SLAVE

28話 SLAVE

グリフォン獣人、樊欽は図書館を訪れていた。
夜中に神社にて竜人少年と人間少女を襲撃して以来、誰とも会っていない。
既に夜も明けて、周囲が容易に見えるようになってきた。
図書館はやや古い鉄筋コンクリートの建物で、二階建てのようである。
玄関の扉に手を掛けると、難なく開いた。
靴箱やスリッパ入れ、図書館内の見取り図などが見える。

「アッ……アッ……」
「あぉぉん……いいよっ」
「?」

奥から声が聞こえる、どうやら誰かいるようだ。
ただ、その声は男二人でしかも艶めかしかった。
荒い息遣いも聞こえる。

「何をやってるんだ……?」

樊欽は訝しむが、実を言うとおおよその予想はついていた。
男二人の荒い息遣いと、嬌声、この二つが導き出すものは。
無視して別の所へ行こうとも思ったが、

「……例えそうだとしても、こんな時にそんな事やってる奴らなんか殺すのは容易いだろう」

と考えを変えて、喘ぎ声のする方へ自分の武器のコルトガバメントを持ちながら行ってみる事にした。

「アオオッ! まだいぐぅ! イグ!」
「はぁぁ、いいよきてよ! ん、ンアッー!」
「……」

果たしてそこには樊欽の思い描いた通りの光景が広がっていた。
読書室のテーブルの上で、黒い狼獣人の男と、銀色の獅子獣人の少年がまぐわっていた。
黒狼が銀獅子少年を後ろからガンガンと掘っていた。
脱ぎ捨てられた衣類とデイパックが、床に散らばっている。
濃厚な雄の臭いが漂っている、相当長い間、あの二人はここで交わっているようだ。

「ははは……」

殺し合いと言う状況下で、仮にも公共の場で堂々と行為をする獣人二人に、
呆れて乾いた笑いを漏らす樊欽。
あれならば簡単に殺せる。
そう思ってガバメントの銃口を二人に向けようとした。

その時、二人は動きを止めて、突然樊欽の方を向いた。

「!?」

突然の事にぎょっとする樊欽。
次の瞬間二人が物凄いスピードで走り寄ってきた。
全裸で精液塗れの獣人二人が猛スピードで迫ってくるのだから、ある意味とても怖い。

「ぬああああぁあああ!!?」

樊欽も引き金を引く事をすっかり失念し、悲鳴をあげた。
あっと言う間に樊欽は黒狼と銀獅子少年に取り押さえられてしまう。

「おじさん見てたよね? ぼくと菱木さんがえっちしてるの見てたよね?(マジキチスマイル)」
「駄目だぞォ~ノゾキはいけないよなァ~?(マジキチスマイル)」
「ひ、い、何をする気だお前ら!?」

狂気を感じさせる笑顔を浮かべる二人にかつて無い恐怖を感じる樊欽。

「これおしおきしないといけないよねー菱木さん」
「そうだなァ。ノゾキなんてしちゃう奴はお仕置きが必要だ、やっちゃうよ? やっちゃうよ?」
「う、うあ、よせ、やめてくれ、やめてくれよ……(絶望)」

身体のあちこちをいやらしく触る二人を見て、
樊欽は自分がこれからナニをされるのか嫌でも分かり、
涙目で二人に嘆願した。
だがその願いは聞き入れられる事は無かった。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

グリフォン獣人の悲痛な絶叫が図書館内に響いた。
その叫び声はやがて狂おしい嬌声へと変わっていき、
最後には悲鳴とも喘ぎ声ともつかない奇声へと変貌し……やがて何も聞こえなくなった。

「あれ? 菱木さん、このおじさん動かなくなっちゃいましたよ」
「ああ? あれま……死んじまってら。腹上死って奴か?
折角イイケツ穴だったのにもったいねぇな、まあ死んじまったもんは仕方ねぇな……」


【樊欽  死亡】
【残り46人】


【早朝/B-4/図書館】

菱木晄
[状態]全裸
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???(1~2)
[思考]1:???
[備考]※特に無し

由木英久
[状態]全裸
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???(1~2)
[思考]1:???
[備考]※特に無し



《参加者紹介》
【名前】菱木晄(ひしぎ あきら)
【年齢】26歳
【性別】男
【職業】AV男優
【性格】享楽的
【身体的特徴】黒狼獣人。引き締まった身体
【服装】私服のYシャツにズボン
【趣味】骨董品屋巡り
【特技】特に無し
【経歴】特筆事項無し
【備考】主にホモ系AVに出演している。
    一応女性にも欲情出来るが男の方が良い様子。
    骨董品収集が趣味で良く骨董品屋に足を運んでいる

【名前】由木英久(ゆぎ ひでひさ)
【年齢】10歳
【性別】男
【職業】小学生
【性格】明朗
【身体的特徴】銀色の獅子獣人。まだ鬣は揃っていない
【服装】私服のシャツと半ズボン
【趣味】特に無し
【特技】体育が得意
【経歴】特筆事項無し
【備考】道端に落ちていたホモ系のエロ本を見てホモセックスに興味を持っているが、
    彼本人以外誰もそれを知らない


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最終更新:2013年10月06日 22:19