決戦へのカウントダウン!

~グリフ大陸ノワール地区・シャカイナの塔~
モリコーネ「征獣の開放はなされた」
ジョルジュ「世界を掌握する我らの秘術も展開された」
ニーノロータ「全ては我らが神の導き」
膝をつき崇拝する3人の前に立つ少年。
ニコロ「お前たちはよくやった。世界を掌握するまで幾ばくもない。今この時代に神が顕現するのだ」

~レムリア大陸・EGO本部長官室~
EGO隊員「報告します!モゴラ大陸に続き、グリフ大陸支部、ミストラルシティ支部も連絡がつきません!それと各地で謎の石像による攻撃が行われています」
オウリギン「そうか。下がっていいぞ」
EGO隊員「はっ!」
部屋を後にするEGO隊員。
オウリギン「テロリストどもにここまでの力があったのは想定外だな。各支部を制圧したテロリストどもはそのまま周辺国の開放を行うはず。そうなると残った戦力がここEGO本部へと攻め入ってくるか。ガドゥ!」
ガドゥへと通信するオウリギン。
ガドゥ『はい。なんでしょうか?』
オウリギン「例の駆動鎧の調整は済んだか?」
ガドゥ『先ほど帰還したAISとの同調を行っているところです。まだ時間はかかります』
オウリギン「そうか。私の予想が正しければ明日中にはテロリストどもは攻め込んでくるはずだ。それまでにその駆動鎧を使えるようにしておけ」
ガドゥ『わかりました』
ガドゥとの通信が切れる。
オウリギン「全てはうまくいっているはずだ…」
窓の外を見据えるオウリギン。だがその瞳には迷いが見える。
オウリギン「この疑念を払しょくするには奴らテロリストどもと対峙するほかない。座に構えていれば奴らは現れる。ここで座して待つのみだ。それが正しき道に他ならない。すべての決着はここでつく。私の選んだ道の証明もここで成される」

~EGOミストラルシティ支部・長官室~
モニカたちの協力を得てミストラルシティ支部を奪還したツバメたち。
ツバメ「あなたたちのおかげでここを制圧することができたわ。礼を言うわ」
モニカ「いえ、私たちもやろうとしていたことです。あなたたちがいたおかげで助かりました」
カレン「私からも礼を言うモニカ長官…いや今は…」
EGOに反旗を翻したカレンやモニカはその任は解かれている。もう彼らは長官ではない。
モニカ「カレン長官。気にしないでください。私は肩書は意味はないと思っています。重要なのはその志(こころざし)です。」
カレン「そうだな。私もそう思う」
ツバメ「グリフ支部の方々が戦力として加わってくれるなんて予想外だったわ。これなら本部への襲撃作戦の成功率も上がるわね」
モニカ「やはりあなたたちはレムリア大陸のEGO本部と戦うつもりなんですね」
ツバメ「えぇ。本部の新長官オウリギンを倒さなければ私たちにかけられた濡れ衣が解けることはない。それは社会的な死を意味するわ。それに今の武力で各国を制圧しようとするEGOのやり方にはとても賛同できるものではないわ」
モニカ「そうですね。だからこそ私と仲間たちもEGOを離脱しました」
カレン「そのすべての原因は現長官であるオウリギンにある。奴を倒せばすべては終わる」
モニカ「だけどそれは容易なことではありません。厳重な警備を持つEGO本部。それを私たち少人数で突破するのは不可能に近いです」
ツバメ「その点については手を打てたわ。私たちは本部に侵入してからのことを考えれば問題ないわ」
カレン「なにかいい手があったのか?」
ツバメ「私個人的には気分がよくないけれど…間違いない手よ」
カレン「お前がそういうのなら信頼する。じゃあ私たちは本部への進行準備を…」
モニカ「その前に一つあなたたちに伝えておきたいことがあるのだけれど…」
少し言いづらそうに話すモニカ。
ツバメ「なに?」
モニカ「私たちが匿っていた人物がいるの。駆動鎧のデバイサーとしてその姿をさらさないように協力してもらっていたのだけれど…状況が変わった今、彼のことを隠しておく必要もないと思いまして」
カレン「彼?男か?」
モニカ「えぇ。あなたたちも知っている人物です」

バシュ!

長官室の扉が開く。
モニカ「彼が私たちが切り札として匿っていた人物です」

十也「久しぶりですカレン長官、それとツバメ」

その人物の姿を見て驚くカレンとツバメ。
カレン「おまえ!モニカたちに保護されていたとはな!」
ツバメ「あなたがいれば作戦の成功率は格段に跳ね上がるわ!生きていたなら連絡しなさいよ!結利も心配していたわよ!」
十也「そうもいかなかったんだ」
モニカ「リヴァーレの話ではオウリギンは十也さんのことを危険視していたようです。彼が自身の障害となると」
カレン「だからミゲルを裏で操って、十也のことを捕まえようとしていたのか」
モニカ「十也さんの所在が知れればオウリギンはすぐにでも捕えようとするはず。だからこそ彼の存在を秘匿する必要があったのです」
十也「そういうわけで俺はモニカさんたちとともにEGOと戦っていたんだ。駆動鎧リベルタのデバイサーとして」
モニカ「十也さん、慣れない駆動鎧での戦いありがとうございました。これからはあなた自身の力を存分に発揮してください」
十也「あぁ!そうさせてもらうぜ!」
カレン「ふっ!元気そうでなによりだ」
ツバメ「役者はそろったわ!これから最終作戦の会議を始めましょう!」

~EGOミストラルシティ支部・会議室~
会議室に集まる一同。
ツバメ「全員揃ったわね。それではこれよりEGO本部への武力介入作戦の概要を説明するわ」
ヴァイス「久しぶりだね~十也!」
レイジ「こうしてまたともに戦うことになるとはな。よろしく頼む」
十也「こちらこそよろしく!」
ツバメ「まずは今の現状を説明させてもらうわ。モゴラ大陸はナル、メルトディサイブが火の国アルバンダムのボルクたちの協力を得てタウガス支部を制圧。その後魔導都市メルディア=シールとラウズレイ王国をEGOから取り戻したそうよ。ナルとメルトはメルディア=シールの、ディサイブはラウズレイ王国の国内の建て直しに追われているみたいね」
リヴァーレ「モゴラ大陸からEGOの部隊は撤退したのか」
ツバメ「少し違うようね。タウガス支部は今、ナルたちに協力してくれた李龍静(リー=ロンジン)が指揮を執り本部の意向を無視し独自に行動しているそうよ」
リヴァーレ「龍静か。奴ならば信頼できるな」
モニカ「そうですね。彼はまじめな方ですから。今のEGOのやり方には絶対に賛同しないでしょう」
ツバメ「次にグリフ大陸ね。こちらはアポロン、キノ、ディックにより支部を制圧。スライトニーはカリナン公国を取り戻したそうよ」
ボルドー「グリフ大陸もEGOの手から解放されたんじゃな」
ツバメ「そうなんだけれど…一つ気にかかる点があるの」
リオル「なにかあったのですか?」
ツバメ「グリフ支部に地縛民が現れたそうよ。そしてそれはモゴラ大陸とレムリア大陸にも出現したと」
十也「地縛民…」
十也の頭に浮かぶ地縛民の姿。起源のオリジンと戦った時シャカイナの塔で祈祷していた者たちの姿が頭に浮かぶ。
十也「なんで地縛民が?」
ツバメ「わからないわ。彼らの動向には注意したほうがいいわね。今アポロンたちが地縛民の動向を探りにグリフ大陸のノワール地区へと向かっているわ。スライたちはカリナン公国の立て直しに追われているそうよ」
十也「地縛民…何が目的なんだ…」
ツバメ「目的が読めない連中の相手をしているほど今の私たちは暇ではないわ。今はEGOのことが先決ね。それでレムリア大陸に先行している部隊だけれど、ウルズたちは本部周辺での偵察活動。にろく、結利、エミスの3人は地縛民との対峙により遅れているがそれを退けウルズたちと合流するところだそうね」
カレン「偵察を行っているウルズたちと合流し本部を制圧するんだな?」
ツバメ「えぇ。彼らには私たちが行くまでは偵察のみと指示しているわ」
十也「じゃあ俺たちも急いでEGO本部へ行かないと!」
ツバメ「そうね。でも万が一のことを考えてここにはカレン長官とリオルさんには残っていてもらうわ」
カレン「私に残れと?」
ツバメ「えぇ。EGOがここを新たな拠点として奪ってくるとも考えられる。それを防ぐためにカレン長官たちにはここに残ってもらいたいの」
カレン派の支部員たちはここに幽閉されていた。その隊員たちが解放された今、彼らを率いる存在が必要だ。
カレン「そうか。ならば私がここを守り抜く!ミストラルシティ支部長官としてな!」
リオル「そのサポートを全力でさせてもらいます。つきまして私に代わってツバメさんたちのサポートは彼にやってもらうことにします」

ガチャ!

部屋の扉が開く。そこに入ってきた人物は…

十也「ドク!」
マードック=ロン「やぁ久しぶりだね十也。それにカレン長官お久しぶりです。そして…」
リオルのほうを見るマードック。
マードック「久しぶりだね姉さん」
リオル「この支部に幽閉されていた私の弟がツバメさんたちの前線でのサポートを行います」
マードック「相変わらずだね姉さん。EGOを退職してもまだまだ現役ってかんじだね」
リオル「私がEGOを辞めたのはきな臭い研究をEGOが開始したからだ。あのガドゥとかいう研究員が提案したようだが…」
マードック「ガドゥ…確か僕と同期の研究員だ。生体学を得意としていると言っていたと思ったけれど…」
リヴァーレ「ガドゥは特殊な駆動鎧を操るAIの研究を行っていた。」
レイジ「アルバド隊長のバックにいた奴か…」
ヴァイス「隊長を利用した奴…」
リヴァーレ「オウリギンはガドゥの研究に多大な資金を投資していた。よほどその研究に入れ込んでいたのだろう」
ツバメ「オウリギンになんらかの思惑があったのかしら」
リヴァーレ「その真意はオウリギン以外にはわからない」
ツバメ「そうね。改めてよろしくマードック」
マードック「あぁ。僕はボルドーさんとともに駆動鎧の調整を行わせてもらうよ」
ボルドー「よろしく頼むぞ」
マードック「はい」
ツバメ「それでカレン長官、あれの準備はどうかしら?」
カレン「準備できている。入り口前に待機済みだ」
モニカ「あれとはなんでしょうか?」
ツバメ「EGO本部に行くのに足が必要でしょ。ミストラルシティ支部の大型トレーラーを拝借したわ」
カレン「モニカ長官たちの駆動鎧とその制御システムも大型トレーラーに移植済みだ」
ツバメ「さぁみんないくわよ!EGOとの最終決戦!オウリギンの野望を打ち砕くのよ!」
十也「おぅ!」

こうしてミストラルシティ支部を出発した十也たち。彼らが目指すはEGO本部があるレムリア大陸。そしてEGO本部に座すオウリギンの打倒。
EGOと十也たちの最終決戦の火蓋が切って落とされる。

~グリフ大陸ノワール地区・シャカイナの塔 地下神殿~
ニコロ「地縛征獣により世界を覆いつくしたディスコネクト。石鬼(せっき)により人々の心から恐怖心があふれ出したとき…」
ニコロは目の前の何かを見る。それは何かの石像のようだ。
ニコロ「神は目覚める」

to be continued

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最終更新:2019年09月08日 21:15