27話 悶絶狐少女
狐の少女、
都賀悠里は変電所に隠れていた。
隠れて気付けば夜が明け、殺し合いが始まってから4時間近く経っていた。
(このままずっとここに隠れてようかな……??)
そんな事を考え始める悠里。
殺し合いに乗っている人も大勢いるであろう外にわざわざ出ていく理由も無い。
可能な限り一箇所に留まっていた方が命も危険に晒されずに済むのだと、悠里は思った。
「ふぅ、暇だし……ちょっと、しちゃおうかな」
完全に危機感が薄まった狐少女は、
着ている制服を脱いで、裸ニーソの状態となり、自分の乳房と秘部をまさぐり始めた。
「あっ、はぁん……くぅん」
いつ襲われるか分からない状況下でのその行為は、
悠里にいつも以上の快楽を感じさせる。
淫らな水音が、機械の動作音に混じって響き、悠里は舌と涎を垂らし恍惚とした表情を浮かべる。
もはや周囲に気を配ってなどいない、今の彼女の思考は快感を求める事のみに集中していた。
「あ、あ、い、いくぅ! い……ふぁ?」
「……」
悠里のエクスタシーは、途中で強制的に止められた。
目の前に自分に散弾銃を向ける、自分と同年代と思われる、自分とは違う学校の制服を着た犬狼獣人の少女がいたから。
いつからいたのか分からないがここに来て悠里は自分の愚かさに嫌でも気付かされる事になる。
今までここに誰も来なかったからと言ってこれからも来ないとは限らない。
そんな事、考えれば分かる事だと言うのに。
「こんな状況で、そんなコトするなんて、変態だねー」
「あ、あ」
「どうしたの? 怖い? んー、殺し合いの時にハダカになって、オナるぐらいだから、
それなりのカクゴあるのかなと思ったんだけど。
ほらほら、イクまで待ってあげるから、早くイキなよ。
イったら、これで胸とお腹撃って、逝かせてあげる」
犬狼少女は愉快そうな口調で、散弾銃を向けながら言う。
「い、いやぁ……殺さないで」
ぶるぶると震え、涙を流しながら狐少女は犬狼少女に嘆願した。
股間とまさぐっていた右手を愛液でべっとりと濡らし、
口元と乳房は涎塗れ、それで涙を流す様は滑稽であり、見る人によっては加虐の心を煽られる様だった。
犬狼少女は、後者だった。
「死にたくない? んじゃ、わたしの言う事、聞く?」
「聞く! 何でもします!」
「ん? 今何でもするって言ったよね?
それじゃあね、そこで首吊って?」
「え!?」
犬狼少女は天井の鉄骨を指差して悠里に命じた。
「そんな、いやぁ!」
「大丈夫、死ぬ前に助けてあげるから。
何でも言う事聞くんでしょ? それとも散弾欲しい?」
「ひぃ……! うっ、う……」
「良い子良い子。ほら、ちょうどそこに、ロープと椅子があるじゃん。
わたしが準備してあげる、逃げないでね? 逃げたら背中からドンだからねー」
「うぁああ……」
絶望感に取り憑かれ、その場にへたりこむ悠里。
きっとこのまま自分は首を吊らされて死ぬのだと、助けるなんて言っているが恐らく嘘だろうと思う。
だが下手な事をすれば、彼女の持っている散弾を撃ち込まれ、ミンチにされる。
もうどうしようも無い、油断し切って自慰なんてしていた自分を悠里は呪う。
「出来たよ。さ、狐さん。首吊って」
「あああ……」
絞首刑の舞台が整い、犬狼少女に促されるまま、悠里は処刑台に上る。
首にロープが掛けられ、悠里の恐怖は最高潮に達した。
「や、やだ、やだぁ……しにたくない……」
「それじゃいくよーそれっ」
「あっ! 駄目、あうっ!!」
悠里の気持など全くの無視で、犬狼少女が椅子を蹴飛ばした。
直後、悠里の身体が宙に浮き、首のロープが彼女の体重によって締まり、悠里の呼吸が止まる。
「あ、う……げほっ……いき、でき、ナイ……。
い、ヤ、あ、し、に、たくない……」
苦しさのあまり足をばたつかせ、ロープを緩めようと必死にもがく悠里。
口から酷くねばついた唾液と泡が溢れ、股間からは小水が溢れ床を汚し、宙に浮いた身体はくるくると回る。
「あっははは、すごーい」
その様子を犬狼少女は、とても楽しそうに眺めていた。
笑いながら、目を輝かせながら。
「ア……し、し、ぬ……た、す、……」
そしていよいよ悠里の意識が消えそうになった時。
「はい、椅子」
犬狼少女が悠里の足元に椅子を移動させた。
「……!! がっ、げ、げほっ、げほっ!!」
寸での所で椅子に足をつかせた悠里は、激しく咳込みながらも、死の淵より生還する。
犬狼少女は、ナイフで悠里の首の縄を切り、彼女を椅子から下ろさせた。
床に足をついた悠里は倒れ込み、尚も咳き込む。
股間は小便塗れ、口の周りは涎と泡、血反吐塗れの悠里の身体は酷い有様になっていた。
「すごかったよー狐さん。ありがとうね、良いもの見せてくれて」
「うっ……うぁああぁぁああああん」
「あらら泣いちゃった……」
死を免れた安心感かそれとも犬狼少女に対する恐怖からかは分からないが、狐少女は号泣し出す。
よしよしと狐の頭を撫でてあやす犬狼。
泣く原因を作ったのは他ならぬ犬狼なのだが。
「わたし、
原小宮巴ってゆーの。ピッチピチの16歳の高校一年だよ。
狐さんの名前はー?」
「うっ、ぐすっ、な、なまえ……私は、都賀悠里、17歳、高校二年……。
え……あなた年下なの……」
「そうだねえ。まあそれは良いじゃん。年齢差なんてさして重要では無いんだよ」
「う、うん……」
「わたし、この殺し合い潰そうと思ってるんだー」
「え?」
とても意外そうな表情を悠里は浮かべる。
先程までの言動からして、てっきり犬狼少女――巴はやる気になっているのだとばかり思っていたから。
「あれ? 何意外そうな顔浮かべてんの?」
「い、いや……その」
「わたし殺し合いに乗ってると思ったの? ひどいなー。
まーいいよ。おねーさんいじめたのは、ただのシュミだから気にしないでね」
「しゅ、趣味」
一体どのような趣味を持っているのだと言うのか。
巴の事が心底恐ろしくなる悠里。
出来る事なら一刻も早くこの巴から逃げ出したかったが、彼女の性格、及び自分の今の格好を考えるとそれは出来なかった。
「おねーさんは? 殺し合いには?」
「の、乗ってないよ。
ずっとこの変電所に隠れてたの。
それで、ずっと誰も来なかったから、ちょっと、暇潰そうと思って、お、オナっちゃって」
「うっはー変態ー」
「う……」
「わたしもいままで誰とも会ってなくておねーさんが初めて会った人なんだよ」
「そ、そうなの……」
「うっへーそれにしても、おねーさんくっさいねー」
「あ……」
巴の言葉に、悠里は改めて自分の身体の様子を確認する。
首には縄の跡、裸ニーソで股間付近は小便塗れ、口元は涎と泡と血反吐で汚れている。
余り大きな声で言えないが、少しだけ脱糞もしてしまったらしい。
相当な悪臭を放っていた。
早急に風呂に入るのが望ましい。
「わたしのせいなんだけどねー。
お風呂入らなきゃね。すぐ近くに家があるから行こ?
責任持ってついて行ってあげるから」
「そう、ね……」
脱ぎ捨てていた衣服を自分のデイパックに入れる悠里。
とても今の状態では衣服を着る事は出来無い。
しばらくはほぼ全裸のまま歩かなければならないが、一度死の淵に立たされた今となっては、
全裸で出歩く事など特に抵抗も無かった。
悠里と巴は変電所の出口へと向かう。
【早朝/E-6/変電所】
【都賀悠里】
[状態]裸ニーソ状態、股間付近が小便で汚れている、口の周りが涎、泡、血反吐で汚れている、軽い脱糞、
軽い眩暈、首にロープの跡
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???(1~2)、自分の衣服
[思考]1:死にたくない。
2:身体を洗いたい。
3:巴と行動?
[備考]※原小宮巴に対し少し恐怖感を抱いています。
【原小宮巴】
[状態]健康
[装備]ウィンチェスターM1912(6/6)
[持物]基本支給品一式、12ゲージショットシェル(12)
[思考]1:殺し合いを潰す。
2:危険人物は容赦無く排除。
3:おねーさん(都賀悠里)を町まで連れて行く。
[備考]※特に無し。
《参加者紹介》
【名前】都賀悠里(つが ゆうり)
【年齢】17歳
【性別】女
【職業】高校生
【性格】開放的、明朗、痴女
【身体的特徴】茶色の狐の獣人。爆乳、スタイル抜群、175センチと長身
【服装】学校制服のブレザー
【趣味】野外露出及び自慰、お菓子食べ歩き
【特技】早着替え
【経歴】幼少期に父親を事故で失っている
【備考】いつもは明るく淫らだが命の危機に瀕すると豆腐メンタルと化す
【名前】原小宮巴(はらこみや ともえ)
【年齢】16歳
【性別】女
【職業】高校生
【性格】他人の苦痛に悶える様子を見るのが大好きなかなりのサド、子供っぽい
【身体的特徴】灰色と白の狼犬獣人。顔が幼くグラマラス。目が死んだ魚の如く生気が無い
【服装】学校制服のブレザー
【趣味】殺陣の練習
【特技】独学で銃火器や刀剣の扱い、格闘技をマスターしている
【経歴】母親の再婚相手から性的虐待を受けていた
【備考】12歳の時に母親が再婚し、その再婚相手から性的虐待を受け性格が歪む。
母親は再婚相手の娘に対する性的虐待をどうにか止めようとしたが無駄だった。
14歳の時に再婚相手を惨殺するも、母親の協力もあり巴が犯人として疑われる事は無かった。
現在は母親と二人暮らし。
サディスティックで、気に入った相手程苦痛を与えたくなる異常者。
虐待を受けていた反動からか「力」に対し並々ならぬ憧れがあるようで、
独学で銃火器や刀剣の扱い、格闘技をマスターし、身体能力も非常に高い。
精神的に幼い面があり、感情の起伏が激しい
最終更新:2013年10月30日 12:15