『Control』でメインの敵として全編に渡り立ち塞がる。
【概要】
連邦操作局(FBC)の研究リーダー、キャスパー・ダーリング博士によって定義された。
自我を持つ音とも表現できる実体の無い存在で、生物、非生物を問わずに支配し傀儡とする能力を持つ。
FBC職員はヒスに支配されることを「腐敗」や「汚染」と表現している。
尚人間がヒスにより腐敗するプロセスは不明瞭だが、「闇の存在」が暗闇を介して人間を支配するのと同じ様に「音や振動」を介して侵食することが示唆されている。
【起源】
アランの長年の宿敵である「闇の存在」をモチーフにしているため、ヒスと闇の存在の性質は非常に似ている。
【形態】
◇ヒス実体
- ヒスバリア
こいつが退路を塞いだため、FBCの非戦闘員達は逃げることすら出来ずに殺されたりヒス生物と化した。
周囲のヒス実体やヒス生物とは共鳴源を共有しており、それらを殲滅するとヒスバリアは消滅する。
- ヒスノード
キューブ状で、壁や天井に貼り付いている。
- ヒスクラスター
周囲のヒス生物に共鳴を注入し奮い立たせる、ヒーラーの役割。
近づくと高速移動して逃げ、FBC局長ジェシー・フェイデンの洗脳(*2)が通用することから、こんな見た目でも知的存在である模様。
◇ヒス生物
「これが聞こえた時、何も残らなくなるまで、お前を作る」
「この現実の後ろにある概念的現実の下でお前がこれらの波を欲すれば、お前を引き出すことができる」
「ベイビー、ベイビー、ベイビー、イェアー。オレンジの皮」
と言った。
攻撃されるとガスのように消滅するが、これで死んだのか、単に見えなくなったのかは不明。
ただし作中に登場するヒス生物があまりにも無尽蔵すぎるため、一度ヒス生物になった人間は何度でも復活できる可能性がある。
- ヒスエージェント
最も穏やかなタイプのヒス生物。
外見的な変化は汚染前と違いはないが、浮遊能力を持ち宙に浮かんだまま「呪文」を呟き続けている。
この「呪文」を聴いてしまった人間は、ヘドロン共鳴体増幅器が無ければヒス生物と化してしまう。
- ヒスボマー
人間に近付いて自爆攻撃を仕掛けてくる。
汚染が進行した末の物理的な「ひずみ」。
ヘドロン共鳴体増幅器を破損させることを目的に生み出されたのではと作中では考察されていた。
- ヒス警備員
体表が赤く発光している。
防弾衣とヘルメットを着用している者や高密度の共鳴により形成された赤い半透明のバリア(ヒスシールド)を身に纏っている者もいる。
ただし、「影になった個体」が身に纏う闇のバリアは「光で焼き払う」以外の物理的な攻撃を遮断できるのに対し、ヒスシールドは普通に物理的な攻撃で破壊できてしまう。
使用する武器は突撃銃(M43ライフル)や散弾銃(サーブスーパーショーティー)等。
- ヒスレンジャー
体表が赤く発光している。
黒ずくめの装束。
人間だった頃は変貌世界やスレッショルドの偵察などに対応するため訓練を受けていたが、ヒス生物化してからもその技術は据え置きなため警備員よりも手強い。
防弾衣を身に付けている者やヒスシールドを持つ者もいる。
武器は小型機関銃、散弾銃(ネオステッド2000)、突撃銃、手榴弾など。
- ヒスレンジャー(空中浮遊)/フライボーンレンジャー
体表が赤く発光している。
ジェシーの念力による投擲攻撃(*3)を回避できるが、連続では避けられない。
ヒスシールドを持つ者もいる。
使用する武器はヒスレンジャーと同じ。
なぜか捜査セクターにしかいない。
- ヒススナイパー
体表が赤く発光している。
ヒスレンジャーと同じく黒ずくめの装束で、キャップ帽とヘッドセットを身に付けている。
サーチライトと銃剣付きの狙撃銃を所持し、正確に遠距離から狙撃してくる。
人間だった頃の記憶からか標的との距離を保とうとする習性を持つ。
基本的に超自然的な能力は持たないが、ヒスにより汚染されたマーシャルと共に現れるヒススナイパーだけは標的に接近されると瞬間移動で遠くに逃げる。
- ヒス破壊エキスパート
黄色いヘルメットと灰色の服が特徴的。
体表が赤く発光している。
推進力を持ち生物を追尾する特殊な弾頭を発射する「ライフルグレネード」という狙撃銃に似た武器を使用する。
超自然的な能力はない。
- ヒス騎兵
騎兵は未知の変貌世界やスレッショルドの偵察を任されるため全身を非常に強固な装甲で覆い、回転式機関銃(ミニガン)や擲弾発射器(グレネードランチャー)を手にした重武装で現れる。
見た目は『CALL OF DUTYシリーズ』のジャガーノートを黒くしたような感じ。
素肌は一切見えないため実際の形態は不明。
もれなく頑丈なヒスシールドも纏っている
- 特殊ヒス
痩身な者が多く、中には実験中にヒス生物化したせいで椅子に縛られたままの者もいる。
体表が赤く発光している。
武器は使用しないがジェシーら超常的ユーティリタリアンと同様に浮遊しながら念動力で物体を投擲したり体当たりを繰り出す。
またジェシーの投擲は回避できるが、連続では避けられない。
- ヒス・ワープ
体表が赤く発光している。
もれなく念力で持ち上げた瓦礫のシールドとヒスシールドの両方を持つため防御力が非常に高く、更に念力による投擲も繰り出す。
- ヒス変形
四肢はかろうじて人間だった頃の原型を留めているが、肝心の胴体や頭部は鳥の翼のような形状になっている。
また、踵がハイヒールを彷彿とさせる形状になっている。
不可視になる能力と衝撃波を放つ能力を持つが、同時には使えないため攻撃時に姿を現す。
余談だが「影になった個体」にも似た特徴を持つテレフランカーやスペクターという者がいた。
- 強化ヒス
ジャック・ジョイスらタイムパワー保持者やモナーク社保安警察の精鋭「ストライカー」達が見せたものに酷似した短距離の瞬間移動が可能で、ジェシーの念力による投擲を回避するが連続では避けられない。
作中でもジャックらと同様に限定的な時間操作能力を持っているのではと考察されている。
武器は鶴嘴もしくは素手。中距離では鶴嘴の投擲も繰り出す。
基盤セクターにのみ出現する。
- 第三のモノ
◇ヒスにより腐敗した人物
他にもID番号のみ判明している者が多くいる。
◆中ボス
- ランドール・ポラスキ
エグゼクティブ・セクターのセントラル・エグゼクティブのヒスに汚染されたコントロール・ポイント(*4)を守るようにジェシーの前に立ち塞がる。
武器は小型機関銃。ヒスシールドも持たないが、この時のジェシーは近接攻撃(*5)しか超常的な力を持っていない上にサービスウェポンも貧弱なため手強い。
人間だった頃はレンジャーの訓練所のアナウンス音声を担当していた。
- コールマン
エグゼクティブ・セクター通信部署のコンピューターが並ぶ部屋でジェシーに襲い掛かる。
小型機関銃とヒスシールドを持つ。
- コパック
メンテナンス・セクターのNSC冷却ポンプにて、降りてきたエレベーターからジェシーに襲い掛かる。
回転式機関銃とヒスシールドを持つ。
- ストロブリッジ
- アブラハム・ルイス
研究セクターの儀式部門にて、ジェシーがヒスにより汚染されたコントロール・ポイントを浄化しようとした際に襲撃を仕掛けてくる。
人間だった頃はヒス並に厄介なモールドを甘く見積もったり感情を持つ植物を信じられなかったりと目が節穴。
- チョー
ヒス警備員と成り果てた。
防弾衣、散弾銃、ヒスシールドを持つ。
- トムソン
防弾衣、散弾銃、ヒスシールドを持つ。
- ハザード
レミュスに20ドルの貸しがある。
ヒス騎兵と成り果てた。
武器は擲弾発射器。
- レミュス
ガイに60ドルの貸しがあり、ハザードに20ドルの借りがある。
特殊ヒスと成り果てた。ヒスシールドを持つ。
- ガイ
レミュスに60ドルの借りがある。
ヒス・ワープと成り果てた。
- へプトンストール
レミュスにビールをおごったらしい。
ヒス変形と成り果てた。
- ウィレット
灰皿の迷路でジェシーと対峙する。
武器は擲弾発射器。
- フートン
◆ボス
エグゼクティブ・セクターで初めてジェシーと対峙し、その後収容セクターで決着となる。
一戦目ではヒスシールドが無いが二戦目ではある。
ヒスに汚染されたパワーオブジェクト「ベニコフテレビ(OOP7-KE)」を守るようにジェシーの前に立ち塞がる。
- 歪められた侵入者
パワーオブジェクト「Songmasterのジュークボックス(OOP10-KE)」にトークンを入れることで転送されるスレッショルド「ブラックロック採石場」にてジェシーの前に立ち塞がる。
ヒスにより汚染された変貌アイテム「ビクトリア朝様式の鏡」から生まれた邪悪なジェシーのドッペルゲンガー。
ジェシーと同じくサービスウェポンや念力を使い襲い掛かってくる。
他のヒス生物と同様に死ぬとガスのように消える。
封鎖されていたスレッショルド(*7)にて変貌アイテム「オセロットのアンカー」を追跡している最中に負傷しヘドロン共鳴体増幅器が破損してしまい、同僚にして衛生担当のルパート・ウェルズを連れてくるようジェシーに頼むが、ジェシーとウェルズの目の前でヒス生物と化してしまう。
武器は機関銃。ヒスシールドを持つ。
- 三幕悪役
ヒスにより汚染された変貌アイテム「Action Maxxカメラ(AI80-UE)」にジェシーが接触した際に現れ立ち塞がった。
倉庫の地下研究所でヒス変形と成り果てた。
通常のヒス変形の能力に加え、遠距離からの熱線攻撃を持つ。
基盤セクターにてアストラル・プレーンとオールデスト・ハウスを繋ぐ導管であるネイルが破損し、二つの世界が混ざってしまったためネイルを爆破しようと試みるも、ボードによる阻害を受けヘドロン共鳴体増幅器が破損。強化ヒスと成り果てた。
◇ヒスにより腐敗した超常的ユーティリタリアン
作中に登場する者はいずれもヒスの汚染に対し耐性があり、人間の姿や自我、知性を保ったままヒスとの共生を果たしている。
前述の通り本人の自我や知性を保ってはいるが、ヒスに洗脳されてはいるため、「ヒスの拡散」を目的に行動することになる。
2002年にスライドプロジェクターが原因で起こったオーディナリーでの変貌イベントを調査した際ヒスの影響を受け始め、それから17年に渡ってじわじわと洗脳された。
姉ジェシーと並び超常的ユーティリタリアンとして優れた素質があったため局長候補六番「P6」としてFBCに収容されていた。
2002年のオーディナリーでの変貌世界イベントの際、プロジェクターのスライドを36番以外全て燃やし世界を救ったが、FBCに確保されそうになったところを弟を置き去りにして逃げ出してしまった。
2019年にポラリスの導きでオールデスト・ハウスを訪れる。
何も知らない民間人だったが局長に相応しい人物をボードが判別するパワーオブジェクト「サービスウェポン(OOP1-KE)」に触れた結果、見事局長に任命されてしまう。
ヘドロンが死んだ隙にヒスによる洗脳を受けるも、ポラリスにより救い出され正気を取り戻した。
なお洗脳の内容は精神世界で延々とFBCの下っ端として仕事をさせられ陰口を言われまくるというネチネチしたもの。
局長候補七番「P7」としてオーディナリーの事件から注目されていた。
◇ヒスにより腐敗したオブジェクト
- コントロール・ポイント
ヒスにより汚染された結果、オールデスト・ハウスの構造は滅茶苦茶になった。
- 共鳴サイフォン
ヒスにより汚染されヘドロンへの攻撃に利用される。
ボス戦ではサイフォン自体はヘドロンだけを攻撃するためジェシーにとっては無害だが、護衛に大量のヒス生物が現れる。
◇ヒスにより汚染されたパワーオブジェクト
ヒスはこれを利用して人間を介してアストラル・プレーンに侵入しようとしている。
フェイデン姉弟の故郷オーディナリーで発見され、住民を殆ど消失させる変貌世界イベントを引き起こした。
前述の通り36番目のスライドがヒスの起源。
- フロッピーディスク(OOP5-KE)
ヒスにより汚染され、職員を手当たり次第に攻撃していた。
ジェシーにより浄化されたあとボードを介して彼女と結合した。
- ベニコフテレビ(OOP7-KE)
ヒスにより汚染され暴走していたがジェシーにより浄化されボードを介して彼女と結合した。
- 家庭用金庫(OOP22-KE)
ヒスにより汚染され暴走していたがジェシーにシールドを剥がされ浄化され、ボードを介して彼女と結合した。
- メリーゴーランドの馬(OOP16-KE)
ヒスにより汚染されたがジェシーにより浄化されたあとボードを介して彼女と結合した。
◇ヒスにより汚染された変貌アイテム
たまに意見の相違によりボードから追放された「フォーマー」のいる異次元空間に転送されるオブジェクトも混じっている。
大量の時計を吐き出す黒い球体の化け物を召還する力を持つ。
ヒスにより汚染されジェシーに黒い球体の化け物を差し向ける。
- ゴム製のアヒル(AI52-AE)、ウエストマネキン(AI7-KE)、人の手の形の椅子(AI63-KE)、赤の信号(AI49-KE)、動く手紙(AI77-KE)、ラーメンランタン(AI69-KE)
- Arctic Queen(AI10-KE)
ヒスにより汚染されていた。
浄化するため接触するとフォーマーのいる空間に送られるが、能力をくれない上に攻撃してくる(ボス戦)。
- ピンクのフラミンゴ(AI46-KE)
浄化するため接触すると、またしてもフォーマーの元に転送される(ボス戦)。
なおフォーマーは後にネイルが破損した際に味方してくれるため、なぜ襲い掛かったかは不明。
なおピンクのフラミンゴは『MAX PAYNE』シリーズの劇中劇である『アドレス・アンノウン』にも登場し、キーキャラクターとして扱われている。
- ビクトリア朝様式の鏡(AI60-UE)
ヒスにより汚染され、敵対的なジェシーのコピー(上記の[ーシジェ]参照)を生み出した(ボス戦)。
- Action Maxxカメラ(AI80-UE)
ヒスにより汚染され「高速で走る車の様なものに乗りカメラを追跡するジェシー」という場面を生み出し、ヒス生物を出現させて襲わせる。
- 自動販売機(AI81-KE)
ヒスにより汚染され攻撃を受けると暴れまわるようになった。
倒すと大量のアイテムを落とす。
【関連人物】
ヒスの創造主。ヒスの呪文も彼が考えたダダイズムの詩である。
なおヒスの誕生経緯は
闇の底から自分を救い出すヒーローを作ろう→ジェシー誕生→ジェシーがヒーローたる所以として侵略者と戦ったことにしよう→ヒス誕生
なお彼が闇の世界に沈んだのは約10年前であるため時系列がおかしいが闇の世界は過去、現在、未来が同時に存在し更に無限にループしている混沌の世界であるため関係ない。
なおヒスの呪文の一節「コピーのコピーのコピーのコピー」はトーマス・ゼインのドッペルゲンガー説が濃厚なアラン本人やそのアランのドッペルゲンガーであるミスター・スクラッチやインセイン・アランにも当てはまる。
- ボード
FBC本部オールデスト・ハウスの支配者であり、パワーオブジェクトに触れた人間にオブジェクトの力を与える。
- フォーマー
見た目は大きな一つ目にカマキリの様な脚をいくつも持つ巨大な蛇、または芋虫のような怪物。
一部の変貌アイテムに触れた人間はこいつのいる薄暗いアストラル・プレーンに送られる。
タンゴを口ずさむフィンランド人の清掃員の姿で如何なる危険地帯でも現れる超常的な存在。
ヒスに対し耐性があるためヘドロン共鳴体増幅器は不要。
ヒスに洗脳されかけたジェシーに奮起を促した。
オーディン&トール・アンダーソン兄弟とは友達で、彼らがジェシーに捧げた曲はパワーオブジェクトの力すら破った。
また、『Alan Wake Ⅱ』では闇の底にとらわれたアラン・ウェイクを助けていた。
詳しくは個別項目を参照シロ。ジュマラウタ。
- ヘドロン
ヒス同様にスライドスケープ-36で発見されたがヒスとは敵対している。
同族のポラリスが持つ人間をヒスの汚染から守る共鳴を拡散させる触媒の役目を担っており、ヘドロン共鳴体増幅器を身に付けたFBCの職員達を守っていた。
- ポラリス
普段は螺旋状の光、精神世界ではジェシーのドッペルゲンガーとして知覚できる。
ヘドロンと融合したことが示唆されている。
ゲーム画面に隙あらば挟まってくる実写キャラで、出番は滅茶苦茶多い。
ジェシーがヒスに洗脳されかけた時は「局長に奮起を促すダンス」を踊った。
なお、『Alan Wake Ⅱ』に登場する闇の底の住人であるミスター・ドアはダーリング博士の著書を愛読していた。
本人の個別項目も参照。