~
シャカイナの搭周辺~
モニカ「なんですか…あれは!?」
シャカイナの搭を中心に展開されている巨大な黒い球体。
リヴァーレ「天十也たちはあの中にいるのか」
~???~
黒い影に飲み込まれた十也たちは目を覚ます。
十也「ここは…?」
漆黒に包まれる空間。まるで宇宙空間に自分たちがいるのではないかと錯覚させるほどの闇が広がっている。その中で輝くそれは一際十也たちの目に留まる。
オウリギン「そうか…すべて理解した。虚構の記憶…その正体…我は…」
十也たちの前に立つ巨大な石像。新神祖アダミーヴ。
アポロン「この空間はいったい?」
オウリギン「我が力の一端…この閉鎖空間は次元の間(はざま)」
ツバメ「次元の間(はざま)?」
オウリギン「起動した次元門に『慈愛の嫉魚』が感応し展開された」
ウルズ「次元門?感応?何を言っているんだ」
オウリギン「我が頭上に舞う次元門。シャカイナの残した遺物。今我が再び起動させたのだ」
自身の頭上の円輪を次元門と呼ぶオウリギン。
ディック「シャカイナだと」
リョウガ「あの輪っかはシャカイナが残したものだったのか」
それを何とも知らず見つけた
サフォーはメハネス・セオスのシンボル天使の輪として使っていたのだ。
オウリギン「次元門はその名の通り数多の次元をつなぐ門。並行世界、死者の世界、そして太極へと通じる門」
十也「太極…」
ツバメ「太極の因子と太極。あなたはその意味を知っているというの?」
オウリギン「今知りえたのだ。次元門を開き、すべてを理解した。起源の
オリジン、奴と我の関係も」
アポロン「なぜオリジンの名がそこで出てくる?」
オウリギン「起源のオリジンがこの世界に現れてから、我は虚構の記憶に悩まされていた」
ツバメ「虚構の記憶?」
オウリギン「我が経験しえぬ記憶。だがその記憶は確かに我が経験したような実感を持っていた」
ゲイン「デジャヴか」
オウリギン「我はその虚構の記憶の正体を探るため画策した。虚構の記憶を頼りに、地縛神を目覚めさせ太極の因子を手に入れ次元門を開きアカシックレコードに刻まれた我が真実を知るために」
十也「その結果がこれか」
オウリギン「そして我は知りえた。我は起源のオリジンの並行世界の存在。この世界でのオリジンとなる存在。それが真実」
昴「並行世界の同じ人物…」
自身とフリアーデスのことを思い出す昴。
オウリギン「我の虚構の記憶はオリジンが経験した記憶。オリジンが死を迎えたことでそれが我に流れ込んでいたのだ」
キノ「それが虚構の記憶の正体だったの…」
ボルク「あのオリジンの別存在…それがこいつなのか」
オウリギン「数多の世界を渡ったオリジンの記憶…虚構の記憶によりオリジンでも到達しえなかった太極の因子を手に入れた。オリジンを超えるシンコウシャとなったのだ」
アポロン「シンコウシャ。その言葉は何を意味する?」
オウリギン「シンコウシャ。それは神の存在を知った者。そして神滅者(シンメツシャ)という戴きへと進む意思を決めたもの。それが神抗者(シンコウシャ)」
アポロン「神に抗う…神とはなんだ?」
オウリギン「神は神だ。すべてを見下す下劣な存在。我は太極の因子を集め、太極に至る。そして神滅者となるのだ。この場にある全ての太極の因子も手に入れて」
グオン!!
大きく翼をはためかせるアダミーヴ。
ツバメ「やる気ね…」
オウリギン「虚構の記憶が統合し、真憶となった今。我は起源を超えた存在。新神祖アダミーヴを駆る我はオリジン・ルーツなり。神の存在をも知りえぬそなた等は神抗者である我が礎となるがいい」
コォォォ!!
アダミーヴの頭上の次元門が輝く。
オリジン・ルーツ「我が眷属たちよ。いでよ」
キュィィン!!
次元門の輪の中から何かが現れる。
カルマート・カラン「…」
カルマート・アニマ「…」
カルマート・アマービレ「…」
アポロン「征獣だと!」
ディック「いやまて!」
キュィィン!!
次々と現れるカラン、アニマ、アマービレたち。
ボルク「おいおいおい!どうなってるんだ!?」
無数の征獣たちが十也たちの前に立ちはだかる。
十也「あ、ありえないだろ!なんだよこれ!」
オリジン・ルーツ「数多の世界で倒されてきた地縛征獣を次元を超え、この場に召喚した。死者の霊魂の叫びを聞くがいい」
ギュォォン!!
カランたちの口に収束していく水。
ディック「嘘だろ!」
ざっと見ても数十体はいるであろうカランたちが一斉に水砲を放つ。
スライ「や、やばい!」
トニー「数が多すぎますよ!」
ナル「次が来るよ!みんな!」
ゴォォ!!
上空から吹きすさぶアマービレたちの巻き起こす突風。
メルト「か、からだが…」
地面に突風で叩きつけられ動きをとれない。
結利「ど、どうすれば…」
ゴォォォ!!
身動きが取れない結利にアニマが炎を纏い突撃してくる。
結利「だ、だめ…避けれない」
十也「結利!」
ガァ!!
大きく口を開け結利へととびかかるアニマ。
きゅっぱ「結利が!」
ガキン!
オリジン・ルーツ「なに?」
ゴン!!
アニマを蹴り飛ばす男。顔に仮面をつけた男は人の力とは思えない力でアニマを吹き飛ばす。
アポロン「ばかな!なぜそなたが!?」
その男に一番に驚くアポロン。それもそのはずだ。アポロンは彼の最後をしっている。守るもののためにその命を最後まで燃やし尽くした彼の最後を…。その男は地縛征獣たちの前に立ちはだかり名乗りを上げる。
ウルズ「ヴァーダンド!?なんで奴が!」
ヴァ―ダンドは背中から柄だけの剣を取り出す。
ヴァ―ダンド「神涜の大剣ディス=エクスペリエンス」
ギュォォン!!
両手で柄を構えると刃が生成されていくディス=エクスペリエンス。
ヴァーダンド「はぁぁ!」
ブン!
激しい剣圧がアマービレの突風を弾き飛ばす。
アポロン「なぜそなたが!」
ヴァーダンドに駆け寄るアポロン。
ヴァーダンド「我だけではない」
アポロン「なに?」
「粒子光弾!!」
ババババ!!
無数の粒子の弾が地縛征獣たちに撃ち込まれる。
ゲイン「まさか!」
ガーランド「ふん。久しぶりだなゲイン」
駆動鎧アーヴァヘイムに身を包むガーランド。
ゲイン「ガーランド!どういうことだ!?」
ウルズ「あいつはおれが…」
ガーランド「今は事態を説明しているは暇はない」
「そういうことです」
十也「嘘だろ…おまえは」
十也の前に現れた彼。それは…
グローリー「この戦い。あなたたちに敗けてもらうわけにはいきません。全力でサポートさせてもらいます」
to be continued
最終更新:2020年04月30日 22:58