4:00AM

25話 4:00AM

明るくなってきた。
私―――江木瀬理奈は、身を潜めている家具店二階の住居スペースの窓から差し込む光を見て思う。
この殺し合いが始まって早四時間が経過した。
どれだけの死者が出ているだろう、どれだけの人が殺し合いをやる気になっているだろう。

「ん……ん」
「ふああ……」
「起きた? 二人共」

さて、今眠りから目覚めたのは私の同行者二人なんだけど。
大きな紫色の妖犬の雄、リクハルドと、
私の一年下らしい舘山瑠夏さん。
二時間ぐらい前から寝てた。
二人でエッチしまくって疲れて寝やがったのよ、この変態二人。
しかも繋がったまま。瑠夏さん全裸でヨダレと精液塗れ。どうなのこれ。

「あー、エギ? 今何時ー?」
「四時ちょっと回った所よリクハルド」
「うーん……寝ちゃった……あん、まだ気持ちいい」
「良いからちょっと身体洗ってきなさい瑠夏さん……臭うよ。リクハルドも」
「おう」
「はーい」

ふらふらと二人は風呂へと向かっていく。
二人のいた場所は染みだらけで酷い臭い。
そりゃ、あれだけ激しくやってればね。
私は別に何もしてないよ? 誘われたけど断ったし、処女は大事な人にあげたいし。
隣で声を適度に押し殺しながら交わる光景を見せられて結構きつかったってのはあるけど。

「……」

何となく装備している大型のリボルバーに目をやる。
これは私の支給品ではなくリクハルドの支給品。ダン・ウェッソンM715と言うらしい。
支給品を見せ合った時に、自分では扱えないからとリクハルドが予備弾ごと私に譲ってくれた。
私も銃なんて扱った事無いのだけど。
ちなみに瑠夏さんにこの銃欲しいかどうか聞いたけど無理と言われた。
私の支給品は壊れたゲームキューブ本体と除草剤、瑠夏さんは鋸と1メートルの木の物差だった。
この銃を使う時なんて来ないで欲しいけど、そう言う訳にはいかないよね。
今までの四時間危険に見舞われなかったのは運が良かっただけなんだと思う。
これから先、殺されそうになる事もきっとある筈。
自分の身を守るために、同行者二人の事を守るために、この引き金を引かなければならない時が来るかもしれない。

「はあ……二人はまだかな」

椅子にもたれながら、私は二人の帰りを待つ。

そして数分後に小奇麗になった二人が帰ってきた。

「遅かったね」
「えへへ、お風呂場で一回しちゃった」
「」
「根元の瘤は入れないようにしたから時間はかからなかっただろ?
まあきっちり中には出させて貰ったがな」
「どっちか腹上死するわよあんたら! ああもう、さっさと服着て瑠夏さん!
移動するよ、こんな雄臭い所に長居は出来ないから!」

この二人はこの殺し合いで初対面したらしいがよくここまで交われるものだと、
私は心の中で呆れながら荷物を纏め始めた。

◆◆◆

突然、首輪はめられて殺し合いなんてゲームに巻き込まれて嫌な気分だったけどよ、
良い女が見つかってラッキーだったぜ。
タチヤマルカ、まあルカって呼んでるが。
しかしエギの奴も良い身体してるよなあ、ヤりてえけどガードかてぇしな。
肉も美味そうだ、かぶりつきてぇ。でも我慢我慢。

殺し合いに乗っても良かったんだが、あのヨシバシとイワオカだったか?
あんなどこの馬の骨とも知れない奴の言いなりになるのも癪だから、乗らない事にしたんだ。
ただ、襲ってくる奴は容赦無く殺すつもりだ。
俺も命は惜しいからな。
一応これはルカにもエギにも言ってある。
襲ってきたのが可愛い女だったら、ヤってから食っちまいたい、って事も話した。
エギは嫌な顔をしていたが了承してくれたよ。
聞き分けが良くて助かるね。

さて移動するようだ。
エギは雄臭いから嫌って言ってたけど、どうせ移動した先でもルカとヤるつもりなのに。
雄臭いのは許してくれよ、健康な雄のサガって奴だよ。

◆◆◆

小さい頃からずっと犬や狼としたいと思っていた。
でもウチは両親が犬アレルギーで犬は飼えなかったし、野良犬も近所にはいなくてその欲望は叶えられず私は悶々としていた。
そしてこの殺し合いに巻き込まれて、リクハルドと出会った。
どうせ死ぬならここしかチャンスは無いと思って私はリクハルドを誘った。
そして私の願望は叶った。
予想以上だった、犬科の獣との行為は、予想していたよりも遥かに気持ち良かった。

リクハルドと離れない。
リクハルドと、出来る限り一杯、気持ち良くなるんだ。
いつ死ぬか分からないんだから。

もし、リクハルドが死んだら――――その時は、その時。

◆◆◆

二人の少女と一匹の妖犬は家具店を出て別の潜伏場所を探し始めた。
周囲はもう懐中電灯などが無くても良く見えるぐらい明るくなっていた。



【早朝/E-5/南部集落商店街】

【江木瀬理奈】
[状態]健康
[装備]ダン・ウェッソンM715(6/6)
[持物]基本支給品一式、.357マグナム弾(12)、壊れたゲームキューブ本体、除草剤
[思考]1:殺し合いには乗らない。
    2:瑠夏さん、リクハルドと行動。
    3:とりあえず今は別の潜伏場所を探す。
[備考]※特に無し。

【リクハルド】
[状態]健康
[装備]無し
[持物]基本支給品一式
[思考]1:殺し合う気は無いが襲い掛かってくる者には容赦しない。
    2:ルカ、エギと行動。
    3:襲い掛かってきたのが良い女だったら犯して食う。
    4:暇があればルカと行為をする。
[備考]※特に無し。

【舘山瑠夏】
[状態]健康
[装備]鋸
[持物]基本支給品一式、1メートル定規
[思考]1:殺し合いはしない。
    2:リクハルド、江木さんと行動。
    3:暇を見付けてリクハルドと、する。
[備考]※特に無し。



《参加者紹介》
【名前】江木瀬理奈(えぎ せりな)
【年齢】17歳
【性別】女
【職業】高校生
【性格】他人にも自分にも厳しめだが融通はきく
【身体的特徴】青っぽい長髪、巨乳でスタイルは抜群の美少女
【服装】学校制服であるセーラー服調の衣服
【趣味】特に無し
【特技】弓道有段者
【経歴】特筆事項無し
【備考】文武両道の優等生。基本的に自分にも他者にも厳しい性格だが、他人への気遣いも忘れない。
    一つ年下の弟には容赦無いが、愛情の裏返しで大切に思っている。
    処女は大切な人にあげたいと思っているが今の所付き合っている男はいない

【名前】リクハルド
【年齢】27歳
【性別】♂
【職業】無職
【性格】粗野、下品
【身体的特徴】紫色の巨躯の犬。金色の瞳。牙には麻痺毒があり、舌が長い
【服装】無し
【趣味】交尾
【特技】爪牙による連撃、跳躍
【経歴】旅人や冒険者を18人殺害し、女性は犯してから嬲り殺しにしている
【備考】「ルナドッグ」と言う種類のエンカウントモンスター。
    殺人、捕食に忌避感は無く、交尾好きで強姦も躊躇無く行うかなり凶悪な獣。
    人肉も大好きで特に若い女性の肉が好み

【名前】舘山瑠夏(たちやま るか)
【年齢】16歳
【性別】女
【職業】高校生
【性格】自分の欲望に関する事にのめり込んでいくタイプ
【身体的特徴】茶髪ツインテール。豊乳で魅力的な身体
【服装】私服である半袖ジャケットとシャツ、スカートにニーソ
【趣味】妄想、サイクリング
【特技】欲求のための行動力の発露が凄まじい
【経歴】小学校中学年当時に道端に落ちていたエロ本で獣姦と言うジャンルを知る
【備考】犬科の獣との獣姦に憧れる少女。
    しかし両親が犬アレルギーで犬が変えず近所には野良犬もいなかったため妄想で欲望を発散させてきた



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GAME START 舘山瑠夏 次:良いも悪いも無い、正解も不正解も無い
最終更新:2014年01月05日 23:21