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シャカイナの塔・最上階~
グローリー「光子空間(フォトン・フィールド)!」
部屋全体を光が包み込む。
十也「これが奴の本気…」
ディック「
リョウガ!」
リョウガ「おう!」
リョウガは双剣を構えグローリーに切りかかる。
グローリー「光子化(フォトナイズ)!」
リョウガの攻撃が当たるよりも先にグローリーの体が光となり消える。
リョウガ「なに!?」
リョウガの死角からグローリーの光の剣が振り下ろされる。
十也「やらせるか!『コート・オブ・ブラスト』!」
高速移動し光の剣を受け止めようとする十也。
ザシュ!
しかし十也の体が光の剣により攻撃される。
十也「がっ!なんで…」
グローリーはリョウガのほうにいたはず…
リョウガ「ぐはっ!」
リョウガもグローリーからの攻撃を受けている。
ディック「リョウガ!」
ディックにはいまおきたことの全貌が見えていた。
ディック「あいつ…自分の体を部分的に出現させていた…」
グローリーの右腕はリョウガを、左腕は十也を狙ったのだ。部分的に体を再構築し出現させたのだ。
グローリー「ふふふ」
体の全体を再構築するグローリー。
グローリー「この光子空間では私の力を自在に扱うことができます。自分の体の光子化も自由自在。今のように部分部分で別々の場所に出現させることも可能です」
十也「こ、これじゃあ奴にふれることもできない」
リョウガ「どこから攻撃が来るかもわからないってことか」
ディック「リョウガなら攻撃をあてればダメージを与えられるけど、これでは…」
グローリーに触れることもできずどこから攻撃が来るかもわからない。これがグローリーの光子空間(フォトン・フィールド)。
グローリー「さぁ!あなたたちの力をみせてください!光子化(フォトナイズ)!」
体を光子化して姿を消すグローリー。
リョウガ「くっ!どこからくる…」
あたりを見回す3人。グローリーの姿はどこにも見えない。
ディック「十也!上だ!」
十也の頭上からグローリーの右腕が出現する。その腕から光の剣が振り下ろされる。
十也「くっ!『ブラスト・デバスター』!」
能力による高速移動。それにより十也は上からの攻撃を避け横へ移動しようとする。
十也「がっ…」
十也の脇腹に鋭い痛みが走る。確認するとそこには光の剣が食い込んでいた。
十也「なっ…」
グローリー「あなたの考えは読んでいました。私の攻撃を避けるため能力による高速移動で回避すると。」
グローリーは十也の移動する先に光の剣を構え、待ち構えていたのだ。
ディック「十也!」
自身の高速移動により加速した状態で光の剣に突っ込んだ十也の脇腹に深々と光の剣が刺さっている。
十也「く…そ…」
グローリー「終わりですね!天十也!」
右腕を自身の体に再構築し振り下ろすグローリー。
リョウガ「駄目だ!間に合わない!」
ディック「くそっ!」
グローリーの光の剣が十也の体を両断しようとせまる。ディックとリョウガはそれを阻止しようとするが間に合わない。
十也「やるしか…ない!」
決断する十也。そうあれを使うことを。
十也「シフトR2!」
『音声認証確認。ピピピ!シフト、リストラクション・リリース。』
赤熱する十也の鎧。
グローリー「これは…!?」
リョウガ「十也の鎧が赤く…」
ディック「いったいなにが…」
『使用可能時間1分デス。時間内ニ対象ヲ殲滅シテクダサイ。』
十也「うぉぉぉ!!」
グローリーの目の前から十也が消える。
グローリー「なに!?」
リョウガ「速い!あの距離で攻撃をよけたのか!」
十也「くらえ!」
グローリーの背後に瞬時に移動した十也は手にした槍をグローリーに向かって突き刺す。
グローリー「くっ!光子化(フォトナイズ)!」
光子化し攻撃を避けるグローリー。
十也「だめか…」
ディック「十也!奴に攻撃をあてるイメージだ!能力には能力!お前の能力(ちから)で奴に攻撃をあてれるはずだ!」
十也「イメージ…」
グローリーは言っていた。『能力』とは想いの力。すなわちそれは妄想(イメージ)の力。
ディック「俺にもできたんだ!お前だってできるはずだ!」
リョウガ「そうだな。ディックにだってできたんだから誰にだってできるかもな」
ディック「なっ…リョウガ!お前は!」
リョウガに対して怒るディック。
『残リ時間30秒』
十也(奴からのダメージで体が重い…。次に奴が仕掛けてきたとき…それが最後のチャンスだ!)
グローリー「はぁぁ!」
十也「きた!」
グローリーは十也の背後から攻撃を仕掛ける。十也は槍を振り込む。
ガキン!
十也の槍はグローリーの攻撃を受け止める。しかし
十也「!右腕だけだ!」
部分的な再構築。ということは…
グローリー「もらいました!さよならです!」
背後からグローリーの一撃が迫る。
十也「『ブラスト・デバ…ぐっ!」
体に痛みを感じ、体制を崩す十也。
十也(さっきのダメージが…)
グローリーの攻撃は止まらない。
ザシュッ!!
グローリーの光の剣が切り裂く。切り裂かれた相手は…
十也「なっ!」
リョウガ「が…はっ!」
リョウガだった。とっさに十也とグローリーの間に割って入ったのだ。
ディック「リョウガ!!」
リョウガ「心配するな…しばらくはでてこれない…かもしれない…が俺は死にはしないさ…あとは…たのん…だぜ」
リョウガの身体が青白い炎に包まれて消える。
グローリー「ちっ!余計な邪魔を!」
『残リ時間10秒』
十也「リョウガがくれたこのチャンス!無駄にするわけにはいかない!」
十也は槍をグローリー目がけて投げつける。
グローリー「無駄です!光子化(フォトナイズ)!」
槍は光子となったグローリーを通り抜け壁に突き刺さる。
グローリー「武器をすてるとは…なんだ?」
十也の両手に光のエネルギーが集約されていく。
『5』
十也「行くぞ!『アクセル・アサルト』!」
グローリー「どんな攻撃だろうが!」
十也から繰り出される高速の拳撃。それは光子化したグローリーの体に打ち込まれる。
グローリー「な、なんです!?」
『4』
グローリーの体の光子化が解除されていく。
グローリー「ば、ばかな!?」
『3』
十也「これできめる!」
十也は両手に込められたエネルギーを右手に集約する。
『2』
ディック「十也!リョウガの繋いだチャンスを!」
十也「無駄にはしない!」
十也は右腕に込めたエネルギーをグローリーの体に打ち込む。
十也「『ブラスター・ノヴァ』!」
『1』
エネルギーの塊を打ち込まれたグローリー。彼に打ち込まれたエネルギーの塊はグローリーの体を呑み込んでいく。
グローリー「こ、これは!」
グローリーの体が崩壊していく。
グローリー「くっ!このままやられるわけには!」
グローリーはエネルギーの塊が作りだす爆発的な力の奔流に呑み込まれていく。
『0。シフト・オーバー。』
能力を強制解除される十也。
十也「ぐっ。」
ひざをつく十也。グローリーから受けたダメージは大きい。彼は自身の体に大きな負担をかけながら戦っていたのだ。
ディック「大丈夫か十也!」
十也に駆け寄るディック。
十也「あ…あぁ。なんとか…な」
ディック「これで…終わったのか…あっ!?」
十也の攻撃により部屋は煙が待っていた。その煙の中に人影を見つけるディック。
十也「お、おい…嘘だろ」
ディック「そんな…」
その煙が晴れていく。その人影の正体は…
グローリー「はぁ…はぁ…」
ディック「グローリー!」
十也「あれでも倒せないのかよ…」
栄光のグローリーだ。十也のあの一撃を受けてもまだ彼は生きていたのだ。
グローリー「これほどの…力をもっているとは…さすがですね」
十也「くっ…」
ディック「まだ戦う気なのか…」
グローリーとの戦いをディックが覚悟したその時!
ウルズ「大丈夫か?」
ウルズだ。彼が最上階であるこの部屋に到着した。
ボルク「やっとついたぜ!」
結利「ここが最上階…あっ!大丈夫十也!?」
ボルクと結利も少し遅れて到着する。
にろく「無事か?」
ナル「生きてたディック?」
ディック「
にろく!ナル!」
スライ「
トニー!ついたぞ!」
トニー「ここが…最上階ですか」
キノ「あれ?もう…」
アポロン「あぁ。決着はほとんどついているようだな」
勢ぞろいする一同。
十也「あれ?
ディサイブたちは…」
ウルズ「あいつらはダメージが大きかったので先に街に戻っている。安心しな、全員無事だ」
十也「そうか…よかった」
オリジネイターを倒しここまでたどり着いた彼らに対しグローリーがとる行動は…。
グローリー「これほどの人数がここまで到達できるとは予想外でしたね…」
十也「観念しろ!グローリー!」
グローリー「そうですね…。ですが観念しろというのは違いますね」
ウルズ「どういう意味だ?」
グローリー「私たちに勝利したあなたたちには…話さなければなりませんね。私たちの真の目的を…」
アポロン「真の目的…」
とうとうグローリーから語られるオリジネイターの目的。それが指し示す彼らの未来…それは希望か絶望か…。
to be continued
最終更新:2016年10月31日 21:48