だけど踏み出さなきゃ何も見えない

23話 だけど踏み出さなきゃ何も見えない

油谷眞人は一度死んだ、
殺し合いゲームに巻き込まれ生き残る為にゲームに乗り、何人かその手に掛けてまでやっとの思いで生き延びていたが、
運営者の気まぐれによって行われたジャンケン対決で敗北し、首輪を爆破されて命を落とした。

しかし今、彼は復活し、別の殺し合いの参加者となっている。
支給されたメリケンサックを右手拳にはめ、懐中電灯で辺りを照らし、廃城の廊下を歩く。

「もうちょっと良い武器を探さないとな……」

眞人は今回の殺し合いにも積極的に乗る姿勢でいた。
その為には武装の強化が急務。
元々喧嘩が得意な眞人にとってメリケンサックはある意味適正の有る武器だったが、
流石にこれだけで殺し合いを生き抜けると思う程、眞人は自惚れてはいない。

ダンスホールだったらしい広い部屋に足を踏み入れる。
古びたグランドピアノが置かれている以外は特に何も無いように見えた。
ボロボロになったカーテンが風になびいている。

「ん……」

ホールの床に剣が転がっているのを発見する眞人。
恐らくどこかに飾ってあった物を誰かがここに持ってきて放り出したのだろう。

「無いよりマシか」

眞人はメリケンサックを外して上着のポケットにしまい、その剣を拾い上げる。
一応本物のようだが刀身は錆だらけの上刃こぼれも有り切れ味は期待出来そうにない。
しかし重量は有るので打撃武器としては使えそうだ。
当座の武器を確保した眞人は、ホールを後にして廃城内の探索に戻った。

眞人が去った後、ホールの隅、倒れた大きな棚の陰から、
青猫獣人の少女が恐る恐る顔を覗かせる。

「行った……?」

少女――サーシャはホールに入ってきた者が居なくなった事を確認するとほっと胸をなで下ろした。
もしかしたらクラスメイトだったのかもしれないが危険を冒してまでそれを確かめるのは怖かった。

彼女も眞人と同じく、一度殺し合いに巻き込まれ命を落とした身である。
眞人の物とは違う、彼女が属する高校のクラスメイト同士での殺し合い。
一度壮絶な死を遂げ、元々余り強いとは言えなかったサーシャの精神は確実に弱まっていた。

(もうあんな思いは嫌……死にたくない……。
下手に動かないようにしよう……ラトや、ノーチラス、シルビーも居るみたいだけど……)

クラスメイトの事は気がかりではあるが、命あっての物種である。
サーシャは、少なくとも明るくなるまでは廃城に隠れている事を選択する。


【深夜/E-5廃城】
【油谷眞人@オリキャラ/俺のオリキャラでバトルロワイアル3rdリピーター】
[状態]健康
[装備]古びたショートソード(調達品)
[所持品]基本支給品一式、メリケンサック@現実
[思考・行動]基本:生き残る為に殺し合いに乗る。
        1:しばらく古城内を探索する。
[備考]※本編死亡後からの参戦です。
    ※サーシャの存在には気付いていません。

【サーシャ@パロロワ/自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[装備]???
[所持品]基本支給品一式、???
[思考・行動]基本:死にたくない。
        1:明るくなるまでは動かない。
        2:クラスメイトの事は気になるが今は保留する。
[備考]※本編死亡後からの参戦です。
    ※油谷眞人の容姿は把握していません。


《支給品紹介》
【メリケンサック@現実】
拳にはめて打撃力を強化する為の金属製の武器。「ナックルダスター」が正式名らしい。



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最終更新:2014年09月14日 23:04