あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-02」で検索した結果
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虚無の魔術師と黒蟻の使い魔
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虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-02
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 夜。 天には二つの月が輝いている。 ルイズは夕食を済ませると、ワインを飲みながら歓談するクラスメイトたちを尻目に、早々に部屋に戻り閉じこもってしまった。 基本的にルイズには友達が少ない。いや、いないといってしまっても差し支えない。 なので、夕食後の歓談の輪に入らないのは特に珍しいことではない。 ただ、夕食後もしばらくは席を立たず仏頂面のままワインを飲んでから部屋に戻る、というのが普段のルイズのパターンである。 話し相手がいないからといってすぐに部屋に戻ってしまうと、まるでそこから逃げてるような気がして、プライドの高いルイズには許せないのだ。 しかし、今夜は夕食を食べ終わるとそそくさと部屋に戻ってしまった。 そんな、普段とは違うルイズの行動に気づいたのは、寮で隣室であるキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハル... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-03
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 朝。 というにはいささか早い。まだ早朝というべき時間である。 普段は寝起きの悪いルイズが、そんな時間にすでに目を覚ましていた。 ただ、さわやかな覚醒とはいかないようである。 「……最悪」 げんなりとした顔で呟くルイズ。 背中が汗で湿っているのを感じる。腋の下にも嫌な汗をかいている。 不快だ。 こんな時間に目を覚ましてしまったのならそのまま二度寝に入るのが常だが、この状態では気持ち悪くて眠れそうにない。 いや、汗などは実際にはたいした問題ではない。 今は瞳を閉じるのが嫌なのだ。 そうしてしまうと、嫌でも先程見た、夢の中で見た光景が浮かんできてしまいそうだからだ。 ルイズは体を起こしベッドに腰掛けた状態で机に目をやる。 そこには手のひら大の板状の石、モッカニアの『本』が置いてある。 ベッドに腰掛け... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-06
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 魔法権利を身につける。そう決めたルイズは、夕食が終ったあとの時間を魔術審議のための時間として充てることとした。 毎晩魔術審議を欠かさず行い、そして魔法権利を行使し魔術審議の成果を確認する。 はじめ、ルイズは己が天才かもしれないと思っていた。 本来たった一回の魔術審議で魔法権利を獲得するということはまず無いことだ。故に一回で魔法権利を獲得した己を、すわ天才かと思ったのだ。 たった一回の魔術審議で一匹とはいえ蟻を生み出せるようになったルイズは、己に魔法権利を扱うための才能が多大に与えられているのだと思ったのだ。 だがそれがどうにも違うようだということが、2回目以降の魔術審議でわかった。 2度目の魔術審議。ルイズは黒蟻の魔法ではなく、他の魔法権利を獲得しようとした。次姉、カトレアを癒すための治癒の魔法を身につけようと思っ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-15
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ボーっとしちまって、どうしたんだ相棒」 デルフリンガーがカチカチと音を立てながら言う。 「うん」 しかしルイズの反応は鈍い。 アンリエッタ姫の歓迎の式典が終わってから、ずっとこの調子である。 ルイズは久しぶりに見たアンリエッタともう一人のことで頭がいっぱいだった。 「まぁ、ボーっとするのは構わねえけどよお、俺の扱いがちょっとどうかと思うんだがよ……」 ルイズはボーっとしながらも、デルフをその手に持ち上下に動かしていた。 ダンベルのように。 「そういう使い方されると、おれの剣としての自尊心が……激しく傷ついちゃうんだよ……」 しかしルイズはにべもない。 「部屋の中で振り回したら危ないじゃない」 デルフの言葉を意に介さず、ダンベル運動を続け... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-09-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 トリステイン王国王都トリスタニアの路地裏にある一軒の武器屋。 薄暗い店内。その天井近くを黒い一匹の虫がふらふらと飛んでいる。 客はいない。店主一人。 店主はその虫には気づかず、それ故に気づかない。次の瞬間、その虫が忽然と消えてしまったことに。 「消えた」という言葉は比喩ではない。文字通り存在していたはずのその虫が、次の瞬間には存在していなかった。 虫が入ってきたことも、忽然と消えてしまったことも知らない店主だが、次に入ってきたものには当然のように気がついた。 見落としようもない。人間。 だが、それも先ほどの虫が忽然と消えたことには比べられないが、異常なものだった。 「これはこれは貴族様。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんですぜ?」 それは貴族だった。 武... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-01
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ミスタ・コルベール! 召喚のやり直しをさせてください!」 「駄目です。ミス・ヴァリエール。使い魔召喚の儀式は神聖なものです。それがどんな『もの』であろうと、呼び出してしまった以上は契約しなくてはなりません」 春の使い魔召喚の儀式。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン。ド・ラ・ヴァリエールは自身の召喚の結果を不服として、担当教諭のコルベールにやり直しを要求するが、コルベールはというと「伝統・神聖」の一点張りで取り付く島もない。 必死に食い下がるルイズとそれを諭すコルベールのやり取りに、呼び出したばかりの使い魔に夢中だったほかの生徒たちもにわかに注目しだした。 ルイズとコルベールを囲むように人だかりができ始めていた。 「なぁ、マリコルヌ。何の騒ぎだい? またゼロのルイズが何かやらかしたのか?」 ルイズたちを囲む輪の... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-08
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「うーん……」 ルイズは一人唸っていた。 自室のベッドに腰掛け、あごに手を当て考え込んだかと思うと、頭を抱えて俯いたりと落ち着きのない姿を見せている。 ふと、窓を見ると空が赤いことに気づく。 いつの間にか日が暮れていた。……そんな風に思えればどれだけ嬉しいだろうか。 ルイズの心中は、しつこくも地平線の上で粘り続ける夕日に対する憎々しげな気持ちで一杯だ。太陽など早く沈んでしまえばいいのに。 太陽が沈めば夜が来る。待ちわびていた夜が来る。 夜が来れば……。 夜が来れば? 夜が来たところで何も変わりはしないじゃないか。 夜が来たところで…… 「することがない……」 ルイズは暇を持て余していた。 ギーシュとの決闘の後、ルイズとギーシュには学院から処罰が下されることとなった。 謹慎5日間。 今日はその初日で... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-05
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 力が欲しい。 ルイズの16年の人生。それは自身の無力を見せ付けられながら生きる16年。 親からはじめて杖を与えられたとき、これから自分が手に入れるであろう力に胸を膨らませた。 ルイズは日夜魔法の練習に明け暮れた。貴族として生まれたからには、どんな子供も己が魔法を使う姿を夢想して育つものだ。 だがルイズの夢想は現実のものになることはなかった。 はじめは、ただ純粋に子供の夢を現実にするため練習し続けた。 両親や二人の姉の応援・叱咤・激励・指導。そのころは素直に聞くことができた。 だがある時、ルイズは使用人たちが陰で何を話しているのかを知ってしまった。 曰く、二人の姉はルイズぐらいの年頃にはコモンどころかドットのスペルも使えるようになっていた。曰く、どこぞの貴族の子供はルイズより年下だが初めての魔法に成功したら... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-04
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」 使い魔召喚の儀の翌日。最初の授業の冒頭に教壇に立つ教師は、そう言った。 (あちゃー。言っちゃった) キュルケは心の中でで舌打ちした。 シュヴルーズの浅慮に対してである。 この言葉は導火線に火を点けたようなものだ。まわりまわって昨日のルイズの召喚の結果を笑いものにするような流れになるだろう。 形としてはドミノ倒しの最初の一枚目を倒したと喩えるほうが相応しいのだろうが、繋がっている先が爆弾なのだから、やはり導火線だ。 (男子生徒。あの太った……なんて名前だっけ? まぁ、あのあたりね) 「おい。ゼロのルイズ。ちゃんとあの使い魔は連れてきたのか?」 キュルケの思... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「諸君。決闘だ!」 ギーシュが高らかに宣言する。 周りの野次馬たちから喚声が上がる。 ギーシュは野次馬の喚声に応え手を振る。 ギーシュはここに至り多少の冷静さを取り戻し、そして開き直った。決闘であれば問題ない、と。 決闘自体は問題だ。本来禁止されている。おそらくこの騒ぎが終われば、学院から幾日かの謹慎なり、何か処罰が言い渡されるだろう。 だがそれはルイズにも言えることだ。 決闘であれば、決闘をした両者が悪い。 もしルイズを香水のビンを拾ったことで責めていたなら、明らかにギーシュ一人に非がある。 だからと言ってルイズにメイドを連れて行かせたら、ふられた上にルイズにやり込められるという恥の上塗り。 それに比べれば決闘という形で両者が処罰を受ける痛み分けの形は随分ましだ。 そして、決闘の中身でルイズに二度と生意気な口... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-12-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 シルフィードが地上に降りる。 フーケからはおよそ70メイル離れた距離。 フーケもこちらを見てはいるが、動く様子はない。 しかし、突然ルイズたちより15メイルほど手前の木が切り刻まれる。 そこが射程ということだ。 射程を把握したフーケは、残り15メイルをどう詰めるかを考えているのだろう。 上空と違ってゴーレムを足場に一気に距離を詰めるということはできない。 ルイズたちの怪我の状態を考えれば、単純に脚はフーケのほうが上回っているのは間違いない。しかし、瞬時に詰めなければまた上空に逃げられる恐れがあるのだ。 フーケとしてはここで決着をつける必要はない。だが、それでもここで決着をつけられるならそうしたい気持ちもあるはずだ。 ルイズの持つ情報にまだ未練があるはずだから。 ここでなら、抵抗できなくした上で拷問でもして情報を搾... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-16
前ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ルイズは膝を抱えて泣いていた。 ヴァリエール家の庭にある池に小船を浮かべ、その上で。 どうにも陰気な雰囲気の漂うこの場所に好んで近づくものは少なく、それ故、専らルイズが一人で泣くための場所となっていた。 今回はどうして泣いているんだろう? そう考えてルイズは気づいた。これは夢だ。 膝を抱えて泣いているルイズ。ルイズはそれを俯瞰して見ていた。 これが夢でないというのなら、膝を抱えて泣いているように見えるルイズは実は既に死んでいて、肉体を抜け出し魂となって己を見ているのかもしれない。 (案外、そうかもしれない) ルイズは思った。 俯瞰してみるこの感じ。空気に溶けているかのようなこの感覚。 これは『本』を読む感覚に似ている。 自分の『本』があるというのなら、自分はもう死んでいるのだろう。しかしその『本』を読む自分は誰なのか。... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-09-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「ぶっちゃけて言うとよ、お前さんのそれ、水の魔法だなんて嘘だろ」 夜。 学院の中庭にデルフリンガーを携えたルイズがいた。 「いや、別にな。これを見てそう思ったわけじゃないぞ。最初っからな、お前さんに最初に握られたときから解ってたことだぜ」 ルイズの周りにはいくつかのクレーターが出来ている。系統魔法のトレーニングをした結果だ。 今にして思えば、水の魔法だなんて嘘はルイズが系統魔法を使えないということを知らない武器屋の店主相手だからこそ通じる嘘だった。 ただデルフリンガーの言を信じば、始めから系統魔法ではないことは気づいていたということだ。とりあえずこの剣を回収しておいたのは正解だった。 「で? 系統魔法じゃなければ何だって言うの?」 ルイズはデルフリンガーに聞く。この剣はどこまで知っているのか。 「うーん。系統魔法じ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-3
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ギーシュは背中に地面を感じていた。 つまり自分は倒れているのか? 必死に状況を把握しようと頭を巡らす。 脚が痛い。痒い。熱い。それは突如現れた巨大な蟻にやられたもの。 胸が痛い。それは? それはルイズとぶつかったことによる痛みだろうか。 腹が重い。どういうことだ? 何かが乗っている。腹だけじゃない。腕も何かに押さえつけられている。どういうことだ? ぽたり。 何か液体が己の顔に落ちてきた。 ギーシュは目を開く。 そこには涙を流すルイズがいた。 ギーシュが感じた重みはルイズだった。腹の上に馬乗りに乗っかっている。そしてギーシュの両の腕を脛で押さえている。 そして涙を流している。 「な、」 「あふふはは」 なぜ泣いている? この状況でそれを聞くのはひどく間抜けなようにも思えたが、ギーシュの頭に真っ先に浮かんだ疑問... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-13
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「目が覚めたかね。ミス・ヴァリエール」 ルイズが目を覚ますと、オールド・オスマンが居た。 なぜ自分の部屋にオスマンが居るのか、ルイズは辺りを見渡してその考えが間違いであることに気づく。 ここは自分の部屋ではない。 ルイズの寝ているベッドに並ぶように、3つのベッドが配置されている。 ルイズの隣のベッドにはキュルケ。そしてその隣のベッドにはタバサが居る。2人ともベッドに腰掛け、オスマンと話していたようだ。 室内の調度は質素のものばかり。棚の中にはルイズには得体の知れない壜が並んでいる。 そこは学院の医務室だった。 「大体の話はミス・タバサから聞かせてもらったわい。ご苦労じゃったの」 そう言うとオスマンは椅子から立ち上がる。そしてルイズに向けて深々と頭を下げた。 「済まない。生徒であるお主にとんでもない仕事を任せてしま... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-11-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「あそこに見えるのがフーケが入って行ったという小屋です」 ロングビルが指差す先には、一軒の粗末な小屋が建っている。 小屋も建っているし、あたりの木は疎らで、ここが人の手の入った森なのだとわかる。 だからこそ目撃者もいたのだろう。 ロングビルの後ろには、キュルケ、タバサ、そしてデルフリンガーを背負ったルイズと続いている。 結局ルイズはあれから今まで押し黙ったままだった。 いろいろと考えなければならないことがあった。 本当に蜘蛛の魔剣はシュラムッフェンなのか。シュラムッフェンだとしたら何故オスマンは使い方が解らないのか。肝心のフーケは使えるのか。 蜘蛛の魔剣の特徴は、明らかにそれがシュラムッフェンだと物語っている。 ならば、もしフーケがそれを持って現れた場合どうするのか。逃げるしか出来ない。先程はそう言ったが、逃げるこ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-07-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ぴしゃり。乾いた音が響き渡る。 そのあとに続くのは喧しい金切り声。さらにそのあとを狼狽した男の声が続く。 「喧しいわね」 キュルケは不機嫌そうにそれらの音のするほうに目を向ける。 そこには目に涙を浮かべながら走り去るモンモランシー、それを呆然と見送るギーシュがいた。 「痴話喧嘩」 タバサが短く言い放つ。 「全くくだらないわねぇ」 やれやれといった調子でギーシュに向けた視線をタバサのほうに向けるキュルケ。 喧しいとは思ったが、モンモランシーが走り去ったのなら痴話喧嘩は終了だろう。これ以上騒がしくなることはない。 そう思ったキュルケだったが、その考えはすぐに覆される。 「君のせいで2人のレディーの名誉に傷がついた! どうしてくれるんだ!」 それはギーシュの怒鳴り声だった。 何事かと振り返ると、そこには土下座せん... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-10
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 箱を開けるとそこには一匹の巨大な蜘蛛。 この箱をプレゼントだなどといって渡せば随分な嫌がらせになる。 そんな益体のないことを思いながら、フーケはその蜘蛛に手を伸ばす。 それは本物の蜘蛛ではない。蜘蛛の彫像。かなりリアルなつくりではあるが、本物と見分けがつかないと言うほどの物ではない。 だが、フーケの手がその蜘蛛に触れた瞬間、まるで本物のようにその8本の足が動き出す。 その脚がフーケの手に絡みつき捕らえる。 そしてその尻からするすると、糸を吐き出すように細身の刀身が伸びてくる。 これが蜘蛛の魔剣か。 フーケはその顔に満足げな笑みを浮かべる。 取り敢えず最悪の事態だけは回避できたようだ。 蜘蛛の魔剣に付き纏う多くの曰く。その中には、これがマジックアイテムでもなんでもないという話すらあった。 メイジの巣窟である魔法学... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-14
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「え? あの? すいません。何て言いました?」 そんなことを言う目の前の女性に、理不尽な怒りがこみ上げてくる。 しかし、その怒りがどれだけ理不尽なものか十分に理解している故、彼はその怒りを己の心のうちに留めておく。 結局、彼も現実を受け入れるのことが出来ていないのだ。何にでもいいから強い感情をぶつけて、現実から目を背けていたいのだ。 だが、それはしない。 彼は声と感情を押し殺して言う。 「もう一度言う……マチルダが死んだ」 彼は『土くれ』のフーケの協力者だった。 盗賊稼業に手を貸していたわけではない。フーケがその仕事で稼いだ金を預かり、それを食料品や生活雑貨に変えてアルビオンのウエストウッド村に届けていた。 そこにはフーケの妹分とも言うべき存在がいて、その妹分と、彼女が面倒を見ている孤児たちを養うため。 目の前に... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-11-2
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 ルイズは小屋から出ると、意味はないかと思いながらもデルフリンガーを引っ掴んで小屋の外の開けた場所まで駆けていく。 そしてその目の前にそびえるゴーレムの威容に思わず思考が止まる。 あの夜。初めは遠くから見た。その後上空から見た。 そして今。その真下から見ている。 大きい。まずそんな言葉が頭をよぎり、そして次によぎるのは「勝てるのか?」という疑問。 蜘蛛の魔剣のことばかり考えていた。もしそれがシュラムッフェンなら、使われたらそれで終わりだ、と。 とんだ間抜けだ。蜘蛛の魔剣など関係なく、端から自分に勝ち目などなかった。黒蟻、爆発、肉体強化。どれ一つとして目の前のゴーレムをどうこうするような力はない。 「フレイム・ボール!」 隣に立つキュルケがゴーレムに向けて魔法を放つ。火の系統2乗分の火球がゴーレムへと向かう。 「ファイ... -
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-12-1
前ページ次ページ虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 「え!? ミス・ロングビル……何を言って……」 ルイズは目の前で展開されていく事態を理解できないでいた。 ミス・ロングビルがフーケだというのなら、今この状況は、これまで散々想定していた最悪の事態。フーケがシュラムッフェンを持って現れるという、そのものではないか。 なぜフーケがシュラムッフェンを持っている? それは私が手渡したからだ。しかもその後、ご大層に使い方の説明までして。 この事態が最悪なら、私は最低だ。 「このっ!」 キュルケは杖をフーケに向ける。 しかし、杖がフーケのほうへと向いたときには、フーケはその手に持ったシュラムッフェンを軽く一振りしていた。 キュルケたち3人の後ろでばさばさと木の倒れる音がする。 「あらぁ。ちゃんとお話聞いてなかったのかしらぁ。振った瞬間斬れるって忘れちゃったぁ? 覚えてるなら質問... -
鋼の使い魔
サガフロンティアⅡのギュスターヴ13世 本編 第一部『覚醒篇』 鋼の使い魔-01 鋼の使い魔-02 『ギュスターヴと学院』 鋼の使い魔-03 鋼の使い魔-04 『ギュスターヴの決闘』 鋼の使い魔-05 鋼の使い魔-06 鋼の使い魔-07 『剣と盗賊』 鋼の使い魔-08 鋼の使い魔-09 鋼の使い魔-10 『盗賊捕縛、そして』 鋼の使い魔-11 『教える者、教えられる者』 鋼の使い魔-12 『シエスタは何処へ?』 鋼の使い魔-13 『モット邸潜入』 鋼の使い魔-14 『舞台、その裏は…』 鋼の使い魔-15 『アンリエッタ来訪』 鋼の使い魔-16 『ラ・ロシェールへ向けて…』 鋼の使い魔-17 『秘かな疑惑を胸に』 鋼の使い魔-18 『襲来!土くれのフーケ』 鋼の使い魔-19 『ウェールズ邂逅』 鋼の使い魔-20 『前夜祭は静かに流れ』... -
リンク切れっぽいページ
管理人様、変なページの作成すいません。 リンク切れっぽいページの一覧です つかいま1/2 第一話 使い魔が来た ご主人様は承認せず! 後編 作品ページ名 ゼロの使い魔-02 リンクするページ名 ゼロの使い魔-03a ... -
滅殺の使い魔
CAPCOM VS. SNK2から『神人豪鬼(しんごうき)』 滅殺の使い魔-01 滅殺の使い魔-02 滅殺の使い魔-03 滅殺の使い魔-04 滅殺の使い魔-05 滅殺の使い魔-06 滅殺の使い魔-07 滅殺の使い魔-08 滅殺の使い魔-09 滅殺の使い魔-10 -
蒼炎の使い魔
「.hack//G.U.」のカイト(NPC) 蒼炎の使い魔-01 蒼炎の使い魔-02 蒼炎の使い魔-03 蒼炎の使い魔-04 蒼炎の使い魔-05 蒼炎の使い魔-06 蒼炎の使い魔-07 蒼炎の使い魔-08 蒼炎の使い魔-09 蒼炎の使い魔-10 蒼炎の使い魔-11 蒼炎の使い魔-12 蒼炎の使い魔-13 蒼炎の使い魔-14 蒼炎の使い魔-15 蒼炎の使い魔-16 -
狂蛇の使い魔
「仮面ライダー龍騎」より浅倉威を召喚 狂蛇の使い魔-01 狂蛇の使い魔-02 狂蛇の使い魔-03 狂蛇の使い魔-04 狂蛇の使い魔-05 狂蛇の使い魔-06 狂蛇の使い魔-07 狂蛇の使い魔-08 狂蛇の使い魔-09 狂蛇の使い魔-10 狂蛇の使い魔-11 狂蛇の使い魔-12 狂蛇の使い魔-13 狂蛇の使い魔-14 狂蛇の使い魔-15 狂蛇の使い魔-16 狂蛇の使い魔-17 狂蛇の使い魔-18 狂蛇の使い魔-19 狂蛇の使い魔-20 狂蛇の使い魔-21 -
紙袋の使い魔
ギルティギアシリーズよりファウストを召喚 紙袋の使い魔-01 紙袋の使い魔-02 紙袋の使い魔-03 紙袋の使い魔-04 紙袋の使い魔-05 紙袋の使い魔-06 紙袋の使い魔-07 紙袋の使い魔-08 紙袋の使い魔-09 紙袋の使い魔-10 -
時の使い魔
クロス元はサガ・フロンティア、 時の君を召喚 時の使い魔-01 時の使い魔-02 時の使い魔-03 時の使い魔-04 時の使い魔-05 -
赤目の使い魔
「バッカーノ!」よりクリストファー・シャルドレードを召喚 赤目の使い魔-01 赤目の使い魔-02 赤目の使い魔-03 赤目の使い魔-04 赤目の使い魔-05 赤目の使い魔-06 赤目の使い魔-07 赤目の使い魔-08 赤目の使い魔-09 赤目の使い魔-10 赤目の使い魔-11 赤目の使い魔-12 -
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「聖闘士星矢」より「アイオリア」を召喚 黄金の使い魔-01 黄金の使い魔-02 黄金の使い魔-03 黄金の使い魔-04 黄金の使い魔-05-前編/後編 黄金の使い魔-06 黄金の使い魔-06.5 黄金の使い魔-07 黄金の使い魔-07.5-前編/後編 黄金の使い魔-08 -
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「クロノアヒーローズ」よりジャンガを召喚 毒の爪の使い魔-01 毒の爪の使い魔-02 毒の爪の使い魔-03 毒の爪の使い魔-04 毒の爪の使い魔-05 毒の爪の使い魔-06 毒の爪の使い魔-07 毒の爪の使い魔-08 毒の爪の使い魔-09 毒の爪の使い魔-10 毒の爪の使い魔-11 毒の爪の使い魔-12 毒の爪の使い魔-13 毒の爪の使い魔-14 毒の爪の使い魔-14b 毒の爪の使い魔-15a 毒の爪の使い魔-15b 毒の爪の使い魔-16a 毒の爪の使い魔-16b 毒の爪の使い魔-17a 毒の爪の使い魔-17b 毒の爪の使い魔-18 毒の爪の使い魔-19 毒の爪の使い魔-20 毒の爪の使い魔-21 毒の爪の使い魔-22 毒の爪の使い魔-23 毒の爪の使い魔-23b 毒の爪の使い魔-24 毒の爪の使い魔-25a 毒の爪の使い... -
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スペクトラルソウルズ2終了時のヒロを召喚 爆炎の使い魔-01 爆炎の使い魔-02 爆炎の使い魔-03 爆炎の使い魔-04 爆炎の使い魔-05 爆炎の使い魔-06 爆炎の使い魔-07 爆炎の使い魔-08 -
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『NINKU―忍空―』から、キャラ『風助』を召喚。 原作FIRST STAGE終了後、釈迦の証を所持している状態です。 1章 輝きは君の中に 風の使い魔-01 風の使い魔-02a/b 風の使い魔-03a/b 風の使い魔-04a/b/c/d -
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「スターオーシャン2」のクロード・C・ケニー S-O2 星の使い魔-01 S-O2 星の使い魔-02 S-O2 星の使い魔-03 S-O2 星の使い魔-04 S-O2 星の使い魔-05 S-O2 星の使い魔-06 S-O2 星の使い魔-07 S-O2 星の使い魔-08 S-O2 星の使い魔-09 S-O2 星の使い魔-10 S-O2 星の使い魔-11 S-O2 星の使い魔-12 S-O2 星の使い魔-13 S-O2 星の使い魔-14 S-O2 星の使い魔-15 S-O2 星の使い魔-16 S-O2 星の使い魔-17 S-O2 星の使い魔-18 S-O2 星の使い魔-19 S-O2 星の使い魔-20 S-O2 星の使い魔-21 S-O2 星の使い魔-22 -
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快傑ズバットより早川健を召喚 日本一の使い魔-01 日本一の使い魔-02 日本一の使い魔-03 日本一の使い魔-04 日本一の使い魔-05 日本一の使い魔-06 日本一の使い魔-07 日本一の使い魔-08 日本一の使い魔-09 日本一の使い魔-10 -
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『るいは智を呼ぶ』より花城花鶏を召喚 呪いの使い魔-01 呪いの使い魔-02 呪いの使い魔-03 呪いの使い魔-04 呪いの使い魔-05 -
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「天地創造」よりアークを召喚 創世の使い魔-00 第0章 ―とある酒場にて― 創世の使い魔-01 第1章 ―白い鳥― 創世の使い魔-02 第2章 ―召喚― 創世の使い魔-03 第3章 ―決闘― -
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ポケットモンスターよりNO,425のフワンテを召喚 風船の使い魔-01 風船の使い魔-02 風船の使い魔-03 風船の使い魔-04 -
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残り滓の使い魔 『灼眼のシャナ』 より 「坂井悠二(原作14巻から派生)」を召喚 残り滓の使い魔-01 残り滓の使い魔-02 残り滓の使い魔-03 残り滓の使い魔-04 残り滓の使い魔-05 残り滓の使い魔-06 -
“微熱”の使い魔
エリーのアトリエ~ザールブルグの錬金術士2より、エルフィール・トラウムを召喚 “微熱”の使い魔-01 “微熱”の使い魔-02 “微熱”の使い魔-03 “微熱”の使い魔-04 “微熱”の使い魔-05 “微熱”の使い魔-06 “微熱”の使い魔-07 “微熱”の使い魔-08 “微熱”の使い魔-09 “微熱”の使い魔-10 -
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『遊戯王デュエルモンスターズGX』よりユベル 攻撃力0の使い魔-01 攻撃力0の使い魔-02 攻撃力0の使い魔-03 攻撃力0の使い魔-04 攻撃力0の使い魔-05 攻撃力0の使い魔-06 攻撃力0の使い魔-07 -
テスト空間
砂場 選択肢 投票 アイテム1 (278) アイテム2 (38) という風に (39) カンマで区切って (50) ね (56) 画廊用ページテスト 水兵服 鬼哭街/Zero 使い魔のカービィ サテライト60 しえすた imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ルイズさんのアイコン imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 使い魔くん千年王国tree test 表の... -
ネコミミの使い魔
魔法少女おりこ☆マギカより 千歳ゆまを召喚 ネコミミの使い魔-01 ネコミミの使い魔-02 ネコミミの使い魔-03 ネコミミの使い魔-04 ネコミミの使い魔-05 ネコミミの使い魔-06 -
長編(五十音順)-04
た行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 T-0 ターミネーター2 T- 800 2009-01-01 17 21 23 (Thu) 悪魔の虹 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン 冷凍怪獣バルゴン 2010-10-05 18 59 46 (Tue) ルイズ伝・ゼロと竜と世界の話 太公望伝(諸星大二郎) 竜と誰か 2007-10-05 20 51 18 (Fri) THE GUN OF ZERO 第3次スーパーロボット大戦α クォヴレー・ゴードン 2009-05-16 18 58 48 (Sat) 大使い魔17 大鉄人17 17(ワンセブン) 2011-07-06 15 49 15 (Wed) ゼロの平面 大乱闘スマッシュブラザーズDX Mr.ゲーム&ウォッチ 2007-09-02 06 10 01 (Sun) 虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 戦う司書シリーズ モッカニアの本 ... -
ゲーッ!熊の爪の使い魔
キン肉マンII世からベルモンドを召喚 ゲーッ!熊の爪の使い魔-01 第一話 やってきたクマ ゲーッ!熊の爪の使い魔-02 第二話 オーバーボディの神秘 ゲーッ!熊の爪の使い魔-03 第三話 クマのいる生活 ゲーッ!熊の爪の使い魔-04 第四話 洗濯超人ベルモンド ゲーッ!熊の爪の使い魔-05 第五話 人気者のクマ ゲーッ!熊の爪の使い魔-06 第六話 食堂の変 ゲーッ!熊の爪の使い魔-07 第七話 ヘルズ・ベアー ゲーッ!熊の爪の使い魔-08 第八話 その名はウォーズマン ゲーッ!熊の爪の使い魔-09 第九話 使い魔からの期待 ゲーッ!熊の爪の使い魔-10 第十話 ウォーズマンのいる日常 ゲーッ!熊の爪の使い魔-11 第十一話 使い魔のお披露目 ゲーッ!熊の爪の使い魔-12 第十二話 三重殺 ゲーッ!熊の爪の使い魔-13 第十三話 破壊力の方程式... -
使い魔の中の使い魔
「ドラゴンクエスト」より、竜王を召喚 使い魔の中の使い魔-01 使い魔の中の使い魔-02 -
死人の使い魔
『GUNGRAVE O.D.』より ビヨンド・ザ・グレイヴを召喚 死人の使い魔-01 死人の使い魔-02 死人の使い魔-03 死人の使い魔-04 死人の使い魔-05 設定というかこのSSにおける 銃とグレイヴの体についての補足説明です。 まずこの世界においては銃の弾切れはありません。 なんじゃそりゃという方がいらっしゃるかもしれませんが、 『GUNGRAVE』の世界ではそうなのです。 なんせケルベロスは装弾数10億発のコスモガンですから。 そのため銃弾を手に入れるために苦労するということはありません。 またハルケギニアの銃にも弾切れはありません。 次弾を撃つのに時間がかかる(普通に弾込めするくらいの時間) という設定です。 グレイヴの銃だけ弾切れしないというのは不公平なので。 ただハルケギニアの銃が登場す... -
汝等、虚無の使い魔なり!
「機神飛翔デモンベイン」より、二闘流&アナザーブラッドを召喚 二闘流とアナザーブラッドの本名は『大十字 九朔』となりますが 完全同名で混乱を招きますので二闘流を『九朔』、アナザーブラッドを『紅朔』と表記して分けております 汝等、虚無の使い魔なり!-01 汝等、虚無の使い魔なり!-02 汝等、虚無の使い魔なり!-03 汝等、虚無の使い魔なり!-04 汝等、虚無の使い魔なり!-05 汝等、虚無の使い魔なり!-06 汝等、虚無の使い魔なり!-07 汝等、虚無の使い魔なり!-08 - @wiki全体から「虚無の魔術師と黒蟻の使い魔-02」で調べる