#03 Brackシステム
ルフィア「質量を持った残像……!瞬歩だと!?」
サイ「悪いな。斎木流刹那的瞬歩だ!」
すんでのところでスティールガンダムの抜刀切りをかわしたブラックガンダム。
サイ「なかなかやるな。小童。だかなぁ、次は無いぜぇ。」
ルフィア「アンタに殺される義理も暇も無いんだよ!」
ブラックガンダムは背から2本のサーベルを抜いた
スティールガンダムはビームサーベルを構え再び光り出す
ルフィア「こんのぉーっっっ」キー「チェーッッ」
そして2体の巨人は激突した
(機動新聖域アーサーガンダムOP I defend for you)
何故僕は此所に生きて何故剣を振るう(AH~此所に~AH~振るう)
何故天は僕を生かし 何故大地は僕を生んだ(天はAH~生かし~
大地は僕を生んだ~)
何故 海は力を授け 何故空は僕を守る~(何故AH~~~AH~~~)
何故天は僕を嘲る~そんなにも~ 何故大地は僕に糸迫る~(何故AH~ AH~何も~出来たいのに~)
―バチバチバチ
モニターに映るのは火花を散らす2本のサーベル。そして憎きスティールガンダムの頭部だった。
ルフィア「お前がっ、お前みたいのがいるからぁっ」
サイ「うん?」
ルフィア「お前みたいな奴がいるから世界はいつまでも変われないんだ」
サイ「…それだけか?」
ルフィア「えっ?」
サイ「言いたいことはそれだけか、と聞いている?」
ルフィア「なんだって」
サイ「ならば、終りにさせていただくっ」
その刹那、スティールガンダムの背中から幾本ものコードが伸びてきた。
ルフィア「何だよこれっ!?」
そう言ってバーニアを蒸そうとレバーを押すが、
サイ「遅い、遅いよっ!!」
既にブラックガンダムはコードに動きを封じられてしまった。
サイ「死んじまえよっ」
するとコードに電流が走った。
ルフィア「ぐわぁぁぁああぁっっ」
サイ「任務完了。これより帰還する。」
―薄れていく意識の中
僕は…死ぬの…か?
今までの人生が走馬灯のように脳内を駆け巡る。
自分を拾ってくれた両親。友人をつくれず、一人ぼっちだった自分と友達になってくれたリン。捨て子である自分をいじめる奴らを追い払ってくれたリン。一緒にプリンを食べたリン。リン……。
守りたい守りたい守りたい
「守りたいんだぁっっっ」
ピコーン
聞き慣れない機械音ともにブラックガンダムの金色の目が紫色に変わった。装甲の隙間からも怪しい紫の光が漏れている。
その怪しい光はブラックガンダムを取り巻くコードを断ち切った。
サイ「何なんだ…これは…」
ルフィア「Brack…システム…」
ルフィア「うわぁぁぁ~」
ブラックガンダムはスティールガンダムへ殴りかかった。
サイ「なんだこの力は…」
ブラックガンダムは手を広げ、右腕を突き出した。指の間からは光が漏れている。スティールガンダムはそれを左腕で受け止めた。
しかしその瞬間スティールガンダムの左腕は侵食されていき、爆発した。
サイ「なんだとっ!」
ルフィア「もうやめろぉぉぉっ」
ブラックガンダムは左足でスティールガンダムを蹴り飛ばした。
すると足が当たったスティールガンダムの右足が切断された。
サイ「わけわかんねぇ。このままだとマズイ。撤退する。」
ルフィア「…やった……の…か……」
ルフィアの意識は遠ざかっていった。
医者モブ「気づいたかい?」
ルフィア「ここは…。僕は一体……」
医者モブ「カタフィギオの軍事医療施設だよ。君はMSに乗って敵を撃退したんだ。でもパイロットスーツを着ないで出撃したからすごいGが君の体にかかって気絶していたのさ。」
ルフィア「そうだったんですか…」
医者モブ「でも安心してくれ。体にも異常はないよ。(多分…)」
医者の呟いた最後の一言は声が小さすぎて、疲れたルフィアには聞こえなかった。
医者モブ「まぁゆっくり休みなさい。」
すると部屋の中へ一人の男が入ってきた。
男が医者に一言言うと医者は出ていった。
ルフィア「あなたは?」
スナー「私はスナー。ブラックガンダム開発に携わった者だ。君に話たいことがある。
ルフィア「僕に?なんですか?」
スナー「君は先程、敵を見事撃退しカタフィギオを救ってくれた。その時のことを覚えているかい?」
ルフィア「まぁ…なんとなく。ガンダムの体が光って…」
スナー「そうだ。その様子を私も見ていた。ガンダムが光ったあれはBrackシステムと言うんだ。」
ルフィア「Brackシステム?」
ルフィアはあの時コクピットの画面にそのような文字がうつしだされたのを思い出した。
ルフィア「Blackシステムって一体なんですか?」
スナー「実はブラックガンダムはナノマシンで動いているんだ。ブラックガンダムの中にはナノマシン生成機関がある。この生成量をある条件を持ったパイロットの意志によって増大させるシステムをBrackシステムと呼んでいる。パイロットの意志によってナノマシンが大量に生成され、余ったものは機体の外へ放出され発光する。ブラックガンダムが光ったのはこの為だ。ナノマシンのほとんどは機体外へ出てしばらくすると劣化するが、出たばかりのナノマシンには物体を腐食する力がある。」
ルフィア「(だから敵のMSが壊れたのかな…)よくわからないんですけど…。条件を持ったパイロットって…」
スナー「まぁそうだろう。条件というのは正直私にもわからない。ただ、君の意志によってガンダムは予想以上の力を発揮出来るかもしれないんだ。」
ルフィア「僕にそんな力があるなんて…」
スナー「まぁまた今度話をしよう。今はゆっくり休みなさい。」
そういっては部屋から出ていった。
そしてルフィアは眠りに落ちた。
その後スナーと医者は話をしていた。
医者モブ「ルフィア君は本当に大丈夫なのでしょうか?」
スナー「わからない。ナノマシンは人体に影響がある。開発の際これによって多くの人が死んだ。コクピットにはナノマシン侵入を防ぐ措置はしてあるが完璧ではない…。だがコクピットに乗っていたルフィア君はなんともない。何故だ……」
リン「ルフィアのせいでお父さんは死んだのよ」
ルフィア「そ、そんな…」
リン「あなたは人一人の命も助けられないのね!」
ルフィア「ごめん…」
リン「もういいわ
じゃあね」
ルフィア「待ってよリ…」
「逃げろ!!」
「リン!!
うわああああああ」
「はっ、夢…か」
(はあ…
black…システム…
ナノマシン…
意味が分からない
ある条件を持ったパイロット?
僕の意志も何も僕は何も考えてなかったんだ
そんな…急に言われたって…)
-ガチャッ
スナー「もう目覚めてたかルフィア君
よく休めたかな
」
ルフィア「はい…まあ」
スナー「今からブラックガンダムの整備をするんだが君も来てくれないか
武装を強化しようと思うのでパイロットの意見を聞きたい」
ルフィア「ちょっと待ってください
…ブラックガンダムにはこれからも僕が乗るんですか…?」
スナー「嫌かい?」
ルフィア「嫌というわけではないです…
だけど…まだ…分かりません
何をすべきなのか、
何をしたいか、も…」
スナー「もともと君はただの学生だ
そりゃ心の整理もつかないだろう
しかし、君があのガンダムの隠れた力を引き出すことができるのは確かだ
軍のために命を捨てろ、とは言わない
だができるのなら協力をしてほしい
」
ルフィア「少し…時間をください」
スナー「急かしはしないよ
そろそろ整備の時間だ
パイロットとしてでなくていいから見てみてないか?
一度は乗った機体だ」
ルフィア「分かりました」
スナー「本当は、工場に移してじっくりとこのガンダムを整備したいのだがね。あいにく
ZARTZは待ってくれそうにないからここでやるしかないのだよ」
スナーはそう言いながらユートピアのMS搭載区域にルフィアを連れて行った。
ルフィア「こんなのに僕は乗っていたのか…」
改めて見てみると、ブラックガンダムの放つ威圧感はとんでもないものだった。だがルフィアの心中は、MSを見学するだけで喜んでいた3日前とは全く違う感情で支配されていた。先の大戦で両親と離れ離れになり、生きているかも分からない。戦争が終わると、彼には大きな悲しみだけが残った。やっと、リンと仲良くなり立ち直ってきた矢先の武力衝突。もう二度と戦争に巻き込まれたくはない。どこか安全な所へリン達と逃げたい。そんな風にルフィアは思っていた。しかし、これはあくまで理屈の話で、彼の心の奥底にはある思いが沸き起こっていた。あのガンダムを操れるのは僕だけなんだ。
ルフィア「僕が乗ります、あのガンダムには。あの憎きZARTZからフェリエルを守ってみせます。」
スナー「どうしたのだね、突然?焦らなくてもいいんだぞ。」
ルフィア「僕の中の何かがそれを望んでいるのです。どうか、僕を正規パイロットにしてください。」
スナー「分かった。こちらとしても君の能力は必要不可欠だと考えていたところだ。こちらとしても助かるよ。(しかし、何故こうも簡単に意欲的に乗りたがるようになったんだ?)」
ルフィア「では早速整備を始めてもいいですか?」
スナー「ああ、いいとも」
ルフィアはコックピットに乗り込むと、武装の確認、システムのメンテナンスなどを行った。スティールガンダムとの対戦で、ブラックガンダムは近接戦闘力が劣っているが分かったので、ルフィアは、胸部から出る近距離迎撃用の拡散ライフルと攻撃用の高性能のホーミング機能のついたサーベルを新たに装備することにした。
スナー「今日はよく働いてくれたな。もう帰って休んでいなさい。いつ眠れない日々が始まるか分からないからな」
ルフィア「はい」
ルフィア「そういえば、なぜブラックシステムはbrackでblackではないのですか?」
スナー「そのうち分かるさ。」
数時間後…MS生産工場
スナー「どうもルフィア君の様子がおかしいのだが」
部下「どうしたのです?」
スナー「突然態度が変わったのだ。乗ろうか躊躇していたついこの間とは違い、突然乗ると言い出したのだ。単なる気まぐれならいいが、もしナノマシン影響だったら…」
部下「だから私は反対だったんですよ。パイロットの安全も保証できない新技術を今使うことに」
スナー「しかしあれがなければ今頃
フェリエルは滅んでいたぞ」
部下「今更しょうがありません。次の戦闘までにナノマシンを解明しなければ。」
スナー「ああ、そうだな。早速、電子以下でのスケールで分析を始めろ。」
一同「はい」
数時間後…
研究者「こ、これは…」
スナー「何だ?」
研究者「この反応は有名なあの反応ですよ。そして、副産物として毒ガスを生じ、人体に影響を及ぼすのは接触からおよそ3日後…」
スナー「まずい!パイロットの保護を!急げ!」
最終更新:2010年10月10日 17:47