我こそは起源のオリジン!世界をかけた戦い!

崩壊した塔の中から姿を現した人物。背中に六枚の羽根を生やし、長い金色の髪をなびかせている。その姿はまるで…
にろく「天使…」
地縛民「お、おぉぉ…」
スライ「なんだ?」
地縛民たちが姿を現した人物に祈りをささげるような恰好をとっている。
地縛民「神だ!神が顕現なされたのだ!」
地縛民「偉大なる神よ!我らを導きください!」
ディック「そういうことか…」
ナル「ディック?」
ディック「地縛民たちの行動の理由が今わかったぜ。地縛民たちはこいつの力を感じ取っていたのか」
ボルク「だがそれがこの行動とどんな関係が?」
アポロン「シャカイナだな」
キノ「シャカイナ…地縛民が崇めた存在だね」
ディック「そうだ。本能的なものなのかわからないが俺にも感じるんだ。奴の存在を」
ディックは元々地縛民だ。彼らが持つ単一能力『ディスコネクト』の影響でか、彼らは神に似た存在の力を感じ取っていたのだ。
スライ「そいつが崩れたシャカイナの塔から出てきた」
トニー「彼らにとっては神の顕現に見えているのかもしれないですね」
ウルズ「古き神が転生して舞い降りたってわけか」
これが地縛民たちの行動の真相だったのだ。
結利「だけどあいつは…」
十也「あぁ。神なんかじゃない!あいつは世界を滅ぼそうとする存在だ!」

オリジン「ここは…」

あたりを見回すオリジン。

オリジン「そうか。我は奴らによって封印され…そしてこの感じ。別の時へと転移させられたというわけか。」
1人の地縛民がオリジンに近づく。
地縛民「か、神よ!」
オリジン「んっ?」
地縛民「我々にお導きを!」
オリジン「私が…神だと…?」
地縛民「そうです。あなたはシャカイナ神の生まれ変わりなのですよね!」
オリジン「シャカイナだと?…そうか…なるほど理解したぞ。奴はそのような手段をとったということか…」
地縛民「か、神?」
オリジン「ならば…利用させてもらおうぞ!」
オリジンは地縛民たちに手をかざす。
十也「何をする気だ?」
オリジン「我を崇める者たちよ!その手を天に掲げよ!さすれば天への導きが与えられん!」
地縛民たちは一斉に手を挙げる。それが神の導きなのだから。
オリジン「『アブソーション』!」
地縛民「な、なんだ体が軽い!?」
地縛民「これは…まるで天にも昇るようだ…」
地縛民「これが神の力のなのですね…」
地縛民たちが次々に倒れていく。オリジンにより生命エネルギーを吸い出されているのだ。
オリジン「そなたたちの望み通り、その命を天へと昇らせてやったぞ。どうだ我の力の一部となれて満足だっただろう」
ディック「そんな…地縛民たちが」
アポロン「奴を止めるぞ!」
キノ「うん!」
キノは手に持った銃をオリジンに向けて放つ。銃弾がオリジンに命中する。
オリジン「なんだ?」
オリジンはまるで体に小石でも当たったかのような反応だ。
キノ「そんな!?確かにあたったのに!」
オリジン「ソナタたちはなんだ?」
十也たちに目を向けるオリジン。
十也「お前は俺たちがここで倒す!これ以上地球を好きにはさせないぞ!」
ウルズ「ってわけだ!」
オリジン「そうか。そなたたちが我を倒すために集められた者たちというわけか…んっ?」
あたりを見回すオリジン。
アポロン「なんだ?」
スライ「俺たちの方を」
トニー「みていますね…」
オリジン「我は運がよかったかもしれん。一つ捕り逃しはしたが…まさか二つもあるとはな…」
ボルク「なんのことだ?」
オリジン「ソナタたちには関係のないこと。所詮太極には至れぬよ。」
ナル「太極?」
にろく「いったい何を言っているんだ…」
オリジン「世界の理(ことわり)。ルーツ。源理(げんり)の力。それを知らぬものには無用のもの。我の力の一部と化すがよい!」
結利「やる気だね…」
ディック「ここでこいつを止めないとな!」
ウルズ「くるぞ!」
オリジン「『喰邪(はじゃ)の翼』!」
オリジンの背中から生えた翼から無数の鋭い羽根が撃ち出される。
キノ「僕に任せて!『オートプロテクト』!」
キノの能力により発生したバリアに羽根が当たる。
キノ「よし!」
アポロン「いや!避けろキノ!」
キノのバリアを貫通する羽根。
キノ「なんで!?」
ボルク「ちっ!」
キノの目の前に割って入るボルク。その体に無数の鋭い羽根が突き刺さる。
ボルク「ぐぁぁ!!」
ボルクの体が光となってオリジンに取り込まれる。
アポロン「ボルク!」
ウルズ「こいつはやばいぜ…みんなこの翼に触れたら終わりだ!」
オリジン「さていつまでかわせるかな?『喰邪(はじゃ)の翼』!」
再び無数の鋭い羽根が撃ちだされる。
結利「いたっ!」
結利の足に刺さる羽。
十也「結利!」
結利の体が光になっていく。
結利「ごめん…。だめみたいだね…」
結利は光となってオリジンに吸収される。
にろく「くっ!」
ナル「あっ!」
にろくとナルの体を羽根がかすめる。2人の体が光となって取り込まれる。
ディック「にろく!ナル!」
トニー「かすっただけでもだめなんですか!」
スライ「トニー!」
トニーがにろくとナルの2人が光になるのを見ていた一瞬、その隙が行動を遅らせた。トニーを庇ったスライに刺さる羽根。
トニー「スライ!」
スライ「あとはたのんだぜ…」
スライは光となって取り込まれる。
オリジン「これだけの攻撃を避けきるとは…この時代の人間はなかなかやるようだな」
十也「くそっ!」
キノ「みんなが…」
トニー「そんな…」
ウルズ「ちっ!」
仲間たちが一瞬でやられてしまった。圧倒的な絶望感に心が押しつぶされそうになる一同。だが
アポロン「あきらめるのはまだ早い。そうだろ、ディック?」
ディック「あぁ。奴の力の中から別の力を感じる。それも1つや2つじゃない」
トニー「それって!」
アポロン「奴に吸収されたものたちは奴の中で生きている可能性が高い」
十也「じゃあ奴を倒せば…!」
ディック「みんなを助け出せるはずだ!」
キノ「希望はまだあるんだね!」
ディック「だが問題はどうやって奴に攻撃するかだ」
キノ「僕の『オートプロテクト』も役に立たないしね」
十也「あれだけの羽根に触れずに攻撃なんてできるのか?」
ウルズ「もしかしたら可能かもしれないぜ」
アポロン「本当か?」
ウルズ「あぁ。」
ウルズは自分の腕をみんなに見せる。その腕にはオリジンの羽根が刺さっている。
ディック「なんで?吸収されていないんだ?」
ウルズ「奴にも好き嫌いがあるってことさ」
アポロン「なるほどな」
納得しているウルズとアポロン。
トニー「2人はわかっているみたいですけど私たちには何が何だか…」
ウルズ「十也!鎧をまとって突っ込め!」
十也「えっでも…奴の羽根が…」
ウルズ「大丈夫だ!気にする必要はない!」
アポロン「?(どういうことだ…。天十也の鎧は能力で作り出したもののはず…。だが奴の羽根が効かないとなれば…)」
十也「お前にはなんども助けられてるからな!信じるぜ!『コート・オブ・ブラスト』!」
ウルズ「いくぜ!」
アポロン「あぁ!」
3人はオリジンに向かって突撃する。
オリジン「無駄なあがきを…『喰邪(はじゃ)の翼』」
アポロン「感得の大剣エクス=ペリエンス!」
手にした大剣を盾にしながら突き進むアポロン。
ウルズ「おぉぉ!!」
ウルズは顔をガードしながら突き進む。
十也「…」
十也の鎧に羽根が刺さる。
十也「うっ!」
十也の体は光にならない。
十也「お、おし!いくぜ!」
十也は羽根の中を突き進む。
無数の羽根の嵐を超えオリジンの目の前に到達する3人。
オリジン「なに!?『喰邪(はじゃ)の翼』をぬけただと!」
アポロン「はぁぁ!」
ウルズ「喰らいやがれ!」
十也「たぁぁ!」
一斉に攻撃を加える3人。3人の攻撃はオリジンに直撃する。
オリジン「がっ!」
ダメージを受けるオリジン。
ウルズ「ちっ!手ごたえが薄い」
アポロン「我らの攻撃をまともに受けても倒れぬか」
十也「なんてやつだ…」
オリジン「ふっ。」
不敵に笑うオリジン。
アポロン「なんだ?…まさか!」
後ろを確認するアポロン。
キノ「ごめん…アポロン」
トニー「すみません…」
ディック「お前たちだけが最後の希望だ…たのんだぜ…」
3人の体に羽根が突き刺さっている。オリジンは十也たちの攻撃を喰らう瞬間に後ろの3人に向かって羽根を撃ち出していたのだ。
3人は光となってオリジンに吸収される。
オリジン「みなぎる…力があふれるぞ。我が力『吸喰(きゅうしょく)』の前に、地球人よ!その無力さを知るが良い!」
ウルズ「残ったのは俺たち3人」
十也「やるしか…ない!」
アポロン「我々が倒れれば後はない!」
十也「あぁ!いくぜ!」

圧倒的な力を誇る起源のオリジン。地球の未来は十也、ウルズ、アポロンの3人に託された。彼らは奴を打ち倒し世界を救えるのか?

to be continued

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最終更新:2016年11月03日 14:04