【26】SUSTAIN THE UNTRUTH
※「〈〉」は中国語
九尾の雄狐、全真は市街地に入り、好みの参加者が居ないか探す。
「〈わし好みの奴はおらんかの~……おっ〉」
そして発見するのは西洋冒険者風の青年。
「〈むぅ、顔は良いが……股間に来ないのう。あやつはさっさと始末し……〉」
「何! 九尾! 九尾が居る!」
青年、ルパート・ラッシュが全真を発見し駆け寄る。
そしてその毛皮に顔を埋める。
「良い! これは良いもふもふだ」
「〈き、貴様なんじゃいきなり!〉」
「ん!? 何だか臭うこの独特の獣臭……精液! さてはスキモノなんだな!」
「〈おい、聞いて……〉」
「望む所だ……あの家でたっぷり遊ぼうじゃないか!」
「〈や、やめ……やめろぉおおお!!〉」
凄まじい力によって拘束され、全真はルパートに適当な民家へと連れ込まれた。
数十分の後。
「ふぅ……」
「……グオ……ゥ……ウッウッ」
丸めたティッシュが散乱し、雄臭さが充満する和室。
服を着直したルパートが一服している横で九尾の狐が涙を流し放心していた。
「これはとても良い狐だぁ」
「〈き、きさま……わしに、こんな屈辱を……グルルルルル!〉」
「おっと、マジ怒りか? ちょっとやり過ぎたか?」
「ガアアアアアアア!!」
マジギレした全真が口から火炎弾のような物を発射する。
それは民家の壁に大穴を空けるもルパートは寸での所で回避し逃走した。
「〈逃がすかぁあ!!〉」
「そう怒るなって! あんただってよがってただろ! 潮まで吹いちゃって」
「〈言うなぁああ!!〉」
狐火を吐き散らす激高の九尾と獣好きの青年との追いかけっこはしばらく続きそうである。
【午前/D-5市街地】
【全真】
[状態]激怒
[所持品]基本支給品一式、不明支給品
[行動指針]殺し合いに乗る。好みの男も女も片っ端から犯す。その前にあの男(ルパート)を殺したい。
【ルパート・ラッシュ】
[状態]健康
[所持品]基本支給品一式、木刀
[行動指針]殺し合いに乗る。人間はさっさと始末しケモノは色々してから死んで貰う。取り敢えず九尾(全真)から逃げよう。
最終更新:2016年10月25日 21:08