普通だったからだ。
 ハルケギニアに召喚されてからの半年は一緒に暮らしていたし、彼女が出て行ってから間もなくサイト自身もティファニアに頼まれてウェストウッドを後にしている。
 なのでこうして同じ部屋に二人っきりという状況が落ち着かないのだ。
「サイト、ありがとね」
 そんな沈黙を先に破ったのはティファニアの方だった。
 破るというよりは針の穴を空ける程度の囁き声にサイトが振り向くと、彼女は軽く小首を傾げて微笑む。
「マチルダ姉さんを連れて帰ってきてくれたこと」
「あー、うん……」
 サイトは照れ臭そうに眼を背けて頬をかくと、ほんの少し後ろめたそうにして彼女に返す。
「でも、ホントによかったのかな。確かに盗賊とかやってんのは悪いだろうけど、あの人だってテファのためにやってたんだし……言うのも聞くのも辛かったみたいだし」
 その時のことを思い出してサイトは小さく肩を震わせた。
 ああいった本気の修羅場……のようなものを目の当たりにするのは初めてだったので彼は立ち竦んで動くこともできなかったのだ。
 もうとにかく空気が張り詰めすぎていて息をするのも苦しかった。
 傍観者だった彼でさえそうだったのだから、当事者の二人の心労はその比ではなかったはずだ。
 まがりなりにもこれまで上手くいっていたのだから、お互いに知らない知らせないままでもよかったのではないか、と彼は思う。
 ティファニアもそれを思い出したのか僅かに苦しそうに眉根を寄せて、しかしゆるゆると首を左右に振った。
「確かに辛かったけど、知らないままでいるよりもずっといい。それが私のためだったっていうなら、なおさら」
 言って彼女は自らの胸に手を添え、眼を瞑る。
 あの日の夜の事を反芻するように少し沈黙した後、ティファニアは改めてサイトに見やって口を開いた。
「姉さんももう盗賊はやらないって約束してくれたし、今はもう幸せだから。全部サイトのおかげよ」
 言葉の通り、幸せそうな笑顔を見せるティファニアを見てサイトは顔を赤くしてそっぽを向いた。
 照れ臭さが増して彼は半身ほど彼女から身を反らし、眼を合わせないまま呟いた。
「ま、まあ、俺、今はテファの使い魔だから。役に立てたんならそれでいいよ」
「ふふ……ありがとう、使い魔さん」
 陽光の加減だろうか、横目で見るティファニアの笑顔はとても眩しくて胸が熱くなる。
 この世界に召喚された当時では不満と諦観がかなり先走っていたが、こうして誰かの役に立ったり彼女が笑ってくれるのなら使い魔生活もそこまで悪いものじゃないのかもしれない。

 そんな事をサイトが考えていると、ティファニアがぽつりと声を漏らした。
「何かお礼をしたいんだけど、欲しいものとかしたいこととかあるの? その……元の世界に帰すのはできないけど……ごめんなさい」
 地球から召喚された事に関してマチルダは一切サイトを相手にしなかったが、ティファニアはとにかく何かと気にして謝ってくれた。
 落ち着いてから改めてその辺の事を聞けば、今回の召喚は完全に彼女達の想定からは外れた事故のようなものだったと理解できた。
 今にして思えばあんな怪しさ炸裂の鏡に興味本位で入ってみた自分自身にも落ち度はあると思っている。
 なのでティファニアがこうして表情を翳らせて言うのを見ると、逆にこちらの方が申し訳ない気持ちになってくるのだ。
 サイトは慌ててティファニアに向き直って、
「いや、別にテファが悪いって訳じゃないんだから気にする必要ねえよ。それに今んところ欲しいとかしたいとかも――」
「何でもいいのよ。私にできることならなんでもするから」
「なん……でも?」
 ぴたりと動きを止めた。
 翠色の瞳でじっと見つめてくるティファニアの綺麗な顔から、思わず視線が下に動く。
 まさに《大鑑巨砲》とでも言わんばかりに存在を強調している胸が静かに息づいている。
 何でもするって? マジで?
 こんな美少女からそう言われて反応しない男がいるだろうか? いやいない(反語表現)。
 サイトの視線に気付いたのか、ティファニアははっとして顔を赤く染めた。
 彼女は凝視されていた隠すようにして(全く隠せてないが)身を背け、恥ずかしそうにサイトを見つめる。
「あ、や、これはその……!」
 慌ててサイトはやや大仰な身振りで手を振った。
 しかしティファニアはしばしサイトをねめつけたあと、おずおずと口を開いた。
「……聞いてもいい?」
「はい、なんでしょう……」
 かしこまったサイトに、ティファニアは僅かな沈黙の後ぽそりと呟いた。
「やっぱり、私の胸って変なの……?」
 うん、変。すっごい変。
 しかしそれは決して悪いことではなく、むしろ誇るべき代物だ。胸を張って良い。むしろもっと胸を張るべきだ。
 もはや地球の常識ではおしはかる事のできない領域の偉業だろう。
 いうなればこれはファンタジーだ。さすがはファンタジー世界、ハルケギニアである。
 ……いや待て、まさか本当に幻想(ファンタジー)なのではあるまいか?
 果たしてこの胸は本当にリアルなのだろうか。
 サイトの好奇心が限界突破した。
「た、確かめてみればいいんじゃないカナ?」
「えっ……」
 桜色だったティファニアの顔が林檎のように真っ赤に染まった。
 しかしサイトの脳はそれ以上に真っ赤に茹っていた。
「せっかくだから変かどうか確かめてみればいいんじゃないカナ。むしろ確かめてみたい。今どうしてもしたいことができた」
「えぅ……」
 顔を耳まで真っ赤にしたティファニアが小さく呻いた。
 自分で言い出した事だけに今更撤回する事ができないのだろう、彼女はせわしなく視線をさまよわせる。
 ちらちらと様子を窺ってくる彼女の視線を、サイトは極めて真顔で受け止める。
 これまでの人生で一度たりとも見せたことのない真摯な表情であった。
 ティファニアが口を開きかけては慌てて口を閉じ、あちこちに視線をやり、そんな事を何分か繰り返した後――覚悟を決めたかのように言った。
「じゃ、じゃあ、確認……する?」
(来ったぁあああーーー!!!)
 サイトは頭の中で雄叫びをあげ、脳内でガタッと立ち上がり拳を天に向かって突き出した。
 うおおおお、使い魔最ッ高ォ!!
 俺、ハルケギニアに召喚されてよかったよ! テファの使い魔になってよかったよ!
 これでもしご主人様が美少女だけど《戦艦の装甲板》クラスな体形のツンデレ(なんとなくピンク髪)とかだったら性癖を自己改造した上で年単位のフラグ立てしなきゃならなかったよ!!
 ありがとう神様、おめでとう平賀 才人!! 今俺は人生の絶頂期に立っている!!


「サ、サイト……?」
 サイトの異常な雰囲気を察したティファニアが恐る恐る声をかけると、サイトははたと正気に戻って居住まいを正した。
 いや、正気には戻っていなかった。むしろ突き抜けすぎてしまったと言った方がよかった。
 正気の自分との脳内問答すらすっ飛ばしてサイトは更に踏み込む。今の自分には不可能はない。
 サイトはティファニアに顔を寄せてぼそぼそと提案した。
「――って言ってごらん」
「っ!?」
 途端にティファニアの尖った耳がピンと揺れ、紅潮させた顔を震わせた。
 そして彼女はほんの少し恐れを含んだ表情で小さく首を振る。
「な、なんでそんなこと……」
「確認するために必要な台詞なんだヨ。言わないと確認できない。てか言ってください。お願い」
「~~~……」
 ティファニアは至って真面目な表情でのたまうサイトから逃げるように眼を反らした。
 いっその事物理的にも逃げ出してしまえばよかったのだろうが、彼女は生真面目だった。
 彼に感謝していてお礼をしてあげたいというのは事実だったし、違う世界とやらから召喚してしまったという負い目も少なからずある。
 提案は全くの意味不明で死ぬほど恥ずかしいけど、それで彼に報いる事ができるのならやってあげてもいいじゃないか。
 ティファニアは決心して小さく息を呑んだ。
 そして真っ赤な顔を俯けたまま、やや上目遣いで囁くように言った。
「……メ、メロンちゃんは今収穫期なの。……たわわに実った、う……熟れ熟れの果実をサイトに採って欲しいな」
 言ってしまった後で恥ずかしさ加減を実感したのか、ティファニアは完全に顔を伏せてしまった。
 サイトは感激に身を震わせ、弾けるように身を乗り出してティファニアの両肩を掴んだ。
「う、お、あ……さ、さささ最高だ!? テファ、もといメロンちゃん最高! 超可愛い、大好きだ!!」
 大部分は煮えすぎた台詞だったが可愛いだの好きだのと言われればまんざらでもないのか、ティファニアはわずかに顔を上げてはにかんだ。
「メロンちゃん恥ずかしい……」
「く……っ!?」
 こ、こここの女、なんて顔しやがる。明らかに誘ってるじゃねえか。
 つまり最初からオッケーだったって事なのか。何かと気にかけてくれていたのも文字通り気があったという事なのか。
 いままではマチルダがいたので言い出せなかったけど、あの人がいなくなったからお礼にかこつけてあんな事を言い出したのか。
 ……そういうことか。
 サイトは全てを悟った。宇宙の真理を解き明かしたかのような開放感と達成感が彼を包んだ。
 それは間違った宇宙の真理であったが、誰も彼を止めるものはいなかった。
 肩に乗せた手に軽く力を込めると、ティファニアの体がわずかに強張った。
 しかし彼女は逃げようとはせず、ほんの少し湿り気を帯びた瞳でサイトを見つめた。
 これは……イける!?
 サイトの頭に確信にも似た予感が轟いた。
 もう倫理とか板の規制とかそんなものどうでもいい。
 一年前に異世界に辿り着いたサイトは、今また新たな世界へと旅立とうとしていた。



 まるで何かが爆発したような轟音が響いた。

 瞬間、サイトは椅子を蹴倒して飛び退り、ティファニアから離れてもんどりうって床に転がった。
 泡を食って起き上がったサイトが眼にしたのは、視界一杯に広がった巨大な"土くれ"の拳だった。
「あヒ」
 メロンが潰れたような鈍い音が響き渡った。


 床板を突き破って出現した土塊の拳にサイトが叩き潰された後、数秒ほどの忘我からようやくティファニアが我に返り悲鳴を上げる。
「サ、サイト!? サイトぉっ!?」
 彼女は慌てて駆け寄ろうとするが、立ち上がると同時に酷く陰鬱な音を立てて扉が開いた。
 髪が逆立つような寒気を感じてティファニアは立ち竦み、おそるおそる振り返る。
 そこには恐ろしいまでの無表情で部屋の惨状を見据えるマチルダが立っていた。
「あ、……ね、ねね、姉さん……」
 ティファニアは腰が抜けてその場にへたり込んでしまった。
 そんな彼女にマチルダはちらりと眼をやり、吐き捨てるように呟く。
「……日も暮れてない内からサカりやがって、このクソガキ共が」
「ひぅっ……!」
 冷め切った声にティファニアはびくっと身体を震わせ、頭を抱えて蹲り子猫のように身を縮込ませる。
 カタカタと震える少女を一瞥した後、マチルダは部屋の中に盛大に盛られた土塊へと歩み寄った。
 手にした杖を振って土を割り埋葬されたサイトの遺骸(半歩手前)を発掘すると、彼女は彼の頭をゴリッと踏みつける。
「おい、犬」
 声をかけると同時にサイトの身体が派手に揺れた。
 マチルダは返答のない彼の頭を砕かんばかりに足で踏み躙りながら言葉を続ける。
「お前、今、何しようとしてた? 答えな」
「……なんといいますか、若さ故の過ちといいますか、迸るパトスがダーザインの昇華を引き起こし、必殺のオーギュメントが天使ちゃんに炸裂しかけたといいますか……」
「誰が人間の言葉使っていいッつった」
「……わん」
 マチルダは一つ溜息をつくと、身を屈めてサイトに言う。
「もうね、飼い主に粗相をする駄犬はどうしたらいいんだろうね? 去勢するか? あぁ?」
「きゅーんきゅーん……」
 混じりっ気なしの本気の響きにサイトはガタガタと震えながら呻いた。
 そんな彼を彼女はしばし見つめた後、忌々しげに舌打ちしてから足を離す。
「こんな事なら『あいつ等』を連れてくるんじゃなかったよ」
 とはいえ連れて来なければこの場には間に合わなかったのだから、どちらが幸でどちらが不幸なのかわからない。
 マチルダは今だに頭を抱えて蹲っているティファニアを振り返り声をかける。
「テファ、客だよ」
「ひっ……え、お、お客……?」
 おっかなびっくり顔を上げて覗き込むティファニアに、マチルダは溜息をつきながら首肯する。
「といってもあんたの客じゃなくてこっちの駄犬のね。とりあえず、帽子」
「あ、は、はいっ」
「わん?」
 慌てて立ち上がり部屋を出て行くティファニアと、よろよろと身を起こしながら首を捻るサイト。
 帽子を目深に被って耳元を隠したティファニアが戻ってくると、マチルダは再び溜息を吐き出してから彼女に歩み寄り、髪を整える。
 くすぐったそうに眼を細めるティファニアに、マチルダは耳元で囁いた。
「あんたももう子供じゃないんだから、惚れた腫れたは好きにすればいい。だけどノリで流されると後悔するよ」
「えっ……」
 ティファニアは驚いてマチルダを見やる。
 しかしマチルダは軽くティファニアの肩を叩くとそのまま部屋を後にしてしまった。
 マチルダの出て行った扉を呆然と見つめて続けるティファニアに、おずおずとサイトが声をかけた。
「何? 何か言われたのか?」
「……うぅん、なんでもない」
 ティファニアはマチルダに言われた台詞を反芻して頬を僅かに染めると、顔を隠すように帽子を目深に被ってしまった。
 彼女の意図が理解できずにサイトは首を捻るばかりだったが、それを確かめる前に再びマチルダが戻ってくる。
 そこでサイトはマチルダが自分に用のある客が来たと言っていたのを思い出した。
 ハルケギニアに着てから客が来るほどの人脈など築いたことなどなかったので、心当たりなどまったくない。
 どこか面倒臭そうな顔のマチルダに促されてその『客』が部屋に入ってくる。
 それはサイトと同年代か少し上くらいの青年と、青髪の年下らしい少女。
 緊張で僅かに身を強張らせたティファニアをよそに、サイトは青年の方に眼が釘付けになった。
 どこかで見たことがあるような気がする。最近ではなく、結構前――そう、あれは。
 視線に気付いたのか、青年がサイトに眼をやって軽く眉を潜めた。
 そして彼はサイトと同じように凝視した後、呟く。
「パーカー? お前まさか……」
「あ゛ぁーーーーーーーーっ!?」
 青年の疑問の声を掻き消さんばかりにサイトは大きな叫び声を上げ、彼以外の全員がぎょっと眼を剥いた。
 向けられた視線を意にも介さず、サイトは青年に詰め寄った。
「お、思い出した! あんた、一年前! 秋葉原で! ヘンなコスプレ集団といた……なぁんかひいらぎぃれんじいぃっ!!」
「人を種族名みたく呼ぶんじゃねえ!? てか、それを知ってるって事はやっぱお前ファー……いや、地球の?」
「そうそれ! 地球! 地球だよ!!」
 向こうの方から待望のフレーズを口にしてくれた嬉しさでサイトは青年――柊の手を取ってぶんぶんと振り回す。
「お、俺、サイト! 平賀 才人!! 地球人!!」
 ようやく巡り合った同胞と交わした挨拶は、まるでSF映画のようなやりとりだった。



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