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  • ゼロのドリフターズ-09

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのドリフターズ-09

最終更新:2013年03月20日 23:46

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「――それじゃあ・・・・・・始めるか」

 言葉と共にメンヌヴィルの表情が完全な狂兇一色に染まり、ブワッと熱が膨れ上がる。
業炎が溢れ出したのとほぼ同時。メンヌヴィルは三つの影が動くのを感じていた。
中央前列のウェールズ近くの一人、向かって左に二人。

 続いて少し勝手は違うが、聞き慣れたような火薬の破裂音が響いた。
内いくつかは重なるように耳を震わせたその音。
敵の内の二人が原因だということはすぐにわかった。前列の一人と、向かって左の片一方。
連射出来るなどとは聞いたことはないが――それは紛れもなく銃なのだろう。

 メンヌヴィルは鉛が蒸発する匂いに眉を顰めつつ攻撃を中断し、渦巻く炎を一旦周囲に置いておく。
魔法を展開するのが少しばかり遅れていれば、弾丸が当たっていたやも知れない。
撃ったのは丁度正面に位置する小柄な影。左手にナイフ、右手に銃器を構えているようだった。

 仲間が一挙に三人もやられたのをメンヌヴィルが把握したところで、たちまち乱戦へと発展した。
そうなれば今まで狂った己に付き従ってきた隊員達、魔法人形などはものともせず数の差を圧倒する。

(女・・・・・・それもガキか)
メンヌヴィルは眼前の者をすぐに理解した。されど女子供だろうが強者は強者。侮る理由にはならない。
そうでなくともメンヌヴィルは普通の人間よりも、対象の本質を知ることが出来る。
メンヌヴィルの持ち得る"眼"と、戦場経験が教えてくれる。
銃をしまってナイフのみをこちらへと向けているだけなのに、何か途方もないような圧迫感を感じる。

 「面白い」と考えている内に隊員は一人、また一人と減っていった。
最初こそ押し込んでいた。伏せていた隊員からも援護魔法が飛んでいる。
だが一人とてつもない術者がいた。最初に動いた三人の内、銃を撃たなかった方の男。
魔法で巧みに片一方を守りながらも、確実にこっちの面子を葬り、削り取ってきている。
味方のガーゴイルを捨て石にしつつ、容赦無く淡々と刈り取るサマ。

 その鮮やかさはただただ美しく、思わず惚れ惚れするほど。
戦において負ける気はしないが、単純なメイジとしての力量は今の己すら凌駕しているだろう。
否、今までに知る誰よりも凄まじい使い手。思わず震えてしまうほどに。
――まず無駄がない。その動きも、使う魔法も。相性を含めて的確に必要最小限で倒していく。
圧倒的な経験と、バトルセンスが為せる技。あれがきっとトリステインの凄腕とやらなのか。

 メンヌヴィルの中の冷静な部分が状況を観察し分析していると、またも破裂音が響いた。
銃士の男が初手以来、ようやく動きを見せたのだった。何か"長物"を構えて連続して撃っていく。
戦場でも味わったことのない、"連射できる銃身の長い銃"。敵方でそれを認識出来たのはメンヌヴィルのみ。
銃士の男はその銃をもって、伏せていた三人の隊員を順繰りに、確実に狙撃していった。
鋭敏に観察して出所を探っていたのだろう。片方が守り、片方が見つけて撃つ美事なコンビネーション。

(警戒すべきは三人か・・・・・・流石に正面から同時に相手するのは骨だな)
凄腕メイジは言うまでもなく、眼前の得体の知れない少女と、伏兵をどんどん殺していった銃士も油断ならない。
メンヌヴィルは決断する。だからせめてウェールズだけは殺しておく。"仲間もろとも"であろうが関係ない。
20年前の・・・・・・今の己のキッカケとなった男を、捜し出して焼き殺すまでは死ねない。
ウェールズさえ殺せば面目は立つし、今後の為にも金と人脈は必要だ。

 メンヌヴィルは微塵にも気配を見せずに、火勢を一層濃くして地中から炎を走らせた。
欲張れば地下を突き進む炎を気取られる。気取られれば不意討ちは失敗してしまう。
よって一人相手が限度だった。特にあの火水風土の四色メイジは油断ならない。
大地から伝わる違和感を、体を通して勘付かれる可能性が非常に高い。
そうでなくともあんな美味そうな三人を、いともあっさり殺すのは憚られる。


 数瞬の内に地盤を溶かしながら進んだ高熱は、正確にウェールズ達の足元から吹き出てあっさりと呑み込んだ。
ウェールズと、相対していた仲間の隊員は、声をあげる間もなく一瞬で燃え上がる。
そして同時に正面の少女から感情の動きが見て取れた。

(・・・・・・これは・・・・・・買い被っていたか?)
得体は未だ知れないし、威圧感のある少女。しかしたった今、感情に大きな揺らぎを見た。
それはすぐ隣でウェールズが死んだこととは・・・・・・また別物のようである。

 そしてこの場にいた最後の隊員の絶命を感じながら、メンヌヴィルから笑みが消える。
この場に残るはたったの四人のみ。その内敵が三人――"最初に動いた三人"と己だけが残っていた。

 注目すべきは最初に虚を突いて、即座に撃ち殺した手並の銃士。
伏兵の位置を正確に補足し、撃ち殺していった力量。
ほのかに纏う空気も、間違いない。そう・・・・・・アイツが一番"コチラ側"に近い。
上品さの欠片もない。ただ無情に、一片の躊躇なく、殺すことだけを目的としていた。
凄腕メイジの無駄のなさとは違う。ただ淡々と、仕事をこなすように殺人を為した。
メイジでもないたった一人の銃使いに、実に6人もの経験豊富な傭兵メイジがあっさりと殺されたのだ。

 メンヌヴィルは改めて笑みを浮かべた。
魔法ではなく銃による効率的な殺し方。それもまたそそると。
疼く・・・・・・どうしようもなく。20年前のあの隊長以来に、心の中の種火が燻る。
やはりこいつらに俺を試したい。我が炎でもって焼き尽くしたい。

 だが20年も焦がれてきたあの男を諦めたくはない――だから聞いておこう。
今は必要とあらば逃げることも辞さない。既にウェールズを殺す目標は達成している。
だからまた会う為に、次に戦った時にその肉の香りを嗅ぐ為に・・・・・・メンヌヴィルは問うた。

「お前達の名が聞きたい」

†

「――それじゃあ・・・・・・始めるか」
メンヌヴィルの言葉が――その瞬間に発した殺気が合図であった。

 ――シャルロットは、リボルバーを抜いていた。目の前の男から炎熱が噴き上がるその瞬間。
遂に・・・・・・この時が来た。相対した状況からの、正真正銘の命の奪い合い。今まで幾度も考え悩み抜いてきた瞬間。
戦場特有の高揚感なのか・・・・・・頭も鈍くなく、気配を敏感に察して動けている。我ながら驚くほどに。
そして――殺す。殺すしかない。肌がピリピリと焼けそうなほどの強烈な殺気。その根源たる手練れの術者。

 まだまだ練度は低いものの、何度も繰り返してきた動作。
右手で銃を引き抜きながら親指でハンマーを起こし、銃口を敵に向け、トリガーを引く。
未だ低い命中精度は連射で補う。右親指でコックして何度も連続して撃つ。2発――3発――
ワンテンポ遅れて4発目を撃ったところで無意味を悟る。弾丸が一切"届いていない"と。

 黒色火薬が燃焼したことによる、視界を覆い尽くすほどの硝煙と匂い。
半歩ほど躰を横にずらしつつ――シャルロットは銃をホルスターへと戻す。
シリンダー内に込めておいた弾薬は5発。再装填する暇などはない。
それに何よりも、眼前の敵首領と思しきメイジから目を離せない。それほどのプレッシャー。

 他の敵は自分には手を出してはこなかった。ウェールズの命を最優先していることもあろうが。
恐らくは目の前の首領格の男が理由だろう。――戦闘狂は戦場ではザラにいる人種。
往々にしてそういった種類の人間は、自分の獲物を掠め取られることを非常に嫌う。
目の前の男もその類で、周囲もそれをわかっているのだ。
だから自分は他には構わず、敵首領だけを相手にしていれば良い。
眼前の敵を止めておくことが最優先、己が為すべき仕事だと判断する。

 左手で順手に持ったナイフの刀身を、差し出すように向ける。
押し潰されそうな緊張感の中でも。集中一つ乱さず敵首領を互いに釘付けにし続けた。


 ――キッドは、シャルロットと同時に・・・・・・されど銃弾はシャルロットよりも早く撃ち込んでいた。
視界に映っていたメイジを適当に選び、各人二発ずつ計三人。確実に胴体へと弾丸を叩き込む。
硝煙が視界を遮る前に、フル装填された6発を撃ち尽くす高速連続精密射撃。
積み上げてきた技術の年季が違う。拙いシャルロットとは比較にならない。
銃の名手としての実力を、ガンファイターとしての力量を、遺憾なく発揮した。

 撃鉄部に左手を添えて、手の平で仰ぐように連射していく『ファニング・ショット』。
命中精度こそ落ちるものの、それでも一発も外すことなく的確に命中させた。
常人であれば3発分の音しか聞こえないほどの連射間隔。

 とりあえず直近の仕事は終えたと、周囲を警戒しつつもキッドは悠長にリロードを始めた。


 ――シャルルは、銃よりは遅いがそれでも詠唱速度は有象無象をものともしない。
魔法で風の障壁を張って安全を確保したところで、戦場はようやく脈動した。
ウェールズも、お付きの護衛達も、敵傭兵部隊も、一斉に動き出して大乱戦となる。

 魔法を使えないキッドを守りながら、素早くも焦らずにシャルルは相手を選別していく。
火、水、風、土を様々に掛け合わせ、時に堅固に、時に柔軟に、効率良く敵性戦力を無力化させていく。
空気の流れを知り、温度変化を読み、踏みしめる地から伝わる感覚で戦場を把握し立ち回る。

 四系統をそつなく使いこなす万能さ。器用貧乏とも言えるが、それはデメリットではない。
どれも中途半端な系統特性だったからこそ、四系統の全てを伸ばすことが出来た。
それぞれを使いこなせるからこそ出来る戦術。圧倒的な対応力が実現する。
伝説や物語にも残るメイジのような華々しさはない。だけどそれで良かった。

 今の力があるからこそ守れるものがあるのだから。

†

 感覚が麻痺しているのだろうか。シャルロットはそんなことを心のどこかで思う。
眼前の敵は動かない。こちらも動かないし・・・・・・動けない。
詠唱して攻撃するタイミングを掴めない。しこりのように、何故だかどうしようもない気持ち悪さが残る。
こちらを見ているようで・・・・・・見ていない。まるで見えざる手で、心の臓腑を鷲掴みされているような感覚。

 依然として微動だにしない敵の周囲を、炎が生物のようにうねっている。
『火』は――破壊に優れ、戦争向きの系統と言われる。それもその筈、炎とは攻防一体。
単純な熱量による高火力は、土も、水も、風さえも届かない。

 延焼すれば被害は拡大し、ひとたび燃やされれば呼吸が――詠唱がままならない。
結局のところ、どの系統であろうが"最強"とは術者と環境次第ではある。
ただ炎は四系統の中でも特に強度幅が顕著であり、殆どの魔法が攻撃向きなのが特徴。
風系統のような小器用さはいらず、ただ威力を高めるだけで十二分に強力になる系統だ。

(それにしても・・・・・・)
目に焼き刻むほどに燃え続けるあの炎は異常だ。父様やキュルケの炎とは明らかに違う。
まさに戦の為だけに練磨し続け、それまで焼き殺してきた全ての魂を燃料にしているかのような禍々しさ。

 もちろん魂だの霊だのといった類のものは存在しない――信じていない。
そんなシャルロットでも錯覚せざるを得ないほどの、立ち昇り続けるオーラ。
フーケも大概だったが、この男はさらにレベルが違う。炎を極めたと言っていいメイジだろう。

(初めてまともに戦う敵としては・・・・・・荷が重い)
こちらが詠唱しようにも駄目だった。先に動いたら負けると"思わせられる"。
手の中にあるナイフと、自分の特性が併せれば"そんなことはない"筈なのに。

 戦素人である己のチャチな第六感ですら告げている。警鐘を鳴らしている。
実戦経験はほぼ無きに等しく、本能よりも理屈をとるタイプのシャルロットであったが、ここだけは踏み留まる。
最初は魔法による全力火力で攻めようと思っていたが、結局は銃での先手に切り替えた。無意識に選んでいた。
結果論だが、日和ったのは正解だったかも知れない。魔法を放てば敵も黙ったままではいまい。

 相手が炎系統の実力者とわかった上で、今こうして睨み合いながらゆっくりと戦術を考えられる。
焦って仕掛けていれば、"初撃で死ぬことはなかろう"が、畳み掛けられた可能性は無いとは言えない。
(これもまた一つの好機と見る・・・・・・)

 シャルロットは自身で気付かぬまま――笑みを浮かべた。

†

 深めに被ったハットの下で額のルーンが一層輝く。
(う~ん、カオスだ・・・・・・)
キッドは心の中で溜息を吐きながらも、澄んだ心で状況を見続ける。
ある意味美しく見えなくもない、魔法飛び交う乱戦――
安請け合い・・・・・・というほどではない。本当に敵が攻めてきたが、想定の範囲内でもある。
とにかく幸いだったのがシャルロットの父親シャルルが、予想を遥かに超えて凄まじかったことだ。

 魔法に疎いキッドでも「これなら問題ない」と確信するほど。
心配の必要もなかろうが、一応シャルロットの方も目を向ける。あっちはあっちで膠着状態のようであった。
リロードしながら様子見をしていく内に、徐々に"魔法人形"の減少を感じる。さながら肌で直接感じるように把握する。

  "神の頭脳『ミョズニトニルン』。知恵のかたまり神の本。あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す"。
ブッチが刻んだ『ガンダールヴ』同様、キッドが額に刻むそれも伝説のルーン。

 ガンダールヴはあらゆる"武器"を使いこなし、ミョズニトニルンはあらゆる"魔道具"を使いこなす。
ブッチのそれと違って身体機能の強化こそないものの、同時に扱える魔道具に際限はないようだ――
――少なくともここ数日。休息を挟みつつではあるが、普通に動かすだけならば限界というものは見えなかった。
ガンダールヴには発動時間に限りがあるが、ミョズニトニルンはひたすら安定していた。


 ハルケギニアには様々な"魔道具"が存在し、用途も多岐に渡る。
生活用品から戦闘用品まで、作り手の実力次第でどのような物品でも作ることが出来る。
その最たるものが『魔法人形』である。『ガーゴイル』とも呼ばれ、各所で見られるポピュラーなもの。
連絡・運搬・警備・娯楽など、生活の一部として運用されている。

 形状は人型から獣型まで、大きさも小動物から建造物並まで。飛行するタイプなども存在する。
才能ある土メイジが素材と環境に恵まれれば、本物の人間と見紛うほどの精度でも創れるとか。
特殊な効果を持たせることも可能であり、大半は遠隔自動操縦型で相応の魔力を必要とする。
より高度な動作を可能とするガーゴイルほど魔力が必要であり、外部入力を要する場合もある。

 ウェールズを護衛する一団の、殆どを占めていたガーゴイル人形は戦闘用であった。
40を超えるガーゴイルに重厚な兜や鎧を着せて中身を隠し、槍・剣・盾などを持たせた上で馬に乗せた。
簡単な応対しか出来ないものの、ミョズニトニルンが操れば反応はまさに人そのもの。
馬に騎乗しながらも、ガーゴイル達は熟練部隊が如く行進した。
だから誰も疑わなかった・・・・・・人間じゃないなどとは。数こそ少ないが精兵がついているのだ、と。

 首都ロンディニウムからずっと――キッドのミョズニトニルンは人形を動かし続けた。
魔力も知識も持たない漂流者が、まるで片手間と言わんばかりの感覚で。
それでいて微細とも言える操作で魔法人形を人間のように見せた。
触れるだけで魔道具の性質を余さず理解し、どんな魔道具でも無尽蔵に使いこなす。
ガンダールヴ同様、ミョズニトニルンもまた伝説のルーンに恥じぬ効力を持っていた。


(・・・・・・伏兵か)
遠間からの魔法。どんどん数を減らされている要因をキッドは悟る。
待ち伏せなのだから当然の備えであるし、驚くことでもなかった。
キッドはリロードを終えていた銃をしまうと、肩に掛けていたウィンチェスターライフルへと切り替えた。

 敵がこちらを視認可能な距離なら、こちらも概ね狙撃可能な筈。
鷲の眼のように鋭く見ると、雑把にアタリをつける。
ワイルドバンチとして活動していた頃に、隠れては襲撃ということもやっていた。
だからこそ今の自分達と逆の立場になって考えればなんとなくわかる。自分達なら一体どこに陣取るのか。
おおよその位置に見当はつく。さらに魔法の飛んでくる方向を見ればほぼ間違いない。

 敵の姿を確認すると、ゆっくりと息を吐きつつライフルを構えて体を固定する。
伏兵が様子を窺い、魔法を放とうとする僅かでも確かに存在する時間。
まずはどこでもいいから一発、怯んだところに二発、トドメに三発。それで終わり。

 障壁から少しだけ乗り出した身を戻し、また次へと照準を合わせて狙撃する。
遠距離から攻撃してくる視野広いようで狭い伏兵。
彼らは周囲への――それも他の方向の伏兵がどうなったかなど気付けない。
だから既に一人を殺していても警戒されることもない。まして連射式の銃が普及していない世界。
敵伏兵隊員には、何かおかしなことをやっている奴・・・・・・としか見えていなかった。


 シャルルが確実に守ってくれているおかげで非常に楽な仕事。
伏兵が完全に沈黙する頃には、戦場もほぼ収束しつつあった。
こちらの魔法人形による重装騎兵隊は全滅。お供のメイジ達も皆やられていた。
メイジの数では負けていても、単純兵数では3倍以上はいたのだが・・・・・・それだけ敵が強かった。
そして巧みにガーゴイル達を囮や壁にしつつ立ち回ったシャルルが、誰よりも凄絶であった。

(とりあえず大丈夫そうか)
最も頼れる戦力――取り返しのつかない人間は誰一人欠けていない。損害としては非常に軽微だ。

 またもシャルルが敵を屠ったところで、やっこさんらも残すところ三人。
未だシャルロットと睨み合いを続けている敵リーダーで一人。
魔法の刃でウェールズと白兵戦を繰り広げている敵メイジで一人。
そしてシャルルは残る一人を殺す為に動いていた――時だった。

 剣戟を繰り広げていた敵メイジもろとも、ウェールズの足元から炎が出現した。
昼間をさらに明るく照らすその炎柱に、思わずたじろいでから原因へと目を移す。
やるとすればもう一人しかいない。気配の濃すぎるその男。シャルロットと対峙している男。

 あんなものをもし自分が喰らっていたらと思うと冷や汗が滲んだ。
多少なりと守られていたとしても、あれはひとたまりもないだろうと。

 ――瞬く間にシャルルが敵を殺して戻って来る。
「すまない、次はさせない」
守るという約束であったし、結果的には免れた。が、自分の不甲斐なさにシャルルは謝る。
されど事実としては違う。それだけ敵が強者であることの証明であった。
まるで"意識の間隙を突くような"絶妙な機で、その凶悪な炎を見舞ったのだ。

 キッドは返事をせず、現況を眺めつつ考える、この場で生き残ったのは四人。
結局敵側の最大戦力と思しき人物は健在で、今までの乱戦すら前哨戦と思えてきた。
だがこれ以上ないくらいに、敵はこちらの"策"に嵌まってくれていたのは確か。
ウェールズが死んだことすら何も問題はない。全てが大きな戦略の予定調和の一つと言える。

 本来の目的たる仕事は既にほぼ果たしていると言って良かった。
首都周辺で襲い掛かって来ようものなら、流石に少し問題はあったが――
それでも一挙両得の作戦は成った。そして貴族派がこうして敵を送り込んできたおかげで一石三鳥になる。
報酬もきっと大幅に増えるだろうとキッドは感謝した。命を懸けた甲斐もあったというもの。

 ここからもう戦局は決まったようなものだろう。自分達が死にさえしなければいい。
べらぼうに強いシャルロットは当然として、ガードに専念するシャルルがいれば己の身も安全だろう。

 とはいえアレは少しヤバそうだと見つめる。
仲間もろとも構わずウェールズを焼いた、異様で冷血な大男。
それは同時に現実主義者で、揺らぐことなき鋼鉄の精神を持っているということに他ならない。

 ここから負けるとは思わない。ここからひっくり返るようなことはない。
(だけどまだ・・・・・・一波乱はあるかも知れないな)

 キッドの中で積み上げられた経験がそう言っていた――


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