58話 第二回放送(俺オリロワ3rd)
「なんかダレてきちったなー」
殺し合いの運営責任者を務める狼の男、吉橋寛和は退屈そうに背伸びをする。
彼は殺し合いの運営を何度も任されているが、
最後まで参加者達の動向を見たいと思う程興味がわく時も有れば適当に終わらせてしまいたい程つまらなくなる時も有る。
今回の殺し合いは後者の方に分類された。
特に見所らしい見所も無く、寛和は投げやり気味になってしまっていた。
「ダレてきちゃったんですか?」
寛和の補佐役、黒髪ポニーテールの少女岩岡朋佳が彼の様子を見て言う。
「ダレちった。何かなぁ今回の殺し合いはどうも盛り上がりに欠けるっつーか……。
刺激が足りねぇっつーか……あ、そうだ(唐突)」
「どうしました?」
何かを思いついたらしい寛和。
朋佳を手招きしてその思いついた何かを話す。
それを聞いた朋佳は呆れの籠った笑みを浮かべる。
「あなたと言う人は……本当に酔狂な事を考えますね」
「それ程でも」
「褒めてる訳じゃないです」
「へっへっへっ、それじゃあ、第二回放送の時に生き残りの奴らに伝えるとするか」
「色々準備しなければならない事も有るので、作業員や兵士にも伝えて下さい」
「おう」
寛和は座っていた椅子から立ち上がると、管制システムが置かれている部屋へと向かった。
……
……
そして正午12時、第二回目の放送が始まる。
『はい、お昼だ。二回目の放送始めるぞ。
死んだ奴を先に発表するぞ。
以上22人。残りは15人だな。
んで、禁止エリアなんだが……今回は無しだ。
と言うより、今有る禁止エリアを全て解除する。
何故そんな事をするのかって思うだろ? 思うよな?
具体的にはまだ伏せるが、これからお前らの元に迎えをよこして俺が居る学校へ来て貰う。
今生き残っている全員に、生きて帰る為のチャンスを平等に与えてやるよ。
全員、今居る場所から動かない事。それと迎えが来たら指示に従って行動する事。
下手な真似したら……分かってるよな? 分かるよな?
それじゃあそう言う事で、ハイ、宜しくゥ!』
放送が終わる。
吉橋寛和の真意とは?
【残り15人】
最終更新:2014年11月10日 01:15