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うきうきノート - (2010/11/29 (月) 03:40:48) の1つ前との変更点
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p1.平和的解決
楽しかったことを記録してみたら、と勧められたのでやってみることにした。正直挫折する予感がしてならないのだが、まあノート一冊分くらい無駄遣いしてみよう。
楽しいこと……まあ、ないとは言わない。楽しいことに関しては文句がないから引きずらないだけで。
冒険者やってて楽しいというか嬉しい時っていうのは、事態が比較的平和的に解決した時、かな。ついでに何か撃つものがあって弾が当たってればもっと楽しいけど、そっちは支出が発生するし。話し合いで解決すればこれほど楽なことはない。争いなんて大抵ちょっとした行き違いで起こってたりするもので。それを解いていくのは、割と楽しいことだと思う。
『平和的に解決しろ』っていうのは、自警団で刷り込まれた考えだ。平和的に、というのは、後に禍根を残さないように、ということでもある。何せあの街では色々な勢力がギシギシしてたので、自警団はどこにも肩入れできない、してはいけないというのがモットーだった。どこかでトラブルが起こった時、一方的な解決ではなく、せめて痛み分けで納得して解決できるように。まあ実際そこまでうまくやるのは難しいのだが、理念の話として、だ。
――どうしてもそこに恨みが残るとしたら、自分が恨まれろ。自警団が恨まれるならそれでいい。恨みや敵意、恐怖は、力となって組織を飾り立てる。街のどこにも属さないこの一団が一つの力になるためには、畏怖を集める事が必要なんだ――
あれは、発展していくと、独立した「軍」のようになるんじゃないかと思う。それがいい事か悪い事かはおいといて、あの街で理念を貫くために、そういう在り方が一番効率が良かったんだろう。
組織としての是非は置いといて、個人として自警団の理念には共感する。冒険者も、まあ、似たようなものだ。小さな力で大きな事件を解決しようと思うのなら、汚れ役になることを恐れてはいられない。無論、畏怖されるばかりでは仕事が来なくなるから、それなりの社会性は必要だけど。
怖れられて、でも信用はされて。いつでも中立の立場にあって、正しく物事を観察し、状況を最善に導く。そして、常にそうあり続ける。それが、僕が個人として、どうありたいかという理想だ。
まぁ、夢だ。人間、そうそう強くなれるものじゃない。まして僕なんか……っと。とりあえず後ろ向きなことは書かないようにしよう。それはあっちに書けばいい。
(p1.後に追記)
中立に立つ、ってことは本当に難しい。何にも頼らない、ということは、自分自身の物差しを、しっかり持たなきゃいけないってことだ。今の僕は結局、何に対しても反発してばかりで、これが正しいと言い切れるような物差しは持っていない。でも、何より、そうやって、一つ一つのことについて、考え続けることが大事なんだと思う。何が最善かなんて、その時その場で考えるしかないんだから。
(p1.残りは空白)
p2.料理
ちゃんと始めたのは最近だけど、料理、は、結構楽しいと思う。安い食材でも、手をうまく加えればおいしく食べられる。店で出してもらって食べるよりずっと安くすむし。
旅に出ている時はどうしても保存食暮らしになる。あれは結構荒む。まあ、干し肉だって、スープにするとか、野草と一緒にするとか、余裕があればやりようはあるのだが、それにしたって飽きがくる。猟でもできると少しは楽しいんだろうけど、残念ながら、僕は母上からそちら方面の才能は受け継げなかったようだ。何か見つけて撃とうと思った時には、獲物はもうとっくにこちらに気付いていて、あっという間に逃げてしまう。
まぁ、冒険中はそんな感じで仕方がないので、街に滞在している時は、なるべく自分で料理を作るようにしている。クズ野菜とか、かなり安いし、煮込めばちゃんとおいしくなる。
自警団に居た頃は寮生活で食事付きだったけど、食事の量はどうしても少ないので、みんなで当番を決めて夜食を作ったりしていた。裕福な家の奴が持ってきたいい食材もあれば、魔術師の家の奴が持ってきた怪しい食材もあった。あれ、本当に何の……考えるのはやめよう。
まぁ身について困るものでもないし、これからもちょっと料理は続けてみようと思う。母上の味を再現……するほどのものもないのだが(切る、焼く、あれば調味料加える、以上。が基本の人だ)。
そのうち、またリヴァに食べさせてあげたいとも思う。材料費あちら持ちだし。でも義兄上に出す食事はない。
(p2.後に追記)
作った料理を、誰かにおいしいって言ってもらえるのは、本当に、嬉しいと思う。
(後に追記)
人に教えるほどの腕があるわけじゃないけど、役に立てるのなら、嬉しい。
(後に追記)
あっという間に追い越されそうな気がする。一生懸命さの違いだろうか。僕のは、結局のところ生活の一部だし。まぁ、楽しそうにしているのを見ていると、こちらもなんだか嬉しい。
(後に追記)
作って、食べてもらって、作ってもらって、食べて。なんだか、幸せ、な気がする。
(p2.残りは空白)
p3.命中
銃撃が当たると嬉しい。当たらないと弾が無駄になるだけ、じゃなくて他の皆にも迷惑がかかるし。
どうにも当たり目が極端だったので頑張って精度は上げた。それでも五割前後を行き来してるが、当たった時は結構いい所を貫通してたりするので、まあいいことにする。
昔散々練習したけど、冒険者になるまでたいして腕は上がらなかった。やっぱり命がかかってるかかかってないかじゃ違うんだろうか。そのツケは払う羽目になったが……とりあえず置いておいて。
それでも訓練の成果はあったと思う。動かない的にならまず当たるようにはなった。自慢にもならないが。昔はそれすらおぼつかなくて……そもそも何でガンナーになろうなんて思ったんだ。他に特技があるわけでもなし、母上の影響としか言いようがないが……でも母上は大きな猟銃とか撃ってたけど。
最初に撃った獲物はなんだったか。あの時はまだ弾丸が作れなかったから、小さな弓か何か使ってたはずだが。それまで何度も外してたから、倒れたのを見ても信じられなかった……そうだ、確かウサギだ。シチューにして食べたっけ。いくつの時だったかな。姉上がいなかったから、12歳くらいの時だったと思うが。
基本足手まといだったけど、母上にはちょくちょく猟に連れて行かれた。獲物を追いこんだり……考えてみれば荷物持ち兼猟犬扱いだったのかもしれない。猟犬ほどの役にも立たなかったが。それでもごくまれには自分で獲物を撃つこともあった。うまく当たるとやっぱり嬉しい。
初めて動物以外を撃ったのは……あ、タビットだったな。撃ったというか、威嚇のつもりがなんか当たっちゃったというか。研究費に困って盗みに走った奴。自警団の巡回中にたまたま見つけて、撃った……当たったのは耳だ。気絶しちゃったけど、命に別条はなかったと思う。痛いよりも音に驚いたんじゃないだろうか。考えてみれば、のどかな話だ。その後散々ゴーレムだのアンデッドだの……やっぱりあんまり当たらなかったけど。あいつら結構避けるから。
避けないのは、術師とか、僕と同じ射手とか……
(p2.残りは空白)
p4.黒字
思い出したらいけない事を思い出しかけた。やっぱりこのノート無理があるんじゃないか。ま、もうちょっと続けるけど。
いい事、いい事……ああ、黒字。わかりやすいな僕も。
まぁ、冒険者のいい所は、なんだかんだ言ってまず赤字までにはならないことだ。……出た黒字を何に使うかっていったら、主に新しい装備を買うことだけど。余計なことに散財する趣味はないし。
装備を揃えて強くなれれば、危ない冒険に出ても生きて帰って来られる。それを繰り返してたら報酬が増える。稼ぐために冒険してるんだか冒険するために稼いでるんだか。まぁ一応、稼ぐために冒険者やってるわけじゃないが。
結局は繰り返しだけど、毎回黒字を出して行けば余裕はきっと出てくるはずだ。逆に赤字になったら赤字スパイラルだけど。
借りた馬を死なせたりすると最悪で、それはすごく怖い。自分や仲間が死ぬよりはずっとマシだけど、出来る限り無事に返したい。ギルドで気まずいだろうし。
……でもライダーギルドってちょっとレンタル価格設定が高いと思う。育てて維持するコストとか考えると仕方ないんだろうけど。高い騎獣はなかなか借りられない。馬車とかもっと使いたいんだけどな。もっとも、馬車で事故ると一人じゃ済まないのでちょっとプレッシャーはかかる。
空飛ぶ幻獣タイプとかはもっと怖い。当分乗る気はしない。ダニオさんとかよく乗ってられると思う。
あと多分イルカには乗らない。
(p3.残りは空白)
p5.おいしいもの
p6.友人
p7.いい銃
p8.対等な関係
p9.誰かの役に立てること
p10.プレゼント
p11.居心地のいい場所
p12.冬支度
p13.アイリーン
色々書いてきたけど、振り返ってみると……あれ、ほとんどアイリ関係じゃないか。アイリの自覚のなさに戸惑ってきたけど、その辺り僕も相当だったかもしれない。
……違うな。気付いてた。考えないようにしてた。期待しちゃいけないと思ったし、そもそも僕にそんな資格ないって思ってた。
でも、なんだかだんだん……お互い、これは本当なのかもしれないっていうか。
甘えてるのは確かだと思う。だから、もっとちゃんとしなきゃいけないと思う。逃げるんじゃなくて。
僕がどれだけ駄目でも後ろ向きでも、それでもアイリはきっと僕の側にいてくれる。だから、だからこそ、僕はアイリに相応しい僕にならなきゃいけない。二人で溺れてしまわないように。
初めて会った時は、伝説で言う天使みたいだと思った。もう少しして、もっと普通の子なんだと気がついた。それから、とても可愛い子だと思うようになった。
まっすぐで、一生懸命で、少しとぼけてて、側に居るとほっとして、楽しくて……幸せっていうことなんだろうか?
誰かを好きになったことはあっても、両想いになったのは初めてだ。こういうのってまだ、よくわからない。色々初めてのことばかりだ。
不安になろうと思えばいくらだってなれるけど、今はとりあえず考えない。というより、考えられない。僕らしくないな。
(p13.残りはまだ空白)
p1.平和的解決
楽しかったことを記録してみたら、と勧められたのでやってみることにした。正直挫折する予感がしてならないのだが、まあノート一冊分くらい無駄遣いしてみよう。
楽しいこと……まあ、ないとは言わない。楽しいことに関しては文句がないから引きずらないだけで。
冒険者やってて楽しいというか嬉しい時っていうのは、事態が比較的平和的に解決した時、かな。ついでに何か撃つものがあって弾が当たってればもっと楽しいけど、そっちは支出が発生するし。話し合いで解決すればこれほど楽なことはない。争いなんて大抵ちょっとした行き違いで起こってたりするもので。それを解いていくのは、割と楽しいことだと思う。
『平和的に解決しろ』っていうのは、自警団で刷り込まれた考えだ。平和的に、というのは、後に禍根を残さないように、ということでもある。何せあの街では色々な勢力がギシギシしてたので、自警団はどこにも肩入れできない、してはいけないというのがモットーだった。どこかでトラブルが起こった時、一方的な解決ではなく、せめて痛み分けで納得して解決できるように。まあ実際そこまでうまくやるのは難しいのだが、理念の話として、だ。
――どうしてもそこに恨みが残るとしたら、自分が恨まれろ。自警団が恨まれるならそれでいい。恨みや敵意、恐怖は、力となって組織を飾り立てる。街のどこにも属さないこの一団が一つの力になるためには、畏怖を集める事が必要なんだ――
あれは、発展していくと、独立した「軍」のようになるんじゃないかと思う。それがいい事か悪い事かはおいといて、あの街で理念を貫くために、そういう在り方が一番効率が良かったんだろう。
組織としての是非は置いといて、個人として自警団の理念には共感する。冒険者も、まあ、似たようなものだ。小さな力で大きな事件を解決しようと思うのなら、汚れ役になることを恐れてはいられない。無論、畏怖されるばかりでは仕事が来なくなるから、それなりの社会性は必要だけど。
怖れられて、でも信用はされて。いつでも中立の立場にあって、正しく物事を観察し、状況を最善に導く。そして、常にそうあり続ける。それが、僕が個人として、どうありたいかという理想だ。
まぁ、夢だ。人間、そうそう強くなれるものじゃない。まして僕なんか……っと。とりあえず後ろ向きなことは書かないようにしよう。それはあっちに書けばいい。
(p1.後に追記)
中立に立つ、ってことは本当に難しい。何にも頼らない、ということは、自分自身の物差しを、しっかり持たなきゃいけないってことだ。今の僕は結局、何に対しても反発してばかりで、これが正しいと言い切れるような物差しは持っていない。でも、何より、そうやって、一つ一つのことについて、考え続けることが大事なんだと思う。何が最善かなんて、その時その場で考えるしかないんだから。
(p1.残りは空白)
p2.料理
ちゃんと始めたのは最近だけど、料理、は、結構楽しいと思う。安い食材でも、手をうまく加えればおいしく食べられる。店で出してもらって食べるよりずっと安くすむし。
旅に出ている時はどうしても保存食暮らしになる。あれは結構荒む。まあ、干し肉だって、スープにするとか、野草と一緒にするとか、余裕があればやりようはあるのだが、それにしたって飽きがくる。猟でもできると少しは楽しいんだろうけど、残念ながら、僕は母上からそちら方面の才能は受け継げなかったようだ。何か見つけて撃とうと思った時には、獲物はもうとっくにこちらに気付いていて、あっという間に逃げてしまう。
まぁ、冒険中はそんな感じで仕方がないので、街に滞在している時は、なるべく自分で料理を作るようにしている。クズ野菜とか、かなり安いし、煮込めばちゃんとおいしくなる。
自警団に居た頃は寮生活で食事付きだったけど、食事の量はどうしても少ないので、みんなで当番を決めて夜食を作ったりしていた。裕福な家の奴が持ってきたいい食材もあれば、魔術師の家の奴が持ってきた怪しい食材もあった。あれ、本当に何の……考えるのはやめよう。
まぁ身について困るものでもないし、これからもちょっと料理は続けてみようと思う。母上の味を再現……するほどのものもないのだが(切る、焼く、あれば調味料加える、以上。が基本の人だ)。
そのうち、またリヴァに食べさせてあげたいとも思う。材料費あちら持ちだし。でも義兄上に出す食事はない。
(p2.後に追記)
作った料理を、誰かにおいしいって言ってもらえるのは、本当に、嬉しいと思う。
(後に追記)
人に教えるほどの腕があるわけじゃないけど、役に立てるのなら、嬉しい。
(後に追記)
あっという間に追い越されそうな気がする。一生懸命さの違いだろうか。僕のは、結局のところ生活の一部だし。まぁ、楽しそうにしているのを見ていると、こちらもなんだか嬉しい。
(後に追記)
作って、食べてもらって、作ってもらって、食べて。なんだか、幸せ、な気がする。
(p2.残りは空白)
p3.命中
銃撃が当たると嬉しい。当たらないと弾が無駄になるだけ、じゃなくて他の皆にも迷惑がかかるし。
どうにも当たり目が極端だったので頑張って精度は上げた。それでも五割前後を行き来してるが、当たった時は結構いい所を貫通してたりするので、まあいいことにする。
昔散々練習したけど、冒険者になるまでたいして腕は上がらなかった。やっぱり命がかかってるかかかってないかじゃ違うんだろうか。そのツケは払う羽目になったが……とりあえず置いておいて。
それでも訓練の成果はあったと思う。動かない的にならまず当たるようにはなった。自慢にもならないが。昔はそれすらおぼつかなくて……そもそも何でガンナーになろうなんて思ったんだ。他に特技があるわけでもなし、母上の影響としか言いようがないが……でも母上は大きな猟銃とか撃ってたけど。
最初に撃った獲物はなんだったか。あの時はまだ弾丸が作れなかったから、小さな弓か何か使ってたはずだが。それまで何度も外してたから、倒れたのを見ても信じられなかった……そうだ、確かウサギだ。シチューにして食べたっけ。いくつの時だったかな。姉上がいなかったから、12歳くらいの時だったと思うが。
基本足手まといだったけど、母上にはちょくちょく猟に連れて行かれた。獲物を追いこんだり……考えてみれば荷物持ち兼猟犬扱いだったのかもしれない。猟犬ほどの役にも立たなかったが。それでもごくまれには自分で獲物を撃つこともあった。うまく当たるとやっぱり嬉しい。
初めて動物以外を撃ったのは……あ、タビットだったな。撃ったというか、威嚇のつもりがなんか当たっちゃったというか。研究費に困って盗みに走った奴。自警団の巡回中にたまたま見つけて、撃った……当たったのは耳だ。気絶しちゃったけど、命に別条はなかったと思う。痛いよりも音に驚いたんじゃないだろうか。考えてみれば、のどかな話だ。その後散々ゴーレムだのアンデッドだの……やっぱりあんまり当たらなかったけど。あいつら結構避けるから。
避けないのは、術師とか、僕と同じ射手とか……
(p2.残りは空白)
p4.黒字
思い出したらいけない事を思い出しかけた。やっぱりこのノート無理があるんじゃないか。ま、もうちょっと続けるけど。
いい事、いい事……ああ、黒字。わかりやすいな僕も。
まぁ、冒険者のいい所は、なんだかんだ言ってまず赤字までにはならないことだ。……出た黒字を何に使うかっていったら、主に新しい装備を買うことだけど。余計なことに散財する趣味はないし。
装備を揃えて強くなれれば、危ない冒険に出ても生きて帰って来られる。それを繰り返してたら報酬が増える。稼ぐために冒険してるんだか冒険するために稼いでるんだか。まぁ一応、稼ぐために冒険者やってるわけじゃないが。
結局は繰り返しだけど、毎回黒字を出して行けば余裕はきっと出てくるはずだ。逆に赤字になったら赤字スパイラルだけど。
借りた馬を死なせたりすると最悪で、それはすごく怖い。自分や仲間が死ぬよりはずっとマシだけど、出来る限り無事に返したい。ギルドで気まずいだろうし。
……でもライダーギルドってちょっとレンタル価格設定が高いと思う。育てて維持するコストとか考えると仕方ないんだろうけど。高い騎獣はなかなか借りられない。馬車とかもっと使いたいんだけどな。もっとも、馬車で事故ると一人じゃ済まないのでちょっとプレッシャーはかかる。
空飛ぶ幻獣タイプとかはもっと怖い。当分乗る気はしない。ダニオさんとかよく乗ってられると思う。
あと多分イルカには乗らない。
(p3.残りは空白)
p5.おいしいもの
食事なんてまぁ栄養が取れればそれでいいわけだし、いい食材って値段が高いし、どうせ仕事の時はそんな豪華なもの食べられないわけだし、あんまり贅沢するのも良くないけど、まあたまにはおいしいもの食べてもいいと思う。自腹じゃなければもっといい。
極端なゲテモノとか、腐った系の食べ物は苦手だけど、他はだいたい嫌いなものはない。好きなものは……果物とか。料理じゃないな。
なんだかんだ言って料理は素材だ。調理ってのはそれを誤魔化す技術っていうか。料理が上手い人ほど、結局食材にもこだわるもので。……まぁ、だから僕は上達しないわけだ。
その点で言うと……姉上は、料理が上手いんだと思う。宝の持ち腐れだけど。どうせ僕が食べさせてもらえることなんて滅多にないし。食べさせてもらえるとしても、おまけだし。だからあんまり嬉しくない。なんだかんだ言って料理は気分だ。
季節のものとか、新鮮な肉とか、こだわった調味料のソースとか。おいしいものを食べてる時って、まあ、幸せなんじゃないかと思う。そんな細かい味がわかるようになったのは最近のことだけど。ここ数年は何食べてもあんまり食べてる気しなかったし。……ってことは、マシになってきたってことなんだろうか。少しは。
まぁ、味がわかるのも良し悪しだ。おいしいものが食べられない時に、まずいもので凌ぐのが辛くなる。場合によって舌を付け変えられたらいいのに。食事がまずいと本気で死にたくなる。だいたい一週間もすれば慣れるんだけど、それまでが辛い。
……辛い話は置いといて。食べることはまぁ嫌いじゃない。誰かと一緒なら、もっといい。
(p5.残りは空白)
p6.友人
p7.いい銃
p8.対等な関係
p9.誰かの役に立てること
p10.プレゼント
p11.居心地のいい場所
p12.冬支度
p13.アイリーン
色々書いてきたけど、振り返ってみると……あれ、ほとんどアイリ関係じゃないか。アイリの自覚のなさに戸惑ってきたけど、その辺り僕も相当だったかもしれない。
……違うな。気付いてた。考えないようにしてた。期待しちゃいけないと思ったし、そもそも僕にそんな資格ないって思ってた。
でも、なんだかだんだん……お互い、これは本当なのかもしれないっていうか。
甘えてるのは確かだと思う。だから、もっとちゃんとしなきゃいけないと思う。逃げるんじゃなくて。
僕がどれだけ駄目でも後ろ向きでも、それでもアイリはきっと僕の側にいてくれる。だから、だからこそ、僕はアイリに相応しい僕にならなきゃいけない。二人で溺れてしまわないように。
初めて会った時は、伝説で言う天使みたいだと思った。もう少しして、もっと普通の子なんだと気がついた。それから、とても可愛い子だと思うようになった。
まっすぐで、一生懸命で、少しとぼけてて、側に居るとほっとして、楽しくて……幸せっていうことなんだろうか?
誰かを好きになったことはあっても、両想いになったのは初めてだ。こういうのってまだ、よくわからない。色々初めてのことばかりだ。
不安になろうと思えばいくらだってなれるけど、今はとりあえず考えない。というより、考えられない。僕らしくないな。
(p13.残りはまだ空白)