23話 過程とかそういうのは吹っ飛ばしたい
「迷った?」
森の中を歩いていた青猫の少年石清水成道は嫌な予感を感じそれを言葉で表した。
「い、いや、まだ迷ったと判断するのは早計だ」
その予感を否定し、少年は歩みを続ける。
ダァン!!
「!」
突然の銃声と同時に成道のすぐ傍の樹木に穴が空く。
動きを止める成道。
辺りを見回すと、10メートル程離れた所の太い樹木の陰からライフルらしき物を構えた、
露出の高い格好の兎獣人の少女の姿が見えた。
女性はライフルを構えたまま成道に近付く。
そしておよそ2メートル程までお互いの距離が縮まった所で兎少女は口を開き始めた。
「私は殺し合いに乗ってるけど、あんたは?」
「……乗っている」
隠す必要も無いと考え正直に成道は答える。
「ふうん」
「……」
「誰か殺した?」
「……一人」
「へえ。私はまだ」
「……」
「唐突だけど、手ェ組まない?」
「え?」
唐突過ぎる兎の提案に成道は目を丸くする。
「唐突にも程がある」
「まあ聞きなって。一人より二人の方が色々やり易いと思うよ」
「……全然説明になってない。それに、優勝出来るのは一人なんだぞ」
「最後の二人になったら、どっちが生き残るか決めればいいじゃん。
一人で不特定多数殺すより確実だと思うんだけど?」
「……」
成道は考える。
自分の目的は優勝、恐らくこの兎もそうだろう。
いきなり銃撃してきて突然手を組もうなどと言われ信用出来るのかと訊かれれば答えはNOだ。
途中で裏切られる可能性が8割を超える。
だが、この兎の言う事にも一理ある。
この先一人で参加者を倒していくのには相応の体力や武器が必要になるだろう。
一応当たり武器のモーゼル機関拳銃を支給されたとは言え銃弾も無限では無い。
相手を倒す前に弾切れでも起こしたらかなり不利になる。
その時代わりに攻撃してくれる者がいるなら非常に助かる。
「どう?」
「……分かった」
「おおー」
「俺は石清水成道、お前は?」
「ソフィア」
「よろしく。お前から提案したんだから裏切るのはナシだぞ」
「そっちこそ裏切ったら頭パーンってするからね。よろしく」
こうして奇妙な同盟が誕生する。
【F-6/森/早朝】
【石清水成道】
[状態]健康
[装備]モーゼルM712シュネルフォイヤー(7/20)
[持物]基本支給品一式、モーゼルM712シュネルフォイヤー予備弾倉(5)、特殊警棒
[思考]
基本:死にたくはないので、殺し合いに乗る。
1:ソフィアと同盟。最後の二人になったらソフィアとやり合い優勝者を決める。
[備考]
※南遊里の名前と容姿を記憶しました。
【ソフィア】
[状態]健康
[装備]SVT-40(9/10)
[持物]基本支給品一式、SVT-40の弾倉(3)
[思考]
基本:優勝狙い。
1:成道と同盟。最後の二人になったら成道とやり合い優勝者を決める。
《人物紹介》
【ソフィア】
冒険者。白い兎の獣人で、グラマー体型。18歳。
その美貌に関わらず大斧と大口径ハンドガンを扱うパワータイプの戦い方が得意。
旅の資金稼ぎのため身体を売る事もある。
最終更新:2013年03月20日 17:35