46話 墓、用意しといたからお前らの為に(優しさ)
A-5エリアに存在する墓場を、野原ひろしとラトの二人は訪れていた。
日本式の墓石のみならず、十字架を模した西洋式の墓石も並んでいる。
良く整備された綺麗な墓地であったが、ひろしはとある墓石に刻まれた名前に驚く。
「おい、何だよこれ……!?」
その墓に刻まれていた名前は「野原ひろし」、彼の名前であった。
隣に並ぶ墓を見ていくと「野原みさえ」「野原しんのすけ」「野原ひまわり」「シロ」と、家族全員の墓が有った。
「野原さん」
「ラト、こいつを見てくれ……俺の墓だ。家族のも有る」
「……他の墓を見てみましたが、どうやらこの墓地には殺し合いの参加者全員の墓石が有るようです。
僕や、僕のクラスメイトの墓石も有りました」
「何!?」
墓場に存在する墓石は全部で53個。
それは、この殺し合いの参加者52人と、見せしめで殺された野原ひまわりの墓であった。
ほぼ間違い無く運営側の連中の仕業だろう。
自分達が催したゲームで死ぬであろう人々の為にわざわざ墓を作るなど悪趣味以外の何物でも無い。
「俺達が殺し合いで死ぬ事を見越して、ご丁寧に墓を用意したってか……ふざけんじゃねぇ!」
ガスッ
憤慨したひろしが自分の墓石に蹴りを入れた。
直後に足の痛みに苦しむ事になったが。
「いててててて!」
「大丈夫ですか? ……気持ちは分かりますが落ち着いて」
「ああ、すまねぇラト……」
ラトの気遣いと足の痛みによって幾分冷静さを取り戻したひろし。
もっとも、ラト自身も表情に出さないだけで憤りを感じていたが。
寛容な彼でも、参加者全員の墓をあらかじめ用意しておく運営側の性質の悪さには嫌悪感を抱かずにはいられなかった。
その後、二人は敷地内に建てられていたプレハブ小屋へと向かう。
扉には「管理小屋」と書かれたプレートが貼られていた。
鍵は掛かっておらず、ひろしとラトは容易に中へと入れた。
置かれていた古い所々破けている革製ソファーに、ひろしは腰掛ける。
ラトは外の様子を窺っていた。
「今、何時だ?」
管理人が使っていたと思われるスチール製の事務机の上に置かれたレトロな目覚まし時計にひろしは目をやる。
第一回目の放送予定時刻である午前六時まで残り一時間を切っていた。
ひろしとラトはこのプレハブ小屋にて放送を聞く事にする。
放送では死亡者と禁止エリアが発表される。
果たして今何人の犠牲者が出ているのか、自分の家族は、クラスメイトは生きているのか。
不安に思いながら、ひろしもラトも放送の刻を待つ。
【早朝/A-5墓場管理小屋】
【野原ひろし@アニメ/クレヨンしんちゃん】
[状態]健康
[装備]コンバットナイフ
[所持品]基本支給品一式
[思考・行動]基本:家族を探す。殺し合いを潰す。
1:ラトと行動する。墓地管理小屋にて放送を聞く。
[備考]※銀鏖院水晶を危険人物と認定しました。
※ラトのクラスメイトの情報を彼より得ています。
【ラト@パロロワ/自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]健康
[装備]ワルサーPPK/S(6/7)@現実
[所持品]基本支給品一式、ワルサーPPK/Sの弾倉(3)
[思考・行動]基本:殺し合いを潰す。
1:野原さんと行動。墓地管理小屋にて放送を聞く。
2:クラスメイトも気になる。
[備考]※本編死亡後からの参戦です。
※銀鏖院水晶を危険人物と認定しました。
※能力の制限については今の所不明です。
最終更新:2014年09月28日 01:10